金魚とは!特徴・生態・種類・餌・寿命などを紹介!奥深い観賞魚です
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日本で定番の観賞魚といえば、金魚と答える人が圧倒的多数を占めることでしょう。
金魚は教育の一環として小学校の教室で飼われることも多いですし、夏祭りの金魚すくいは日本の風物詩とも言われています。
そんな私たちに馴染み深い金魚について、今一度、深掘りしてみるのはいかがでしょうか。
このコラムでは金魚の生体や基本的な飼い方、種類、寿命などについて、わかりやすく解説をしていきます。
金魚好きな方も、まだ金魚のことをよく知らないという方も、ぜひこの機会に金魚の奥深い魅力を味わってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚の特徴・生態・種類・餌・寿命などを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
日本人に馴染み深い観賞魚である金魚は、古くからより美しくあるよう、人々が品種改良を重ねた結果、現在の姿に定着しました。
誰もが目にしたことがある生き物ですが、意外詳しい生態や細かな種類、特徴などを知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚の特徴・生態・種類・餌・寿命などを解説します。
奥深い金魚の世界を少しでも身近に感じていただけたら幸いです。
金魚とは
金魚とは野生のフナが赤い体色へと突然変異したものを人為的に選択し、観賞用に改良を重ねた魚のことを指します。
中国が原産で、今から約500年前に日本へとやってきました。
いまや世界中で人気を集めている金魚。
近年の研究では、金魚はもともと遺伝的変異を起こしやすい性質をもっていることがわかり、その特徴を利用して、世界中で様々な品種改良が行なわれています。
このコラムではそんな金魚について、
- 金魚の生態・基本の飼い方
- 金魚の種類
- 金魚の餌
- 金魚の寿命・病気
- 金魚の奥深い鑑賞性と審美性
以上5つの視点から、深掘りをしていこうと思います。
金魚の生態・基本の飼い方
まずは金魚の生体と基本の飼育方法についてご紹介をしていきます。
- 日本の水質が得意
- 何でも食べる!
- 60cm水槽での飼育がおすすめ
以上3つの視点から解説しますので、今後はじめての金魚飼育を検討されている方はぜひご覧になってみてください。
日本の水質が得意
まずは金魚が得意とする水質について。
水生生物の飼育では生体の好みの水質に飼育環境を整えることが特に重要とされていますが、金魚の場合はpH7.0の、中性付近の飼育水を好みます。
日本の水道水は厚生労働省の水質基準により『pH5.8以上8.6以下』と定められているのですが、平均的に見ると、全国どの地域でもpH7.0~7.5付近を保っています。
つまり金魚は、日本国内ではとても飼育しやすい魚種と言えるのです。
日本以外では、後述する尾ひれがハート型の『ブリストル朱文金』を作出したイギリスでも金魚飼育が盛んです。
何でも食べる!
金魚は雑食性かつ大食漢なお魚なので、口に入るものであれば、大抵は何でも食べます。
稚魚や稚エビ、柔らかい水草なども食べてしまいますので、混泳する際には十分に注意しましょう。
そんな金魚ですが、唯一クリルなどの海水系の餌は、塩分が強いせいか苦手としています。
60cm水槽での飼育がおすすめ
金魚は幼魚の頃とは比較にならないほど大型に成長します。
さらに上述したように、とにかくよく食べて糞を出すため、水を汚しやすい魚でもあります。そのため、少し大きな水槽で水量に余裕をもって飼育した方が水質管理がうまくいきやすいです。
終生飼育をするのであれば、幅45~60cm以上の水槽を用意してあげましょう。
海外では動物愛護の観点から、金魚の飼育基準が日本よりもはるかに厳しく、1匹あたり25~30L以上の水量が確保できないと販売を断られるケースもあるようです。
金魚が居心地良く過ごせるように、十分な水量のある適切な設備で飼育してやりましょう。
金魚の種類
続いては金魚の種類についての解説です。
金魚は日本で作出された品種だけでも30以上の種類があります。
これに中国やイギリス、アメリカなど世界各地で改良された品種が加わるので、その数は100種類以上とも言われているのです。
そんな金魚の品種の中から今回は、
- 和金タイプ
- 琉金タイプ
- その他の系統
以上3つのカテゴリーに分けて、主要なものをご紹介していきます。
和金タイプ
まずは和金タイプの金魚について。
金魚の中では原種のフナにもっとも近い体型をしており、細長い流線型をしているのが特徴のひとつです。
泳ぎが素早く、丈夫で飼いやすい品種と紹介されることも多いです。
和金タイプに当てはまる金魚の品種としては、
- 和金
- 朱文金
- 庄内金魚
- コメット
- 和唐内(ワトウナイ)
などが挙げられます。
和金
和金は原種のフナにもっとも近い品種とされており、体長は30cm以上にまで成長することがあります。
入手しやすく、丈夫で飼いやすい品種です。
朱文金
朱文金は和金、三色出目金、ヒブナの三種を交配させた結果誕生した品種と言われています。赤、白、黒、藍の4色からなる体色と模様のバランスがとても美しい金魚です。
中でも尾がハート型のブリストル朱文金は高い人気を誇ります。
庄内金魚
庄内金魚は和金とオランダ獅子頭から作出された品種で、大正期に山形県庄内地方で誕生しました。
紅白が鮮やかな体と、艶やかに垂れ下がった尾ひれが印象的です。
コメット
コメットは後述する琉金と、アメリカフナの交配によってアメリカで作出された品種と言われています。
張りのある長い尾をなびかせながら素早く泳ぐ姿が彗星(コメット)を連想させるため、その名が付きました。
和唐内
和唐内は和金と琉金の交雑品種と考えられています。
和金タイプの金魚の中では、どちらかというと体高のあるぷっくりとした体型をしていて、大きく成長しやすいのが特徴です。
琉金タイプ
続いては琉金タイプの金魚について。
体長が短く丸みを帯びた体型をしており、大きな尾が特徴です。
体型の影響で泳ぎが遅めですが、和金タイプと比較すると穏やかで人馴れしやすい性格をしています。
琉金タイプに当てはまる金魚の品種としては、
- 琉金
- 玉サバ
- 土佐錦
などが挙げられます。
琉金
琉金は江戸時代に中国から琉球経由で日本にやってきました。
流通量が多く、丈夫で飼いやすいので初心者向けとも言われていますが、体が大きく色鮮やかに成長した個体などは高値で取引されることもある見応えのある金魚です。
玉サバ
玉サバは、新潟県中越地方で庄内金魚と琉金を交配させて生まれた品種です。
琉金よりもさらに丸々とした体型をしており、コメットに似た吹き流し尾をもっています。また、寒さに高い耐性があるのも特徴です。
土佐錦
土佐錦は高知県の天然記念物としても知られており、上方向に反り返った特徴的な尾が魅力です。
水質の変化に敏感で飼育難易度が高いため、金魚の飼育に慣れた上級者向けの品種と言われています。
その他の系統
最後に独特のフォルムが魅力的なその他の品種系統として、
- 出目金
- オランダ獅子頭
- ランチュウ
- ピンポンパール
の4種をご紹介します。
出目金
出目金は左右に突出した目が特徴的な金魚で、明治時代頃に中国から渡ってきました。
眼球を傷付けないように水槽レイアウトに気を遣う必要はあるものの、基本的には丈夫で飼いやすい品種です。
オランダ獅子頭
オランダ獅子頭は、突然変異で頭部の肉瘤が発達した琉金を選別・固定化した品種と言われています。
大型化しやすい品種で、大切に育てれば体長は30cmを超えることも。中には40cmを超える『ジャンボオランダ』と呼ばれる品種も存在する、迫力のある金魚です。
らんちゅう
らんちゅうは楕円形の体型に加え、背びれが無いのが最大の特徴です。
頭部の肉瘤も豊かに発達しますが、品評会では体型とのバランスが取れた個体が良いとされています。
ピンポンパール
ピンポンパールはその名の通りピンポン玉のような真ん丸な体型と、真珠のようにきらめく鱗が特徴の品種です。
入手難易度はそれほど高くなく、ホームセンターなどでも見かけることがあります。
金魚の餌
続いては金魚の餌について、
- 基本は人工飼料
- 繁殖では赤虫や青水もおすすめ
以上2つの視点から解説していきます。
基本は人工飼料
金魚には基本的に人工飼料を与えます。
人工飼料は金魚の健康を考えて必要な栄養素がバランスよく配合された総合栄養食です。
「繁殖を狙いたい」「肉瘤を大きく育てたい」「便秘を解消したい」など、金魚の種類やニーズに合わせた餌を選択できるので、まずは人工飼料で育てていきましょう。
また、金魚の中でも特に琉金のような丸い体型の品種は、背骨が短いために便秘になりやすい傾向にあります。
これらの品種は、消化不良や便秘がきっかけで体調不良を起こすことも多いため、消化の良い餌を与えましょう。
繁殖では赤虫や青水もおすすめ
繁殖が目的であったり屋外飼育をする際には、栄養豊富な赤虫や青水(グリーンウォーター)での飼育もおすすめです。
ただし水が汚れやすかったり見栄えの面で劣るというデメリットがあるため、室内での水槽管理ではあまり現実的ではありません。
また、これらの餌は食いつきが良い反面、バランスが偏りやすいという難点も持ち合わせています。どの餌にも言えることではありますが、一つの餌ばかり与えていると、不足する栄養素が出てきますので、いくつかの餌を取り交ぜながらバランスの良い食事を目指しましょう。
金魚の寿命・病気
続いては金魚の寿命と病気についてです。
- 寿命は10年以上
- 金魚は病気にかかりやすいと言われる理由
これら2つの視点から解説していきます。
寿命は10年以上
金魚すくいの金魚がすぐに命を落としてしまうイメージから、金魚は短命だと思われている方が多いです。
しかし実は、金魚は長生きな観賞魚で、適切な環境で育てれば寿命は10年以上と言われています。
イギリスで飼育されていた和金が43歳を迎え、これはギネス記録にも認定されました。
意外と長寿な金魚ですが、病気になりやすいのも事実です。
日頃からよく観察し、少しでも異変があれば早期に対処できるよう備えておきましょう。
金魚は病気にかかりやすいと言われる理由
先程も軽く触れましたが、金魚は寿命の割には病気にかかりやすい生き物です。
そしてその理由としては、排便が下手であったり、底砂をつつく習性があるからだと考えられます。
つまり金魚はお腹の中に菌が溜まりやすく、そこから体調不良や感染症を起こしてしまうのです。
金魚は水質の変化には強い品種が多いのですが、きれいな水で飼育するに越したことはありません。
体調が悪いと感じたときには全量近い水を換水し飼育を仕切り直したほうが、病気が快方に向うことが多いです。
金魚の奥深い鑑賞性と審美性
金魚は一見すると品種による変化に乏しく、他の熱帯魚のように品種によって体色が大きく異なるというわけでもありません。
メダカすら近年ではカラフル化が進んでいますが、金魚は基本的には赤・白・黒の3色で成り立っています。
つまり金魚は、体型やヒレの形状、顔立ちなどで個性を確立し品種として成り立たせている、唯一の観賞魚と言えるのです。
「赤色」や「夏祭り」という言葉から金魚がイメージされるように、不動の魅力を築いています。
そして金魚がこれ程までに独自の魅力を築き上げてこれた理由としては、人々に愛されより美しくという願いを込めて品種改良され続けてきた、長い歴史があるからこそです。
さらに金魚は、たとえ同じ品種であっても、地域によって美しいとされる基準に差が生じることさえあります。
例えばランチュウには大阪・宇野系・協会系といった3系統があり、それぞれ異なる特長(美しさ)を重んじてます。
美しさの基準に地域差があるのは、日本人ならではの感覚と言えるでしょう。
個体ごとの違いをベースとして新たな品種が作出され、ますます人々を魅了していく。
そんなサイクルができているからこそ、金魚は奥深く魅力あふれる魚として愛され続けているのだと思います。
まとめ:金魚とは!特徴・生態・種類・餌・寿命などを紹介!奥深い観賞魚です
今回は金魚の生体や基本的な飼い方、種類、寿命、奥深さなどについて解説をしてきました。
約500年前に日本へやってきた金魚は、長い時を経て品種改良が重ねられ、今でも多くの人々を魅了し続けています。
水質の変化に強く、よく食べ大きく成長し、個性によってその存在価値を確立してきた金魚たち。
このコラムで、そんな金魚の魅力や奥深さが少しでも伝わりましたら、とても嬉しく思います。
そして、金魚はとても長生きな観賞魚です。どの金魚も適切な環境で上手に飼育すれば長く連れ添うことができます。ぜひ、大切に育ててみてください。
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