グッピーが増えすぎた場合の対処法と繁殖方法!繁殖しすぎに注意!
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グッピーは、豊富な色柄と伸長する尾びれが美しい熱帯魚の代表種です。
丈夫で飼育しやすく、さらに繁殖も容易なことから、初心者でも繁殖を楽しめる魚として親しまれています。
しかし、その繁殖力の高さには目を見張るものがあり、オスとメスを同じ水槽に入れておくだけでいつの間にか幼魚が増えているほど。
環境が良いとどんどん増えてしまい、飼いきれなくなってしまう人が後を絶ちません。
繁殖はグッピー飼育の醍醐味ではありますが、増えた稚魚を飼育することができるのか、増え過ぎた場合はどうするのかを決めてから、繁殖にチャレンジすることが大切です。
ここでは、増え過ぎたグッピーの対処法と繁殖しやすい環境について解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにグッピーが増えすぎたときの対処法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
- 繁殖は一年中可能!グッピーは繁殖しやすい熱帯魚!卵ではなく稚魚を産む卵胎生で、稚魚の生存確率が高いよ!
- オスがメスを追いかけるようになったら繁殖の兆候だよ増やしすぎないためには、メスとオスを分けるのも良いよ
- 増えすぎても放流は厳禁!引き取り相手を探すなどしよう!淘汰に任せる飼育者も多い
- グッピーの計画的な繁殖方法グッピーを増やしすぎないために!おすすめの対処法
グッピーは初心者でも繁殖を楽しむことができるのが魅力の熱帯魚です。
しかし、場合によっては増え過ぎて手に負えなくなってしまうこともあるため、増やした稚魚をどうするのかを決めてから飼育を始めましょう。
また、繁殖しやすい環境を知ることで、飼育数を管理しやすくなります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、グッピーの繁殖と増え過ぎた場合の対処法を解説します。
グッピーが大繁殖する原因や兆候
グッピーは増えやすい熱帯魚とよく言われますが、その理由とは何か。
ここでは、グッピーが大繁殖する理由と繁殖の兆候を解説します。
グッピーは卵胎生の熱帯魚
グッピーが繁殖しやすい一番の理由が、卵胎生であるということです。
卵胎生とは、産卵は行わずにメスの体内で卵をふ化させ、稚魚を出産する魚の繁殖形態のこと。
多くの魚は水草などに産卵しますが、産み付けられた卵はとても無防備で、卵を他の魚に食べられてしまったり、水カビなどで卵がダメになってしまったりといったリスクが伴います。
一方で卵胎生ならば、ある程度まで成長した稚魚を産み落とすため、卵のままよりも生存率がかなり高くなるのです。
しかも水槽の中はグッピーにとって快適な環境な上に外敵も少ないため、自然界よりも稚魚が生き残りやすくなります。
また、グッピーのメスは交尾後、体内に精子を蓄えておくことができ、1回交尾するとオスがいなくても2~3回は出産できる点も、大繁殖につながる要因です。
稚魚の生存率が高い
稚魚が上手く育たず死んでしまう原因の大半が餓死です。
産卵する魚の稚魚は、卵からかえったばかりだとかなり小さく、幼魚用の人工飼料でも口に入れることができません。そのため、人工飼料をすりつぶしたり微生物などの小さな餌を用意したりと、意識して餌を食べさせないと栄養が不足してしまいます。
一方、ある程度のサイズまで成長してから産まれてくるグッピーならば、誕生直後でも小さめの人工飼料を食べることが可能です。
人工飼料から栄養を得ることで稚魚の生存率が上がり、成魚まで問題なく成長する個体が増えるというわけです。
生まれたばかりの稚魚を育てる楽しみがあるのは魅力的ですが、反面、増え過ぎてしまうというリスクも抱えています。
一年を通して繁殖が可能
グッピーには繁殖期がなく、生後3~4ヶ月ほどたった個体ならば、環境が整っていれば一年を通して繁殖します。
つまり、特に繁殖を意識していなくても、水槽の中にオスメスが揃っているだけで繁殖してしまう可能性があるということです。
もし繁殖をさせたくない場合はオスメスを分けて飼育するなどの工夫をすると、大繁殖を防ぐことができます。
グッピーの繁殖の兆候
グッピーの繁殖の兆候は、まず派手なオスがメスを追いかけるように泳ぐようになることです。
その後、メスのお腹が大きくなれば、妊娠をしています。同時にお腹の後方部分の”妊娠マーク”と呼ばれる黒い模様が大きくなるので、そこも合わせてチェックしてみましょう。
そのまましばらくすると、メスの体内で稚魚が孵化します。稚魚の目がお腹越しに見えるようになれば、出産間近です。
グッピーが増えてしまった時の対処法
前述の通り、グッピーはとても増えやすい魚で、意識していなくても環境次第でどんどん増えてしまいます。
飼いきれなくなってしまう前に、増えたグッピーをどうするのかを決めておきましょう。
ここでは、グッピーが増え過ぎてしまったときの対処法を解説します。
友人・知人に譲る
グッピーを引き取ってくれる知人を探すのも良いでしょう。最近ではSNSやアプリを通じて譲渡先を探す方法もあります。
ただ、引き取ってくれる人が初めてグッピーを飼育するような場合は、同じように繁殖させ過ぎてしまう恐れがありますので、譲渡する際はグッピーの繁殖力について注意喚起し、きれいなオスだけを選別して譲るなどの配慮を行った方が良いでしょう。
川や湖に放流するのは禁止!!
飼いきれなくなったグッピーを近所の川や湖に放流してしまう方がいますが、これは絶対に止めてください。
いくら小さくともグッピーは外来種です。しかも増えやすい性質を持っているため、繁殖して放流先の生態系を壊してしまう恐れがあります。実際に、沖縄や温泉地などの年間を通して水温が高い地域では、野生化したグッピーが大繁殖して問題になっています。
また、放流現場を目撃されれば、地域によってはかなり厳しい処罰を受けることもあります。
グッピーのみならず、一度飼育を始めた生き物は最後まで責任を持って飼育しましょう。
グッピーは現在、環境省によって要注意外来生物に指定されており、これ以上に野生個体が増殖するようだと特定外来生物への指定もあり得ます。
特定外来生物に指定されてしまうと、新規の飼育が不可能になり、移動や譲渡なども禁止されます。
違反した場合は懲役刑や罰金刑を課されることになるので、生態系保護のために放流は絶対に避けてください。
グッピーの計画的な繁殖方法
ここからは、グッピーを計画的に繁殖させたい方のために、グッピーの上手な繁殖法をご紹介します。
といっても繁殖の方法はとても簡単で、水槽にオスとメスのグッピーを入れておくだけです。
個体同士の相性がありますので、オス1匹に対してメスを2~3匹程度の比率を意識してみてください。
水温は25~26℃程度を維持します。
水質は普段と同じで構いませんが、水が古くなっていると繁殖しないことがありますので、なかなか繁殖の兆候が見られないようなときは水換えをして刺激を与えてみましょう。
繁殖水槽を用意しよう
グッピーを計画的に繁殖させるならば、飼育用の水槽とは別に繁殖専用の水槽を用意するのがおすすめです。
別に水槽を用意することで、オスメスの比率を管理したり、繁殖に専念できる環境を維持したりしやすくなります。
また、最初から水槽を分けていれば出産後はそのまま稚魚育成用の水槽として使用できるので、稚魚を隔離するなどの手間がかかりません。
水槽の大きさは、育成する予定の稚魚の数に合わせて決定します。少数ならば30cmクラスの小型水槽でも十分ですが、品種改良などより高度な繁殖を目的としているならば、60cmクラスの水槽を用意しましょう。
小さな水槽だと、水温や水質が安定しずらく、後述する産卵箱を取り付けられない場合もあるので注意してください。
オスとメスの比率で繁殖を管理しよう
先述した通り、グッピーが繁殖しやすいオスとメスの比率は1:3で、繁殖をさせたいときはメスを多めに入れるのがポイントです。
これを逆に考えると、オスを多めにすることで繁殖を制限できるとも言えます。
そもそも、グッピーはオスの方が色鮮やかで尾びれが大きく、アクアリウムとして鑑賞するならばオスの方が見映えがしますので、鑑賞用水槽ならばオスを多めに、繁殖用水槽ならばメスを多めにを意識すれば、目的に合わせたグッピー水槽を作ることが可能です。
意図しない繁殖を完全に避けたいということであれば、オスメスを分けて飼育するのが良いでしょう。
オスとメスの見分け方
繁殖を管理するには、オスとメスを見分けなければなりませんが、グッピーのオスとメスの見分けは簡単です。
まず、オスは大きな尾ひれと鮮やかな体色が特徴で、尻びれにゴノポディウム(ゴノポジウム)と呼ばれる交接器が付いているのが観察できます。
対してメスは、オスよりも地味な印象で、尾ひれはあまり伸長しませんが、腹部に黒点のような模様が入ります。
また、成熟したグッピーはオスよりもメスの方が体が一回り程大きくなるので、大きさで見分けることも可能です。
グッピーの稚魚の育て方
グッピーが無事出産したら、次は稚魚の育成です。
稚魚は成魚よりもずっとか弱く繊細ですので、大切に育てていきましょう。
産卵箱を活用しよう
繁殖水槽があればそこで出産すれば良いですが、予備の水槽が無い場合は、水槽に産卵箱を取り付けて小部屋を作り、そこで出産~稚魚の育成までを行うのがおすすめです。
これならば、妊娠中のメスが他の成魚からストレスを受けたり、稚魚が食べられてしまったりする心配がありません。
また、繁殖水槽を使用している場合でも、産卵箱を使って成長具合ごとに稚魚を分ければ、出生日数に合わせた適切な管理がしやすくなります。
産卵箱の種類
産卵箱には大きく分けて水槽の内側に設置するタイプと、外側に設置するタイプがあります。
内部に設置するタイプは外気温の影響を受けにくく、飼育環境を安定させやすいですが、水槽の内部スペースを圧迫するのがデメリットです。
一方外掛け式は水槽の内部スペースを圧迫することがないので、小型水槽でも使用しやすいです。しかし、外気温の影響を受けやすいので、特に夏場や冬場は水温の管理に注意しなければなりません。
どちらかが優れているというわけではありませんので、ご自分の水槽スペースや管理の仕方に合ったものを選択してみてください。
稚魚の世話
グッピーの稚魚は大きく、誕生直後から稚魚用の人工飼料を食べることができます。粒の小さなものを用意するか、成魚用の餌を粉末状に砕いて与えましょう。
ブラインシュリンプなどの動物プランクトンも稚魚の良い餌になります。これらの活餌は、栄養価が高く人工飼料で育てるよりも早く成長するため、生まれたばかりの最も注意が必要な時期を早期に抜けられるのが利点です。
また、餌の与え方も重要で、稚魚は成長するためにたくさんの栄養を必要としますが、体が小さくて一度にたくさんの量を食べることができません。
そこで、1回あたりの給餌量は変えずに、1日あたりの給餌回数を3回程度に増やします。
食べ残しが出ると水が汚れますので、しっかり食べきれているかその都度確認し、食べ残しが発生した場合は可能な限り取り除いてください。
繁殖を調整して増え過ぎに注意しよう!
グッピーは繁殖しやすい熱帯魚ですが、飼育の仕方を工夫すれば大繁殖を防ぐことが可能です。
オスとメスの比率を意識したり、オスメスを別々に管理すれば繁殖する確率はかなり下がります。
また、意図せず稚魚がたくさん生まれてしまったときは、稚魚の隠れ家となるようなレイアウトを減らした水槽で、成魚と一緒に飼育することで自然淘汰されて、数を減らすことが可能です。
かわいそうと感じるかもしれませんが、増え過ぎて飼いきれなくなってしまう方が問題です。必要な対処と割り切って飼育数を管理しましょう。
まとめ:グッピーが増えすぎた場合の対処法と繁殖方法!繁殖しすぎに注意!
今回は、増え過ぎたグッピーの対処法と繁殖しやすい環境についてご紹介しました。
グッピーは初心者でも繁殖を楽しめるのが魅力ですが、計画的に繁殖しないと、飼いきれなくなってしまいます。
今回ご紹介した対処法をふまえて、自分の水槽に合った魚の大きさ・個体数の選定をしっかり行いましょう。
グッピーはただ繁殖させるだけでなく、様々な種類を掛け合わせて美しい個体を生み出すことができたりと、とても奥が深い熱帯魚です。
飼育・繁殖に慣れてきたら交配による品種改良にもチャレンジしてはいかがでしょうか。
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