水槽丸洗いのデメリット!水槽の掃除は一度に全部おこなってはいけない
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アクアリウムを始めたばかりの頃、水槽の立ち上げ方や生き物の飼い方についてしっかり下調べをして実践しているにも関わらず、生き物が一気に体調を崩してしまうということがあります。
もしかしたら、この原因はメンテナンスのやり方にあるのかもしれません。
水槽の主なメンテナンスは、水換え、コケ掃除、底砂掃除、ろ材やろ過フィルターの掃除などがありますが、実はこのすべてを一気に行うのはNG行為。
水槽全体を丸洗いしてしまうと、環境が急変して生き物にダメージをあたえてしまう可能性があるのです。
そこで今回は、水槽を一度に洗ってはいけない理由や、水質を急変させない掃除方法をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽を丸洗いしてはいけない理由と掃除方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽掃除の後に生き物が体調を崩してしまう場合、掃除を一度にやり過ぎていて水質が変わってしまっているのかもしれません。
水槽掃除は一か所ずつ日を分けて行うと、水質の急変を抑えることができます。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽を丸洗いしてはいけない理由と掃除方法を解説します。
水槽は一度にすべてを洗ってはいけない!
水槽には、水換えやコケ除去、底床材の掃除、ろ過フィルターやろ材の掃除などメンテナンスをしなければならない箇所が複数あります。
一つ一つバラバラに掃除をしていくと、その都度準備や後片付けの手間がかかりますので、一気に片付けてしまったほうが効率が良い、と考える方もいるでしょう。
しかし、実はこれが大きな落とし穴で、一度にすべてを洗ってしまうと環境が急変して飼育している生体や水草に影響が出てしまうことがあるのです。
ここからは、水槽を一度にすべて掃除をしていけない理由を細かく解説します。
バクテリアが減ってしまう
水槽を丸洗いする一番の問題が、水をきれいにしてくれる硝化バクテリアが激減してしまうことです。
硝化バクテリアは魚のフンや食べ残しを分解したり、有機物から発生する有害な成分を無害な物質に変換したりなどの重要な役割を担う生物ろ過の要。
水質が安定している水槽では、水の中やろ材、底砂などに定着して活動していますが、水槽を一気に隅々まできれいにしてしまうと、このバクテリアが大量に外に流されてしまい、生物ろ過のサイクルがうまく機能しなくなってしまうのです。
その結果、次項で解説する水質の急変など、生き物に大きな負担を掛ける事態を引き起こすことがあります。
pHなどの水質が急変する
水槽内のバクテリアが激減すると、水が汚れやすくなったり水質が急変したりといったトラブルが起こる可能性が高まります。
中でも気を付けなければならないのがpHショックです。水が汚れるとpHが下がりやすくなりますが、掃除などがきっかけでバクテリアが激減し一気に水質が悪化した場合、pHの低下速度に魚が対応できずショック症状を起こすことがあります。
このような水質の急変を防ぐには、やはり日を分けて掃除を行うのが良いでしょう。
特に底砂やろ材にはバクテリアが定着しやすいので、同時に掃除をするのは避けてください。
水質を急変させない掃除方法5つ!
硝化バクテリアは水槽のメンテナンスを行うことで、どうしても減少してしまいます。
しかしちょっとした工夫で減少量を少なくすることは可能です。
ここからは水質を急変させずに掃除をするための方法5つをご紹介していきます。
熱帯魚を健康に飼育し続けるためにも、バクテリアを減らさないメンテナンス方法を実践して、安定した水槽を目指しましょう。
ろ材の交換や掃除のポイント
水槽の中でも特にたくさんのバクテリアが定着しているろ材は、交換や掃除をした後に水質に影響が出やすいです。
とはいえろ材をメンテナンスしないとそれはそれで水槽に悪影響ですので、以下のポイントを押さえながら掃除をしましょう。
- ろ材のメンテナンスは単独で行う
- 交換は半量に留める
- 洗浄には飼育水を使う
ろ材の洗浄や交換をするとどうしてもバクテリアが流出してしまいます。水槽への影響を最小限に抑えるため、他のメンテナンス作業とは日を分けて行うようにしてください。
ろ材を交換する際は全量交換するのではなく、多くとも半量程度に留めておくとバクテリアの減少を最小限に抑えることができます。
また、カルキの影響を避けるため水道水ではなく飼育水を使って洗浄するのも良い方法です。
底砂掃除は適切な頻度で行おう
水槽の底砂には汚れが溜まりやすいです。放っておくと病気の原因となる菌の温床になってしまうこともあるため、しっかり掃除をしましょう。
基本的には水換えの時に、2週間に一回程度の頻度で行うのが良いです。プロホースなどを使って水と一緒に汚れを吸い出すと簡単に掃除できます。
アクアリストの中では底砂にも硝化バクテリアが棲み付いているため、あまり掃除をしないほうが良いという意見もありますが、底砂掃除程度で減るバクテリアの量ならば大きな問題にならないことが多いです。
それでもバクテリアの減少が気になるときは、半分ずつ2回に分けて行うなど工夫をしながら掃除をしてみてください。
水換え時は水温変化に気を付けよう
水換えで新しい水を注ぐときは、水温合わせを徹底しましょう。
水質と水温はあまり関係ないようにも思えますが、水温が下がるとバクテリアの活性も下がりやすいです。また、水温の変化で生体がダメージを受けることもありますので、気を使うに越したことはありません。
特に、冬の寒い季節は水温が下がらないよう、カルキ抜きした水にお湯を足すなどしてきっちり水温を合わせるようにしてみてください。
コンディショナーは容量を守る
飼育水にバクテリア剤や粘膜保護剤などのコンディショナーを添加している場合は、必ず容量を守るようしてください。
水槽に良いものだと思うとたくさん入れたくなってしまいますが、コンディショナーも薬剤です。多く入れ過ぎると、水が濁ったり酸欠を引き起こしたりといったトラブルに見舞われる可能性があるため、入れ過ぎには注意しましょう。
水槽のぬめりは悪いものではない
水槽を掃除していると、時々ガラス面やパイプにぬめりが付着していることはありませんか。
実はこのぬめりは、バクテリアのコロニーのようなもので、悪いものではありません。
むしろバクテリアが活性化している証拠ともいえるので、少しならばすぐに取り除く必要はないでしょう。
ただ、あまりに量が多い場合はろ過フィルターの目詰まりの原因になるため、取り除くのが適切です。
また、ぬめりの異常増殖は水中が養分過多になっている時に多い現象なので、気になるほどのぬめりが付くときは一度水質を確認してみることをおすすめします。
まとめ:水槽丸洗いのデメリット!水槽の掃除は一度に全部おこなってはいけない
今回は水槽掃除を一度に行ってはいけない理由と、水質を急変させないメンテナンスのコツについて解説しました。
水槽掃除は熱帯魚飼育で欠かせないお世話の一つです。適切な頻度でしっかり掃除をすることで、健康に魚を飼育できます。
ただ、水換えやろ過フィルター掃除、底砂掃除などを一気に行ってしまうと、水槽内に住みつく有用なバクテリアが激減して、水質の急変を招く危険がある点には注意が必要です。
少々手間ではありますが、一か所ずつ日を空けて掃除していくと、水質への影響を最低限に抑えることができます。
このコラムを参考に、正しい掃除方法を実践してみてください。
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