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アクアテラリウムの虫対策!害虫の発生を抑えるメンテナンス方法とは

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アクアテラリウムは、水中で生き物を飼育しながら、陸上で観葉植物や苔を育てられる楽しいレイアウトです。

自然に近い環境を再現できるアクアテラリウムですが、陸上部分の土中などから小さな虫が発生してしまうことがあります。アクアテラリウムは石や流木を複雑に組んで土台を作るため、レイアウトを崩して虫を駆除するのは、できるだけ避けたい方法です。

今回のコラムでは、アクアテラリウムでの虫の発生を抑えるメンテナンス方法について解説します。

レイアウトをできるだけ崩さずに虫対策をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにアクアテラリウムの虫対策について解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

人気のアクアテラリウムですが、虫の発生に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

虫の駆除ももちろん大切ですが、アクアテラリウムに虫や幼虫を持ち込まないことも重要な対策となります。日常的にメンテナンスを行い、素敵なアクアテラリウム水槽を維持しましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アクアテラリウムの虫対策について解説します。

アクアテラリウムの虫対策

水槽内に虫が発生すると鑑賞性が損なわれてしまい、せっかくの美しいレイアウトが台無しになってしまうことも。

ここでは、すぐに取り組める、虫の発生を抑えるためのアクアテラリウムのメンテナンス方法をご紹介します。

水をかけて水中に落とす

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アクアテラリウムで虫が発生しやすいのは、主に陸地部分です。

レイアウトの陸地部分に水をかけることで、発生した虫や虫の卵を水中に落とすことができます。水に落ちた虫は、網を使ってすくうか、水中を泳ぐ魚たちに食べてもらいましょう。

水をかけて虫の対策をする場合は、水がやさしく拡散するジョウロなどを使用します。

雨が植物を潤すイメージで、葉を含めてシャワーで洗い流すようにするのがベストです。シャワーした水は虫を洗い流しながら水槽内に落ちていきますので、飼育水と混ざっても問題無いように、カルキ抜きした水を使用しましょう。

一時的に水槽を満水にする

やさしくシャワーで洗い流すだけでは、なかなか虫の発生を抑えられないこともあります。
土の中や植物の根元に卵や虫が付いているなど、どうしても虫の発生が収まらない場合は、陸地部分も一時的に水中に沈めて駆除しましょう。

まず、レイアウトは崩さずに水槽の水を増やしていき、満水になったら5分程度そのままにします。
満水にしてからしばらくすると、やがて発生している虫は呼吸ができずに浮かび上がってくるはずです。

また、生き物を飼育している場合は、満水にしている間に虫や虫の卵を食べてくれるという駆除効果も期待できます。

水槽を満水にするのは、虫の発生を抑えるのに効果的な方法ですが、四面が同じ高さになっている普通の水槽の場合にのみできる対策法です。前面が低く設計されている、アクアテラリウム用の水槽では実施できないので注意しましょう。

滝を作る

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アクアテラリウムと滝の組み合わせは、特に人気の高いレイアウトです。

そして、鑑賞性や循環性の向上だけでなく、滝には虫の発生を抑える効果も期待できます。水が常に流れ落ちる環境を整えることで、発生した虫や虫の卵を洗い流すことができるでしょう。

滝を作る際のコツは、ある程度の落差を設けて、滝の水が苔や植物から滴るような傾斜・水の動線を作ることです。このように設計することで、虫が発生する範囲を減らせます。また、カビ防止にも効果的と、一石二鳥です。

虫を食べる生き物を飼育する


アクアテラリウムの魅力は、より自然に近い水中と陸上の環境を再現できることです。

自然下と同じように、水に流されてきた虫を食べる生き物がいれば、アクアテラリウムはクリーンな状態を維持できます。

アクアテラリウムでの虫対策にもなる、虫を食べてくれるおすすめの生き物をご紹介します。

熱帯魚

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ネオンテトラやアカヒレなど、小型カラシンやコイの仲間は小さな虫をよく食べてくれます。

また、ベタやハニードワーフグラミーなどのアナバンティッドの仲間は、水面に落ちてきた餌を食べるのに適した上向きの口をしており、虫が流れてくると素早く反応するでしょう。

アクアテラリウムは水面がオープンなレイアウトなので、水温変化に比較的強い熱帯魚がおすすめです。


メダカ

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メダカも主に水面を泳ぐ魚で、水面に落とされた小さな虫や水中に発生するボウフラなどの幼虫を積極的に食べてくれます。

また、メダカは日本の自然環境に慣れており、水温変化にも強いため、アクアテラリウムに最適な魚です。

黒メダカを導入すれば、より自然に近いナチュラルなレイアウトになりますし、鮮やかな色彩の改良メダカが泳ぐアクアテラリウムは、見た目も美しく華やかな水槽になるでしょう。


イモリ

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イモリはボウフラなどをよく食べますし、アクアテラリウムで飼育すれば素敵な「イモリウム」として楽しめます。

ただし、アクアテラリウムでイモリを飼育する場合には、脱走に注意してください。

わずかな隙間から水槽の外に出てしまうことがあるため、フタは必須です。特にレイアウトの高さがある部分は、イモリが登って脱走する可能性があるため、隙間がないようにしっかりフタをしましょう。

また、肉食性のためほかの魚は入れられないことや、頻繁な水換えが必要になる点には注意してください。

苔や植物はよく水道水で洗ってから使用する

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アクアテラリウムで虫が発生してしまう主な原因は、導入した苔や植物に虫の卵などが付着していることです。そのため、レイアウト前に水槽水で入念に洗うと、虫の卵などを洗い流せるでしょう。

また、洗った後しばらく水中に沈めておくと、より虫の発生を抑制する効果が期待できます。

番外編:二酸化炭素で駆除する!

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レイアウトを一旦崩す必要があるため番外編になりますが、二酸化炭素を使って虫を駆除する方法も効果的です。

まず、虫が発生している流木や植物を取り出し、ポリ袋に入れて二酸化炭素を注入します。そのまま30分ほど放置すると、窒息による虫の駆除ができ、特にアブラムシ対策に効果があります。

少し手間のかかる方法なうえCO2装置が必要なため、日常使いは難しいですが、虫対策としての効果は抜群です。

農薬の使用は厳禁!

水中で生き物を飼育するアクアテラリウムでは、陸上の植物用であっても農薬の使用は厳禁です。

農薬を使用すると水中の魚に悪影響を及ぼしますし、薬剤に弱いエビは最悪の場合死んでしまいます。また、一部の苔も薬剤によってダメージを受けることがあるため、使用は避けましょう。

無農薬で虫を撃退するには、窒息させて駆除する・生き物に捕食させることがポイントです。

アクアテラリウムに発生しやすい虫

アクアテラリウムの水槽内に発生することが多い虫をご紹介します。

発生している虫の種類が特定できれば、駆除するための対策を取りやすくなるはずです。

蚊・ボウフラ

どれだけ対策を施していても、アクアテラリウムはどうしても蚊が寄ってきやすいレイアウトです。また、蚊が卵を産むことで、水中にボウフラが発生する場合もあります。

ユスリカは、照明の光や水辺が大好きです。植物の葉の裏側で休んでいることもあります。

対策としては、定期的にシャワーで洗い流して水中の魚に食べてもらいましょう。

アブラムシ

植物に付着しやすいのがアブラムシです。

アブラムシもシャワーで流して対策しますが、水で流れ落ちない場合も多いので、満水にして魚たちに食べてもらう方が効果的です。

また、アブラムシが付いている部分は思い切ってトリミングしてしまう、というのも物理的に良い方法でしょう。

コバエ

苔にコバエの成虫や幼虫が付着して、アクアテラリウムに侵入しやすい虫です。

苔や植物はレイアウトする前にしっかり洗い、5分ほど水中に沈めてから植栽することによって、水槽内に侵入させないようにしましょう。

成虫になると飛び回って駆除しにくいため、幼虫のうちに水中に洗い流すのが駆除のポイントです。

まとめ:アクアテラリウムの虫対策!害虫の発生を抑えるメンテナンス方法とは

今回は、アクアテラリウムの虫対策をテーマに、発生時のメンテナンスやアクアテラリウムに発生しやすい虫についてご紹介しました。

虫が発生してしまったら、まずはレイアウト全体に水をかけて虫を水中に洗い流しましょう。
それでも虫の発生が続く場合は、水槽を一度満水にするのがおすすめです。

水中で熱帯魚やメダカを飼育することで、水に流れた虫を魚たちが食べ、より自然に近い環境で虫を駆除することができるでしょう。

ただし、アクアテラリウムの虫対策として最も効果的なのは、虫を水槽内に侵入させないことです。苔や植物は、植栽の前に水道水でしっかり洗い、虫の幼虫を洗い流すようにしましょう。
ボウフラやアブラムシ、コバエなど発生しやすい虫の種類が特定できれば、施すべき対策も分かります。

アクアテラリウムをいつもよく観察し、レイアウトのわずかな変化を見逃さないようにすることが、何よりも虫対策につながるでしょう。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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