メダカの色揚げとは！メダカの体色を濃くする飼育方法を解説します

丈夫で飼育しやすいメダカは、大人から子供まであらゆる世代に親しまれている観賞魚です。
最近はカラフルな改良品種のメダカも流通するようになり、ますます人気に拍車がかかっています。

そんなメダカは、実は飼育環境によってより美しい発色を見せてくれるということはご存知でしょうか。
メダカは自分の身を守るために、周りの環境に合わせて色を変化させる習性があるため、水槽や底砂の色によって体色が淡くなったり濃くなったりすることがあります。

また、色揚げ用の餌や植物性のプランクトンを豊富に与えると、色艶の良いメダカに育ちやすいです。

ここでは、メダカの体色を良くする色揚げ方法について解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカの色揚げについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

メダカの鑑賞性を高めたいときは色揚げがおすすめです。
飼育環境を整えたり、餌を変えたりすることでメダカの体色が濃く発色するようになります。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカの色揚げについて解説します。

メダカの色揚げとは

色揚げとは、餌を変えたり環境を整えたりして、魚の体色を鮮やかにすることです。
体の色自体が変わるというわけではなく、元々ある色をより濃く発色させるというイメージになります。

熱帯魚や金魚、エビ類などの色鮮やかな魚を飼育する時は、鑑賞性を上げるために色揚げをするのが一般的ですが、最近はメダカ飼育でも色揚げをする方が増えています。
その要因の一つが、改良メダカの台頭です。熱帯魚にも負けないくらいカラフルで独特の光沢を持つ改良メダカの魅力を存分に引き出すには、色揚げが欠かせません。

また、原種に近い黒メダカも色揚げをすると、元来の自然な美しさが引き立ちます。

メダカの保護色と色揚げの関係性

メダカは周囲の色に合わせて体色を変化させる魚です。
これには自分の身を守る保護色の本能が関わっており、暗い色の多い環境ではその環境に溶け込むために体色を濃く、反対に明るい色が多い環境では体色が薄くなります。

この習性を上手に利用して色揚げをすることで、好みの発色のメダカに仕立て上げることが可能です。

色の良いメダカは健康な証

色揚げは何も鑑賞性だけに関わるものではありません。色揚げをすることで、メダカの健康状態が良くなります。

メダカも人間と同じで、何となく元気がなかったりストレスが溜まっていたりすると、色艶が悪くなり、健康を損なうもの。つまり健康な個体ほど色が良くなるのです。
色揚げを目的に栄養豊富な餌を与えて、飼育環境を改善することで、健康なメダカに育ちやすくなります。

メダカの色を上げる方法

ここからはメダカの色揚げについて具体的に解説します。

メダカの色を揚げる代表的な方法は以下の4つです。

どれもメダカの習性に基づく方法で、色艶が良く健康なメダカに育てるのに最適です。

バックスクリーンや底砂を暗い色に変える

先ほどお話した通り、メダカは周囲の環境に合わせて体色を変化させますので、色揚げをするならば、飼育容器の中は黒を基調にすると良いでしょう。

メダカ鉢のような飼育容器ならば黒いものに変える、水槽はバックスクリーンを貼るなどです。

底砂を黒いものに変えるだけでも効果があります。
メダカは水草と相性が良いので、黒いソイルを底砂に敷いて水草を茂らせると、ストレスの緩和になり、健康を保ちやすくなります。

色揚げ用の餌を与える

市販の色揚げ用の餌を与えるのも効果的です。

メダカの色揚げ用の餌は、メーカー各社から様々なタイプが販売されています。種類が豊富なので、どの餌を使用するか迷ったときは、飼育しているメダカの色に必要な栄養素が含まれたものを選ぶのがおすすめです。

例えば楊貴妃やヒメダカなどの赤が印象的なメダカの色揚げには、アスタキサンチンやカロチノイドが効果的で、どちらも自然由来の成分なので安心して使用できます。

一方で青メダカや白メダカなどの青が印象的な品種や、光沢がある幹之メダカなどには、グアニンが含まれた餌が良いです。
グアニンはメダカが元来持つ輝きの元となる、虹色色素胞を構成する成分で、ラメの輝きを増したり青系の発色を良くしたりするのに効果が期待できます。

太陽光や照明を十分に当てる

メダカは日光を好む生き物で、程よく太陽光を当ててあげると色が良くなります。人間の日焼けと同じような原理で、太陽光に含まれる紫外線に影響を受けて体色が濃くなるのです。

また、太陽光に当てることでバイオリズムが整ったり、体内でビタミンが生成されたりと、メダカの健康維持にも効果的です。

屋外飼育ならば程よく日の当たる場所に飼育容器を置いて、太陽光を取り入れましょう。

室内飼育で思うように光に当てられないときは、水槽用照明でも構いません。太陽光に比べると効果は薄れますが、それでも色は抜群に良くなります。照明にはメダカを綺麗に見せる効果もあるため、水槽全体の鑑賞性も上がるでしょう。

直射日光による高水温に注意

太陽光はメダカに良いものですが、直射日光には注意してください。
屋外でも室内でも、あまりに日の光が当たり過ぎると水温が上がってメダカが体調を崩してしまう可能性があります。

特に夏場はすぐに30℃を超えるような高水温になってしまいますので、日よけなどを使って日の当たり具合を調整するようにしましょう。

グリーンウォーターを利用する

屋外飼育では植物プランクトンが豊富に含まれたグリーンウォーターでの飼育がおすすめです。

植物プランクトンは消化が良く、色揚げの効果も期待できるメダカの万能フードで、成魚はもちろん生まれたばかりの稚魚の飼育にも活用できます。
日の光が程よく当たる屋外の環境ならば自然にグリーンウォーターになることも多いのですが、意図して作る場合は、インターネット通販などで手に入るクロレラを使うのが簡単です。

ただ、グリーンウォーターにすると水が薄緑色に色づくため、正面からの鑑賞性が損なわれること、グリーンウォーターを維持するには適度な太陽光が必要なことから、室内飼育には向いていません。

基本的な飼育方法を見直そう

メダカの色艶を良くするには健康であることが絶対条件です。
もし、メダカの色が褪せてきたと感じるならば、色揚げに効果的な方法を試す前に、基本的な飼育方法を見直してみることをおすすめします。

餌の量や回数、水換えやメンテナンスの頻度、水温、水質など、メダカが健康でいられる環境を維持するには、これらの基本的なお世話がとても大切です。

環境が良くなるにつれて、自然とメダカが活発になり色や体型が良くなることもありますので、ぜひ確認してみてください。

まとめ：メダカの色揚げとは！メダカの体色を濃くする飼育方法を解説します

今回はメダカの色揚げについて解説しました。

メダカの体色を濃くして鑑賞性をあげたいときは、色揚げがおすすめです。
底砂や飼育容器の色を濃い色にすると、保護色の習性でメダカの発色が良くなります。色揚げ用の餌を使う場合は、濃くしたい色に作用する成分が含まれた餌を選びましょう。
屋外飼育では太陽光やグリーンウォーターを上手に活用すると、色の良いメダカに育ちやすいです。

特に改良メダカは色揚げをすると鑑賞性が格段に高くなります。ご紹介した内容を参考に、美しいメダカに育て上げてみてください。