錦鯉ブーム到来！海外からも愛される理由と全国の人気な養鯉場8選！

日本で愛されてきた錦鯉。
優美な和の雰囲気から、立派な日本庭園や公園、施設などで見かけることが多く、最近は自宅の水槽やビオトープで小ぶりな体型を維持しながら飼育する方も増えています。

そんな錦鯉ですが、実は海外でもブームが起きていることをご存知でしょうか。

主にアジア圏や欧米で盛んに飼育されており、海外から錦鯉を買い付けに来る方も珍しくありません。

海外で錦鯉がブームとなっている理由には、錦鯉が持つ煌びやかで荘厳な美しさや、日本の文化を好む方が増えていること、そして海外の住宅事情や円安などの経済情勢が大きく関係しています。

そこで今回は、今海外で錦鯉が愛されている理由と、全国の人気養鯉場8選をご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとに海外で錦鯉が愛される理由などのポイントを解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

和の雰囲気が美しい錦鯉は、日本のみならず海外にも愛好家が増えています。
海外での錦鯉ブームの背景には、日本文化への理解が深まったこと、そして海外特有の事情が大きく関係しているのです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、海外で錦鯉が愛される理由と人気の養鯉場8選を解説します。

海外で錦鯉が大人気！愛される理由とブームの理由とは

日本特有の文化と考えられてきた錦鯉ですが、実は今、海外でも愛される魚に成長しています。

そこには、海外の住宅事情や経済情勢に加えて、SNSの発達により文化を発信しやすくなり、情報が万人の目に触れやすくなったことがブームを後押ししていると考えられているのです。

ここでは、錦鯉が海外で人気の理由を5つご紹介します。

理由1：大きく鮮やかな淡水魚は世界でも魅力的

錦鯉が海外で愛されている理由の一つ目が、大きなものでは体長1m近くにまで成長するダイナミックな体と繊細な体色の美しさを併せ持つ点です。
これは、他の大型魚にはない錦鯉の唯一無二の魅力といっても過言ではありません。

土地が広く大きな家や庭が多い海外では、日本よりも大型魚を飼育しやすい環境にあります。そこで、より見応えのある魚を飼育しようと考えたとき、候補として挙がるのが錦鯉なのです。

• 紅白：紅と白の2色
• 昭和・大正三色：紅と白、墨の3色
• 白写り：白と墨の2色
• 緋写り：紅と墨の2色
• 黄金：全身が金色

など、主なものだけでもこれだけのバリエーションがあり、どれもシンプルながら鮮やかで奥深い魅力にあふれています。

理由2：錦鯉は人懐っこく飼育しやすいペット

あまり知られていませんが、実は錦鯉は人に懐くことがある淡水魚で、愛着を持ってペットとして飼育する方が海外には多いです。

池や水槽に近付けば寄ってきますし、よく慣れた錦鯉は頭をなでることもできます。大切に育てれば数十年生きることもあるため、長く飼育し続けることができるもの、ペットとして愛される理由でしょう。

また、錦鯉は淡水魚の中でも丈夫で、広いスペースさえ確保できれば飼育が容易という点も、人気な理由の一つとして挙げられます。

海外のアクアリウム事情は日本と異なり海水水槽が主流なのですが、海水魚の飼育は設備が複雑でお金もかかります。
その点、淡水魚である錦鯉は池や大きな水槽、シンプルなろ過装置で飼育することができるのが、手軽に感じる飼育者が多いようです。

理由3：庭に池を持つ住宅が増えている

タイやインドネシアなどの東南アジアは、現在経済成長の真っただ中にあり、大きな住宅がどんどん建設されています。
その中で庭に大きな池を設置する方が増えており、そこで飼育できるペットとして、美しい錦鯉が支持されているのです。

気候も温暖で、錦鯉を飼う条件がそろっているのも錦鯉を選ぶ理由として挙げられます。

また、アメリカでは税金対策の一環で、自宅の個人プールを池にするのが流行しており、ここでも錦鯉が飼育される傾向にあるようです。

間接的な理由ですが、これは広い池で飼育できる錦鯉の人気に火が付くきっかけになったと言っても良いでしょう。

理由4：円安で購入しやすくなった

海外から見ると、円安の影響で錦鯉が購入しやすい価格になったのもブームを加速させる要因になっています。

元々錦鯉は、グレードによっては1匹数十万～数百万円することも珍しくない高価な観賞魚です。
それは国内だけでなく海外でも同様でしたが、円安で以前よりは入手しやすくなったことから、外国の方がネットショップを通じて購入したり、来日して養鯉場で買い付けたりするケースが増えています。

現に養鯉場で行われるオークションには、日本の高品質な錦鯉を求めて世界各地から多くのバイヤーが訪れます。

理由5：SNSで若い世代にも人気

以前は海外で錦鯉を飼育しているのは年配の富裕層に多かったのですが、InstagramやFacebookなどのSNSを通じて、若い世代にも錦鯉の愛好家が増えています。
錦鯉の力強く華麗な姿はSNSでも見栄えがするため、若い世代の間では”映える魚”として魅力が広まったかたちです。

高級観賞魚と名高い錦鯉ですが、品種や大きさによっては数千円と比較的リーズナブルに購入できるため、興味を持った人が気軽に飼育を始めやすいのも人気に拍車を掛けています。

SNSは錦鯉の情報交換や魅力を共有する交流の場にもなっているため、若い世代でのブームはこれからも続いていくことでしょう。

全国の人気な養鯉場8選！

ここからは、日本全国にある人気の養鯉場8選をご紹介します。

実は、養鯉場では高品質な錦鯉を購入できるだけでなく、施設内を見学できたり、釣り堀が併設されていたりなど、幅広い世代が楽しめる体験型の施設としての魅力を備えています。
また、ネットショップを運営している養鯉場もありますので、近くに養鯉場がないという方でもお好みの錦鯉や飼育用品を購入することが可能です。

松田養鯉場

松田養鯉場は、錦鯉発祥の地である新潟県長岡市の山古志にある老舗の養鯉場です。

錦鯉品評会でも多数の賞を受賞しており、最上級の錦鯉を生産しています。

ネットショップで錦鯉や飼育用品を購入できるのはもちろん、展示販売もしていますので足を運んでみてはいかがでしょうか。

阪井養魚場

広島県にある阪井養魚場は、120年以上の歴史を持つ老舗の養鯉場です。

広島県は新潟県に次いで錦鯉の歴史が深く、阪井養魚場でも長年で培った飼育技術に加え、広大な養殖場と高度な浄水・殺菌施設を備えて、高品質な錦鯉を数多く生産しています。

その品質は全日本総合錦鯉品評会で、2020年までに11回の総合優勝を獲得しているほど。

特に紅白・三色系統の育成技術には定評があります。

小西養鯉場

広島県にある小西養鯉場は、錦鯉販売のパイオニアです。

大正時代創業の長い歴史があり、錦鯉の御三家と呼ばれる紅白・昭和三色・大正三色はもちろん、からし鯉など、多くの品種を作出しています。

現地での見学はもちろんのこと、足を運べない場合はネットショップから生体や飼育用品を購入することも可能。
最近じわじわブームになっている錦鯉の水槽飼育についても相談できます。

谷養鯉場

谷養鯉場は、首都圏からアクセスしやすい千葉県にある養鯉場です。

現地販売だけでなく、定期的に開催されるネットオークションでは錦鯉の生体を、ネットショップでは飼育設備を購入することも可能。
錦鯉の養鯉、販売をメインに、金魚、メダカ、日本淡水魚など幅広い観賞魚の取り扱いがあります。

またイベント関連も充実しており、釣り堀にパターゴルフ場やレストランまで併設された総合レジャー施設として、ファミリー層にも人気です。

篠田山養鯉場

篠田山養鯉場は、1966年開業の三重県にある養鯉場です。

高額な錦鯉はもちろん、こちらの養鯉場では高品質でリーズナブルな水槽でも飼えるサイズ錦鯉も取り扱っています。
店頭販売の他にネットショップも充実しているため、見た目や大きさ、価格など好みの錦鯉を探しやすいです。

錦鯉の池や水槽の設計を相談することもできますし、錦鯉と一緒に飼育できる玉サバなどの金魚も取り扱いもありますので、初めて錦鯉を飼育するという方には心強い養鯉場です。

成田養魚園株式会社

愛知県にある成田養魚園は錦鯉の養殖と合わせて、イベントにも注力している養鯉場です。

様々な品種の錦鯉を常時3万匹ストックしている園内は、さながら水族館のように錦鯉を鑑賞することができます。

店頭では錦鯉の展示即売会を開催しているほか、現地に行けない方に向けて、動画で鯉の状態を確認できるライブオークションも頻繁に行っています。

ネットショップも充実していて、餌やろ材、飼育機材などの取り扱いは1000点以上。錦鯉飼育に必要なものを一通り揃えることが可能です。

大日養鯉場

新潟県にある大日養鯉場は、御三家系の品種をメインに取り扱う養鯉場です。
大日紅白・大日昭和・大日三色など独自の『大日血統』をベースとして、体格や墨・紅の質が良い個体を作出しています。

直接販売はしていませんが、こちらで作出された錦鯉は国内の提携する販売店で購入することができます。
また、外国の方に向けて定期的に開催されるWEBオークションも好評です。

尾形養鯉場

福岡県にある尾形養鯉場は、特に海外への錦鯉の普及に尽力している養鯉場です。
世界各国に販売店を展開していて、国内外問わず多くの錦鯉愛好家から支持されています。

もちろん本家である日本国内の店頭イベントも充実。オークションイベントには海外からもバイヤーが訪れる盛況ぶりです。
定期的にネットオークションも開催されているので、現地に足を運べない方も是非一度覗いてみてください。

まとめ：錦鯉ブーム到来！海外からも愛される理由と全国の人気な養鯉場8選！

今回は錦鯉が海外で愛される理由と、全国の人気な養鯉場8選をご紹介しました。

錦鯉は1m近く成長する非常に鮮やかな観賞魚です。
大型魚を飼育しやすい環境にある海外では、見応えのある魚として以前から飼育されていましたが、最近は経済情勢の影響やSNSの普及により様々な年齢層で人気が高まっています。

このように海外でも錦鯉の美しさが認知されるに至った影には、高品質な錦鯉を作出し続けてる日本の養鯉場の努力があります。

皆さんもぜひこの機会に、養鯉場で海外から評価される錦鯉に触れてみてはいかがでしょうか。