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家庭用の魚病薬として親しまれている『グリーンF』は、主に白点病や尾ぐされ病、水カビ病などの治療に用いられます。
流通量が多くアクアリウムショップはもちろん、インターネット通販や大きなホームセンターなどでも取り扱われているので、初心者でも手に取りやすいです。
また種類が豊富なのも特徴で、定番の顆粒タイプをはじめ、使いやすいリキッドタイプや水草などに与える影響が少ないクリアーなど、タイプによってそれぞれ使い心地や効果のある病気に違いがあるため、魚の症状や水槽のスタイルに合わせて適切なものを選びましょう。
今回のコラムでは、代表的な魚病薬である『グリーンF』について、リキッドやクリアーなどの各種の違いと効果、使用方法を詳しく解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに定番の魚病薬グリーンFの種類や使用方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
白点病などの治療に使われる『グリーンF』は、使い方が簡単で誰でも安心して魚の治療ができるのが魅力です。
種類もたくさん販売されているので、使いやすいもの、飼育スタイルに合ったものを選びましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、定番の魚病薬グリーンFの種類や使用方法を解説します。
グリーンFとは
『グリーンF』は動物や観賞魚の関連商品を数多く取り扱う日本の企業、日本動物薬品株式会社(ニチドウ)から販売されている魚病薬です。
市販されている魚病薬としてはかなり歴史が深く、現在に至るまで魚病薬の定番商品として多くのアクアリストに支持されています。
主な成分はメチレンブルー、クロルヘキシジン塩酸塩、アクリノール水和物などで、主に白点病や水カビ病、尾くされ病などの細菌性感染症に効果的です。
またグリーンFは薬の形状や内容のバリエーションが豊富で、粉末タイプ、液体タイプ、水草水槽にも直接添加できるクリアーなど、水槽のスタイルに合わせて選択できる使い勝手の良さがあります。
グリーンFを使う上での注意点
数多くの病気の治療に使用できるグリーンFですが、使用する上でいくつかの注意点があります。
- エラが大きなナマズ類や古代魚には使用できない
- ゼオライトや活性炭とは併用できない
- 着色性のタイプは遮光が必要
まずほかの魚病薬と同様に、エラが大きく薬品の成分を吸収しすぎてしまうナマズ類やアロワナなどの古代魚には、薬効が強く作用過ぎてしまう危険があるため、基本的に使用することができません。
また、ゼオライトや活性炭をろ材などに使用している水槽では、せっかくの薬効が吸着されて取り除かれてしまうため、必ずこれらのろ材を外してからグリーンFを添加してください。
最後に、水槽の水が青く染まる着色性のグリーンFは、有効成分が光によって分解されてしまうので、治療中は遮光して使用しましょう。
そのほかの細かい注意点については薬の注意書きに記載がされています。必ず使用前に確認をしてください。
グリーンF系統の魚病薬
グリーンFシリーズの薬は、それぞれ含まれている成分や効能が少しずつ異なります。
名前が似ているからと言って同じ薬というわけではありませんので、しっかり内容を確認した上で適切な薬を選びましょう。
ここでは、グリーンF系統の魚病薬のそれぞれの特徴や使い方を詳しく解説します。
グリーンF
『グリーンF』は、メチレンブルーとニトロフラゾンを配合した粉末状の魚病薬です。
医薬品として初めて承認されたのが1969年と、日本の魚病薬の中でも特に長い歴史を持つ安心の薬で、アクアリストから支持され続けています。
白点病や尾ぐされ病の治療薬
グリーンFは、白点病、尾ぐされ病、水カビ病といった、観賞魚によく見られる代表的な病気の治療に用いられます。
薬に含まれるニトロフラゾンの力により、幅広い細菌性感染症に効果的なため、複数の症状を呈する病魚の治療にもおすすめです。
使用方法
グリーンFは着色性の薬のため、そのまま本水槽に添加してしまうとレイアウトアイテムや水槽が着色してしまう可能性があります。
そのため、まずは病魚を別容器に隔離してから治療を開始しましょう。
容器の準備が出来たら、水30~40LにグリーンF5g(ニトロフラゾンとして0.3g)を、少しずつ加えながらよく撹拌します。
グリーンFは5gずつに小袋に分かれているので、計量がしやすいです。
薬液に病魚を入れたら症状が改善されるか、異変は起きていないかを注意深く観察しながら治療を進めてください。
ニューグリーンF
『ニューグリーンF』は、名前の通りグリーンFの後継製品として誕生した粉末状の魚病薬です。
主成分としてメチレンブルー、クロルヘキシジン塩酸塩、アクリノール水和物が配合されています。
グリーンFの効果に加えて傷口を保護できる
ニューグリーンFで治療できる病気は主に、白点病、尾ぐされ病、水カビ病などの細菌性感染症と外傷の治癒です。
グリーンFと大きく異なるのが外傷にも効果が期待できる点。アクリノール水和物が傷口を保護して、外傷から細菌に感染するのを防いでくれるため、二次感染が心配な場合に使用するのも良い方法です。
使用方法
ニューグリーンFも着色性がありますので、治療は病魚を別容器に隔離して行いましょう。
準備が出来たら、水約50Lに対してニューグリーンF5gを添加し、よくかき混ぜます。
グリーンFから使用量の計算がしやすく改良されていますので、水の量に注意してください。
薬浴の期間は5日~7日間が目安です。
グリーンFリキッド
『グリーンFリキッド』は、メチレンブルーとアクリノール水和物を主成分とした、液体タイプの魚病薬です。
粉末タイプよりも撹拌がしやすく、シンプルな使い心地で初心者の方から使用できます。
メチレンブルーが主成分の液体薬品
グリーンFリキッドの主成分であるメチレンブルーは殺菌作用が高い薬剤で、病気の原因となる細菌や原生生物の駆除に高い効果を発揮します。
このことから、白点病、尾ぐされ病、水カビ病などの細菌性感染症ならびに、外傷の保護にも最適です。
使用方法
液体タイプのグリーンFリキッドは、粉末タイプに比べて希釈が簡単です。
水6~7.5Lに対して本剤を5ml添加し、よく混ぜて薬液を作ります。
グリーンFリキッドはかなり着色性が強い性質があるため、必ず隔離容器で治療を行ってください。
石や底砂、容器まで着色してしまうため、治療環境には何も入れずシンプルにするのがおすすめです。
グリーンFクリア-
『グリーンFクリアー』は、二酸化塩素を主成分とする液体魚病薬です。
主に白点病の治療で高い効果を発揮します。
クリアーという名前の通り、着色成分が含まれていない点で他の着色性グリーンFとは一線を画す製品です。
水草水槽にそのまま使える!白点病の薬
着色成分が入っておらず水草を枯らす心配が少ないグリーンFリキッドは、水草やレイアウト、ろ過フィルターを設置している本水槽にもそのまま添加できるのが最大の魅力です。
治療対象となる白点病は原因となる寄生虫が水槽内に潜んでいることが多く、病魚を隔離して治療するだけでは根本的な解決に至らない場合があります。
このような時グリーンFリキッドを使って本水槽全体を薬浴すれば、水中を漂う原因の寄生虫を駆除して安定した水槽環境を取り戻すことが可能です。
他のグリーンFシリーズと比較すると価格は高めですが、病魚が複数出ているときやレイアウトを崩したくないときなどは特に重宝します。
使用方法
飼育水200Lに対して、グリーンFクリアーを100ml添加します。
希釈量は計算しやすいですが基準の水量が多いため、水量の少ない容器や小型水槽で使用する場合は薬剤の量にご注意ください。
薬浴の期間は7日間が目安です。水草を植えている水槽で使用する場合は、治療後に飼育水の約50%を水換えすると水草への影響を最小限に抑えられます。
グリーンFゴールドとの違い
グリーンFというと、もう一つ有名なのが『グリーンFゴールド顆粒』を始めとした”グリーンFゴールド”系統の薬ですが、グリーンFとグリーンFゴールドは成分や薬効が異なる別の薬です。
グリーンFゴールド系統の魚病薬はどれも抗菌剤であり、細菌性感染症の治療に効果的です。
『グリーンFゴールド顆粒』は、ニトロフラゾンとスルファメラジンナトリウムを主成分とする薬で、尾ぐされ病や口ぐされ病などを引き起こすカラムナリス菌感染症の治療に主に使用されます。また、その他の細菌性感染症にも幅広く効果が期待できるため、魚の常備薬としてもおすすめです。
液体タイプの『グリーンFゴールドリキッド』は、オキソリン酸が主成分で、エロモナス菌が原因の穴あき病の治療に用いられます。
症状に合わせて薬を使い分けよう
グリーンFゴールド系統の薬は、治療が難しいとされる重篤な細菌性感染症に効果がある一方、白点病などの寄生虫由来の病気には効果が薄いため、症状に応じてグリーンFなどの他の薬と使い分けることが大切です。
また、複数の病気を併発している場合でも、異なる魚病薬を混ぜて使用することは避けてください。
一つの薬を使って薬浴をしても効果が出ていないように思えるときは、魚の体力や病気の症状を観察しながら間隔を空けて薬を切り替えましょう。
まとめ:グリーンFとは!リキッド、クリアーなどの効果と使用方法を解説
今回のコラムでご紹介したグリーンF系統の魚病薬は、主にメチレンブルーやクロルヘキシジン塩酸塩、アクリノール水和物を主成分とする製品で、白点病や細菌性感染症、水カビ病などの治療に効果を発揮します。
種類が豊富で基本の顆粒タイプから、液体タイプのリキッド、着色性がなく水草水槽にも添加できるクリアーなど、様々な製品が販売されていますので、病魚の状態や水槽のスタイルに合わせて選択しましょう。
また、グリーンFゴールド系統の薬とは主成分や薬効が異なるため、症状に合わせて使い分けることが大切です。
魚病の治療は、魚の状態をよく観察しその時々に合わせて臨機応変に進めていくことが重要となります。
魚に異変が出たら慌てずに、状況を判断し必要な薬を使って治療を進めましょう。
東京アクアガーデンのコラムでは、水槽を美しく保つための水換え方法や病気の発生を抑えるメンテナンス方法などについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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