玉サバとは!大きな金魚の特徴から大きく育てる飼育方法・餌などを解説
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玉サバは、日本産の美しい大型金魚です。
玉のように丸い体型と鮮やかな赤色、優雅な吹き流し尾が特徴で、琉金に似た体型ですが和金のように素早い泳ぎを得意としています。
飼育には60cmワイド水槽以上の大きな飼育容器が必要ですが、丸い体型であるのにどこかシャープな印象で、柔らかい雰囲気の琉金とは異なった魅力のある金魚と言えるでしょう。
このコラムでは玉サバの特徴から飼育方法、餌、そして大きく育てる方法をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに玉サバについてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
玉サバは丸い体型でありながら、寒さに強く餌食いが良い品種です。
高い鑑賞性と美しさを持つ国産金魚として、愛好されています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、玉サバの特徴や大きく育てる方法などについて解説します。
玉サバの特徴
玉サバは名前のとおり、丸い体型が特徴の金魚でありながら優雅なフナ尾を持っているのが最大の特徴です。
短尾~長尾(吹き流し尾)まであり、玉サバ独特の鑑賞性を高めているのです。
似た体型のリュウキンは尾が2枚に分かれているのに対して、玉サバは1枚のすっきりとした尾びれを持っています。
玉サバは新潟県山古志村で作出され、厳しい冬の寒さに耐えられる強い耐寒性があります。そのため、一般的に丸型の金魚は低水温に弱いとされますが、玉サバは寒さによって体のコンディションが低下することの少ない品種です。
寿命は約5~8年程度、金魚としては大型の部類で、最大で30cm以上に成長することがあります。
玉サバと同じく山古志が名産である『錦鯉』と同じ池で飼育する、という伝統的な飼育方法があるほど遊泳力が高く、大きな池で楽しめる希少な金魚でしょう。
玉サバの体色には、以下のようなバリエーションがあります。
- 素赤:赤い体色に透明なひれ
- 猩々(しょうじょう):体だけでなくひれの先まで赤い体色
- 更紗:赤と白の模様
- 黄金:メタリックなゴールドの体色
- キャリコ:赤・白・墨の3色模様
- タイガー:赤・白・墨のまだら模様 など
玉サバはその魅力から愛好者に大切にされてきた金魚で、現在でも改良が続けられている金魚です。
近年では、浜松産や薩摩産(神畑養魚場)の個体も流通しており、新たな作出が期待されています。
玉サバの仲間
玉サバのもとになった金魚や、玉サバをさらに改良した品種をご紹介します。
庄内金魚(ショウナイキンギョ)
庄内金魚は山形県の地金魚で、玉サバのもととなった種類です。
和金体型に、長く伸びる尾びれを持っています。
長く飼いこむほどに尾びれも伸びる特徴があり、低水温での飼育や冬眠を行うのがベストです。
そのため、水槽飼育ではなく屋外飼育を楽しむ金魚だと言えるでしょう。
和金体型・長い尾ということで『コメット』に近い印象ですが、よりフナに近い顔立ちと、強い赤さが際立ちます。
福ダルマ
福ダルマは、丸い体型であることに重点をおいた改良個体です。
玉サバとの違いは「より丸い体型と濃い赤色」で、尾びれの長さなどに違いはありませんが、短尾のものが多く流通しています。
体の赤い部分はエンジ色に近いニュアンスがあるなど、透明鱗を持つ個体のような深い体色も魅力の一つです。
玉錦(タマニシキ)
玉錦は透明鱗をもつ玉サバです。
透明感のある鱗によって、赤い体色や黒目が美しく映えます。体色がより濃い個体を探している場合におすすめです。
キャリコ玉サバ
キャリコ玉サバは、赤・白・墨のキャリコ(三色)模様を持つ玉サバの改良品種です。
丸い体に十分にのったキャリコ模様は、鑑賞性抜群ですよ。
このほかにも、変わり玉サバとして、『タイガー』や『レッドタイガー』という品種がいます。
玉サバの飼育方法
玉サバは活発な遊泳力と、約30cmほどまで成長するポテンシャルを持つ金魚です。
水槽飼育では最大体長まで育たないことも多いので、大きめの水槽を用意するのがおすすめです。60~90cm水槽以上での飼育が望ましく、奥行は45cmあるとベストだと言えます。
大きな金魚は酸素を多く消費し、水量が多ければ酸素をたくさん確保できるため、快適に生活させられるのです。
錦鯉と混泳させるような大きな池でなくても、ゆったりとした大き目の水槽を用意してあげましょう。
室内水槽で玉サバを飼育する場合のろ過フィルターは、投げ込み式か上部式で飼育することが一般的です。底砂は敷かない、『ベアタンク』での飼育が特に向いています。
屋外飼育では、上記のような池飼育以外には、プラ舟+投げ込み式フィルターでの飼育を行います。
玉サバは丈夫な金魚ですが、環境の変化には弱いところがあります。
導入時には0.5%程度で塩水浴を行うと、調子が整い体力を回復しやすいです。
また、耐寒性がある一方で暑さには注意が必要です。
近年は猛暑日が長く続くため、室内飼育なら冷却ファンの設置や、屋外飼育であればすだれを準備しましょう。
玉サバの餌
玉サバには金魚用の人工飼料をメインに与え、増体や繁殖を狙う場合は冷凍赤虫を与えます。
冷凍赤虫は消化はあまり良くありませんが、抜群の嗜好性とたんぱく質が含まれている良質な餌です。
与えすぎに注意しながら、丸い体型や鮮やかな赤い体色を管理しましょう。
玉サバを大きく育てる方法
玉サバを大きく育てるためには、飼育環境を整えることが大切です。
まず挙げられるのが、錦鯉の若魚と一緒に池で飼育する方法です。玉サバと同程度の遊泳力を持つ錦鯉と混泳させることで、運動量を増やします。
錦鯉と遊泳・餌食いを競わせることで刺激を与えて増体する、という内容の育成法です。
しかし、錦鯉と混泳させられるような環境を用意するのは、なかなかハードルが高いですよね。
そこで、玉サバを大きく育てたい場合は90cm水槽での飼育がおすすめです。錦鯉と混泳はできなくても、余裕のある水量や広さがあればストレスを感じにくくなり、大きく育ちやすくなります。また、病気の予防にも効果的です。
大型金魚なので、のびのびと泳げる水槽での飼育が肝心であり、運動量を確保して餌食いを良くするのが最も効率的な増体方法と言えるでしょう。
冷凍赤虫などの栄養価の高い餌も併せて与え、立派な体格に育てましょう。
玉サバの混泳について
玉サバは大きく育つ金魚のため単独飼育が基本ですが、広さに余裕がある水槽では混泳できます。ただし、玉サバの高い遊泳力には注意が必要です。
琉金のような開き尾を持つ品種や、出目金やピンポンパールのような泳ぎが苦手品種との混泳には向きません。体型は異なりますが、同じフナ尾を持つ朱文金や和金などの和金型金魚や、錦鯉(若魚)との混泳が適しています。
まとめ:玉サバとは!大きな金魚の特徴から大きく育てる飼育方法・餌などを解説
玉サバは、「最も丸い体型」を目指した国産の金魚です。
濃く鮮やかな赤い体色や長い尾びれなどの容姿だけでなく、北国で作出されたため耐寒性もあり、さらに錦鯉とも混泳できる遊泳力を誇ります。
体長約30cmと大型に育つため、大きな水槽や池、プラ船が必要ですが丸型金魚のなかでは丈夫な品種です。また、低水温への適応力から屋外飼育にも向いています。
金魚飼育に慣れている方や飼いごたえのある品種を探している方は、魅力たっぷりな表情を持つ玉サバの飼育に、ぜひ挑戦してみてください。
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