熱帯魚が大きくなりすぎた!問題点と解決策!正しい対処で長生きさせよう
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餌に気づいて近づいてくる様子や、夢中で食べている魚はとても可愛いもの。
餌を食べてどんどん大きくなる姿を見ると、親心からつい餌をたくさん与えたくなってしまいます。
しかし、実は魚にも調度良い成長速度というものがあり、急激に大きくなってしまうと最悪の場合寿命が縮まってしまう可能性も。
また、熱帯魚が予想以上に大きくなることで飼育スペースを圧迫したり、混泳トラブルが起きたりといったトラブルの原因になることもあります。
今回のコラムでは、熱帯魚が大きくなりすぎてしまうことで起きる、問題点と解決策をご紹介します。
適度な成長具合を守ることは熱帯魚の健康を維持することにも繋がります。長期飼育のヒントに、ぜひご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに熱帯魚が大きくなりすぎたときの問題点と解決策を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
熱帯魚にたくさん食べさせて大きく育てるのも健康を維持する一つの方法ですが、やり過ぎは良くありません。
必要以上に大きくなってしまうと様々なトラブルの原因となるため、無理の無い範囲での育成を目指しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、熱帯魚が大きくなりすぎたときの問題点と解決策を解説します。
熱帯魚が大きくなりすぎたときの問題点
体力が少ない稚魚の場合は、餓死しやすい時期を脱するためにたくさん食べさせて、短期間で大きく育てることもありますが、一般的なサイズの熱帯魚ならば無理に成長を早める必要はありません。
大きく育つのは一見良いことのように思えますが、無理に急成長させることで以下のような問題につながる危険があるからです。
- サイズ差による混泳トラブル
- 設備・水量が容量不足
- 遊泳スペース不足
- 魚の寿命が縮まる
まずは、熱帯魚が大きく育ちすぎてしまったことで起こる問題点をご紹介します。
混泳でトラブルが起きやすくなる
混泳水槽の場合、一部の熱帯魚が大きくなりすぎることでパワーバランスが崩れて、関係性にトラブルが生じる可能性があります。
縄張りを主張して他の魚にちょっかいを掛けるようになったり、餌を横取りして食べれない個体が出てきてしまったりといった行動は、混泳魚同士のサイズ差が大きな要因となることも少なくありません。
基本的には体が大きい魚が有利なため、大きく成長した魚は気まで大きくなってしまいがちです。
大きさが同じぐらいだった頃は問題が無くても、突出して大きな個体が出現するとパワーバランスが変わって混泳トラブルに繋がります。
設備・水量が容量不足になる
ろ過フィルターのパワーや水槽の容量は、魚の大きさや匹数に合わせて選定するのが一般的です。
そのため、予想以上に魚が大きく育つと機材のパワーや水量が不足して、水質に影響が出る可能性があります。
魚が大きく成長しすぎている水槽では餌の量も多くなるため、餌の食べ残しやフンの量が増えて水が汚れやすいです。その状況で、ろ過フィルターのパワーが足りていないとなると、水質が悪くなってしまい水槽で飼育している生き物すべての体調に影響が出ます。
通常サイズであれば問題なかったのに、大きく成長させたばかりに水槽やろ過フィルターのサイズアップを検討しなければならないなど、余計なコストがかかる点も見逃せないポイントでしょう。
遊泳スペースが足りなくなる
大きく成長することで、水槽が手狭になって遊泳スペースが足りなくなってしまうのも問題です。
遊泳スペースがないと熱帯魚が思うように動けずストレスが溜まりますし、混泳魚との距離が近くなることで縄張り争いが起こりやすくなります。
また、以前は入れていた隠れ家に入れなくなってしまうのも、魚にとっては大きな負担です。
遊泳スペースの問題は水槽が小さいほど、深刻な状況になりやすいので注意してください。
魚の寿命が縮まる?!
急激に成長しすぎた個体は、寿命が縮まるという説もあります。
自然下であれば多少の個体差はあれど、成長速度に極端な違いが出ることはありませんが、人間が管理する水槽の中では餌の量や質によって、急激に大きくなってしまうことがあります。
このような急成長は決して健全な状態とはいえないため、健康面に負担がかかってしまうと考えられるのです。また、大きく成長するとそれだけ広い場所が必要ですが、限られたスペースでは十分に泳げずストレスがかかってしまう点も寿命に影響します。
実際のところ、同種でも適量の餌を与えた普通サイズの個体の方が長生きする傾向にあるようです。
熱帯魚が大きくなる理由
熱帯魚が想定外に成長してしまう大きな要因は、餌の与え方にあります。
餌の量が多かったり、増量用の餌を継続して与えていたりなどは状況によっては魚に悪影響を及ぼしますので、成長速度が早すぎると感じるときは給餌方法を見直してみましょう。
餌を独占している
混泳水槽で全体に均一に餌を与えているにも関わらず、体の大きさに大きく差が出てくるようなときは、一部の魚が餌を独占している可能性があります。
特に元々大き目の個体や動きが素早い魚は、餌を確保するのがうまく餌を横取りしてしまいがちです。さらに餌の食べ方に差が生じることで、どんどん体格差が開いていってしまう悪循環に陥ることもあります。
このような事態を防ぐため、餌やりのときは全体に餌が行き渡っているか、食べはぐれている個体はいないかをよく確認しましょう。
そしてあまりに食べ方に差があるときは、個別に餌やりをする、隔離をするといった対策を検討します。
餌やりの回数が多い
一日の餌やりの回数が多すぎるのも、成長しすぎの原因になります。
魚は満腹感を感じづらい生き物で、食べ過ぎて消化不良を起こしてしまいやすいため、大きく育てたい時や餌量を増やしたいときは、一度の量は変えずに回数を増やして対応するのがセオリーです。
確かにこの与え方ならば量を増やすよりも魚に負担を掛けづらいので、健康を維持しながら育てることができるでしょう。
しかし当然やり過ぎは禁物で、成長を促す餌やりは度が過ぎると、成長過多になってしまいかねません。
また、増体を目指してこってりした餌を与えているときも、餌量や継続日数に注意してください。
成長具合をよく確認しながら、状況に合わせて餌を変えるなど臨機応変に対応することが大切です。
熱帯魚を大きくさせすぎない対処法
熱帯魚には適切な成長速度とサイズがあり、大きくしすぎると健康を害す原因となることも少なくありません。
また、もし成長してしまったときに、大きな水槽を用意したり水槽の数を増やしたりといった対処ができないときは、熱帯魚のサイズをしっかり管理することをおすすめします。
ここでは、熱帯魚を大きくし過ぎない育て方について解説します。
餌の量・回数を減らす
大きくし過ぎないには、単純ですが餌の量や回数を控えめにするのが一番効果的です。
熱帯魚の餌やりは1日1~2回、3~5分程度で食べきれる量が適量とされています。
魚種や飼育数によって多少異なりますが、概ねこれを目安に餌やりをしてみてください。
先述した通り、全体に餌が行き渡っているか、餌量に極端な違いが無いかも確認しましょう。
ただし、生まれたばかりの稚魚や幼魚はこの限りではありません。
体力が少なく栄養不足で餓死してしまう危険が高いほか、体格が悪くなったり奇形になったりする確立が上がるため、しっかり餌を与えることをおすすめします。
あくまで、魚の健康が最優先なので、状態を観察しながら餌の量と回数を調節しましょう。
たんぱく質が少ない餌に切り替える
餌に含まれる栄養素の割合にも目を向ける必要があります。
人工餌のパッケージには必ず栄養の含有率が記されていますが、この中で特に成長速度や体作りに影響があるのがたんぱく質です。
大体粗たんぱく48%以上だと高たんぱくで栄養豊富と言われる基準ですので、成長を緩やかにしたいときは、もう少しヘルシーな餌に変更しましょう。
ただ、急に餌を切り替えると熱帯魚が体調を崩したり食欲不振になったりすることもありますので、様子を見ながら少しずつ切り替えてください。
そもそも、熱帯魚の餌は同じものを与え続けていると栄養が偏るため、複数の種類を併用することが推奨されています。
グルメな熱帯魚だと餌に飽きて食べなくなってしまうということもあるので、日頃からいくつかの餌を使い分けるのがおすすめです。
まとめ:熱帯魚が大きくなりすぎた!問題点と解決策!正しい対処で長生きさせよう
熱帯魚が大きくなりすぎてしまったときの問題点と対処法について解説しました。
熱帯魚が大きく育つことは良いことのように思えますが、極端に大きくなりすぎている、成長速度が早すぎるというようなときは注意が必要です。
大きな個体の気が大きくなって、魚たちのパワーバランスが崩れてしまったり、水槽が手狭になって水質悪化を引き起こしたりといったトラブルにつながる可能性があります。
成長速度を緩めるには、餌の与え方や種類を変えるのが一番効果的です。
ただ、急激な変化は魚に負担を掛けてしまうため、少しずつ様子を見ながら調整していくのが良いでしょう。
熱帯魚の健康のため、適切な餌やりと育成を心がけてみてください。
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