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アクアリウムの事故で起こりやすいものとしては、水漏れと発熱に伴う火災が挙げられます。
水漏れは水槽自体や外部フィルターから発生し、漏電を併発することで火災に発展する危険があるのです。
発熱は水槽用ヒーターの空焚きや、外部機器の排気口が埃などで塞がることで発生します。
特に、水槽用ヒーターの空焚きは火災につながりやすいので注意が必要です。
ここでは、アクアリウムを運用するうえで発生しやすい事故を具体的に挙げ、その原因と予防法についてご紹介します。
目次
プロアクアリストの意見をもとに、発生しやすいアクアリウムの事故について解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するプロアクアリストたちの経験をもとに作成しています。
水槽運用で起こるトラブルは、火災などの大きな事故につながってしまうこともあります。
ここでは、どうしたら重大な事故を防げるのか?を注意したいポイントを踏まえてご紹介していきます。
アクアリウムは水漏れ・発熱に注意!
アクアリウムが原因で発生する事故で起こりやすいものとしては、水漏れと発熱が挙げられます。
水漏れは水槽自体、あるいは外部フィルターなどから発生し、最悪の場合は漏電を引き起こして火災に発展する恐れがあるのです。
また、床の内部に水が入り込むとカビが発生したり、シミを作ってしまうこともあるので注意してください。
発熱はタコ足配線や外部機器に埃が溜まることで起こります。アクアリウムは水槽の他にフィルターや照明、エアーポンプなどの周辺機器と共に運用することが普通なので、それらがタコ足配線にならないよう注意が必要です。
とはいえ、水槽は使用する機材が多く、どうしてもタコ足になりがちです。その場合は、なるべくほこりなどが溜まらないように配慮しましょう。
そして、フィルターやポンプ、クーラーなど周辺機器の排気口が埃などで塞がってしまうと、排熱が滞って熱を持ってしまいます。無理な配線をしないことに加え、定期的な外部機器のメンテナンスがアクアリウムの安全な運用を守る最も有効な方法です。
ホコリは毎日少しずつ溜まっていきますから、こまめに清掃するようにするのがベストです。
アクアリウムで起きやすい事故7つ
ここではアクアリウムで起きやすい事故7つをご紹介します。
危険を知って安全な運用を心掛けましょう。
水槽用ヒーターの発火・発熱事故
アクアリウムの事故で最も多いのが、水槽用ヒーターが原因によるものです。
水槽用ヒーターの電源を入れたまま水から出してしまう(空焚きする)と異常に加熱されて、樹脂製のヒーターカバーなどが溶融、発火します。
現在では、異常加熱を防止するための安全装置が組み込まれている製品しか、原則として販売されていませんが、空焚き状態になるような配置にするのは避けましょう。
水槽に水を入れたまま運んで破損
水槽に水を入れたまま、持ち上げるなどすることでも事故の原因になります。水槽は上面以外の5面全てで水の重さを支える構造をしています。
そのため、水を入れたまま持ち上げてしまうと水の荷重が偏り、最悪の場合は水槽が破損してしまうのです。
破損にまで至らなくても、ガラス水槽は接合部のシリコンが伸び、アクリル水槽では接着面に隙間ができて水漏れの原因になるので、水を入れたまま持ち運ぶことは避けましょう。
ろ過フィルターのホースが外れて水浸し
外部フィルターを使用している場合はホースの脱落にも注意が必要です。
ホースコネクターにしっかりとつないだつもりでも、経年劣化により微妙に伸びたり硬化していると、外れやすくなってしまいます。
ホースが外れてしまうと流量分の水がすべて流出して水浸しになるだけでなく、集合住宅の場合は階下に浸水して損害賠償責任が発生することもあるので、ホースのチェックは日頃から行っておきましょう。
ホースの劣化を点検することに加え、ホースバンドを使用することも脱落防止に効果的です。
外部フィルターのパッキンが劣化して水漏れ
外部フィルターには、密閉して水漏れを防ぐために「パッキン」や「Oリング」といった、樹脂製の部品が使用されています。
それらも経年劣化すると伸縮したり破損してしまうため、開閉部の密閉が不可能になり水漏れにつながります。パッキンやOリングは基本的には消耗品なので、定期的に交換しておきましょう。
クーラーにホコリが溜まって発熱
水槽用クーラーにとって埃は大敵です。クーラーを運用していると、排気口にあるフィルターを中心に埃が溜まってきますが、その状態で放っておくと能力が低下するだけでなく、熱を持ってしまいます。
フィルターの掃除は特別難しいことはないので、ご自身で定期的に掃除をしておくと良いでしょう。また、本体内部の掃除も必要ですが、こちらはメーカーで実施しているオーバーホールのサービスを利用することも視野に入れると良いです。
吊り下げ式ライト(メタハラなど)が落下
吊り下げ式の水槽照明が落下する事故もあります。
しっかり固定していても地震などの揺れで落ちてしまうことも。
落下すると水槽が破損して水が流出するだけでなく、照明の破損や漏電をも引き起こし大変危険です。
そのため、吊り下げ式の照明を採用する際は、ライトスタンド自体も含めて緩みがないか、日頃からよく確認しておくことが重要です。
水槽を引き摺って床が傷ついた
水槽は水の重さに耐え得るよう丈夫に設計されているため、水が入っていない空の状態でもかなりの重量を持ちます。
重いからと言って引きずってしまうと、床材を傷つけてしまうので注意してください。
水槽を移動させる時は、必ず空の状態にしてから持ち上げて運ぶようにしましょう。
日々の管理と注意で未然に防ごう!
アクアリウムによる事故を未然に防ぐためには、機材を適切に運用したうえで、日常的なチェックと定期的なメンテナンスが大切です。
まずは、水槽は空の状態でも、かなりの重量物であることを理解して扱いましょう。
水漏れとそれに伴う火災も切り離せない事故と言えるので、水槽あるいは外部フィルターなどから漏水していないか、日常的にチェックしておきましょう。
アクアリウムにおける漏水は部屋が水浸しになるだけでなく、漏電につながりやすいので注意してください。
また、アクアリウムの周辺機材には消耗品も多く含まれています。
消耗品の劣化による水漏れを防ぐために、水換えなどの際に、ホースやパッキンといった消耗品が摩耗していないか、併せてチェックしておくと良いでしょう。
発熱による火災を防ぐために、水槽用ヒーターが水面から出ないように注意しながら足し水などを行うのが安全です。
まとめ:アクアリウムで発生しやすい事故とは!水漏れ火災などに要注意!
アクアリウムで起こりやすい事故としては、水漏れと発熱に伴う火災が挙げられます。
アクアリウムは電気製品とセットで運用することが普通で、水漏れは漏電を誘発し火災に発展する危険があるのでご注意ください。
また、漏れた水によってカビが発生したり、シミを作ってしまうことがあるため、日頃から消耗品の劣化などにより漏水しそうな場所がないか、チェックしておくことが重要です。
配線・埃に注意してください。
特に、水槽用ヒーターを空焚きすると危険なので、水槽作業をする際に水槽用ヒーターを水中から取り出す必要がある時は、必ず電源を落としてから取り出すようにしましょう。
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