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錦鯉は「屋外でなければ飼育できない」と思われがちですが、室内で飼育することも可能な観賞魚です。
池や寺院、比較的大きな公園の池など広い池で飼う魚や高級魚といったイメージですが、水槽で飼育するとそうした印象とは違った可愛らしさがあります。
近年では、水槽設備やろ過フィルターの進歩から水槽飼育のハードルが下がっており、「住宅事情などから錦鯉が飼えない」とあきらめていた方の間でも、水槽飼育が広まりつつあります。
錦鯉を水槽で飼う方法や飼育ポイント、注意点などについてご紹介します。
目次
錦鯉の水槽飼育がおすすめな理由
錦鯉はお金持ちの魚と言うイメージがありますが、品種やグレードによっては幼魚が1匹300円程度からなど、気軽に購入することができます。
池にいる錦鯉は、上から見下ろすかたちで観賞しますが、水槽飼育なら横からも観賞できるので、錦鯉の色々な姿を楽しめると言えるでしょう。
その他にも、錦鯉の水槽飼育をおすすめする理由は次のようなものがあります。
錦鯉は飼育環境で最大体長が変わる
大きな池にいる錦鯉は大きさも30cm以上の個体も多く、成長すると巨大なイメージがありますが、錦鯉は環境に合わせた大きさに成長します。
そのため水槽内で飼育するときは、水槽の大きさに合わせた体長で止まるため、際限なく大きくなることはありません。
60cm水槽であれば30cmほどといった感じです。個体差はありますが、限られた広さでは錦鯉に限らず観賞魚はほどほどのサイズで止まることが多いです。
尚、「小さいサイズのほうが可愛い」ということで、小さい姿を保ちたいと考える飼育者もいます。
その場合は餌の量を少なめに与えるようにしてください。ほどよい小ぶりさを維持しやすいです。
反対に、こまめに多めのエサを与えると、大きく成長しやすくなります。
餌のやりすぎは水を汚す原因になりますが、餌を少なくすることで錦鯉の健康を害することはありません。
大きく成長させないポイントに関してはこちらの記事もご覧ください。
錦鯉は水質の変化に強い!
錦鯉は割と濁り気味の水を好み、急激な水温の変化がなければ5度から35度と順応する水温の幅が広いです。
また1週間くらいなら餌を食べなくても問題ないので、旅行などで家を空けるときの餌の心配をする必要がありません。
水の管理に関してはこちらもご参考にしてください。
錦鯉は人になつく魚!
錦鯉は音に敏感な魚なので、池で飼育されている錦鯉は人の足音を聞き分け、餌をくれる人が来るかどうかを判断していると言われています。
水槽で飼育している時は、毎日餌をくれる人が通ると仕切りに餌が欲しいようなしぐさを行いますが、餌をくれない人が通ってもあまり反応しません。
この餌が欲しいときのしぐさもかわいらしいのですが、慣れてくると人の手から直接餌を食べることもあり、表情豊かで愛らしい魚なので、飼っていくうちに愛着がわいてくるという人が多いです。
鯉の飼育に関してはこちらもご参考にしてください。
錦鯉のおすすめ品種6選!
錦鯉には様々な特徴を持つ種類が流通しています。
代表的な種類をいくつかご紹介しますが、同じ品種でも模様や体型によって大きく印象が異なります。好みの姿に育て上げるのも、錦鯉飼育の醍醐味です。
紅白
紅白は白地をベースに緋盤(ひばん)と呼ばれる赤い模様が入る錦鯉の代表的な種類です。錦鯉の中では人気が高く、市場への流通量も多いです。
大正三色
大正三色は昔「三毛」と書かれていたため、愛好家の間では通称を「さんけ」と言っています。
紅白のような紅白模様の体にさらに黒色が点在しているのが特徴で、錦鯉愛好家に親しまれています。
赤べっ甲
緋色に黒いまだら模様の錦鯉です。
どこか懐かしい印象の品種で、味わい深い体色は水槽飼育でも映えます。
山吹黄金
黄金という名称がついていますが、色の幅はが広く黄色から、山吹色など1匹ずつ異なります。
明るい色合いなので、1匹でも存在感の強い錦鯉です。
プラチナ
プラチナは雪のような白さがある錦鯉で、飼育しやすい品種でもあります。
単色だと地味だと思われがちですが、他の品種と混泳させると、「白銀」という感じの色合いで存在感でてくる錦鯉です。
銀鱗
銀鱗はキラリと光る金属質の鱗を持つ品種です。
水槽だけでなく池の中でも輝きを楽しめる、鑑賞性の高い錦鯉です。
人気の品種はこちらのコラムでもご紹介しています。
錦鯉の水槽飼育に必要な設備
錦鯉は水質の変化に強い魚ではありますが、水槽で飼育するときには最低限そろえておきたい水槽や機材があります。
水槽は60cm以上がおすすめ
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錦鯉は飼育する水槽のサイズに合わせた大きさに成長しますが、窮屈な環境で飼育するのは良くありません。
単独では45cm~60cm水槽、複数で飼育するのなら60cm~90cm水槽をおすすめします。
奥行きは45cm以上あるのが理想です。
「錦鯉は水槽のサイズに合わせた大きさに成長する」とご説明しましたが、やはり個体差がありますので成長を続ける錦鯉もいます。
場合によっては90cm以上の水槽も必要になってくることをご留意ください。
また、錦鯉は環境に慣れるまでは水槽から飛び出してしまうこともあるので、水槽のフタは必ず用意しましょう。
そして錦鯉の水槽はかなりの重量になるため、専用の水槽台もご用意ください。
水槽・水槽台に関してはこちらもご参考にしてください。
ろ過フィルター
水換えの回数を減らしたり、水質を維持するためにもろ過フィルターは設置しましょう。
濁った池でも生きていけるような強靭なイメージがありますが、汚い水で飼育して良いわけではありません。
頻繁に水換えを行うと、錦鯉はストレスを感じることがあるのでろ過機材のパワーをあげ、水換えの頻度を下げたほうが安定して飼育できます。
予算などから、飼育水槽にぴったりのフィルターをご選定ください。
投げ込み式フィルター
投げ込み式フィルターはその名の通り、水槽の水の中に設置するフィルターです。
酸素供給ができることや、水槽中に入れて使うので、水槽回りに機材が目立たないというメリットがあります。水流は強すぎず、錦鯉がゆったりと泳げます。
デメリットとしては水槽の中にフィルターがあるで、ろ材交換の際に汚れが流出しやすいことです。
上部フィルター
水槽の上部分に設置するタイプのフィルターです。上で紹介した投げ込み式フィルターよりもろ過パワーが強いです。
酸素供給はもちろん、メンテナンスが手軽にできるところもメリットの一つです。
こちらの上部フィルターは人気の製品の一つです。ろ材を好みのものに換えることができるのも強みです。
外部フィルター
ろ過パワーが最も高いので安定した水質を保てるなど、頼りがいのあるフィルターです。
また、水槽回りがスッキリして魚が美しく見えるのもおすすめポイントです。
ただし、外部フィルターは酸素を水中に溶かし込む能力が高くありません。
錦鯉は酸素を多く必要とする魚なので、外部フィルターを使う場合はエアレーションを併用するようにしましょう。
外部フィルターはフィルターはろ材を入れるスペースが広く設計されており、消耗品パーツも販売されているため、長く使うことが出来ます。
本体の分解や掃除がしやすいという長所もあります。
水槽の掃除道具
フィルターで細かなゴミを集めても、他のフンなどのゴミがどうしても水槽内にたまってしまいます。一番たまるスポットは、底砂でしょう。ですから、底砂を重点的に掃除するのは大切なお手入れポイントになります。
底砂を掃除するのに便利なアイテムは何と言っても「プロホースL」です。
このプロホースは、アクアリストであればみんな知っているといっても過言ではないような人気アイテムです。
プロホースを水槽内の底砂に差し込み、グリップ部分のスターターボタンを押すと排水がはじまり、水と一緒にゴミを吸い上げる仕組みになっており、換えと底砂掃除を同時に行えるます。
パイプが細めに設計されていて、底砂を過剰にかき回す感じにもなりませんので、レイアウトを崩すことなく掃除ができます。
錦鯉のような大きなフンをする生体にはLサイズがおすすめです。
水槽用ヒーター・サーモスタット
錦鯉は水温の順応幅がとても広い魚ですが、水槽飼育では水温を一定に保ってあげることで病気になりにくくなります。
特に北海道や東北など寒冷地や冬季ではあると便利な設備です。
とはいえ、もともと錦鯉は季節を感じながら育つ魚です。無加温でも問題なく飼育できます。
上のアイテムは60cm水槽よりやや小さめの水槽向けで120Wです。60cm~90cm水槽の場合は以下のようなW数のヒーターが向いています。
水槽用ヒーターについてはこちらでもご紹介しています。
水槽用クーラー
飼育環境によっては夏場、水槽内の水温が高温になってしまうことがあります。高温になりやすい場所では夏の水温上昇を防ぐために水槽用クーラーを使用することをおすすめします。
水槽用クーラーに関してはこちらもご参考にしてください。
水槽用照明
蛍光灯は特になくても錦鯉を水槽で飼育することはできます。錦鯉や水槽内をきれいに見せることができるアイテムです。
ただし、水槽内に水草を入れる場合には、光合成で光が必要になるため必須アイテムとなります。
照明に関してはこちらもご参考にしてください。
錦鯉におすすめの餌
錦鯉をどう育てたいかによって最適な餌は異なります。
小さなままで楽しむ:ヒカリ 姫ひかり 特小粒
「小さいままの錦鯉を楽しむ」というコンセプトで開発された、小さな錦鯉の口にぴったりなサイズの人工飼料です。
小粒ですがたんぱく質が豊富で、錦鯉の健康を維持します。
美しい発色を目指す:キョーリンひかり色揚げ
体色を美しくしたい場合は、「キョーリンひかり色揚げ」がおすすめです。
「スピルリナ」が配合されていて、錦鯉の赤い色を鮮やかにしてくれます。色揚げ用のエサは消化不良を起こしやすい傾向がありますが、こちらは脂質が控えめなのでお腹にやさしいです。
嗜好性も高い餌なので、食いつきが良いです。
餌の与え方には注意が必要
錦鯉はとても大食漢です。
喜んでいるからといって餌を一日に何度も与えると成長が促されます。一般的に外で飼育されている錦鯉よりも、水槽で飼育している錦鯉のほうが必要とするエネルギーは少ないので、たくさん与える必要はありません。
「余裕のあるスペースで大きな錦鯉を楽しみたい」という場合は問題ないのですが、あまり大きくなりすぎると困るときは、一日一度の餌やりの頻度を守りましょう。
たくさん食べればそれだけたくさん排泄もします。水も汚れやすくなりますので、餌を何度も与える場合は水換え頻度も増やして管理を行います。
また、食べ残すほど与えるのも水が汚れる原因となります。餌を与えて3分ほどで食べきるのが適量ですので、最初のうちは様子を見ながら量を調節してあげてください。食べ残すようであればすくって処分し、水を汚さないように心がけましょう。
錦鯉の水槽飼育のポイントや注意点は?
錦鯉を水槽で飼育するのはアクアリウム初心者でも簡単に行うことができますが、上手に飼育するにはいくつかのポイントがあります。
錦鯉の数と水槽の大きさに注意
錦鯉は飼育環境に合わせた大きさで成長がとまりますが、複数飼育の場合は60センチ水槽で15センチ以下のものなら3~5匹程度にとどめておいたほうが良いです。
購入してから全く成長しないとうわけではないので、ある程度ゆとりのある環境で飼育したほうが錦鯉もストレスがたまりません。
錦鯉は水を汚しやすい!
錦鯉はよく食べる魚ですが、食べる量が多ければフンもそれなりに多くなります。そのため水を汚しやすいので、こまめな掃除はもちろんですが「カキガラ」や「活性炭」などを入れると水質を安定させやすいです。
カキガラはフィルターの中に入れると見た目を損なうことなく利用できます。他には水流のあるところに設置しても効果的に使えます。
どちらもpHの調整に役立ちます。カキガラやサンゴ砂からはカルシウムが溶け出すので、水質をアルカリ性にしてくれます。その効果により、pHが低下しすぎるのを防ぐことができます。
「使ってみたいけど、なんだか不安…」という方は、カートリッジタイプがおすすめです。エイトコアなどでお馴染みの水作では、投げ込みフィルター(水中フィルター)用のカキガラカートリッジを販売しています。小型のフィルターのもので、「金魚用」とありますが、錦鯉でももちろん使用できます。フィルター内に組み込むだけなので、手軽に安心して使うことができます。
しかし、ここで注意したいのが「カキガラは物質を吸収するわけではない」ということです。
もしpHが適正なのに病気が発生する場合は、大幅な水換えで水質を改善してやるのがおすすめです。
ちなみに、サイズの小さめな投げ込み式フィルターをサブフィルターとして投入するのも良いです。エアレーションも兼ねられるので、酸素の供給にも役立ちます。
錦鯉の病気にはどんなものがある?
錦鯉の病気には、熱帯魚や金魚など魚全般がかかる水カビ病やウオジラミ、白点病やカラムナリス症などといった代表的な病気のほかに次のような病気があります。
- ダクチロギルス症:餌を口に入れて吐き出したり呼吸が早くなる・突然暴れ出す
- コスチア症:鱗や体表からの出血や充血、鞭毛虫が寄生することで体の粘液過剰分泌状態になり白い班が出る。
- トリコディーナ症:頭部に白い幕を張っているかのようになり、体が充血し食欲がなく、水面近くを浮遊するようになる。
- ネムリ病:水槽の底に眠っているかのように横転し、刺激を与えられると動くが横転する。
- 浮腫症:体全体がむくんで眼球が落ち込んでしまい、平衡感覚を失う。
- 乳頭種症:体やヒレにかんてんのような突起物ができてしまう
- 緋喰い症:緋盤に発生する病期で、緋盤よりも薄い色で隆起が起きるなど。
病気になったときには早期治療が大切です。治療は塩浴や薬浴を行います。
魚の病気は水質の悪化やストレスが原因となることが多いので、水槽で錦鯉を飼育するときは水質のチェックはマメに行い、錦鯉にストレスを与えない環境づくりを目指しましょう。
病気・ストレスに関してはこちらもご参考にしてください。
まとめ:錦鯉を水槽で飼育する!飼育方法や水槽飼育のポイント、注意点とは
今回は錦鯉を水槽で飼育するときの方法や水槽飼育のポイント・注意点についてお話しました。
水槽で飼育するときは飛び跳ね防止で水槽のフタを忘れないように、また水質管理やストレスを与えない飼育環境を作ることで、病気に強い元気な状態で錦鯉を育てることができます。
慣れてくると餌やりの時によって来たり、愛らしい動きを見せてくれるようになるので、精神的なも癒しになってくれます。
もし魚の飼育が初めてで水槽などの機材や錦鯉の種類がよくわからないという場合には、東京アクアガーデンにぜひお問い合わせください。
水槽の設置や必要機材などの相談にも乗ってもらえますし、いきなり飼育するのではなく水槽ごと錦鯉をレンタルしてみるという方法もあります。
もちろんリースならメンテナンスも行ってもらえるので、水槽レンタルなら手間がかかりません。また、実際に飼う場合でもオーダーメイド水槽や水槽台のオーダーも承っているので、自分好みの水槽や設置場所に合わせた水槽を作ることもできます。
オーダーメイド水槽・水槽台・ろ過槽・フタなどの制作や中古水槽を販売しています。ガラス製・アクリル製・塩ビ製などの素材を取り扱っています。お見積りは無料です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
癒し効果絶大な錦鯉の飼育を始めてみませんか。
鯉に関してはこちらもご参考にしてください。
お問い合わせ
水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス、
お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス、
水槽リニューアルサービスや水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。
このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
最近鯉を飼育を始めたのですが。塩やヒーターも使ってません!大丈夫でしょうか?一匹なのですが。
鯉はもともと無加温で飼育できる淡水魚なので、水槽用ヒーターも塩も使わなくても飼育可能です。
ただ、塩は、飼育環境が変わったときや鯉が体調を崩したときに、養生させるために使用しますので準備しておくと便利です。
こちらは金魚のコラムですが、塩の使い方は同じですのでご参照ください。
・金魚の塩水浴とは!塩水浴の効果・濃度・期間・戻し方を徹底解説します
https://t-aquagarden.com/column/goldfish_saltwater
よろしくお願いします。
鯉の飼育をしたいと考えているのですが底砂無しでの飼育は可能でしょうか?
鯉はベアタンク(底砂無し)で飼育できます。
フンや汚れを発見しやすいので、清潔な環境を維持可能です。
ベアタンク飼育については、こちらのコラムもご参照ください。
・ベアタンクって何?ベアタンク向きの魚や、メリットとデメリットについて
https://t-aquagarden.com/column/bare_bottom_tank
よろしくお願いします。
鯉を2匹買っているのですが、2匹にサイズの差が出てきました。
そのためか、餌をやると大きいほうが餌をたくさん食べてしまっています。
このまま一緒の水槽で飼っていて大丈夫なものでしょうか?
体長差がわからないため、正確な回答ではないですが、一緒に飼育しても大丈夫です。
大きな鯉にたくさん餌を食べられてしまう場合は、大きな鯉に餌を与える→食べている間に、小さな鯉の目の前に餌を落とす。というように、餌をしっかり食べられるようにしてあげるとよいでしょう。
とはいえ、いきなりたくさん与えると消化不良になることもあります。エサが少ないか・与えすぎかはこちらのコラムをご参照ください。
金魚のコラムですが、基本は同じです。
・金魚のエサやりポイント3つ!適量とは!実は少ない・与えすぎているのか
https://t-aquagarden.com/column/goldfish_feed_point
よろしくお願いいたします。