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グリーンウォーターは植物プランクトンが増殖した水で、その名のとおり緑色に見えるのが特徴です。
豊富に含まれる植物プランクトンはメダカや金魚の餌になったり、色揚げ効果があったりなど飼育に役立てることができます。簡単に作ることができますが、状態の悪いグリーンウォーターは魚に悪影響を与えてしまうこともあるため、正しい作り方と状態の良し悪しを見定めて使用することが重要です。
ここではメリット・デメリット、作り方をふまえて、グリーンウォーターについてご紹介します。
目次
プロアクアリストによるグリーンウォーターの解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンは15年以上アクアリウム業界に携わっておりますので、メダカや金魚を効率的に成長させる生体管理技術やノウハウを持っています。
グリーンウォーターはメダカや金魚を飼育するのに最適な水で、上手に活用すれば
- 成長促進
- 稚魚の生存率向上
- 色揚げ効果
といったメリットを得ることができます。
実際の経験をもとにグリーンウォーターについて解説していきますので、ぜひ、ご参考になさってください。
グリーンウォーターって何?
グリーンウォーターは、植物プランクトンが増えて緑色に見える飼育水のことです。
青水(あおみず)と呼ばれることもあります。
プランクトンとは、水中に漂っている目には見えないほどの小さな生物を指しますが大きくわけると、
- 植物プランクトン
- 動物プランクトン
この2種類が存在します。
今回ご紹介するグリーンウォーターは植物プランクトンが増殖した水で、特に緑藻類が多いとされています。
どうして緑色の水なのか
植物プランクトンは一つ一つが緑色をしています。
例えば、健康食品で有名な『クロレラ』や、お味噌汁に入れて食べることのある『アオサ』も緑藻類の仲間です。
とても小さなものですので、一つ一つを肉眼で確認することはできませんが、たくさん集まることで水全体が緑色に見えることがあります。
また、植物プランクトンの量が多ければ水の色の濃さも濃い緑色に変化していきます。
メダカや金魚の飼育に向いているのはなぜか
グリーンウォーターがメダカや金魚の飼育に向いているのは、成長促進や色揚げ効果があるからです。
グリーンウォーターに含まれるクロレラなどの植物プランクトンは、人工飼料が食べられない大きさの稚魚にとって良い餌になります。稚魚期の飼育水をグリーンウォーターにすることで生存率が向上することも珍しくありません。
稚魚だけでなく成魚もグリーンウォーターで飼育することで色鮮やかに育ちます。
また、植物プランクトンはメダカや金魚の食べ残し・フンが分解されて発生する硝酸塩を吸収してくれます。硝酸塩は水槽に蓄積して水質悪化の原因になりますが、植物プランクトンが豊富なグリーンウォーターであれば、水が汚れる早さをやや遅らせることが可能です。
グリーンウォーターのメリット・デメリット
グリーンウォーターには、メリットとデメリットがあります。
メリットはメダカや金魚の飼育にとても効果的ですが、デメリットは悪影響を与えてしまう可能性がありますので、理解してから使用することが重要です。
メリット:メダカや金魚の飼育に向いている
先ほど述べたとおり、グリーンウォーターには小さな身体のメダカや金魚にとって最適な餌となる植物プランクトンが豊富に含まれています。
特に稚魚の飼育には理想的な環境と言っても過言ではありません。稚魚は身体が小さい上に食欲旺盛ですので、常に餌がある状態を保つのが理想です。
とはいえ「1日5回餌を与えてください」と言っても、普段の生活のなかで時間を確保することは難しいでしょう。その点グリーンウォーターであれば、自動給餌されている状態ですので心配ありません。
時間を決めて人工飼料を与えながら、グリーンウォーターで飼育するとさらに成長のスピードを早めることが可能です。普通の透明な飼育水と比べるとその差は歴然、グリーンウォーターで育てた稚魚の方が格段に早く大きくなっていく様子を観察することができます。
また、グリーンウォーターを維持するためには日光の当たる場所に置いて、植物プランクトンに光合成をさせる必要がありますが、この日光に当たる場所に置くこと自体が、メダカや金魚に良い作用をもたらします。
日光に当てることで魚の体色が良くなったり、健康状態が安定しやすかったりするなど飼育に効果的です。
デメリット:鑑賞性が低い・酸欠に注意が必要
グリーンウォーターのデメリットとしては、まず鑑賞性の低さが挙げられます。
見た目の通り、緑色の水はお世辞にも綺麗とは言い難く、また中を見ることが難しいため、魚を観察したりレイアウトを施して鑑賞したりするような水槽には不向きです。魚が見えないだけでなく、屋外飼育の場合はヤゴなどの天敵の侵入に気付きにくいことも少なくありません。
また、気温や日当たりにもよりますが、植物プランクトンがあまりにも増え過ぎると水中の酸素を消費してしまい、メダカや金魚が酸欠になる場合もあります。
魚の姿や天敵の確認、酸欠を防ぐためにも、グリーンウォーターの濃度は薄めに保つほうが安全です。
グリーンウォーターの作り方
グリーンウォーターは、簡単に作ることができます。
必要なのは「養分(硝酸塩)を多く含んだ水」と「日光」です。メダカや金魚の餌の食べ残しは養分になりますので、魚の入った飼育容器を日光の当たる場所に置くだけで次第にグリーンウォーターになります。
もしくは、飼育水に植物プランクトンのクロレラを直接添加して、日当たりの良い場所に置くことでも作ることが可能です。クロレラを使った方法のほうが、短期間でグリーンウォーターになります。
クロレラは、通販で入手することができます。
グリーンウォーターを作る際の注意点として、水槽の中に
- 水草
- 底砂
- 貝類
といった水槽の中の養分を吸収し浄化する働きのあるものを入れていると、思うように植物プランクトンが増殖せずなかなかグリーンウォーターにならないことがあります。グリーンウォーターを作っているときには、このようなものをできるだけ入れないようにした方が無難です。
グリーンウォーターが濃くなりすぎた場合は、日光を数日さえぎる、もしくは水を加えて薄めるなどして様子をみてください。
グリーンウォーターの作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
悪いグリーンウォーターもあるので注意を
水が緑色になったらグリーンウォーターというわけではありません。グリーンウォーターには、状態の良いものと生体に悪影響のある悪いものがあります。それぞれの特徴を知っておくことで簡単に見分けることができまずので、しっかり見極めましょう。
まず状態の良いグリーンウォーターには以下の特徴があります。
- ペットボトルの緑茶のような、薄い茶色~薄い緑色
- いやな臭いがしない
- 濁りがない
- ドロッとしていない
クロレラやミドリムシといった植物プランクトンが繁殖したグリーンウォーターは良い状態といえます。
一方で、状態の悪いグリーンウォーターは水がドロッとしていて、独特ないやな臭いがします。このようなグリーンウォーターを「アオコ」と呼びますが、クロレラなどではなく、浮遊性のラン藻類が繁茂した状態です。
あまりにも繁茂しすぎると水面をびっしり覆ってしまい、酸欠になりやすかったり、水中に届くはずの日光をさえぎったりします。メダカや金魚には悪影響ですので、アオコが減るまで日光を遮断する、もしくは水を多めに換えるなどして対策しましょう。
ラン藻類は自然に発生することもありますが、別の水槽や水草、流木など、他の環境から持ち込まれることも少なくありません。心配な場合は、クロレラを添加する方法でグリーンウォーターを作ることをおすすめします。
まとめ:グリーンウォーターでメダカや金魚を飼育する?メリットやデメリットとは
メリット・デメリット、そして作り方をふまえて、グリーンウォーターについてご紹介しました。
グリーンウォーターをメダカや金魚の飼育に活用することで、成長促進や色揚げ効果が期待できます。特に稚魚の飼育にはグリーンウォーターがとても有効です。
これらは大きなメリットですが、観賞性が悪くなったり、状態の悪いグリーンウォーター(アオコ)は魚に悪影響を与えたりする可能性があることも理解したうえで使用することが重要です。
メリットとデメリットがわかっていれば、グリーンウォーターを有効活用することができますので、ぜひ、メダカや金魚の飼育に役立ててみてください。
メダカのグリーンウォーターについて良くあるご質問
グリーンウォーター飼育とは?
グリーンウォーターを作るには?
- 飼育水を日光によく当てる
- グリーンウォーター用の濃縮クロレラ液を添加する
十分な日光が当たっていれば、植物プランクトンは自然に発生していきます。
より良質にするために、濃縮クロレラ液を添加する方法もあります。この場合も、飼育水は日光にはしっかり当てましょう。
グリーンウォーター飼育の注意点とは?
反対に、濃くなりすぎると酸欠などの可能性が上がるため、適宜水替えをして、底面が透けるような、程よい濃度を維持します。
グリーンウォーター飼育でも餌は与えますか??
植物プランクトンだけでは偏りがちな栄養素を補うことができるためです。
植物プランクトンのなかでもクロレラは特に栄養価が良いですが増やしにくいため、稚魚・成魚のどちらでも、人工飼料を併用した育成がおすすめです。
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