カルキ抜きの疑問を解決!時間や量、簡単な方法など8つの疑問に答える
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日本の水道水には消毒のために必ずカルキが含まれています。人間には害のない成分ですが、体が小さな魚や水中生物には影響が出ることがあるため、水槽の水に使う場合は、必ずカルキ抜きをしなければなりません。
このこと自体は水槽に関わったことのある方ならば、皆さんご存知だと思います。
しかし、
「正しいカルキ抜きの分量は?」
「本当にカルキが抜けたか確認する方法は?」
など、なんとなく疑問に思っていることをそのままに作業をしているという方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、意外と知らないカルキ抜きのよくある疑問を解消していきます。
カルキ抜きをする際の注意点も紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにカルキ抜きのよくある疑問8つを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽に水道水を入れるときはカルキ抜きが欠かせません。
しかし、意外と惰性で作業をしているという方は多く、カルキが抜けるまでの時間や正しい方法などに疑問を持っているという方も多いです。
そこでこのコラムでは、実務経験から得た知識をもとに、カルキ抜きのよくある疑問8つを解説します。
カルキ抜きの疑問8つを解消!
さっそく、アクアリウム初心者が迷いやすいカルキ抜きの疑問8つをご紹介します。
カルキ抜きについて間違った知識のまま水換えを続けていると、生き物に影響が出ることも少なくありません。
カルキ抜きに必要な道具や水温の合わせ方など、水換えに関わる疑問にもお答えしていきますので、知識をアップデートして飼育に反映していきましょう。
疑問1:カルキが抜ける時間とは?
最初の疑問はカルキが抜ける時間についてです。
たとえカルキ抜きをしていても、まだ抜けきらないうちに水槽に注いでしまうと、水質や薬剤に敏感な生体がダメージを負うことがあります。
水道水からカルキが抜けきるまでにかかる時間は、カルキ抜きの方法によって異なりますので、正しい時間を把握しておきましょう。
カルキ抜き剤を使った場合
カルキ抜き剤は、主に液体タイプと固形タイプがあり、効果が出るまでの時間が異なります。
即効性があるのは液体タイプで、早いものでは数秒でカルキを抜くことができます。このタイプは、バケツなどに汲み置きせずに直接水槽に添加できるのが魅力です。
ただより確実にカルキを抜きたいときは、汲み置きした水に添加し、念のため5分ほど置いてから、水を水槽に入れるのがおすすめです。
一方固形タイプは、水量にもよりますが添加からカルキが抜けるまで大体20~30分ほど時間がかかります。
水槽に直接添加して使用することはできませんので、汲み置きした水に使用し、念のため1時間程時間をおくようにしてください。
カルキ抜き剤以外を使った方法の場合
カルキはカルキ剤を使わずに抜くこともできます。
まず一つ目が、水道水に汲み置いた水を日光にさらしておく方法です。抜けきるまでの時間は天候に左右されるところがありますが、大体半日~2日ほど日に当てておけば水槽で使うことができるようになります。
二つ目は、バケツなどに水を組んでエアレーションをする方法です。こちらの場合は、セッティングしてからカルキが抜けるまで、2~3日程度かかると考えてください。
どちらの方法も時間はかかりますが、カルキ剤を切らしてしまったときや薬剤に敏感でカルキ抜き剤もあまり使用したくない生き物を飼育しているときなどにおすすめです。
予め水換えの予定を決めておいて、そこに向けて余裕を持って水を準備しておきましょう。
疑問2:カルキ抜きをした水はストックできる?
カルキを抜いた水をストックしておくことはできません。
というのも、カルキは殺菌目的で使用されている薬剤のため、抜いてしまった水は雑菌がわきやすく、時間をおくと傷んでしまう可能性が高いからです。
水換えは1~2週間に一回行う作業のため、そのたびにカルキ抜きをした水を用意するのは面倒に感じますが、安全のためにも作り置きしておくのは止めて、その都度必要な分だけを作るようにしてください。
疑問3:カルキが抜けたかをチェックするには?
カルキが抜けたかどうかを確認したいときは、市販の水質試験紙や残留塩素テスターを使います。
チェックしたい水を少量取って、試験紙を浸けるか薬剤を入れて色の変化を確認しましょう。
カルキ抜き剤を使用した場合は、パッケージの用法用量にしたがっていれば、問題なくカルキは抜けますので、そこまで神経質になる必要はありませんが、問題は、日光やエアレーションでカルキを抜いた場合。
こちらは日照時間や気温、水量など様々な条件によってカルキが抜けるスピードが変わりますので、試験薬を使ってカルキの残量を確認しておくと安心です。
また、水質に敏感な生体を飼育している場合にも、念のためテスターを使って確認しておけば無用なトラブルを避けることができます。
疑問4:液体と固形のカルキ抜きはどっちがいい?
液体タイプ、固形タイプ、どちらのカルキ抜きを使うか迷ったときは、まず、管理している水槽の総水量を基準に考えてみましょう。
液体タイプは10Lに約2ml程度のカルキ抜きが必要です。一方固形タイプならば一粒で約10L、粒の大きさによってはそれ以上の水のカルキを抜くことができるため、コスパでは圧倒的に固形タイプに軍配が上がります。
ただ、液体タイプには、カルキ抜きだけではないプラスαの効果を謳っているものが多く、水質を管理しやすくなるなどのメリットがあるのが魅力です。
これらのことを総合的に考えると、水量が少なく水質が安定しづらい小型水槽には液体タイプ、大量の水のカルキを抜く必要がある大型水槽には固形タイプが向いています。
疑問5:水槽の水と水温を合わせたいときはどうする?
新しい水の水温が水槽の水よりも低い時には、沸騰させたお湯を使って水温を調整します。
新しい水を入れたバケツに水温計をセットし、温度を確認しながら少しずつお湯を混ぜていきましょう。
最後に水温を合わせた水にカルキ抜き剤を添加すれば、新しい飼育水の完成です。
カルキ抜き剤を使用しない場合でも基本的な方法は同じで、カルキを抜いた水にお湯を混ぜて水温を合わせます。
一度沸騰した水はカルキが抜けていますので、お湯を混ぜた後にもう一度カルキ抜きをする必要はありません。
反対に、新しい水の温度が高すぎる場合は、風通しの良い日陰に置いて水温が下がるのを待ちます。
また、いくら水温を合わせていても一気に水を注ぎ入れると生き物に負担を掛けてしまうことがありますので、水槽に水を入れるときには少しずつ丁寧に注ぎましょう。
疑問6:カルキ抜きをしないとどうなる?
カルキには殺菌作用があるため、カルキ抜きをしないと飼育している生体や、水を綺麗にしてくれる硝化バクテリアにダメージを与える可能性があります。
特にバクテリアへの影響は大きく、カルキでバクテリアが減少して水質の急変を引き起こすことも。
最近は生き物に影響の少ないカルキが使用されている地域もあり、水道水をそのまま水槽に入れたところで、大きな問題にならないこともあるのですが、絶対に安全とは言い切れないため、従来通りカルキを抜いた水を使用するようにしましょう。
疑問7:カルキ抜き剤は生き物に有害?
カルキ抜き剤も薬品なので、生き物によっては有害となる可能性があります。
特に薬剤に敏感なエビ類の飼育では、カルキ抜き剤の使用も注意した方が良いでしょう。
影響が心配な場合は、エビ用の生き物に優しいカルキ抜き剤を使用するか、薬剤を使わずにカルキを抜くことをおすすめします。
また、たまにカルキが抜けたか心配で薬剤を多めに入れてしまう方がいますが、カルキ抜き剤の量が多すぎるのも問題です。
例えばヒレに小さな穴が開くピンホールという症状は、多量のカルキ抜きが原因となる可能性が指摘されています。
そのため、カルキ抜き剤を使用する場合は、薬剤が使用できる生き物であることを確認したうえで、用法用量を守って正しく使用するようにしましょう。
疑問8:簡単にカルキを抜く方法とは?
カルキを抜く方法の中で一番手っ取り早いのは、やはり専用のカルキ抜き剤を使用することです。
効果も確実ですので、薬剤を使用できない生体でない限りは、カルキ抜き剤の使用をおすすめします。
また、最近は浄水器を設置しているご家庭も多いですが、家庭用の浄水器ではカルキが除去しきれない可能性があるので、浄水を使用する場合もカルキ抜きは行ってください。
観賞魚用の『RO浄水器』を使えばカルキも抜くことができますが、こちらは全ての不純物を抜いた純水を作るための機材で、必要な栄養成分まで除去してしまいます。人工海水で必要な成分を補える海水水槽ならばうまく活用できますが、淡水水槽には不向きです。
しかし、最近ではRO水を使って必要な栄養素だけをコンディショナーで添加するという調整方法も広まりつつあります。
いずれにせよ、RO水を使用する場合には海水でも淡水でも、生き物が必要とする成分を補いながら使用すると、ダイレクトに生長を助けやすいでしょう。
カルキ抜き剤の注意点
生き物に有害なカルキを除去してくれるカルキ抜き剤ですが、使い方を間違えればかえってトラブルを招きます。
パッケージの注意書きに従って正しい使用を心がけましょう。
ここでは、カルキ抜き剤を使用する際の注意点をご紹介します。
使用量は水量で決める
カルキ抜き剤は、必ず水換えの水量に合わせた量を使用しましょう。
水槽全体の水量ではなく新しく入れる水の量が基準ですので、間違えないようにしてください。
また、先述しましたが、規定量以上のカルキ抜き剤は生き物に有害ですので、入れすぎにも注意します。
水質調整効果がある中和剤の注意点
液体タイプのカルキ抜き剤には、水質調整効果が含まれているものがありますが、これも入れ過ぎると水質が変わってしまう可能性があるため、注意してください。
例えば、粘膜保護成分が含まれたカルキ抜き剤を多用すると、水の粘度が増して泡立ったり溶存酸素が減りやすくなったりする可能性があります。
飼育水に良いものと聞くとたくさん入れたくなる気持ちはわかりますが、何事も多すぎは良くありません。規定量はしっかり守りましょう。
まとめ:カルキ抜きの疑問を解決!時間や量、簡単な方法など7つの疑問に答える
今回は、初心者が抱きがちなカルキ抜きの疑問についてお答えをしました。
水道水に含まれるカルキは水生生物やバクテリアに悪影響を与える可能性があるため、必ずカルキ抜きを行いましょう。
カルキを抜く方法で一番簡単なのはカルキ抜き剤を使用することですが、量が多すぎると毒になることもありますので、用法用量は守りましょう。
薬剤に敏感な生き物を飼育している場合は、生き物に優しいタイプのカルキ抜き剤を使うか、時間はかかりますが日光やエアレーションの力でカルキを抜くのがおすすめです。
飼育水づくりは生き物の命に直結します。正しくカルキ抜き剤を使用して、安全な水での飼育を心がけましょう。
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