熱帯魚の病気を症状別に解説!魚の泳ぎ方・体表の変化と治療・対処法のページ
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熱帯魚の病気を症状別に解説!魚の泳ぎ方・体表の変化と治療・対処法

毎日世話をして大切に飼育している熱帯魚たちも、病気にかかることがあります。

病気は泳ぎ方や体表の変化として表れるので、兆候が見られたら原因を特定して症状に合わせた治療・対処をおこないます

病気によっておこる泳ぎ方や体表の変化と治療・対処法を合わせてご紹介しますので、病気の早期発見にお役立てください。
また、予防策など熱帯魚を病気にしない飼育方法についても解説いたします。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストによる熱帯魚の病気の解説


このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。

東京アクアガーデンは、熱帯魚や水槽の状態を確認して病気の有無を判断しながら、長期的に美しいアクアリウムをご提供しています。

15年以上の水槽管理経験で培った病気の判断基準をもとに、治療・対処法をご紹介しますので、ご参考になさってください。

魚の体調が悪い!要注意の泳ぎ方と体表の変化

魚の病気は体表の色や様子、異常行動から判断できます。

主な症状は次の3通りです。

  • 体表の色の変化:白く濁る、黒っぽい、血がにじんでいる
  • 体の様子の変化:白点や白い綿のようなものがつく、鱗が逆立つ
  • 魚の異常行動:ふらふらと泳ぐ、水面で口をパクパクしている

普段と体表の色や様子が違ったり、泳ぎ方がおかしかったりする場合は病気を疑いましょう。

熱帯魚がかかる病気の原因は、細菌、真菌(カビの仲間)、寄生虫の3つに大別できます。また、原因が同じものでもかかった箇所によって病変が異なり、病名が変わる場合もあります。

いつもと違う様子から病気に気づくことがほとんどで、早期に発見できれば回復の可能性が高まります

ここからは症状別に病気の名前・原因・対処法をご紹介しますので、魚の体調不良の原因が特定できない場合や予防策に役立ててください。

症状1:ふらふらと泳いでいる、弱々しく泳ぎに力がない


魚の元気がなく、ふらふらと泳いでいたら病気や体調不良の可能性があります。

泳ぎ方以外にも、人の気配や餌に対して反応が鈍ることもありますが、反対に過剰におびえて隠れる場合もあります。

■原因:病気・いじめ・拒食

平常時のように泳ぐだけの体力がないと考えられます。

体力がなくなる原因としては、

  • 病気にかかった
  • 他の魚からいじめられストレスがたまって衰弱している
  • 何らかの理由により餌が食べられず栄養失調になっている

といったことが挙げられます。

病気の場合は、後ほどご紹介する泳ぎ方や体表の変化の症状もふまえて判断してください。いじめは、水槽内の魚の動向を確認することで特定できます。

また、餌を与えてみて食べづらい様子だったり、食べなかったりする場合は、体調不良による拒食の可能性が高いです。

■対処法:まずは隔離する

魚が元気なく泳いでいる場合は、まず隔離します

病気であれば他の魚への伝染を食い止められるだけでなく、明確な症状が現われてもすぐに薬浴や塩水浴に移ることが可能です。他の魚にいじめられている場合は、隔離するだけで改善します。隔離ボックスや隔離水槽を使用して、元気に泳ぎだすまで静かに過ごせるような環境を作りましょう。

薬浴などの必要がない、いじめが原因の体調不良の場合は、下記のような市販品を使うことで水槽の数を増やすことなく保護が可能です。

隔離後は3日ほど絶食させます。拒食の場合は無理に餌を与えないようにしましょう。
回復の目安は、その魚が安心して確実に餌を食べられるようになるまでです。

薬浴や塩水浴で治療する場合には、隔離できる別の容器やバケツ、水槽が必要です。

症状2:体を底砂などで擦っている、白い点があらわれる


体を底砂や流木に擦っていて、体表に0.5~1㎜程度の小さな白い点が確認できる場合は、白点病の可能性が高いです。

■原因:白点病

白点病は、白点虫(ウオノカイセンチュウ)が寄生することで発症します。

かゆみを生じるようで、熱帯魚が身体をどこかにこすりつけるような仕草をします。小型の熱帯魚ほど進行が早いのが特徴です。
初期はヒレの先から現れ、しだいにエラへ向かって寄生していきます。
エラは魚の大切な器官ですので、取り付いたら大変危険です。

感染力が強いこともあって、白点病が発生していたらすぐに対処する必要があります。

■対処法:薬浴で治療

水換えと昇温、そして薬浴を行いましょう。

白点虫は25度以下の低温を好みますので、それよりも高い水温を保ちましょう。急に水温を上げると熱帯魚にとってストレスになるため、少しずつ上げていきます。

水温の上限は33度です。魚病薬を使用する場合は、種類によっては高水温で使用できないため、27度程度の水温に控えておきましょう。

白点病に効果のある薬は、下記の通りです。

■白点病の治療薬

  • メチレンブルー
  • グリーンF
  • ニューグリーンF
  • グリーンFリキッド
  • グリーンFクリア
  • アグテン
  • ハイトロピカル

この中で効果が高いのはアグテンですが、最も扱いやすいのはメチレンブルー系の薬(メチレンブルー、グリーンFリキッド)です。
アグテンなら3日間、メチレンブルーなら5~7日間程度で白点が付かなくなっていきます。

また、0.5%程度の塩水浴も、わずかながら白点虫の蔓延を遅らせる効果があります。
薬が手元にない場合や、白点が消えた後の調整期間などに塩水浴を行いましょう。

白点病が再発しないかは、1週間ほど様子を見ます。

白点虫は、4~5日間隔で寄生と離脱を繰り返します。基本的には夜に遊泳するため、一時消えますが、駆除できるまで再び寄生し増えていきます。

底砂などに潜んでいる場合もあるため、飼育水槽の水換えや底砂洗浄をしましょう
水換えを行うことで、熱帯魚の新陳代謝を高め抵抗力を上げる効果も期待できます。
あわせてろ過フィルターの掃除も行います。ろ過フィルターに白点虫が潜んでいては再発する可能性があるからです。

飼育水槽に蔓延してしまった場合は、すべての魚を薬浴し、水槽設備は一度すべて水道水で洗浄・天日干しでリセット(ろ材なども再利用しない)して駆除したほうが良いです。

白点病の治療については、こちらの記事も参考にしてください。

症状3:底でじっとしている、ヒレをたたんでいる


熱帯魚が底でじっとして動かずヒレをたたんでいたら、消化不良になっていたり、水温が低下していたりする可能性があります。

■原因:消化不良・病気・水温低下

動きがなく元気がない場合は、次の3つを疑いましょう。

  • 消化不良を起こしている
  • 病気にかかって元気がない
  • 水温が低下して活性が下がり動かない

消化不良は与える餌の量が多い・餌が古くて酸化していることが原因の場合があります。
特に夏などの暑い季節は餌が悪くなりやすいです。

病気の初期症状の可能性もありますので、体表や行動・泳ぎ方に異変がないか確認しましょう。

水温が低下すると消化機能が落ちたるだけでなく、活性が落ち、魚種によっては命の危機に陥ります。
水槽用ヒーターで加温することが少ないメダカや金魚でも、水温が低下することで代謝が落ちて動きが鈍ります

■対処法:餌の管理と保温、こまめな水換え

消化不良が疑われる場合は、まずは、3日ほど絶食します。

食べすぎによる不調なら、溜まっていたフンなどが排泄され消化機能を休めて回復させることができます。
餌の油が指に残る・臭いがおかしい、強いなどの開封時との違いを感じたら、使用をやめて買い替えましょう。

消化不良の可能性が低いようでしたら病気の場合があるため、隔離水槽での療養、もしくは動き方や体表を観察して病気を特定しましょう

消化不良については、こちらの記事も参考にしてください。

また、適度な水換えも効果があります。
水換えにより神経を刺激し、魚の代謝を向上させることができるからです。

水温計を確認して水温が下がりすぎているようであれば、水槽用ヒーターで加温してください。そして餌を一度切り、数日間様子を観察しましょう。

水槽用ヒーターについては、こちらの記事も参考にしてください。

症状3:水面で休みなくパクパクしている

水面で口をパクパクしている場合は、水中の酸素が不足している、もしくはエラに異常が起こっていることがあります。

■原因:酸欠・エラ病

考えられる原因は「酸欠」と「エラ病」の2つです。

水中の酸素が少なくなると、水面から直接酸素を取り込もうとして水面で口をパクパクするようになります。この行動は鼻上げともいいます。

エラ病は、酸素を取り込む機能を持つエラに異常が起こっている状態です。酸素が取り込みにくいため、酸欠のときと同様に鼻上げするようになります。

■対処法:鼻上げ具合で原因を特定する

酸欠とエラ病は、鼻上げの頻度で見分けます。

  • 酸欠:少しパクパクしたら一旦水中に戻る
  • エラ病:休みなくずっとパクパクし続けている

このような特徴があります。
酸欠の場合は、エアレーションを行うことで改善します

エアレーションとは、エアーポンプとエアーチューブ、エアストーンを接続して、水面を揺らし、酸素を水に溶けやすくする装置です。
「ぶくぶく」の通称で知られています。

酸欠については、こちらの記事も参考にしてください。

エアレーションについては、こちらの記事もご覧ください。

エラ病の場合は、エラに寄生虫や細菌がついてしまっている可能性があります。
進行してくると、エラが白、または赤黒くなるなど変色を起こし、寄生虫が原因の場合は平衡感覚が損なわれていきます。

エラの異常は原因を特定しづらいため、魚の回復力を高める「塩水浴」がおすすめです。
初期であれば塩水浴だけで治療可能ですが、中程度に進行している場合は薬浴を行います。

細菌性ならグリーンFゴールド顆粒、寄生虫ならマゾテンなどで薬浴治療します。

エラ病や塩水浴については、こちらの記事も参考にしてください。

こちらは金魚の塩水浴のコラムですが、塩水浴の基本の方法・仕組みは同じです。
ご参考までにご覧ください。

症状4:斜めに泳いでいる、倒れている

魚がバランスをくずして泳いでいたり、お腹を上に見せてひっくりかえって浮いたりしている場合は、病気が進行した状態か転覆病の可能性があります。

■原因:病気の進行・転覆病

体調不良や病気が進行している場合は、体を垂直に維持して泳ぐだけの体力が欠けている状態です。

転覆病の場合は、2通りの原因が考えられます。

  • 消化不良をこじらせガスがたまっている
  • 浮き袋を損傷して浮けなくなった

消化不良を起こすと、体内でガスが発生して浮力の調整がうまくいかず転覆病になることがあります。また、魚は浮袋で浮力を調整しているため、損傷するとバランスを保つことができません。

■対処法:負担を減らす

病気が進行している場合は速やかに隔離容器を準備し、症状にあった治療を行います。

体調不良と転覆病は、水流をゆるやかにして、魚の体にかかる負担を減らしましょう。レイアウト物をなくし、ゆったりと泳げる環境に整えることも重要です。

体調不良の場合は体力回復として、塩水浴を行うのもおすすめです。

消化不良による転覆病の場合は、まず3日ほど絶食しましょう。ごく初期なら、フンと共にガスが排出されれば元の体勢に戻れることがあります。

ガスは、フンのなかの気泡として排出されます。

古くなって酸化した餌は、消化不良の原因になりますので消費期限や保存状態を確認してください
油分を感じた場合は参加している可能性が高いため、買い替えましょう。

そして、餌がその魚にあっていないこともありますので、別の餌を購入して試すのも1つの方法です。

絶食後は、1~2粒程度のごく少量から与えてゆっくり栄養をつけさせましょう。

絶食については、こちらの記事も参考にしてください。

転覆病は水圧も負担になります。水圧を弱めるために、水深が深くなりすぎないように調節します

また、浮袋の損傷による転覆病の場合は、残念ながら治療法はありません。しかし、浮けなくなるからといってすぐに死んでしまうものではありませんので、慎重に様子をみながら対処を行ってあげてください。例えば浮き上がってこれないようならば沈むタイプの餌に切り替える、水中の酸素量を増やすためにエアレーションを行うなどです。

転覆病については、こちらの記事もご覧ください。

症状5:白い綿のようなものがついている

白い綿のようなものが体表に見える場合は、真菌や寄生虫が付着している可能性があります。

■原因:水カビ病・白雲病・粘膜の過剰分泌

魚の体表に白い異物を確認したら、水カビ病や白雲病、もしくは粘膜を過剰分泌している可能性があります。

水カビ病は、水の中にいるカビの仲間である真菌の感染によって起こります。

カビの仲間自体は常に水中にいますが、元気な熱帯魚であれば寄生されることはありません。何らかの原因によって体力が落ちていたり、体表に傷がついたりすると、その場所に真菌が寄生することがあります。綿毛のようなフワッとした白いものがついていれば、真菌性の水カビ病である可能性が高いです。

白雲病は、鞭毛虫やトリコディナなどの寄生虫が原因です。

寄生されることによって、粘液が過剰に分泌され白いモヤのように見えます。水カビ病のような綿状ではなく、ベタっとまとわりつくのが特徴です。

また、白雲病の他にも薬浴中や体調不良、寄生虫が原因で、体を守ろうと粘液をたくさん出して白いモヤに見えることがあります。

■対処法:薬浴・ピンセットで除去する

水カビ病は水温が低下している時期に発生しやすいため、発症した場合は水温を少しずつあげましょう

水温の上限は33度です。

また、下記の魚病薬による薬浴も効果的です。

  • メチレンブルー
  • グリーンF
  • ニューグリーンF
  • グリーンFリキッド
  • アグテン

白い綿のようなものがピンセットで取れそうな場合は、除去してあげましょう。

白雲病は、エルバージュやマゾテンで治療します。

粘液の過剰分泌によって白く見える場合は、水換えをしてきれいな水質を保ちましょう。症状が改善しないようであれば、塩水浴が効果的です。

体表に寄生虫などの異物が付着している場合はピンセットで除去する、もしくは薬浴に移行します。

水カビについては、こちらの記事もご覧ください。

症状6:ヒレ・体表が白く濁っている

魚のヒレや体表が白く濁っている場合は、病気の可能性が高いです

■原因:尾ぐされ・穴あき病・ネオン病

尾ぐされ病や穴あき病、ネオン病は、どれも体表に異常が現れます。

尾ぐされ病は、尾ビレなどが白く溶けたようになる病気です。

『尾ぐされ病』はフレキシバクター・カラムナリス菌の感染が原因です。

この菌はタンパク質を溶かします。尾だけでなく口やエラなどにも感染することがあり、水温の高い夏場では脅威になることがあります。
口に感染した状態を『口腐れ病』、エラに感染した状態を『エラ腐れ病(エラ病とされることもある)』と呼ばれます。

エラ病になると体表の変化だけでなく、熱帯魚の元気がなくなりじっとうずくまる、水面にぼーっと浮かぶような様子を見せることもあります。

水温が高い時期に発生しやすく、体力のない個体や、小型の熱帯魚であれば死んでしまうことも少なくありません。

穴あき病は血がにじんだようになり、鱗が剥がれ、やがて体表に穴が開きます

『穴あき病』は原因菌が異なり、エロモナス菌の感染で発症します。

穴あき病は、その名の通り体に穴が空いてしまう病気ですが、初期は白く濁って見えることがあります。症状が進むと、体表に小さな腫瘍のようなできものが現れることがあります。

ネオン病は、体表が白く濁り出血斑がみられるようになります。主に小型熱帯魚が感染します

ネオン病は名前からもわかる通り、ネオンテトラなど小型の熱帯魚にみられることが多い病気です。原因は尾ぐされ病と同じカラムナリスなどの細菌で、感染すると体表が白く濁り始めます。
運搬されるときなどに、熱帯魚同士がこすれてついた傷から感染することも多いです。ほうっておくと白い部分が増えていき出血斑がでることもあります。
さらに病気が進行すると、体がやせ、衰弱して死んでしまう可能性があるため初期で対処することが重要です。

長く安定して飼育している魚には、発生しづらい病気です。

■対処法:薬浴や塩水浴が効果的

尾ぐされ病は薬浴前にまず、水換えを行ないます。

軽い症状であれば、水換えと塩水浴(0.5%)で治癒する場合もあります。重症であれば、殺菌力のある観パラDやエルバージュエース、グリーンFゴールド顆粒などでの薬浴が効果的です。

尾ぐされ病は珍しいものではなく、比較的発症しやすい病気です。こちらの記事でも詳しく解説しています。

穴あき病も、初期症状であれば、こまめな換水と塩水浴で回復することもあります。症状が進んでしまっている場合は、観パラDやエルバージュエースで薬浴しましょう。
穴あき病については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ネオン病は、非常に感染力が強いため、病気の熱帯魚を隔離して観パラD・エルバージュエースや塩水浴(0.5%)で治療をします。
これらの病気は購入した時にはすでに感染している場合がほとんどですので、熱帯魚を新しく購入する時には異常が出ていないかよく確認しましょう

症状7:茶色の粒、トゲがついている

魚の体表に茶色の点があったり、トゲが刺さってたりする場合は、ウオジラミやイカリムシに寄生されていることがあります。

■原因:ウオジラミ・イカリムシ

ウオジラミ(別名チョウ)に寄生されると、体表に5mm程度の茶色い点ができます

ウオジラミは魚の血液を吸いますが、寄生されたところが赤く腫れ、かゆみを感じて体をこすりつけることがあります。短期間で死んでしまうことはないものの、ストレスが増大して衰弱してしまうことも少なくありません。

体表に白~グレーのトゲのようなものが確認できる場合は、イカリムシが寄生している可能性が高いです。

イカリムシは、頭部が錨(イカリ)のような形をしていることから名づけられた寄生虫です。初期には白い点として認められますが、白点病にくらべて点が大きく、盛り上がった様子をしています。

イカリムシはウオジラミと同様、魚に寄生して血液を吸って生活しています。

■対処法:薬浴・ピンセントで取り除く

ウオジラミは大きめの寄生虫ですので、ピンセットで取り除くのが一番です。

取り除くのが困難な場合などは、レスバーミンやトロピカルNで薬浴しましょう。

イカリムシの場合も同様です。

ピンセットなどでイカリムシを引き抜きます。

しかし、非常に繁殖が早くしつこい寄生虫のため、見つかったのが1匹だけでも、水槽内に幼体が蔓延している可能性が高いです。
魚に寄生しているのが目に視えるのは、十分に成長しきった成体です。繁殖が可能なため、取り除いても再度寄生しないか2週間ほど様子を見ます。

イカリムシにはレスバーミンやデミリンでの薬浴がおすすめです。

どちらも、虫の脱皮を阻害する効果があります。ただ、デミリンは希釈が難しくあくまで農薬のため、自己責任で使用することになる点にご注意ください。

引き抜いたあとは傷口になりますので、しばらくは慎重に様子をみます。傷口が深い場合はグリーンFゴールド顆粒などで薬浴を行い、適宜殺菌しましょう。
また、イカリムシが再度寄生した場合は、そのたびに抜いてやるしかありません。

イカリムシは水草などにも潜むことがあります。再発を繰り返す場合は、水槽のリセットが必要になる場合もあります。

  • 水槽の水を抜き、50度程度のお湯で消毒後に天日干しする
  • 飼育水、ろ材はすべて交換する
  • 飼育器具も交換か、同じように消毒後、天日干しする

それほどまでにしつこい寄生虫のため、発見したらすぐに対処が必要です。
なお、レスバーミンやデミリンは、甲殻類(エビなど)の脱皮も阻害するため、魚限定で使用できる薬です。
治療の際には必ず隔離し、エビなどがいる環境では絶対に使用しないでください。

寄生虫については、こちらでも解説しています。

症状8:非常に小さな粉状の点ができた

体表に現れた点が非常に小さければ、コショウ病の可能性が高いです。

■原因:コショウ病

コショウ病は、ウーディニウムという微生物が寄生することで発症します。

その名の通り、コショウのような非常に細かな点が体表に出ます。白点病に比べ小さく、やや黄色いのが特徴です。

粉がふいたように見えることもあります。エラにまで感染するため、呼吸困難で死んでしまうこともある病気です。

■対処法:水換えと薬浴

水質の悪化による感染が主な理由ですので、水をきれいに保つことが重要です。

水換えをできるだけ早く行い、水温を2~3度上げてください。急に上げると熱帯魚に負担をかけますので、1度ずつが理想です。水をきれいな状態に保つため、しばらくは餌も控えめにあげましょう。

症状が改善しない場合は、隔離してグリーンFリキッドやニューグリーンFなどメチレンブルー系の魚病薬で薬浴します

コショウ病(ウーディニウム)については、こちらの記事でも解説しています。

症状9:体表にできものができた、鱗が逆立つ

熱帯魚の体表にできものができた場合は、寄生虫や細菌に感染していることがあります

■原因:ツリガネムシ・ポックス病・エロモナスの体内感染

考えられる原因は、下記の3つです。

  • ツリガネムシ
  • ポックス病
  • エロモナスの体内感染

いずれも初期はニキビのように見え、徐々に白い腫瘍のようになっていきます。

■できものの特徴

  • ツリガネムシ:米粒大でボロボロとしたできもので、白点のような細かさはありません。
  • ポックス病:イボ状の腫瘍ができ、徐々に大きくなっていきます。
  • エロモナスの体内感染:膿が溜まったニキビのようなものです。

エロモナスの体内感染の場合は、体表にできものが確認できると末期です。さらに症状が進むと破裂します。

エロモナスの場合は、できもの以外にも症状が現れることが多いです。
腹部が膨らむ、血がにじむ、鱗が逆立つ松かさ病や、眼球が飛び出すポップアイという症状もエロモナスによるものです。

■対処法:薬浴する

ツリガネムシは、グリーンFゴールド顆粒やヒコサンによる薬浴が効きます。

ポックス病は、熱帯魚よりは金魚などの観賞魚に多い病気ですが、残念ながら治療法がありません。

発症してもすぐに死んでしまう事はなく、自然にできものが取れて治癒したように見えることもありますが、再発する可能性が高いです。
海外では金魚にできた腫瘍の切除手術が行われたこともあります。
他の魚への感染を防ぐために、発症したら隔離し緩やかな環境で負担を掛けないようにしながら様子を見てあげてください

松かさ病やポップアイの原因となるエロモナスの体内感染は、発病してしまうと完治するのがとても難しい病気です。

グリーンFゴールド顆粒や観パラDの薬餌を食べさせたり、薬浴や水換えをしたりすることである程度症状を抑えることが可能ですが、症状が出てからでは治癒することができず、対処療法で症状の進行を遅らせるのが主な治療となります。

エロモナスは水質が悪くなったときにかかりやすいため、日ごろから定期的に水換えを行ない、熱帯魚が健康に過ごせる環境づくりを心がけることが大切です。底砂掃除とろ材掃除の徹底が予防になります

エロモナスの症状とポップアイについては、こちらの記事でも解説しています。

魚を病気にさせないための対策


熱帯魚の病気を症状別に解説してきました。

病気にかかった場合は対処するしかありませんが、実は予防できる場合も少なくありません。

ここでは病気の予防や早期発見につながる、魚を病気にさせないための対策をご紹介します。

■毎日よく観察する

人間の病気もそうですが、発病してすぐに手当てをすれば回復することもできます

餌やりの時などに、毎日魚の様子をよく観察するようにしましょう。普段の餌の食べ方や泳ぎ方など「正常な状態」を知ることで、すぐに異常に気づくこともできます。

  • 元気がない
  • 餌をあまり食べない
  • 水槽の底でじっとうずくまっている
  • ぼーっと浮かんでいる
  • 体表や目の色がおかしい

など、少しでも様子がおかしい場合は要注意です。

そういったよくない変化があった場合は、

  • 水換えを行なう
  • 水温を確認する
  • ろ過フィルターの確認

など、水槽に異常がないか確認し、必要に応じて掃除やメンテナンスを行いましょう。

■水質をきれいな状態に保つ

アクアリウムの基本は、水質を保つことです。

水質改善・維持につながるのは、以下のようなことです。

  • フィルター能力の見直し:水槽のサイズに合っているフィルターかどうか
  • フィルターの掃除:目詰まりはろ過能力の低下に直結
  • 適切な間隔の水換え:頻度が低いと病気の元
  • 餌をやりすぎない:水質悪化の原因、熱帯魚が2~3分で食べ終わる量が目安

水質の悪化が原因の病気は、これらを徹底するだけで発症する確率が大幅に下がります。

■過密な環境で飼育しない


群泳する熱帯魚ほど美しいものもありませんが、魚同士がこみあった過密状態では以下のような困ったことが起こります。

  • 熱帯魚同士がぶつかる:傷口から細菌が感染
  • 熱帯魚にストレスがたまる:ストレスによる免疫力の低下
  • 熱帯魚同士がケンカする:他の魚につつかれて傷ができる

人間の場合もストレスがかかると風邪を引きやすいですが、熱帯魚も同じです。生き物には生まれつき「免疫」というシステムが備わっており、細菌などの外敵から身を守ることができます。

しかし、ストレスや体力の低下にともない、免疫力が落ちると、病気にかかりやすくなってしまいます。

熱帯魚を健康的に飼育するためには、「できるだけストレスを与えない」というのが鉄則です。ストレスの第一要因は過密飼育ですので、注意しましょう。

また、熱帯魚に関わらず生き物の体は1枚の膜(皮膚や鱗など)で覆われており、開口部(口や肛門)などには粘液が分泌され、病原菌の侵入を防いでいます。

しかし、ケガをすると、その傷口が病原菌の侵入口になってしまうことも少なくありません。ケガをしただけなら自然治癒することもありますが、傷口から病気になりやすいため、やはり過密飼育はおすすめできません。

■水温に注意する

気温が上昇しやすい春から夏や逆に寒くなる秋から冬にかけては、気温の上下に伴った水温の変化に気をつけましょう。

病気の原因菌や寄生虫にも好みの温度があります。また、急激な水温の変化は、熱帯魚たちにとってはストレスでしかありません。

水温を一定に管理することにより、ストレスも病気も予防することができます。水槽用ヒーターをお持ちの方も多いですが、熱帯魚ということもあって暑さ対策が行き届いていないことも少なくありません。

日中に室温を調整できない・留守にしている場合は、水槽用クーラーや冷却ファンを用意した方が良いです。

■新規購入した魚はじっくり観察する

購入した魚や水草が、病気を持ち込むこともありますので、じっくりと観察してお迎えしましょう。

また、病気を持っていなくても、新しい環境に連れて来られることは魚にとって大きなストレスです。それがきっかけで病気になることもあります。

新規購入した魚や水草はよく観察して、慎重を期するのであればあらかじめ薬浴させてから水槽へ合流させる方法もあります。また、信頼できるアクアショップから購入することも大切です。

まとめ:熱帯魚の病気を症状別に解説!魚の泳ぎ方・体表の変化と治療・対処法


魚の泳ぎ方や体表の変化と治療・対処法と合わせて、熱帯魚の病気を症状別に解説しました。

魚の泳ぎ方や体表に異変があった時は、体調に何かしらの不具合が生じていると考えましょう。病気の初期症状のことも少なくありません。

病気の治療も大切ですが、「健康な状態で飼育する」「愛情をもってよく観察して病気の早期発見をする」この2つが何よりも大切で予防につながります。

発症したとしても発見が早いほど完治率も高まりますので、毎日よく観察してあげましょう。

せっかく縁があってお迎えした魚ですので、快適に過ごせるよう大切に育ててあげてください。

熱帯魚の病気について良くあるご質問

魚が餌を食べませんが、何が原因でしょうか?

餌付けができていない場合と、消化不良による拒食または病気で体調を崩している場合があります。
食べない時は無理に与えず、絶食させ様子を確認します。魚は1週間程度食べなくても問題ないです。
観察したうえで、体調不良や病気であるとわかった場合は塩水浴や薬浴を行いましょう。

魚が繰り返し病気になります

飼育環境の不安定さなどが原因で、ストレスを感じている場合があります。

  • 掃除・ろ過不足などの水質悪化
  • 餌の与えすぎ
  • 水温が不安定
  • 飼育数が過密 など

餌の与えすぎも、病気の原因です。病気を繰り返す場合は、シンプルな飼育環境を心掛け、原因を見つけ次第、改善していきます。

魚に白い点がついていますが病気ですか?

1~1.5mmほどの点でしたら、白点病の可能性が高いです。
メチレンブルーやアグテン(魚病薬)で薬浴を行い治療します。
しつこい寄生虫が原因のため、白点が出なくなった後も1週間は様子を確認しましょう。
白点は夜間に一旦消えますが、また取り付くので注意しながら様子を見ます。

魚のヒレがボロボロになってしまいました

ヒレの一部が白く濁ったり、溶けたように短くなってしまうのは、尾腐れ病です。
初期は水換えのみで治療可能ですが、治らない場合はグリーンFゴールド顆粒などの抗菌剤で薬浴を行います。
切れ目がきれいな場合は、ケガや引っ掛けで割けていることが多いですので、よく観察して症状を確認しましょう。

 

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かわいい金魚の為なら腰痛も何のその。金魚のテンションがMAXになる魔法の餌・アカムシを与えることに喜びを感じています!アクアリウムに親しめる、良い情報をお届けできるように勉強&実践中です。文章づくりも頑張ります!

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