

金魚の水質とは!最適なpHとおすすめの調整方法・検査薬などを解説
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日本で昔から飼育されている金魚は、とても丈夫な観賞魚として知られています。
水槽用ヒーターや高価なろ過フィルターといった特別な飼育機材が無くても飼育ができますし、餌やりや水換えといった基本的なお世話をしていれば、10年を超えるほど長生きすることも。
ただいくら丈夫とはいえ、飼育する水質が合っていないと長く飼育を続けることは難しいです。
まずは、金魚の得意な水質や急変を防ぐ管理方法を知り、実践することが健康な金魚の育成につながります。
今回のコラムでは、金魚の飼育に最適な水質やその水質を実現するためのおすすめの調整方法、水質検査薬について解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚の好む水質とおすすめのpH調整方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
金魚は適応できるpHの幅が広く、比較的水質に寛容な魚です。
しかし、美しい姿のまま健康的に長生きさせるには、適切なpHを知ったうえでしっかり水質を調整してあげるのが良いでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚の好む水質とおすすめのpH調整方法を解説します。
金魚に適した水質は?
金魚は環境への適応力が高い魚で水質にも寛容なため、普通に飼育しているとあまりpHの値などを気にかけることは少ないかもしれません。
そこで、まずは金魚が好む水質やpHを維持する方法についてご紹介します。
金魚は中性~弱アルカリ性が得意
金魚が好む水質は中性~弱アルカリ性で、pH7.0程度に保つとコンディションが良い状態で飼育ができます。
日本の水道水は弱酸性~弱アルカリ性(pH5.8~8.6)の間になるよう調整されているため、基本的にはカルキ抜きをした水道水でそのまま飼育が可能です。
ただし一つ気を付けなければならないのが、飼育を続けていくうちにpHは少しずつ低下していくということ。
魚を飼育しているとフンや餌の食べ残しで水が汚れていきます。これらの有機物は水中のバクテリアによって硝酸塩という比較的無害な物質に分解されるのですが、この硝酸塩が文字通り酸性の物質のため、蓄積すると水を酸性に傾けてしまうのです。
特に金魚は大食漢で水を汚しやすいので、pHが低下しないよう維持していくことが健康に飼育する上での課題になります。
pHを上昇させるにはカキガラが有効
硝酸塩によるpHの低下を抑えるには、定期的な水換えが一番効果的ですが、金魚のような水を汚しやすい魚を飼育している水槽では、水換えが頻回になって飼育者の負担になることも。
このようなときにおすすめなのが、pHを上昇させる効果があるアイテムです。金魚水槽では特に、カキガラが活用されています。
カキガラを始めとした貝の殻は炭酸カルシウムが主成分で、水中に入れておくと少しずつ成分が溶けだして水質をアルカリ性に傾けてくれる効果が期待できるのです。
また、表面に凹凸のある牡蠣の殻は多孔質な構造で、水をきれいにしてくれるバクテリアの良い住処になる点もカキガラが重宝される理由でしょう。
カキガラ使用の注意点
カキガラを水槽に入れるときに注意したいのがpHの急変です。
一度にたくさんのカキガラを投入するとpHが一気にアルカリ性に傾いて、金魚の負担になってストレスを受けたり、最悪の場合pHショックを起こして命を落としてしまったりする危険があります。
金魚に最適な水質は中性~弱アルカリ性ですが、幅広い水質に適応できる特性から弱酸性の水質でも問題なく飼育できている場合も多く、それで安定しているのであれば急いで水質を変える必要はありません。
もし、健康面を考えてpHを上昇させたいのであれば、1ヶ月程度の時間をかけて少しずつ目標の数値に近づけていくのが良いでしょう。
なお、カキガラは水槽に入れる前に良く洗い、乾燥させてから使用してください。
おすすめの水質調整アイテムと検査薬
金魚の好む水質に調整できるアイテムは、先述のカキガラ以外にもコンディショナーやカキガラ入りのボールなどいくつか種類があります。
それぞれ使用感が異なりますので、水槽のスタイルに合わせて選択しましょう。
また、水質検査薬を使って定期的に水質を確認すると、金魚に向いた水質を維持しやすいです。
ここでは、金魚飼育におすすめの水質調整アイテムと水質検査薬をご紹介します。
スドー 特撰かきがら
素材そのままのカキガラは、水槽の底に沈めたりろ材としてろ過フィルターに仕込んだりと、様々な使い方ができて量の調整がしやすいのが魅力です。
『スドー 特撰かきがら』は、600gの大容量ながらリーズナブルな価格で、初めてカキガラを使用する方も手に取りやすいでしょう。
砕いたカキガラが120gずつ小分けになっているので、ばらつかずにこのまま水槽に投入できるのもポイントです。
コメット 金魚ボール
ボール型の容器にカキガラなどが入った『コメット 金魚ボール』は、水面に浮かべておくだけで水質調整や水質浄化の効果が期待できる、便利なアイテムです。
カキガラを浮かべて導入できるので、底砂を敷かないベアタンク水槽やビオトープなど飼育スタイルを問わず使用しやすいでしょう。
横見の水槽では鑑賞の邪魔にならないのもメリットです。
テトラ pH/KHプラス
水質調整で最もポピュラーなのが液体タイプの水質調整剤です。
金魚に合わせた弱アルカリ性の水質ならば『テトラ pH/KHプラス』がぴったり。
KH(炭酸塩硬度)は急激なpHの低下を抑える効果が期待できる成分なので、pHと合わせて上昇させることで、弱アルカリ性の水質を維持しやすくなります。
ただ、液体タイプの水質調整剤は即効性がある反面、水換えのたびに添加しなければならないため、持続性を考えるとカキガラの方がコスパが良いかもしれません。
テトラ テスト 6in1 試験紙(淡水用)
水質検査薬は、現在の正確な飼育水の状態を知ることができる唯一の方法です。
定期的に水質をチェックした結果は、水質の調整や水換えのタイミングの見極めに役立ちます。
水質検査薬にも液体タイプや試験紙タイプ、デジタルタイプなどバリエーションがありますが、手軽にチェックするならば試験紙タイプがおすすめ。
『テトラ テスト 6in1 試験紙(淡水用)』は、試験紙を飼育水に1秒程度浸すだけで、pH、KH(炭酸塩硬度)、GH(総硬度)、NO2(亜硝酸塩)、NO3(硝酸塩)、Cl2(塩素)の6項目を一度にチェックできる優れものです。
金魚はもちろん、メダカや熱帯魚、水草メインの水槽などにも活用できるので一つは用意しておきましょう。
金魚の水質を維持するコツ
pHを上昇させる効果がアイテムを水槽に取り入れることで金魚が好む環境を整えやすくなりますが、アイテムに頼り切ってしまうと水質を維持することが難しいです。
アイテムを使う場合でも、水質管理の基本であるろ過フィルターの選定や水換えなどのメンテナンスは怠らないようにしましょう。
最後に、金魚の水質を維持するコツをご紹介します。
酸素供給力の高いろ過フィルターを選ぶ
金魚水槽に設置するろ過フィルターは、
- 投げ込み式フィルター
- スポンジフィルター
- 上部フィルター
- 外掛け式フィルター
などの酸素供給力の高い製品を選ぶのがおすすめです。
ろ過フィルターの役割は水をろ過してきれいにするのと同時に、水中に新鮮な酸素を行き渡らせることにあります。
特に酸素は重要な要素で、酸素が豊富な水槽はバクテリアの働きが活発になって水をきれいに維持しやすくなるといったメリットも。
また、金魚は酸欠に弱いという面があるため、しっかり酸素を供給できるろ過フィルターの方が安全に飼育ができるでしょう。
水換えと底砂掃除を定期的に行う
水質を調整するアイテムを使用している場合でも、水換えや掃除などの基本的なメンテナンスはしっかり行いましょう。
繰り返しになりますが、金魚は大食漢でフンが多い水を汚しやすい魚のため、ろ過フィルターや便利アイテムだけで水質を維持し続けるのは難しいです。
1~2週間に一度程度は水換えやコケ、底砂などの掃除を行います。
また、ろ過フィルターに汚れがたまっているとろ過能力が落ちてしまうため、1ヶ月に一度は点検、必要に応じてろ材を洗浄してください。
底砂は特に汚れが溜まりやすく水質悪化の原因になることが多いので、クリーナーポンプを使って水と一緒にしっかり汚れを吸い出します。
フンが多い金魚飼育の場合は、掃除のしやすさを重視して底砂を敷かずに飼育するのも良い方法です。
まとめ:金魚の水質とは!最適なpHとおすすめの調整方法・検査薬などを解説
金魚に最適な水質とおすすめの調整方法を解説しました。
金魚は適応できる水質の幅が広く丈夫な魚ですが、本来は中性~弱アルカリ性の水質を好みます。
pHは水の汚れである硝酸塩の蓄積と共に低下していくため、中性辺りに維持したいときはカキガラや水質調整剤といったアイテムを上手に活用しましょう。
ただし、現在の水質が弱酸性だったとしても金魚に問題が無ければ、無理に水質を変える必要はありません。金魚が元気ならば、そのままでも十分に長生きしてくれることが多いです。
金魚の様子をみながら、最適な飼育環境を整えましょう。
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