アロワナの飼育方法とは!費用や難易度、注意点も初心者向けに紹介!
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アロワナは、東南アジアなどに生息する肉食魚です。
龍を思わせる勇ましい姿に憧れを抱くアクアリストは多く、世界中に愛好家がいることで知られています。
成魚は水質の変化に強く丈夫なので、環境さえ用意できれば飼育自体はそこまで難しくありません。
しかし、小型の品種でも約60~70cm程度まで成長するので、飼育には120cm以上の大型水槽などの専用の飼育設備が必須である点や、肉食性であることから水を汚しやすく、ハイパワーのろ過設備や適切なメンテナンスが要求されることなどから、総じて飼育難易度は高めの玄人向けの熱帯魚と言えるでしょう。
ここではアロワナの飼育法や費用、注意点などを解説します。
アロワナ飼育に挑戦してみたい方は、ぜひご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにアロワナの飼い方を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
アロワナは大きな体と優雅な泳ぎが魅力的な古代魚です。
しかし、その体長から自宅で飼育するには、すこしハードルがあることは否めません。
ここでは、アロワナの特徴や注意したい病気などを初心者向けに解説します。
アロワナ飼育を始める前に知っておきたい基礎知識ばかりなので、是非ご一読ください。
アロワナとは?特徴や主な品種
飼育を始める前にまずは、アロワナという魚について知ることから始めてみましょう。
ここでは、アロワナの特徴や寿命、主な品種についてご紹介します。
アロワナの特徴
アロワナはアロワナ目アロワナ科に属する淡水魚です。
体色は品種によって様々で、特に品種改良が盛んなアジアアロワナは赤色や緑色、白色に金色など、色鮮やかな品種が数多く作出されています。
主な生息地はアマゾン川がある南米と、東南アジア、オーストラリアなどで、海を越えて広く分布しています。
淡水魚であるアロワナがこれだけの地域に生息するのは、アロワナが1億年以上前から存在する古代魚であるからです。大陸の移動とともに運ばれたと考えられており、大陸移動説を裏付ける存在としても注目されています。
豪快な見た目とは裏腹に、流れが穏やかな大きな河川を好みます。食性は肉食性で、水面近くを泳ぐ小魚や昆虫類を捕食するほか、時には水面から1m以上もジャンプして昆虫などを捕まえることもあります。
アロワナの寿命
長寿な魚であるアロワナは、一度飼育を始めると10年を超える長い月日を一緒に過ごすことができます。
人に慣れると近づいてきて餌をねだるような仕草を見せることもあるため、ペットのような愛着を持って飼育ができるでしょう。
一方、アロワナを飼育できる120cm以上の大きな水槽は設置できる物件が限られる上に移動も大変なので、引越しなどの時にはかなり苦労することも。
最後まで面倒を見切れるか、しっかりと見極めたうえで飼育を検討しましょう。
また、どうしても飼いきれなくなってしまった場合はショップなどに引き取りを依頼します。
くれぐれも自然環境への放流は避けてください。
アロワナの値段
アロワナの値段は品種によって大きく異なります。
最も安価で入手がしやすいのはシルバーアロワナで、幼魚なら2000円前後です。
一方、アジアアロワナは総じて高価で、安い個体でも2万円前後、観賞価値が高い希少な個体だと数百万円の値が付くことも珍しくありません。
アロワナの種類
写真協力:アロワナ専門店AROMANIA 様
たくさんの種類がいるアロワナの仲間の中で、飼育用として流通している代表的な品種は以下の4種です。
シルバーアロワナ
南米のアマゾン川に生息するアロワナで、最大体長は約80cm~1mまで達します。アロワナの中でも特に大きく成長するため、飼育には180cm水槽が必要です。
全身を覆う銀白色の大きな鱗にスリムな体型と、体の中腹から尾びれの付け根まで続く長い背ビレと尻ビレが大きな特徴です。
泳ぎに合わせてヒレがたなびく様子をしっかり鑑賞できる、繊細な美しさを持っています。
シルバーアロワナは飼育者によく懐くと言われており、愛着を持って飼育がしやすいです。
ブラックアロワナ
アマゾン川の支流であるネグロ川などに生息しているアロワナです。
シルバーアロワナとよく似た細身で繊細な体つきですが、体長は約70~80cm程度と一回り小さいので、120~150cmの水槽で飼育ができます。
ブラックアロワナは、幼魚から成魚に成長する過程で体色や模様の変化することでも有名です。
幼魚の頃は黒色をベースにオレンジがかったバンド模様や黄色がポイントで入る鮮やかな体色をしていますが、成長とともに色が抜けていき、成魚になるといぶし銀のような暗銀色のグラデーションにヒレの縁がオレンジ色という、渋い色合いになります。
成長段階で全く違った魅力を楽しめる、飼育のしがいがある品種です。
アジアアロワナ
東南アジア原産の、最も人気が高いアロワナです。その分値段も高額ですが、豪奢な雰囲気から多くの愛好家を虜にしています。
体長は約60~70cmほどで、他の2種と比較するとどっしりとした体格をしており、背ビレの前端が魚体のかなり後方にあるのが特徴です。
品種改良が盛んで、様々な体色を持った色鮮やかな品種が数多く作出されています。
金属質な光沢が美しい『過背金龍』や全身が赤色に染まる『紅龍』、成長とともにエメラルドグリーンの発色が出る『青龍』などが代表的な品種です。
ちなみに、アジアアロワナは絶滅が危惧されており、ワシントン条約の保護対象となっています。
輸出入はブリードされた個体のみで、流通しているすべてのアジアアロワナには、野生個体と見分けるためのマイクロチップが埋め込まれています。
ノーザンバラムンディ
オーストラリア北部に生息する、アロワナの仲間です。
アジアアロワナに近い丸みを帯びたシルエットに、金属質の光沢が楽しめる大きな鱗が美しい魚種で、水槽の中でもどっしりとした存在感を放つでしょう。
野生種が豊富で流通が安定していることから、アジアアロワナよりも安価で購入できる点も魅力です。
体長は最大約60cmほどなので120cm水槽でも飼育できます。
ただし、大きな鱗に覆われた体はかなり硬く、水槽の端でターンするのに幅がいるため、飼育水槽の奥行きは60cm以上を必ず確保しましょう。
アロワナの飼育に必要なもの
大型の肉食魚であるアロワナを飼育するには、主に次のような設備が必要です。
- 150cm以上の水槽
- 水槽台
- 強力なろ過フィルター
- 照明
- 水槽用ヒーター、クーラー
- エアレーション
- ボルト止めのフタ
- 餌
- カルキ抜き
ここでは、これら機材の中から特に注意が必要なものについて解説します。
水槽
小型種でも60cm~、大型種ともなると1m近くまで達するアロワナの飼育には、120cm以上の大きな水槽が必須です。
終生飼育が可能な水槽の大きさの目安は以下の通り。
シルバーアロワナ | W1800×D600×H600mm |
---|---|
ブラックアロワナ | W1500×D600×H600mm |
アジアアロワナ・ノーザンバラムンディ | W1200×D600×H600mm |
アロワナは水槽内を回遊する習性があるため、水槽の端でしっかりターンできるよう奥行きにも気を配りましょう。最低でも60cm、理想的には70cm以上です。
水深は45~50cm程度あれば問題ありません。
また、このサイズの水を張った水槽に周辺機器や水槽台を入れるとかなりの重量になりますので、床の耐荷重にも注意してください。
東京アクアガーデンオンラインショップでは、アロワナ飼育に最適な水槽セットを販売しています。
横幅2m以上の水槽もオーダーメイドで制作可能ですので、お入り用の際はぜひお問い合わせください。
強力なろ過フィルター
肉食性でフンが多いアロワナ飼育では、水質の悪化を防ぐために強力なろ過設備が求められます。
ろ過設備の候補としては、
- 上部式フィルター
- 外部式フィルター
- オーバーフロー
の3択です。
一番のおすすめはろ過能力が最も高いオーバーフローですが、オーバーフローは初期費用がかさむがネック。アロワナは水槽などにもお金がかかるため、予算を抑えたいときは上部式か外部式から選定しましょう。
メンテナンス性を重視するならば上部式、水槽回りをすっきり見せたいならば外部式が最適です。
フンや汚れを効率よく除去できる『フィッシュレット』などの投げ込み式フィルターを併用すると、水質を維持しやすくなります。
また、フィルターは簡易的なものに留めて、小まめに水換えを行うことで水質を維持するという考え方もあります。東南アジアのアロワナ養殖場などでも採用されている飼育方法だそうなので、実績は十分です。
その場合は、フンの掃除と水の排出を同時にできる『底砂クリーナー』などを準備しましょう。
水槽用ヒーター
アロワナは27~30℃程度のやや高めの水温を好むため、一年を通して水槽用ヒーターで加温をしましょう。
通常は水槽サイズに合わせたヒーター1本で管理しますが、120cmを超える大型水槽では、水槽内の水温のムラを防いだり、トラブル時の水温の急変を予防したりするために、500W以上の水槽用ヒーターを複数設置して管理するのがおすすめです。
なお、水槽用ヒーターが故障してしまうと文字通り致命的な事態に陥るので、消耗品と割り切って必ず予備を用意しておきましょう。
アロワナの飼育にかかる費用
続いては、アロワナ飼育にかかる費用についてです。
アロワナ飼育で使用する大型水槽や水槽台は基本的にオーダーメイドになる上に、水質を維持する機材も高スペックのものが要求されるため、通常の熱帯魚飼育よりも初期費用が掛かりやすいです。
ただ、順調に育成できれば10年以上飼育を楽しめる魚なので、あまりコストにこだわらず、長期飼育を視野に入れて必要な投資をしていくことをおすすめします。
初期費用
内訳は以下の通りです。
- 水槽(120cmアクリル製:約16万円)
- 水槽台(約15~16万円)
- ろ過フィルター(上部式:約3~5万円)
- ろ材(上部式:約2~3万円)
- 照明(120cmLEDライト:約2万円~)
- 水槽用ヒーター(サーモスタット+500W×2:約2万7千円)
- 生体(アジアアロワナなら約5万~数十万円)
- その他、運送費や資材費など
初期費用を少しでも抑えたいという時は、中古の水槽や水槽台を探してみるのが良いでしょう。
アロワナ飼育で使用する大型水槽はほとんどがオーダーメイド品で市販はされていませんが、フリマサイトやネットオークションに中古品が出品されていることがありますので、確認してみてください。
維持費
飼育を始めた後も餌代や電気代などの維持費がかかります。
以下は維持費の一例です。
- 餌代(1,000~2,000円/月)
- 電気代(1,000~5,000円/月)※季節によって変動
- 水道代(約200円/月)
- ろ材などの消耗品
餌代は人工飼料に餌付いていれば安く抑えることができますが、活餌だけで管理する場合はコストが上がりやすいです。
また電気代は、水槽用ヒーターが稼働する冬場に高くなります。
なお、アロワナを幼魚から育成する場合は、成長段階に合わせて1~2回ほど水槽のサイズアップが必要になりますので、こちらも留意しておいてください。
アロワナの飼育方法
写真協力:アロワナ専門店AROMANIA 様
機材を揃えたら、さっそくアロワナ飼育を始めましょう。
ここではアロワナの飼育方法について、適正水温や水質などを具体的にご紹介します。
水温
最低水温は23℃程度ですが、25℃以下では白点病にかかりやすくなるため、年間を通して28℃前後に保つことをおすすめします。
一方、高水温には比較的強く、35℃程度まで適応可能です。ただ、やはり暑すぎる環境はアロワナの負担になりやすく、特に幼魚の場合は高水温が続くと衰弱してしまう可能性がありますので、注意しましょう。
夏場に水温が30℃を超えるようならば、水槽用クーラーやエアコンを使って水温を調整してください。
水質
アロワナの成魚は水質への適応力が高いので、pHの急変に気を付ければ、そこまで神経質になる必要はありません。
水が汚れて水質が悪化するとpHが低下しやすくなるため、定期的な水換えやろ過フィルターのメンテナンスを行いながら、水質を維持しましょう。
pHの低下を緩和するために、ろ過フィルターにサンゴ石などを仕込む飼育法もありますが、サンゴ石中の成分が溶けだして水の硬度が高くなると、色抜けなどの症状が出る可能性があるので注意してください。
また、幼魚は水質の変化に弱いので、水槽導入時などは水合わせをしっかりと行うと安心です。
餌
アロワナは野生では小魚や昆虫を食べる肉食魚です。そのため、餌も生餌を中心に用意してください。
アロワナがよく食べる生餌には、
- 昆虫類:コオロギ、ローチ、ミルワームなど
- 小魚:小赤、メダカなど
- 甲殻類:スジエビ、ザリガニなど
などが挙げられます。
人工飼料を与える場合は、肉食魚用の『ひかりクレストカーニバル』などがおすすめです。
アロワナは野生では水面近くで食事をしているので、浮上性のものを与えてください。
人工飼料に慣れていると管理が格段に楽になるうえに、コストの削減にもつながります。
人工飼料を食べるかどうかは個体によってかなり違いがあるため、必ずしも成功するとは限りませんが、無理の無い範囲で餌付けに挑戦してみてください。
最初は生餌に混ぜ込みながら、少しずつ慣らしていくのがコツです。
餌の与え方
同じ餌ばかり与えていると突然食べなくなることがあるので、複数種類を用意しておいてローテーションして与えるのがおすすめです。色々な餌を併用した方が、栄養バランスも良くなります。
生餌は水を汚しやすいので、食べ残しがないように注意してください。食べ残した場合は可能な限り取り除きます。
また、幼魚や若魚は成長のために成魚よりも多くの栄養が必要です。餓死しやすい時期でもありますので、1日の給餌回数を増やして早く成長させることで、死亡率の高い時期を早期に脱することができます。
水槽レイアウトと照明
アロワナ水槽では、掃除のしやすさを優先して底砂を敷かないベアタンクで飼育することが多いです。また、同様の理由からレイアウトや水草等を飾ることもあまりありません。
そもそもアロワナ自身がかなり見応えがある魚ですので、レイアウトを施すよりはアロワナの体色をより際立たせるような工夫をした方が、鑑賞性の高い水槽に仕上がるでしょう。
そこでおすすめなのが、黒板仕様と照明の選定です。
黒板仕様は、水槽の背面や底面などを黒板で仕上げることで、オーダーメイド水槽であればオプションで付加できますし、既存の水槽ではバックスクリーンで再現可能です。
また、照明もアロワナの鑑賞性を高めるのに欠かせない機材の一つ。飼育しているアロワナの体色に合わせた色の照明を使用することで、アロワナの姿をくっきりと際立たせることができるでしょう。
照明はアロワナの色揚げにも有効です。
エアレーションと水流
アロワナは水中の酸素量が多い環境を好みますので、必要に応じてエアレーション設備を追加することをおすすめします。
アロワナ飼育で使用する外部式フィルターや上部式フィルター、オーバーフローはどれも酸素供給量が多いので、エアレーションを設置しなくても問題ないことが多いですが、エアレーションを追加した方が状態良く飼育がしやすいです。
ただし、個体によっては気泡を嫌がることがあるので、様子を見ながらエアレーションの配置を調整しましょう。
また、アロワナはある程度の水流がある環境の方がストレスがかかりづらいです。
泳ぎ疲れないように配慮しつつ、水流を確保しましょう。
アロワナ水槽のメンテナンスについて
水槽メンテナンスの内容は、他の熱帯魚飼育と同じく定期的な水換えと水槽やフィルターの掃除です。
アロワナ飼育では水の汚れでpHが低下しやすいので、水換えをして水質を維持しましょう。pH5.0を下回ってくるとアロワナに悪影響が生じる可能性があるため、定期的にpHを測定して水換えの頻度を決めると良いです。
また、一度に換える水の量は水槽全体の1/3程度を目安にします。一気に大量の水を交換してしまうと、pHが急変してアロワナに負担を掛けてしまいますので、換水量にも気を付けてください。
次に水槽やフィルターの掃除についてです。
水槽内の掃除は水換えと一緒に行います。底砂クリーナーなどでフンや汚れを水と一緒に吸い出しましょう。
こまめな水換えで管理している水槽では2~3日おきに、クリーナー掃除と足し水をするのがおすすめです。
フィルタ―の掃除は、水換えや水槽内の掃除とは日を分けて行います。
フィルター内で一番気を付けたいのが、ろ材やフィルターの目詰まり。汚れが溜まって水の通りが悪くなると、ろ過能力が大きく低下して水質の急変を招く危険があるため、こまめに内部を確認しましょう。
汚れが酷いようならばろ材の交換や掃除を行ってください。
混泳について
単独飼育が基本と言われるアロワナですが、条件を満たせば他の魚と混泳できる場合があります。
同種との混泳
縄張りが重ならないほどの、広大な飼育スペースを用意できればその限りではありませんが、大型魚ということもあり個人で用意できる設備では現実的ではありません。
縄張りを作らせないほどの過密状態を作り出して、アロワナ同士の混泳を成り立たせている事例もありますが、これは綿密な計算の上で成り立つ至難の業。水質維持のために頻繁なメンテナンスが要求されるうえに、個体同士の相性も見極めなければなりません。
少しでもバランスが崩れると悲惨な状況に陥る可能性があるので、混泳は避けたほうが無難です。
他種との混泳
アロワナは他種には無関心なことが多いので、相手を選べば混泳が可能です。アロワナを攻撃してこない温厚な性格の、中~大型魚ならば比較的混泳を成功させやすいでしょう。
具体的には、ダトニオプラスワンやオスカー、ナイフフィッシュ、ポリプテルスなどが挙げられます。
また、中~大型のプレコもアロワナ水槽のタンクメイトとしてよく採用される魚種で、気性が荒くなりやすい面はありますが、アロワナと遊泳域が被らないためお互い干渉せずに、良い関係を築けることが多いようです。
一方、小型魚や甲殻類はアロワナに捕食されてしまうので混泳できません。
アロワナは肉食性があるため、相性が良いとされる魚種でも体格差があるとお互いを傷つけてしまう危険があります。また、最終的には個体同士の相性によるところも大きいので、混泳する場合はどの種が相手でも、トラブルが起きていないか注意深く見守るようにしましょう。
アロワナ飼育の注意点
幼少期から長い月日をかけて育成していくことが多いアロワナ飼育では、他種にはない注意点がいくつかあります。
ここでは、アロワナ飼育で気を付けた事柄について解説します。
幼魚期の飼育について
アロワナは幼魚と成魚のサイズ差が大きい熱帯魚で、飼育し始めは10cm前後ということも少なくありません。
このような幼魚を成魚用の大きな水槽に入れてしまうと、餌をうまく見つけられずに衰弱してしまう可能性があるため、最初は60cm程度の水槽から始めて、成長に合わせてサイズアップしていくのが一般的です。
体長に対する水槽サイズの目安は、以下を参考にしてください。
体長20cm未満 | 60cm水槽 |
---|---|
体長20~30cm未満 | 90cm水槽 |
体長30~40cm前後 | 120cm水槽 |
体長40cm以上 | 横幅120×奥行60cm水槽以上 |
体長40cmを超えたら、最大サイズに応じた成魚用の大型水槽に移します。
また、どうしても水槽を複数用意できないという場合は、セパレーターを使って成魚用の大型水槽を区切り、段階的に遊泳スペースを広げていくという方法でも飼育が可能です。
飛び出し事故を防ごう
アロワナは水面から飛び出す力が強く、水槽からの飛び出し事故が起こりやすいです。
そのため、飼育の際には水槽にしっかりと蓋をして事故を防止してください。
蓋は強度が高いアクリル製が最適で、重石をするか、可能ならばボルトを使ってしっかり固定することをおすすめします。
アロワナに代表的な病気と対処法
アロワナは比較的丈夫な熱帯魚ですが、飼育環境によっては病気になってしまうことがあります。
ここでは、アロワナがかかりやすい病気について解説します。
アロワナ特有の病気もあるのでしっかり対策をして、健康的に育てましょう。
白点病
白点病はウオノカイセンチュウという、水中に常在している寄生虫に寄生される病気です。
元気な個体であれば発症することはありませんが、ストレスなどが原因で免疫力が落ちていると感染することがあります。
主な症状は、
- 体表に白色の斑点が現れる
- 体をあちこちに擦りつけるように泳ぐ特有の動き
の2点です。
アロワナに限らず水棲生物に良く見られる病気ではありますが、病状が進行すると全身に白点が現れて衰弱したり、エラに寄生されて呼吸困難に陥ったりして死にいたることもあるため、侮らずに初期の段階でしっかり治療しましょう。
対処法
白点病に罹患したら、水温の調整を行います。
ウオノカイセンチュウは高水温に弱いので、水温を30℃ほどまで加温します。
約1週間ほどで治療することができます。
アロワナを含む古代魚は薬物耐性が低いので魚病薬の使用は推奨されませんが、『グリーンFゴールド』なら規定量の1/3程度の濃度で様子を見ながら薬浴させつこともできます。
目垂れ
目垂れは、目を伏せているように眼球が常に下を向いてしまうアロワナに多い症状で、特にシルバーアロワナがかかりやすいです。
原因は諸説ありますが、「通常ならば上を向いていることが多いアロワナが、何らかの原因で、下方向に目を向け続けたためにクセになってしまった」「水槽内の光の当たり方により平衡感覚に支障をきたした」などの説が有力視されています。
病気というわけではなく発症しても生死に関わることはありませんが、鑑賞性が低下する上に、手術以外で回復させるのが難しいため、目垂れにならないよう予め対策をしましょう。
対処法
一度目垂れになってしまうと治療が難しいため、幼少期から目垂れにしない対策をすることが大切です。
- 他方に気を取られないよう、混泳は避ける
- 沈下した食べ残しは速やかに除去する
- 照明は上から当てる
- 水槽の底面・側面・背面に艶消しの黒板加工を施す
など、とにかくアロワナの視線が散るのを避けることが目垂れの予防になります。
特に黒板加工は底面や側面からの光が入るのを防ぐ効果が期待できるので、特注水槽ならば予めオーダーしておくと良いでしょう。市販品ならば、正面以外に黒板を使用した4面ブラック水槽がおすすめです。
また、バックスクリーンや暗幕を活用したり、艶消し加工を施したアクリル板を底に敷くだけでも同様の効果を得ることができます。
エラめくれ
エラブタが外側にめくれ上がってしまう症状で、命に関わることはありませんが鑑賞性が低下するため、気を付けたい病気の一つです。
水質の悪化や、十分に遊泳できないことで強いストレスを感じることで発症します。
対処法
手術でめくれた患部を除去する意外に有効な治療法がないため、発症させない飼育環境を整えましょう。
- 体格に合わせた十分な飼育スペースを確保すること
- 定期的な掃除や水換えをして水質を保つこと
が何よりの予防になります。
顎ずれ
アロワナの上顎と下顎がずれてしまう病気です。この病気も鑑賞性は下がりますが、生死にかかわるような悪影響はありません。
はっきりとした原因は分かっていませんが、栄養状態が悪かったり、飼育環境が不適切で強いストレスを感じると発症リスクが上がる傾向があります。
対処法
現在、アゴずれの有効な治療法は確立されていないため、こちらも発症させない予防が重要となります。
- 栄養バランスが偏らないように複数種類の餌を与える
- 十分な飼育スペースを確保する
- 水温・水質の管理を徹底する
といった対策をしましょう。
まとめ:アロワナの飼育方法とは!費用や難易度、注意点も初心者向けに紹介!
アロワナの飼育方法や注意点、かかりやすい病気などについて解説しました。
大型肉食魚であるアロワナの飼育には、通常の熱帯魚飼育とは異なる配慮が求められます。
成魚であれば比較的丈夫ですが、大型水槽の維持管理は一筋縄ではいきません。
また専用の大きな水槽にハイスペックな飼育機材を揃える必要がありますし、餌代や電気代もかかるので、コスト面でも負担は大きいでしょう。
しかし、これだけの手間をかけても飼育してみたいと思わせる魅力があるのも事実。
大迫力の食事シーンや色鮮やかな体色、豪快な泳ぎなどは、王者のような風格があり高い鑑賞性を誇ります。
専用の飼育水槽が必要なものの、大型魚としては飼育しやすい部類に入るので、ご興味ある方はぜひ、アロワナの飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
東京アクアガーデンのオンラインショップでは、アロワナ水槽の販売を行っています。
詳しい仕様はこちらのページで解説していますので、ご覧になってみてください。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
ノーザムバラムンディは90センチ規格水槽で終生飼育できるのでしょうか?
ノーザンバラムンディは60cmほに成長するため、120~150cm水槽での飼育をおすすめしています。
奥行きは60cm、高さは45c以上あると良いです。
こちらのコラムもご参照ください。
・アロワナの種類・品種とは!アジアアロワナや仲間などを紹介します
https://t-aquagarden.com/column/arowana_types
よろしくお願いいたします。