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水換えのタイミングを水質検査で判断してみよう!飼育水の成分と検査薬について

水槽内を美しく、そして生き物の健康を保つために欠かせない作業が「水換え」です。

しかし、水換えはどのタイミングで行なうのがベストなのか、わかりにくいのも事実です。
水換えを定期的に行っているけれど、それほどの頻度が必要なのか?と疑問を抱くこともあります。

東京アクアガーデンでは水の汚れを可視化するために『水質検査薬』や『pH測定器』を使用して水中の成分を確認しています。
水質検査薬で数値を確認すれば、水換えが必要かどうか・頻度が足りているのかが、一目瞭然です。

このコラムでは、水換えの目安となる、水中の成分基準と水質検査薬について詳しく解説いたします。

水質検査薬でどんなことがわかるのか

水質検査薬では、飼育水を構成している成分の数値を知ることができます。数値を把握できれば、水質を管理する上で大きな目安になります。

各成分の適正値は飼育している生体によって変わってきますが、基本的に淡水水槽では酸性傾向に傾くほど汚れている状態です。

水質変化に特に弱いエビ類の飼育を念頭に置いて、各成分の適正目安を解説します。

pH:酸性・中性・アルカリ性

水の酸性・中性・アルカリ性を示す数値です。ペーハーと記述されていることが多いですが、現在理科業界では「ピーエイチ」と英語読みされています。

中性が7.0で、数値が小さくなるほど酸性が強く、数値が大きくなるほどアルカリ性が強いことを示します。
魚種によって好みのpHは異なります。

■pH傾向別の魚種例

  • 弱酸性傾向:ネオンテトラ、エンゼルフィッシュ、ディスカスなど
  • 中性~弱アルカリ性傾向:グッピー、プラティ、金魚、メダカなど
  • アルカリ性傾向:カクレクマノミ、ハタタテハゼ、ウズマキヤッコなど

淡水水槽では、pHが5.0を下回っているか、8.5を上回っている場合は傾きすぎているため、早めの水換えが必要です。

海水はもともとアルカリ性なため、淡水水槽とは違いpH8.1を下回らないようにしましょう。

ただし、いきなりpHが変化しすぎると魚がショック症状を起こします。
3日間に分けるなど、少しずつ水を換え水質に慣らしてい行きましょう。

個人的な見解ですが、ビーシュリンプなどのエビは日本で供給されている水道水のpHで十分に生きていけます。

KH:炭酸塩硬度

KHは水の酸性化を緩衝する働きがあります。
つまり、水が酸性に傾きそうなとき、それを弱めてくれるということです。

水槽内のKHは、3°dKHを上回っているのが理想です。
特に水質変化に弱いエビなどを飼育している場合、pHが急激に変化することを和らげてくれるKHは、維持しておきたい数値です。

水道水のKHが2~3°dKHですので、KHが2°dKHに満たない場合は水換えをするのがおすすめです。

GH:総硬度

いわゆる、軟水・硬水と呼ばれる、水の硬さを示す数値です。水に含まれるミネラルの量によって変わり、ミネラルが多いほど硬いと表現されます。

GHは4~16°dHが適正と言われています。

この数値から大きくかけ離れている場合は、水換えを行なうのが良いです。

NH4:アンモニアイオン濃度

アンモニア濃度が0.25mg/Lを超えた状態で長期間飼育すると、魚やエビがダメージを受けます

魚の排泄物に含まれているアンモニアは猛毒です。アンモニアの濃度が上昇しすぎると、生体は死に至ることもあるほど、恐ろしい物質です。本来であれば、水槽内に住むバクテリアがこれを分解してくれるのですが、水槽の立ち上げ直後などはバクテリアの状態が安定していないため、一時的にアンモニア濃度が上昇する場合があります。

その場合は速やかに水換えを実施しましょう。

NO2:亜硝酸イオン濃度

アンモニアに比べれば毒性が低い物質ですが、魚が中毒をおこすには十分な毒性があるため、亜硝酸の数値が高いときは水換えが必要です。

理想的な亜硝酸のレベルは0.8mg/L以下です。

魚の排泄物には、猛毒であるアンモニアが含まれています。そのアンモニアをバクテリアが分解して、亜硝酸に変えてくれます。
この亜硝酸塩が全く検出されないのが安全な水槽、といえます。

NO3:硝酸イオン濃度

上記の亜硝酸が、さらに分解された物質です。こちらは毒性が低いため、魚への悪影響は少ないのですが、放っておくとどんどん水槽内に蓄積してしまう物質です。

50mg/L(=ppm)以上の濃度になったら水を換えましょう

植物にとっては栄養分なので、コケが繁茂する原因にもなりますから、数値が高いときは水換えしないと、コケが大繁殖する要因になりかねません。
自然界であればとどまることのない物質ですので、すぐにダメージが無くても、生き物には悪影響です。

水換えは主に、この硝酸塩を排出することが目的です。

Cl2:塩素濃度

一般的に「カルキ」と呼ばれている物質です。
正確には『次亜塩素酸ナトリウム』という物質が現在では使用されています。

カルキは魚のエラにダメージを与えるため、水道水は必ずカルキを中和しましょう。

カルキ抜きの必要性については、以下のページを参考にしてください。

PO4:リン酸濃度

淡水では1.0mg以下が標準です。

植物にとっては栄養になる物質ですが、数値が高すぎるとコケが繁茂する原因になりますので、水換えなどを行ない対処します。
なお、海水水槽ではほとんど0であることが理想です。

コケが繁茂して手に負えない場合は下のページが参考になります。

どんな種類の検査薬があるか

テトラ (Tetra) テスト試験紙NO3 硝酸塩 テスト水質 検査 測定

では実際に水質検査を行なうための検査薬の種類と、使い方などをご紹介します。

試験紙タイプ

テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

こちらは、ろ紙に試験薬がしみこませてあり、水槽の水をろ紙につけるだけで様々な数値が測定できるというものです。水槽の水に入っている成分に反応してろ紙の色が変化しますので、セットについてくる見本色と見比べて、水質を知るという方法です。

  1. ろ紙を取り出す
  2. ろ紙に水槽の水を1滴たらす
  3. 1分ほど待つとろ紙の色が変化。ケースについている色見本と比較し、数値を読み取る

おおよそ検査1回60円ほどのコストです。
昔、理科の実験で使っていた「リトマス試験紙」に使い勝手は似ています。飼育水につけるだけなので検査が非常に手軽に出来るのが特徴です。

ただ、開封して放置しすぎると、湿気等で正しい検査結果が得られなくなる場合もありますので、できるだけ早めに使うのがおすすめです。

液体タイプ

レッドシー (RedSea) MCP アンモニアテストキット 淡水・海水両用

液体の試薬を使うタイプです。

  1. 付属の注射器を用い、ガラス管に水槽の水を取る
  2. 試薬Aをすりきり一杯加え、ガラス管のふたを閉めて10秒間振る
  3. 試薬Bを5滴加え、ガラス管のふたを閉めて10秒間振る
  4. 試薬Cを5滴加え、ガラス管のふたを閉めて10秒間振る
  5. ガラス管内の色が安定するまで15分待つ
  6. 付属の色見本と比較し、数値を読み取る

試薬のほうが検査紙タイプよりも細かい数値がわかります。しかし結果が出るまでに15分ほどかかりますし、試薬が3つもありますので、試験紙タイプのものより難し印象を受けます。
それでも、使用可能回数が多くコストパフォーマンスに優れているなど、メリットが多いです。

おおよそ100回使えますので、1回30円です。
バイコム スターターテストキット(アンモニア・亜硝酸・硝酸)各3本入り

こちらは、試薬は一種類ずつアンプル状に分かれており、水槽の水を入れるだけで結果が出ます。
待ち時間は、アンモニアが5分、亜硝酸は2分、硝酸は3分ほどで検査できます。

3回分×3本ですから、1本178円ほどです。
コスパの面では最も高価ですが、「水槽立ち上げ時だけ使いたい」という場合におすすめです。

デジタル機器

デジタル PH計 PHメーター ペーハー測定器 熱帯魚飼育 水耕農業 アクアリウム 水族館 プール 実験室 水槽 水道等 水質検査用 校正剤付き (PH-002自動校正)

デジタルでpHを測定してくれる機器(ペーハーチェッカー)は、複数の水槽を管理している場合におすすめの機材です。

消耗品ではないので繰り返し使用できますし、精度の高い結果を得ることが出来ます。
検査方法は、水槽の水を容器にとり、電極を差し込んで数値を読み取るだけと、手軽です。

難点は、機器が高額なこと、メンテナンスに若干手間が必要なことです。

アクアリウム 設置 管理 水槽メンテナンス

水換えのタイミングを水質検査で判断してみよう!飼育水の成分と検査薬について

水質を検査することで、一見透明に視える水でも様々な成分から成り立っていることが解ります。
それぞれの成分に毒性・悪影響はありますが、完全に不要というものはありません。

アンモニアが無ければ硝化バクテリアは増えませんし、バクテリアがいなければ、魚の長期飼育に向いた環境に整えることは出来ないでしょう。
リン酸もコケの原因になりますが、適正値ならば水草を美しく成長させます。

発生する成分には、必ず役割とつながりがあるのです。
それぞれの成分と付き合いながら、生体にとって居心地の良い水作りを目指しましょう。

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このコラムへのコメント

  1. MK より:

    御担当者様

    MKと申します。

    水質について実は、大変困ってまして問い合わせしてしまいました。お忙しい中、すみません。
    下記、3つがわかりません。

    ①エアレーションをする事によってアルカリ性に傾きますか?

    私の認識では、エアレーションをする事によりバクテリアが増えて逆に弱酸性に傾くと思ってましたが、水質が弱アルカリ性になってしまって混乱してしまってます。因みに水草は植えてますが、底床の15%くらいで、co2は添加しておりません。

    ②水槽立ち上げ初期は特にエアレーションはした方が良いと聞きましたが、アルカリ性に傾くのであればと思い、躊躇しており、必要か悩んでます。

    ③これは、投込みフィルターでも同じことが言えますか?

    長文ですみませんでした。
    何卒、宜しくお願い致します。

    • アクアガーデン編集部 より:

      コメントありがとうございます。実際に拝見しておりませんので、正確な回答ではないことをご了承ください。
      水中のCO2が減ればアルカリ性に傾きますが、アクアリウム用のエアレーション装置でそれほど強力に作用することは、あまり考えられません。投げ込み式フィルターも同様です。

      バクテリアが増えるから弱酸性傾向になるというより、魚たちのフン(アンモニア)が分解されることで酸性傾向になっていきます。
      ここで考えられる原因は、生体数が少なめで岩や大磯砂をレイアウトしている という可能性です。

      大磯砂や岩などをレイアウトしていると、設置当初はカルシウムが溶け出してアルカリ性に傾くことがあります。
      これは、水換えを繰り返すうちに落ち着いていきますので、焦らずお手入れを行っていくのが良いです。

      飼育生体が流木に適している種類でしたら配置してみるのもおすすめです。

      ・流木を水槽レイアウトで使うには!種類やあく抜き方法、浮くときの対処法!
      https://t-aquagarden.com/column/driftwood_lye

      よろしくお願いいたします。

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