水棲カメとは!特徴から主な種類、終生飼育できる水槽サイズを紹介!
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ゆったりとした動きとユニークな外見で人気を集めるカメ。その中でも主に水中で暮らす水棲カメは、水槽で飼育することからアクアリストの間でも愛好家が多い生き物です。
ミドリガメやクサガメは一般にも広く浸透しており、野生化したものを日本の河川で目にすることもあります。
そんな水棲カメは自宅で飼育することができますが、長寿な上に大きく成長するため、終生飼育には頑丈な大型水槽が必要です。また、品種によっては特定外来生物に指定されているため、売買の禁止などのルールが法令で定められていることも。
飼うならば知識と覚悟を持って飼育を始めましょう。
ここでは水棲カメの特徴と主な種類、終生飼育できる水槽サイズをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水棲カメの特徴、終生飼育できる水槽サイズを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
ミドリガメなどの水棲カメは、自宅で飼育することができる生き物です。
ただ、長寿で大型化する品種が多いため、大きな水槽を準備する必要があるなど、しっかり準備をしてから飼育を始めるようにしましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水棲カメの特徴、終生飼育できる水槽サイズを解説します。
水棲カメとは
水棲カメは、主に水中で生活するカメのことです。
水棲カメの中でも、水中と陸地を行き来する半水棲カメと一日の大半を水中で過ごす水棲カメに分けられますが、ミドリガメやクサガメなど、アクアリウムでよく見かける水棲カメは、大半が半水棲カメに分類されます。
水棲カメは丈夫で飼いやすい種類が多いことから、爬虫類初心者でも飼育に挑戦できる人気の生き物です。
また人によく慣れる性質があり、水槽に近付くと寄ってくる人懐っこさと、愛嬌のあるユニークな外見が多くの人を引き付けています。
水棲カメを飼育する環境は?
水棲カメは水中で過ごしながら時折陸地に上がり、甲羅を乾かしたり、日光浴をしてビタミンなどの栄養を生成したりします。
これは自宅で飼育する場合も同じですので、水槽の中に陸地や足場を作って日光浴ができる場所を確保してあげましょう。
陸地には太陽の代わりになるUVライトや体を温めるバスキングライトなど爬虫類用のライトも設置してあげてください。
また、半水棲、水棲どちらの場合も、泳いでいるときに水面に顔を出して呼吸をしますので、水槽の上部5cm程度は水を入れずに空けておくのがおすすめです。
家で飼育できる水棲カメの主な種類
家で飼育できる主な水棲カメは次の4種類です。
- ミドリガメ
- クサガメ
- ミシシッピニオイガメ
- キボシイシガメ
- スッポンモドキ
ここからは、水棲カメの品種を、特徴や必要な水槽サイズなどと合わせてご紹介します。
どれも丈夫で、初心者でも飼育に挑戦しやすい種類ですので、水棲カメの飼育を検討中の方はぜひ、ご覧ください。
ミドリガメ:規制を守ろう
水棲カメの中でも一番名が知られているのが、ミドリガメです。
日本の河川でも見かけるこのカメは、正式名称を『ミシシッピアカミミガメ』といって、その名の通り元々は北アメリカが原産地。一昔前に、ペット用に輸入されてきたものが野生化して日本の河川に住みついた外来種です。
愛嬌があり人に慣れやすいうえに丈夫ですので、水棲カメ初心者の方でも飼育することが可能です。
流通しているミドリガメは小さな幼体がほとんどですが、成体になると20cmを超える大型に成長します。そのため、飼育する場合は60~90cm以上の水槽がおすすめです。
ミドリガメは条件付特定外来生物に指定されている
ミドリガメは、2023年6月1日から条件付特定外来生物に指定されたことで、取り巻く状況が一変しています。
条件付きということで、一般家庭での飼育や譲渡に制限はありませんが、売買は禁止となりました。
また、河川や湖沼などの自然に放流するのも禁止で、違反した場合には罰則が課せられることもあります。
以前のような気軽に飼育できるカメでは無くなっていますので、終生飼育を原則として責任を持って飼い始めることが大切です。
クサガメ:60~90cm水槽以上がおすすめ
落ち着いた色合いのクサガメは、丈夫で飼いやすい水棲カメです。
古くから日本に生息しているため、在来種と考えられていましたが、近年の研究で中国に生息していたカメが輸入されて日本に居ついた外来種だと判明しています。
好奇心旺盛で水槽内でもよく動き回りますので、見ていて飽きることがありません。成体は25cm程度になりますが、ミドリガメよりも大型化しない傾向があるため60~90cm水槽で飼育できます。
日本の環境にも適応していることから、水温の変化に強く飼育は容易な部類ですが、身に危険を感じると臭いにおいを発するため、あまり刺激はしないよう注意しましょう。
ミシシッピニオイガメ:60cm水槽でも飼える!
水棲カメの中でも小型なのがミシシッピニオイガメです。
成長しても13cm程度ですので、60cm水槽で終生飼育ができます。大型水槽でなくても飼える上に、飼育も難しくないため、カメを初めて飼う人にもおすすめの種類です。
落ち着いた色合いの甲羅に、目元にかけて入る黄色い模様がチャームポイントで、サイズも相まって愛らしい印象が強いカメですが、先ほどのクサガメと同様に危険を感じたり、ひどく怯えたりすると臭いを放ちます。
外敵の少ない飼育下で臭いが気になることは基本的にありませんが、こちらも刺激を与え過ぎないよう注意しましょう。
キボシイシガメ:45~60cm水槽以上がおすすめ
こちらも最大体長約13cmほどの、小型カメです。
45cm以上の水槽で飼育でき、60cm水槽で終生飼育可能な為、比較的手軽に飼育できる種類でしょう。
その名の通り、黒い甲羅に黄色いスポット模様があり、かわいらしいカメです。
北米原産なので寒さに強く、日本でも冬眠をするなどして越冬できます。
水棲カメのなかでも温和な性格なので、カメ飼育の初心者からおすすめです。
スッポンモドキ:大型水槽が必要!
スッポンモドキは、大型の水棲カメです。
ここまでご紹介した3種は半水棲で水槽内に陸地が必要な種類でしたが、スッポンモドキは、ほとんどを水中で過ごす水棲カメ。産卵の時以外に陸地に上がることはほぼないため、飼育するときは陸地やレイアウトを作らないベアタンク式がおすすめです。
水槽内を活発に泳ぎ回るスッポンモドキはウミガメのような迫力があり、また豚のような愛嬌のある鼻と顔立ちが可愛らしいと、大型種ながら人気があります。
人慣れしている個体は人影を見つけると近寄ってきてくれる、ペットのような愛らしさも魅力です。
ただし、成長したものは50cmを超えますので、飼育には最低でも120cm 以上の水槽が必要です。丈夫で飼育自体は難しくありませんが、設備のことを考えると、飼育難易度は高いと言えるでしょう。
水棲カメを終生飼育できる水槽とは
水棲カメは水槽で飼育することができます。ただ、熱帯魚などの魚と違い、硬い甲羅や爪を持つため、水槽のガラス面やシリコン接着の部分に傷を付けてしまうことも。
また、どの品種も大きくなるため、飼育を始める時点で成長後を見越した大きさの水槽を用意しておきましょう。
これらの点を踏まえて、ここからは水棲カメを自宅で終生飼育するための水槽についてお話していきます。
カメは爪が鋭い!
水棲カメは陸地を歩いたり、獲物を捕まえたりするときに使う鋭い爪を持っており、この爪で水槽内のガラス面やシリコン部分を傷つけてしまうことがあります。
特にシリコン部分の傷は深刻な問題で、そこから水漏れなどのトラブルにつながるため、水棲カメを飼育するならば、対策を施した丈夫な水槽を用意しましょう。
シリコンの接合部を丈夫にするのにおすすめなのが、ワームプロテクト加工です。シリコン部分を樹脂で固めて守る加工で、主にオーダーメイド水槽のオプションで施すことができます。
※写真はワームプロテクトと、後述するフランジが付いた水槽です。
市販水槽ではワームプロテクト加工がされた水槽はあまり販売されていませんので、必然的にアクリル水槽やプラスチックのカメ用水槽が候補になります。
大きな衣装ケースでも飼育することもできますが、この場合は水槽用機材の取り付けが自己責任となりますので、十分注意してください。また、衣装ケースは壁面の高さがないため脱走にも注意です。
脱走に注意!
水棲カメは足が強く、水槽の壁面を器用によじ登ってしまうため、脱走対策が必須です。
水槽にフタをするほか、オーダーメイド水槽ならばフランジ加工、市販水槽ならばフレーム水槽を使用するのが良いでしょう。
大きめの水槽を用意しよう
前述の通り、カメはとても大きく成長する生き物です。子供の頃は小型水槽やプラスチックケースでも飼育できますが、すぐに窮屈になってしまいますので、必ず大きめの水槽を用意しましょう。
小型のミシシッピニオイガメで60cm水槽、ミドリガメやクサガメは90cmクラスの水槽があると安心です。
終生飼育には特注水槽がおすすめ
水棲カメは市販水槽でも飼育することができますが、終生飼育を考えると最初に特注水槽を作ってしまうのが良いでしょう。
カメの成長に合わせて水槽サイズをアップグレードしていくのはコストがかかりますし、スッポンモドキのような大型種だと、市販水槽ではサイズが合わなくなる日が来ます。
また、水棲カメは長寿な種類が多く10年から長いものでは30年以上飼育を続けることになりますので、水槽の劣化や脱走のリスクを考えると、特注で丈夫な水槽を作った方が長持ちして経済的です。
東京アクアガーデンでは、オーダーメイドで水槽を制作していますので、お気軽にご相談ください。下記は、スッポンモドキを飼育するための水槽を制作した事例です。
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放流は厳禁!かならず終生飼育しよう
水棲カメに限った話ではありませんが、飼育を始めるのであれば終生飼育が絶対です。
特別外来生物に指定されているミドリガメはもちろんのこと、その他の種類であっても放流は止めましょう。
外来種、在来種に関わらず飼育されていたカメを放流することは、生態系の破壊につながります。
水棲カメは丈夫で、外来種でも日本の気候に適応できてしまうため、河川や湖沼に放つと繁殖して定着してしまう可能性も否定できません。
大きくなること、10年以上の長い付き合いになることを念頭に、終生飼育が可能かどうかをよく考えてから飼育を始めるようにしてください。
まとめ:水棲カメとは!特徴から主な種類、終生飼育できる水槽サイズを紹介!
今回は水棲カメの特徴と主な種類、終生飼育できる水槽サイズをご紹介しました。
水棲カメは丈夫で飼いやすい種類が多く、初心者の方でも飼育に挑戦しやすい生体です。
ただ、10年以上生きる長寿な品種が多く、大きく成長するため、飼いきれなくなることがないよう、必ず飼育する前に生態を把握しておきましょう。
とはいえ、愛嬌のある顔立ちや可愛らしい仕草はとても魅力的ですし、長期間一緒にいることができるパートナーのような安心感を得ることができるのは、長生きなカメならではです。
飼育設備を用意できて責任を持って終生飼育できる方は、水棲カメをお迎えしてみてはいかがでしょうか。
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