アロワナの魅力とは！魅力7選とアロワナの美しさを高める方法を解説

ほかの生体とは一線を画す雄大な姿から、アクアリストの憧れと称されるアロワナ。
似たような大型肉食魚がたくさんいる中で、アロワナが神聖視される理由はどこにあるのでしょうか。

確かに自宅で飼える大型の肉食魚はほかにもいますが、アロワナは”肉食魚らしい荒々しさ”と”繊細で美しい体色”を兼ね備えた唯一無二の魅力を持つ観賞魚です。
また頭が良く、餌をくれる飼い主を覚えてアピールをしてくれるようなあざとく可愛らしい一面を見せてくれることも。

このような違った顔をたくさん持つ点が、アロワナ人気の秘訣と言えるでしょう。

今回のコラムでは、そんなアロワナの魅力を詳しくお伝えしていきます。
アロワナの魅力をより高める方法もご紹介しますので、ぜひ飼育の参考にしてみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにアロワナの魅力7選と美しさを高める方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

肉食性の古代魚の中でも特に人気が高いアロワナが人を引き付ける理由に、その多面的な魅力が挙げられます。
豪快で荒々しいのに繊細だったり、どこか可愛らしさを感じられたりなどのギャップが、多くのアクアリストを虜にしているのです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アロワナの魅力7選と美しさを高める方法を解説します。

アロワナの魅力7選！

主に東南アジアなどに生息するアロワナは、1億年前から地球に生息しているとされる肉食性の古代魚です。
60cm～100cm程度まで成長する大きな体と貫録のある堂々とした泳ぎから、一般的には格好良い魚として認知されています。

肉食魚でやや強面なこともあり、少し怖い印象を受ける方もいるかもしれませんが、実は鑑賞性に富んだ美しく繊細な体色や愛嬌のある仕草など見た目に反した一面が多く、知れば知るほどはまってしまう、魅力にあふれた魚です。

ここでは、そんなアロワナの魅力を具体的に7つご紹介します。

魅力1：迫力ある泳ぎと鑑賞性

アロワナ一番の魅力といえば、やはりその堂々たる泳ぎにあるのではないでしょうか。
水面付近をゆったりと泳ぐ姿には、まるで水の王者のような風格が漂い、一匹いるだけで空間の雰囲気をがらっと変える存在感があります。
なめらかなヒレの動きで大きな体を前に進める様子は、なんとも優雅です。

決して泳ぎが速いわけではありませんが、それがかえって見る人に迫力を感じさせて、鑑賞性を高める要因となっています。

魅力2：美しい体型

均整の取れた美しい体格もアロワナの魅力です。

しなやかな流線型の体に一つ一つが存在感を放つ大きな鱗は、まるで騎士の鎧のような力強さを感じさせてくれます。
鮮やかな体色の上に金属質な光沢のある鱗が乗った姿は、龍に例えられるほど神々しいです。
このようなアロワナ特有の体型は、アロワナのグレードを評価する上でも欠かせない要素となっています。

また大きく発達した顎が特徴的は迫力のある顔つきも、格好良いです。
ショートボディ、ハイボディ、スプーンヘッドなど、様々な体型の個体が流通していますので、お好みの体型の個体を探すのも楽しいでしょう。

魅力3：鮮やかで豪華な体色

アロワナは、鮮やかな体色も美しいです。

特にアジアアロワナの体色は目を見張るものがあり、赤の体にメタリックな鱗が乗る紅龍、緑がかったシルバーが落ち着いた印象の青龍、全身が金色に発色する金龍など、ゴージャスな体色でとても人気があります。
また、同じ品種でも色味に個体差が出やすく、濃く鮮やかに発色する物、金粉をまぶしたかのような輝きを放つものなど、バリエーションが豊富です。

幼魚から飼育を続けていくと、どんどん体色が変化していく様子を観察できるのも魅力の一つ。飼いこむほどに色が良くなっていく姿にはやりがいを感じられます。

魅力4：しなやかなターン

しなやかなターンもアロワナの見どころです。

回遊する習性があるアロワナは、水槽の中でも止まることなくぐるぐると泳ぎ続けます。
水槽の端まで行くとターンをして方向を変えるのですが、この時の大きな体を器用にくねらせて方向転換する様子がとにかく鮮やかで見応え抜群。特にシルバーアロワナやブラックアロワナは体が柔らかいので、龍が泳いでいるようなしなやかな体の動きを感じられるでしょう。

正面から見るとアロワナがこちらに迫ってくるような迫力満点の姿を鑑賞できます。

また光沢感の強い体色のアロワナがターンをすると、鱗に当たるライトの加減できらきらと輝いて見えるのも美しいです。

魅力5：頭の良さ

肉食の大型魚であるアロワナは、効率良くたくさんのエサを捕食するために高い知能を持っています。

この頭の良さは飼育環境下でも健在で、人の顔を覚えて懐くといった他の魚ではあまり見られない行動をとることも多いです。
長い間飼育を続けていると、飼い主の姿や行動を覚えて近づいてきたり、餌をねだったりといった可愛らしい姿を見せてくれるでしょう。

長寿で10～20年程度生きることもあるため、長く連れ添えるペットフィッシュやパートナーとして愛着を持って飼育ができます。

魅力6：飼育できる生体の中でもハイエンド

アロワナは熱帯魚の中でも特に高価な魚で、品種や状態によっては100万円を超えるような高値が付けられることも珍しくありません。
仮に生体を入手できたとしても飼育するには150cmクラスの大型水槽やろ過槽、ハイスペックな機材が必要で、またそれを設置できるだけの専用スペースを用意する必要があります。

飼育を始めるにはかなりコストや手間がかかる魚ですが、なかなか手を出せない魚だからこそ、いつか飼育をしてみたい”アクアリストの憧れ”として君臨し続けているのでしょう。
飼育するだけで特別感のあるハイエンドなアクアリウムは、アロワナならではの魅力です。

またアロワナはアジア圏では金運や財運を運んでくれる縁起のよい魚とされており、中国や東南アジアでは、富の象徴として富裕層に人気があります。

魅力7：品種のコレクション性

アロワナは種類がとても豊富で、コレクション性が高いです。

同じ種類のアロワナでも色の出方や体型でグレードが付けられるため、例えばシルバーアロワナならば、より白みが強いプラチナや真っ白なアルビノといった特徴を持った個体が高値で流通しています。
アジアアロワナに至っては様々な基準で細かく分けられてそれぞれに品種名が付けられているほど。

一度にたくさん飼うのは難しい魚ではありますが、一匹一匹の個性がとても強いため、工夫をして複数匹飼育する愛好家も多いです。

アロワナの魅力を高める方法

そのままでも十分に存在感のあるアロワナですが、照明や水槽を工夫したり、餌を変えたりすることで色が良くなって、より見映えがするようになります。
このように自分好みに飼いこんでいく楽しさもアロワナ飼育の醍醐味です。

そこで、ここからはアロワナの魅力をより高める方法をご紹介します。

水中照明を使う

アロワナの色を鮮やかに鑑賞したいときは、水中照明を設置するのがおすすめです。
アロワナと水中照明との相性の良さは愛好家の間では知られた話で、アロワナ専用の照明が販売されているほど浸透しています。

一般的な水槽上部の照明は水槽全体を照らすことには長けていますが、大きなアロワナが対象だと体の側面や下側にうまく光が当たらず、せっかくの色や鱗の輝きがうまく鑑賞できません。
そこで水中照明を併用するとアロワナに多角的に光が当たって、より立体的な姿を楽しめるようになります。体の色が鮮明になるのはもちろん、陰影が付くことでどっしりとした威厳のある印象が際立つでしょう。

ブラック水槽を使う

強面のアロワナですが、性格的にはやや神経質な面があり水槽周りの様々な事象に気が行きがちです。

例えば水槽の底面に反射した照明が目に入るとそちらを注視してしまい、眼球が下を向いてしまう目垂れと呼ばれる症状を引き起こすことがあります。
目垂れは命に関わるようなものではないですが、アロワナの観賞価値を下げてしまうためできる限り予防をしましょう。

このような反射の対策には、水槽の背面や底面に黒い板を使用したブラック水槽が有効です。普通のガラス水槽に比べて反射が少なく、周囲の状況が気になりづらいので、アロワナがストレスを受けることなく落ち着いて居られるようになります。

また、背面が黒いとアロワナの体色が際立つため、鑑賞性の面においてもブラック水槽は有効です。

品種によっては体色に合わせて白板や青板の方が色揚げ効果が高まるため、個体に合わせた色を選ぶのも良いでしょう。

色揚げ用の餌を与える

特に紅龍といった赤みの強いアロワナは、餌を使った色揚げの効果が出やすいです。

アロワナ用の餌には『クレストフリーク レッドバル』など、色揚げ効果が高い人工餌が数多く販売されており、中にはショップオリジナルの餌を開発しているところもあります。
活餌であればクリルやザリガニ、川エビなど甲殻類を与えることで、赤色の色揚げが期待できるでしょう。

ただ、色揚げ用の餌ばかりだと栄養が偏る可能性があるので、複数の餌を併用するのがおすすめです。様々な餌を与えることで栄養バランスが取れて、アロワナの体色も美しくなります。

まとめ：アロワナの魅力とは！魅力7選とアロワナの美しさを高める方法を解説

アロワナの魅力について解説しました。

多くの愛好家がいるアロワナの魅力は、やはりその繊細な体色の美しさと唯一無二の迫力にあるのではないでしょうか。
龍に例えられるメタリックな質感の鱗、鮮やかな体色、堂々とした優雅な泳ぎに肉食魚らしい豪快さと様々な魅力を兼ね備えたアロワナは、まさに特別な魚と言えます。

飼育にハイスペックな機材が必要で決して簡単に飼える魚ではありませんが、そのハイエンドな部分も憧れられる理由の一つです。
アクアリウムの集大成にアロワナ飼育を目指してみるのはいかがでしょうか。