
pHショックを防ごう!症状、対策と長期飼育でも注意したいポイントとは
購入前はショップで元気に泳いでいたのに、自宅の水槽に入れた途端熱帯魚が死んでしまったという話を聞くことがあります。
また水槽の水換え後に、急に死んでしまった、という経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか。
このような時は「pHショック」を疑いましょう。
pHショックとは急激に水質が変化してしまったために、魚の体が対応しきれずにショック症状を起こしてしまうことです。
今回はpHショックの原因や症状、対策などについてお話していきます。
目次
pHショックとは?
pHショックはメダカや金魚のような淡水魚、ディスカスやベタ・アロワナ・コリドラスのような熱帯魚や、海水魚など水中で生活する全ての生物におこりうる症状です。ミナミヌマエビなどでも起きることがあります。
それぞれの生物に適応したpHの状態では起こることはありませんが、新しい水槽に移したり、水槽の水換えを行った際に急激にpHが変化してしまったことにより、生き物がショック症状を起こしてしまうんです。
人間で例えるなら、平地から高山に行ったときの高山病や、真夏にキンキンに冷えたプールに飛び込んだり、冷水シャワーを浴びて手足がうまく動かなくなり脈が速くなる、というようなものです。
ただこのpHショックはどれくらいの差があると出るかというのは、生き物が水質の変化に強いかどうかで変わってきます。
pHショックになってしまう原因とは?
pHショックの原因ですが、以下のようなものが考えられます。
- 購入してきた熱帯魚や海水魚、生体を水合わせをせず飼育水槽に入れた
- 水換え時の換水量が多く急激に水質が変化した
主に考えられるのはこの2つです。
どちらかというと水換えよりは、魚、生体を新しい水槽に入れるときの水合わせが不十分だったことから起こる割合が多いです。
また長期飼育している水換え頻度の少ない水槽だと、最初は弱アルカリ~中性だった水質が時間をかけて酸性に傾いていることがあります。比較的ゆっくりとした水質変化だと魚も適応しやすい場合があり、得意な水質が違う魚種であっても、馴染むことも珍しくありません。
しかし、長期間水換えを行っていないと、水道から出した新しい水と、飼育水の水質の差が広がりやすくなります。いつも通りに水換えをしたつもりが、新しい水を入れたことでpHが急変して、魚たちがダメージを受けてしまうこともあるため注意が必要です。
この状態も、pHショックに該当します。
pHショックになったときの症状
pHショックになると以下のような症状が現れることが多いです。
- 投入直後にお腹を上にした状態で死ぬ
- 目が白く濁る
- エラが充血している
- 水槽に入れた途端、クルクルと回転しながら泳ぐ
- 急に動かなくなる
- エラの動きが激しく呼吸が荒くなる
- 泳ぎ方がふらふらしている
新しく購入した魚やエビなどを水槽に入れてからしばらくは、このような動きを見せているものがいないかよく観察しましょう。
pHショックに陥ったときの対処法
pHショックが起きてしまった場合、きちんと対処してあげたいと思うのは誰もが思うことですが、残念ながら特に有効な治療法はありません。
すぐにphショックを起こす前の環境に戻す、というのが一番良い方法ですが、購入前の環境に戻したり、水換えをする前に戻すということは現実的に難しいでしょう。
水槽に入れた生き物に体力があったり、症状が軽い場合は様子をみていれば自然に回復していることがあります。
しかし、あまりに症状が重い場合は、一旦回復したように見えても体に大きなダメージが残り、しばらくして死んでしまうことがほとんどです。
pHショックの対策方法
pHショックを起こした場合、死んでしまうことがほとんどなので、未然に防ぐことが大切です。
pHショックを防ぐためには「水合わせ」、「水換え」、「水質チェック」が重要なポイントになってきます。
水槽を移動する場合は必ず水合わせを行う
「水合わせ」はアクアリウムの基本中の基本です。ショップで購入したものや知り合いから譲り受けた際など、魚を別の水槽へ移すときは必ず行いましょう。
移動先の水温や水質に慣れさせることで、pHショックを防ぎやすくなります。
水合わせの詳細に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
水換えの量に気を付ける
水槽の大きさや水槽内の生物の数にもよりますが、一般的に水換えは1~2週間に1度、水槽の3分の1~5分の1の量を水換えするのが目安となっています。
一度に換水する量が多いと、水質が急激に変化してpHショックを起こしやすくなります。
また長期間水換えを行っておらず、水質が酸性に傾いた状態に魚が慣れている場合は、いつもの感覚でカルキ抜きしただけの水でpH調整をせずに水換えを行うと、少量でもpHショックを起こしてしまうことがあります。
病気が発生したり、よほど水槽内の環境が悪化している場合は別ですが、基本的に水槽の水換えはpHショックを防ぐためにも、きちんとpHを確認し、こまめに少量ずつ行いましょう。
水換えに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
定期的に水質のチェックをしよう
水槽内に餌の食べ残しやフンなどのごみがたまっていると、有害物質が発生し水質の悪化・傾きの原因になってしまいます。
また水槽レイアウトで使用している岩や流木、底砂などの影響でゆっくりと水質が変化することもよくあることです。
水質は見ただけでは判断できないので、なるべく定期的に水質をチェックするようにしましょう。
水質のチェックは市販されている、水質チェッカーで簡単に行うことができます。
水質チェックに関してはこちらの記事で解説しています。
まとめ:pHショックを未然に防いで長期飼育を目指しましょう!
pHショックはある意味人為的に起こってしまう事故とも考えることができます。一度ショック症状に陥ってしまうと、回復しても数日後には死んでしまうことが多いため、未然に防ぐことが大切です。
大事な熱帯魚、生体を長期飼育するためにも、普段から水質チェックや水換えの頻度などには注意しましょう。

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