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水槽のサーモスタットとは!仕組みと必要性、選び方とおすすめ機種

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熱帯魚水槽には水槽用ヒーターを取り付けて、水温を維持します。
この時、ヒーターと一緒に用意していただきたいのがサーモスタットです。

サーモスタットは水中のセンサーで水温を感知して、自動でヒーターのON/OFFを切り替えてくれる装置で、設定温度を超えて加温され続けてしまったり、反対に水温の低下を感知できなかったりといった、水槽用ヒーターにまつわる事故を防ぐ役割があります。

しかし、サーモスタットにも適合サイズや設定できる温度、水槽用ヒーターの接続台数など種類があるため、初めて選ぶとなるとどれが良いのかわからないことも。

そこで今回は、サーモスタットの仕組みと必要性、選び方やおすすめの機種をまとめてご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽用サーモスタットの必要性と選び方やおすすめ機種を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水槽の水温を設定した温度で維持するにはサーモスタットが欠かせません。特に水温の変動に弱い熱帯魚飼育では必ず設置しましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽用サーモスタットの必要性と選び方やおすすめ機種を解説します。

熱帯魚の飼い方はこちらのページでも詳しく解説しています。
熱帯魚の飼い方

水槽のサーモスタットとは


サーモスタットは水槽の水温を感知して設定温度になるよう、水槽用ヒーターの電源を自動で切り替えてくれる制御装置で、水槽用ヒーターを接続して使用します。

例えば、水槽用ヒーターを26度に設定した場合は水温が26度より下がるとサーモスタットが作動して、水槽用ヒーターの電源を入れて加温してくれるという仕組みです。

別売りタイプと一体型の違い

サーモスタットと水槽用ヒーターには、それぞれを別々に揃えて接続して使うタイプと、水槽用ヒーターとサーモスタットが一緒になった一体型のものがあります。

一体型はあれこれ接続する必要がなく購入したまま水槽に設置できるのが利点ですが、ヒーター部分が壊れてしまうと付属しているサーモスタットも一緒に買い替えなければなりません。
一方、別売りタイプのものは、ヒーターが壊れたとしてもサーモスタットは引き続き使用することができます
また、複数台の水槽用ヒーターをサーモスタット一台で管理できるものなど、汎用性が高いのもサーモスタット単体の強み。

最初は多少面倒でも、サーモスタットと水槽用ヒーターは別々に揃えたほうがコスパも使い勝手も良いため、長期飼育を考えるならばこちらのタイプがおすすめです。

水槽用サーモスタットの仕組みと必要性、選び方


ここからは水槽用サーモスタットをより詳しく理解するため、仕組みと種類、仕様するメリットや選び方などを解説します。

サーモスタットについて知っておくと、水温にまつわる事故を未然に防いだり、トラブルが起こった時に素早く対処できたりなど、飼育に役立ちますのでぜひ確認してみてください。

水槽用サーモスタットの仕組み・種類


水槽用サーモスタットが動作する仕組みには、バイメタル式デジタル式の2種類があります。

温度を管理する方法や値段、使いやすさなどが異なりますので、ご自分の水槽に合ったものを選択しましょう

バイメタル式

古くから使用されているのがバイメタル式のサーモスタットです。

バイメタルとは、変化の仕方が異なる2枚の金属を張り合わせた板のこと。金属には温度の変化に合わせて反り返る性質があるため、設定温度になるとバイメタルが湾曲して接点に触れることで通電を管理します。

構造が単純なため安価で購入できるのが利点でしたが、最近は利便性や安全性の観点から次にご紹介するデジタル式が主流のため、バイメタル式はあまり見かけなくなりました

デジタル式

デジタル式は、水槽に取り付けたセンサーで水温を感知して温度を管理します。

随時水温を計測しているため、水温の変化に素早く反応するのが特徴です。

バイメタル式よりもやや高価ではありますが、ダイヤルで直感的に操作できるため扱いやすく安全性も高いため、人気があります。

サーモスタットの必要性


水温管理をする上でサーモスタットの果たす役割はとても大きなものです。

ここからは、水槽管理に必須ともいえるサーモスタットの必要性について解説します。

水槽用ヒーターを制御する

水槽用ヒーターを設置すれば水温を管理できると考える方もいるかもしれませんが、実はヒーター単体だけでは水温を管理することはできません
なぜなら、水槽用ヒーター自体は水を加熱することに特化した機材だからです。「現在の水温を感知して保温する」というような機能はついていないため、水槽用ヒーターだけを水槽に設置してしまうと際限なく水を温め続けてしまうことになります。

そこで登場するのがサーモスタット。サーモスタットは水温を感知してヒーターの電源を制御してくれるため、これらの機材を一緒に使用して初めて水槽の水温の管理ができるようになるのです。

水温管理を厳密にできる

サーモスタットについている水温を感知する能力はとても優秀で、少しの変動にも敏感に反応して水槽用ヒーターの動作を管理してくれます
これは、より厳密に水温を管理したいときにとても心強い機能です。

魚の中には、水温が数度変化するだけで体調を崩す魚種がいます。また、一部の水草やサンゴなども水温には敏感です。こういった繊細な生き物を飼育している場合は、特にサーモスタットによる水温の管理が欠かせません。

サーモスタットの選び方


サーモスタットは水槽用ヒーターと合わせて適切なものを選ぶ必要があります。

サーモスタットを選ぶうえで基準となるポイントは以下の3つです。

  • 水槽用ヒーターのワット数
  • 水槽用ヒーターの最大接続台数
  • 設定できる温度

水槽用ヒーターのワット数

まず、第一に確認しなければならないのが、水槽用ヒーターのワット数です。

ワット数は水槽の総水量によって変動します。大きな水槽ならばより高いワット数のヒーターが必要となるのですが、サーモスタットも対応するワット数が決まっていますので、必ず使用する水槽用ヒーターに合ったサーモスタットを用意するようにしましょう。

水槽用ヒーターの最大接続台数

接続できるヒーターの台数についても確認しましょう。サーモスタットには2台以上の水槽用ヒーターを接続して同時に管理できるものがあります。
特に大型水槽では、水槽内の水温差を無くしたりヒーターの故障対策だったりのために複数台の水槽用ヒーターを使用する場合がありますので、サーモスタットの接続台数を確認しておきましょう。

ちなみに、複数台水槽用ヒーターを接続する場合は、ヒーターのワット数の合計値がサーモスタットの最大ワット数を超えないように注意してください

例:最大600W対応のサーモスタットに2台の水槽用ヒーターを接続する場合
  →300W以下の水槽用ヒーター2台を接続可能

設定できる温度

設定できる温度は製品によって変わりますので、飼育する生体に合わせた温度に調節できることも確認しましょう。
水槽用のサーモスタットならば基本的に問題ありませんが、まれに高水温・低水温を好む生き物のもいますし、病気の治療で高水温を維持しなければならないこともあります。

より幅広い温度帯に対応できるサーモスタットの方が汎用性が高いです。

水槽用サーモスタットおすすめ機種5選


ここからは、おすすめの水槽用サーモスタット5選をご紹介します。

それぞれの製品の特徴や適合水槽サイズを解説しますので、サーモスタット選びでお悩みの方は参考にしてみてください。

GEX AQUA HEATER サーモスタット NX003N

GEX AQUA HEATER サーモスタット NX003N 300Wまでのヒーター用 制御温度範囲15~35℃ 観賞魚用サーモスタット

ワット数 300Wまで
設定水温 15~35℃
接続台数 1台

一番スタンダードなタイプのサーモスタットです。
ワット数は300Wまでなので、小型~90cm程度の中型水槽で使用できます。設定できる水温も一般的な熱帯魚水槽であれば、十分に対応できる範囲でしょう。

安価で購入しやすいため、初めてサーモスタットを使用する方にもおすすめです。

エヴァリス EVサーモ 600WR-III

エヴァリス EVサーモ 600WR-III

ワット数 600Wまで
設定水温 6~32℃
接続台数 2台

600Wまで使用できる、大型水槽の管理におすすめのサーモスタットです。
ヒーターが2台まで接続できるので、例えば300Wのヒーターを2台接続して合計600Wで水温を管理する、というような使い方ができます。

設定温度の幅も広く、さまざまな生き物に使用できる汎用性も魅力です。

また、センサーが水中にないと緊急停止する機能があるため、安全面にも配慮されています。

ニッソー シーパレックス 600

ニッソー シーパレックス 600

ワット数 600Wまで
設定水温 15~35℃
接続台数 2台

シンプルで使いやすいサーモスタットで、東京アクアガーデンでもよく使用しています。

600Wまで使用できて2個口あるサーモスタットのなかでは安価な部類です。90~120cm水槽におすすめで、15~35度まで設定できます。

ニッソー シーパレックス V-1000

ニッソー シーパレックス V-1000

ワット数 1000Wまで
設定水温 0~60℃
接続台数 3台

合計1000Wまで使える、アロワナなどの大型水槽におすすめのサーモスタットです。
水槽用ヒーターを最大3台まで接続できるので、複数の水槽用ヒーターを一括で管理したい場合に向いています。0.5度単位で0~60度まで幅広い水温を設定できるのも魅力です。

また安全面にも配慮されており、センサーが水中になかったり、設定温度から±3度のずれが確認されたりするとブザーとLED点滅で異常を知らせてくれます。

水槽用ヒーターの故障や異常にいち早く気付くことができるため、繊細な生き物を飼育している場合にも安心です。

寿工芸 パワーサーモ ET-620XD

寿工芸 水槽 パワーサーモ ET-620XD

ワット数 620Wまで
設定水温 15~36℃
接続台数 3台

120cmクラスの大型水槽で使える扱いやすいサーモスタットをお探しの場合は、こちらがおすすめ。

水温はデジタル表示で常に確認ができ、操作もボタン一つでできてとても簡単です。
水槽用ヒーターは最大3台まで接続できるので、大型水槽での水温管理にも対応できます。

設定温度から±3度以上の誤差が出ると異常を感知してアラームが鳴るため、故障やトラブルに素早く気づける点もポイントです。

まとめ:水槽のサーモスタットとは!仕組みと必要性、選び方とおすすめ商品


今回は水温管理に欠かせないサーモスタットについて、仕組みと必要性、選び方やおすすめの機種をご紹介しました。

サーモスタットは水温を感知して、設定した温度になるように水槽用ヒーターの電源を管理する制御装置です。ヒーターだけでは加温するのみで水温に合わせて動作を変えることができないため、必ずサーモスタットと組み合わせて使用してください。

サーモスタットを選ぶときは使用予定の水槽用ヒーターのワット数の合計値や接続できる台数を基準に選ぶと良いでしょう。

サーモスタットを使えば、複数台の水槽用ヒーターを一括で管理したり、より正確な温度管理が出来たりなど、一歩進んだアクアリウムを楽しむことができます。ぜひ皆さんもサーモスタットを活用してみてください。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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