水槽の珪藻砂利とは!水質改善の効果から期限、珪藻土との違いも解説

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水槽から発生する臭いや飼育水に蓄積する有害な物質を吸着してくれるものとしては、これまで活性炭やゼオライト製のろ過材、添加剤や底砂などが活用されてきました。
そんな中、近年新たな吸着系の素材として注目を集めているのが珪藻砂利です。
珪藻砂利は底面に敷いておくだけで、アンモニアなどの有害物質を吸着し、飼育水の水質をきれいに保つ効果が期待できるという、夢のようなアイテムです。
手軽に使用できる一方、珪藻砂利の効果を効率よく引き出すためには、推奨された方法に沿って正しく使用する必要があるため、使用前に珪藻砂利についての知識を身に着けておくと良いでしょう。
今回のコラムでは、珪藻砂利の特徴とその効果、使用期限や珪藻土との違いについて解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽の珪藻砂利の効果を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水の汚れや臭いを吸着してきれいに保つ手助けをしてくれる素材として、珪藻砂利が注目されています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽の珪藻砂利の効果を解説します。
水槽の珪藻砂利とは

珪藻砂利とは、ナプコから販売されている『稚内珪藻』シリーズのことで、大きな固形の石タイプや、バクテリアを活性化しつつ水質安定を目指す溶液タイプなどが展開されています。
このコラムでは、稚内珪藻シリーズの中でも特に使いやすい砂利タイプを中心に、珪藻砂利の効果やおすすめの生体などをご紹介していきます。
アンモニアを吸着する珪藻質の焼成砂利
珪藻砂利は、稚内層珪藻頁岩を原料に、石や砂利の形状に焼き固めた製品です。
稚内層珪藻頁岩とは北海道稚内市で産出される硬質頁岩で、珪藻の遺骸が長い年月をかけて蓄積・石化した地層のこと。多孔質な構造により、汚れや湿気を吸着し除去する力に優れていることから、様々な形で活用されています。

アクアリウム用に開発された珪藻砂利はいわゆる吸着系の砂利で、特に水槽内のアンモニアの除去に高い効果を発揮します。
その吸着力は、類似する効果を持つゼオライトの約8倍・活性炭の約4倍ほどと言われており、他の吸着材と比較しても非常に高い能力です。
しかも、珪藻砂利に吸着されたアンモニアは外に排出されず、稚内珪藻の細孔内に含まれる微量金属類により分解されるという優れた特徴も有しています。
珪藻砂利は水槽やボトルにそのまま投入して使用できるため、初心者の方も扱いやすく、特別なメンテナンスなども必要ありません。
また、ほとんどの珪藻土製品は吸湿性がある一方で水に弱いのに対して、稚内珪藻シリーズの製品は焼き固めて形成しているため、水に長期間浸けておいても崩れない素材に仕上げられています。
珪藻土との違い

珪藻を使った製品というと、吸湿材としてバスマットやコースターなどの日用品や、調湿性や断熱性に優れた建材などに活用されている珪藻土を思い浮かべる方も多いでしょう。
珪藻土と稚内珪藻は似たような性質を持ちながら、別物として扱われています。
まず異なるのが産地で、珪藻土は日本全国に分布していますが、稚内珪藻は北海道稚内市で産出されるものです。
珪藻土は柔らかい土状の物質ですが、稚内珪藻頁岩は硬度の高い岩石である点も違いでしょう。
また、水槽アイテムとしては素材に空いた細孔の大きさの違いもポイントです。珪藻土がマクロポアなのに対して、稚内珪藻(頁岩)はメソポアに分類されており、稚内珪藻頁岩の方がより微細で面積が広く吸着性に優れています。
まとめると、稚内珪藻頁岩は珪藻土より純度が高く細孔が多いため、アンモニアなどの不純物をより効率良く吸着できるハイグレードな存在と言えるでしょう。

ちなみに、純度が高い珪藻頁岩ほど赤茶色に近い色をしており、日本で流通している安価な白っぽい珪藻土はほとんどが外国産のマクロポアです。
珪藻砂利・石の使用がおすすめな生体

アンモニアを効率的に吸着できる珪藻砂利や珪藻石は、亜硝酸や硝酸塩の発生を抑制し、結果的にコケの繁茂を抑えるなど、水槽環境を維持するのに多くのメリットがあります。
珪藻砂利はどんな水生生物にも有効ですが、ここでは特に使用がおすすめな生体を6種ご紹介します。
ベタ
超小型水槽やボトルで飼育されることも多いベタは、稚内珪藻のメリットを感じやすい魚種の代表格です。
ろ過フィルターを使用せずに飼育されることが多いため、水質管理のサポートに稚内珪藻砂利を利用することができます。
また、亜硝酸や硝酸塩を抑制できるため、コケの発生を防げる点でもおすすめです。
金魚
金魚は大食漢でフンが多いため、特に水槽の立ち上げ初期にアンモニアが高濃度になりやすい魚種です。
珪藻砂利でアンモニアを完全に除去することは難しいですが、水槽立ち上げ直後の急激な水質悪化を防ぐサポートアイテムとして活用すれば、飼育を軌道に乗せやすくなるでしょう。
水質が安定した後も、コケやアオコの発生を抑えたり、臭いを抑制したりなどの目的で継続して使用が可能です。
メダカ
メダカも小型水槽やボトルを使った、ろ過フィルターを設置しないスタイルで飼育されることが多い魚種のため、稚内珪藻砂利を敷いて水質を安定させてあげるのがおすすめです。
ただ、稚内珪藻砂利を敷くとややpHが酸性傾向に傾きやすくなるため、特に稚魚を飼育している場合は、容器の大きさに合わせて量を調整するなど、臨機応変に対応しましょう。
ビーシュリンプ
水質に敏感なビーシュリンプの飼育では、吸着系ソイルと稚内珪藻砂利を併用したスタイルがおすすめ。
清浄な水質が維持しやすくなり、ビーシュリンプの安定した飼育が可能となります。
ビーシュリンプはエビの中ではコケ取り能力が低いため、コケの発生を抑制できる点でも稚内珪藻のメリットを感じやすいでしょう。
カメ

臭いが気になる水棲ガメ・リクガメの飼育にも稚内珪藻が活用できます。
水棲ガメの場合は飼育水に、リクガメの場合はケージに設置することで独特の臭いを抑えて、鑑賞性を高めてくれるでしょう。
フンなどの汚れを分解する効果は無いためこまめな掃除は必要ですが、水棲ガメの場合は水質の急激な悪化を抑えコケの発生も抑制できるので、大きなメリットがあります。
爬虫類

トカゲやヤモリなどの爬虫類には、 砂利よりも粒が大きい稚内珪藻シリーズの石タイプがおすすめです。
ケージ内に設置することで、フンから発生するアンモニア臭を吸着してくれます。
また、赤茶色をしているので、レイアウトの一部としても爬虫類水槽の景観によくマッチするでしょう。
珪藻砂利・石を使用する際のコツ

幅広い生体の飼育に活用できる珪藻砂利・石ですが、やはり使用方法に沿って使わなければ、その効果を十分に引き出すことができません。
最後に、珪藻砂利・石を使用する際のコツを解説します。
交換頻度は約半年~1年ほど
使用環境によって多少の違いはありますが、珪藻砂利・石の効果が持続するのは約半年~1年ほどです。
特にろ過フィルターなどを設置せずに、珪藻砂利・石のみで水質を維持している場合は、効果が切れてしまうと水質が急変してしまう危険があるため、半年ごとなど期限を決めて確実に交換するようにしましょう。
効果が切れた珪藻砂利は、水質の維持などに活用することはできませんが、何か悪影響が出るということもないので、そのままレイアウト素材として用いることが可能です。
暖かみのある赤茶色の砂利や石は、ナチュラルテイストの水槽や柔らかい雰囲気のレイアウトに良く合います。
また、生き物や水草の色彩を邪魔しないので、鮮やかな金魚や改良メダカ、トカゲやヤモリなどの爬虫類の色を引き立てたいときにもおすすめです。
使用量の目安
珪藻砂利を水槽に敷くときは、30cmキューブ水槽程度の大きさに対して1袋(120g)が基本です。
ベタなどの超小型水槽向けには、さらに少量の60gサイズも用意されているので、飼育容器の大きさに合わせて選びましょう。
使用前にはよく流水ですすぎ、汚れを落としてから水槽やろ過フィルター内に導入します。
量が多すぎると水質が酸性に傾くことがあるので、導入後はpHの変化に注意してください。
大きめの水槽の場合は、底砂すべてを珪藻砂利にするのではなく、別の砂利と併用して水質管理のサポート材として使用するのがおすすめです。
まとめ:水槽の珪藻砂利とは!水質改善の効果から期限、珪藻土との違いも解説

稚内珪藻砂利は、北海道稚内市で産出される珪藻頁岩を焼き固めたもので、一般的な珪藻土よりも純度が高く、より微細な多孔質を持つ吸着材です。
その吸着力はゼオライトの約8倍、活性炭の約4倍で水槽内のアンモニアを効率的に吸着し、水質を清浄に保つ手助けをしてくれます。
さらに、稚内珪藻は吸着したアンモニアを外に排出せずに、微量金属成分によって分解する点も使いやすいです。
観賞魚では、ろ過フィルターを設置せずに飼育されることが多いベタやメダカ、爬虫類ではカメやトカゲなどの飼育で特に活躍するでしょう。
稚内珪藻の交換頻度は約半年〜1年程度、大量に導入すると水質が酸性に傾くことがあるため、1つの水槽に1袋を目安に導入してください。
稚内珪藻は、調湿性・断熱性に優れた素材としてよく知られている珪藻土よりも、さらにグレードの高い製品です。
稚内珪藻砂利の特徴を理解して、最大の効果を引き出す方法で使用しましょう。
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