熱帯魚のペアリングで失敗したら!隔離や再挑戦の餌などを解説
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気温が上昇して暖かい季節になると、熱帯魚の繁殖行動も活発になります。
新しい生命が水槽の中で誕生するのを見られるのは、とても素晴らしい経験です。
しかし、水槽内は熱帯魚が本来生息している環境とは異なります。そのため、ペアリングがいつも成功するとは限りません。
このコラムでは、熱帯魚のペアリングで失敗してしまった場合の隔離方法や再挑戦のタイミングなど、種類ごとに詳しく解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに熱帯魚のペアリングで失敗した場合について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
熱帯魚のペアリングが上手くいくと、仲睦まじい様子を見てほっこりするアクアリストも多いでしょう。しかし、残念ながらペアリングが失敗してしまうこともあります。
ペアリングが失敗してしまったら、きちんと対策や工夫をして再挑戦につなげてみてください。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、熱帯魚のペアリングで失敗した場合について解説します。
熱帯魚のペアづくりで失敗したら
限られた水槽内でのペアづくりで失敗すると、熱帯魚にもストレスがかかってしまいます。
繁殖を目指すには、親魚のストレスをできるだけ軽減してあげることが大切です。
熱帯魚の種類ごとに注意すべきポイントも異なるため、ペアリングや隔離のタイミングをしっかり見極めましょう。
ベタ
オス同士が激しく争う闘魚として有名なベタですが、オスメスのペアリングにも注意が必要な熱帯魚です。
ベタの繁殖を目指すなら、毎日親魚の様子を観察するように意識しましょう。
オスのベタがヒレをいっぱいに広げてメスにアピールする姿は、ほかの熱帯魚では見られないほどの圧倒的な美しさです。
オスとメスのお見合いが大切!
ベタは相性が合わないと、オスがメスを攻撃し続けてしまいます。
まずは1日ほどオスとメスを別の容器に入れて対面させ、お互いを意識できるようにして様子を観察しましょう。この状態でオスが泡巣を作り始めたら、お見合い完了です。
次の段階として繁殖用の同じ水槽にオスメスを入れますが、メスの産卵準備が整っていないと、オスがメスを攻撃してしまうことがあります。5日間を目安に、メスが産卵まで至らない場合にはペアリング失敗と判断して、メスを別水槽に隔離してあげてください。
2週間後以降に再挑戦もできる
ペアリングが1度失敗してしまっても、2週間以上の間を置けばうまくペアリングできる場合もあります。
大切なのは、メスが抱卵しており、餌も問題なく食べているかどうかです。
メスの体型を観察してお腹がふっくらしていない場合は、抱卵するまで育ててから再挑戦するか、別のメスにチェンジしましょう。
また、1回目のペアリングが失敗した時に怪我をしてしまった場合には、しっかり回復しているかどうかも大切です。注意深く観察してあげてください。
グッピー
繁殖しやすい熱帯魚の代表格として知られるグッピーですが、ペアリングで注意すべき点もあります。
オスの年齢に注意!
グッピーのオスは、生後4〜7ヵ月までにペアリングさせることが大切です。
グッピーの寿命は短く、それを過ぎたオスは繁殖適齢期ではなくなってしまいます。
適齢期を過ぎたオスは、メスと同じ水槽に入れても共存するだけになりがちです。そのため、なるべく若いグッピー同士でペア成立を狙いましょう。
繁殖率が悪い場合には餌を見直そう
グッピーの繁殖があまり進まない場合やふ化率が悪い場合には、栄養価の高い活餌を与えるのがおすすめです。
グッピーは比較的繁殖しやすい熱帯魚なので、人工飼料だけで育成していても十分に増えてくれます。しかし、孵化したてのブラインシュリンプや冷凍赤虫などを与えることで、グッピーの体格と活性がさらに良くなるでしょう。
栄養をしっかり蓄えたオスメスのペアなら、誕生する稚魚の数も多くなり、繁殖しやすくなるはずです。
アピストグラマ
シクリッドのペアリングでは、特に相性やタイミングが重要です。
繁殖に挑戦する場合には、オスメスのわずかな変化を見逃さないように日々観察しましょう。
アピストグラマのペアリングで大切なポイントを解説します。
様子を見て弱る前に隔離しよう
アピストグラマのペアリングが成功の場合は、3週間以内には産卵行動を開始します。オスメスが仲睦まじい様子で一緒に泳ぐ姿も見られるでしょう。
しかし、ペア不成立の場合には、オスがメスをぼろぼろになるまで追いかけまわしてしまうことがあります。また、種類や体格差によっては、反対にメスがオスを攻撃するケースも。
特に導入後数日後は、こまめに注意深く観察し、攻撃が激しい場合には限度を見極めてすぐに隔離するようにしてください。基本的には、オスを別水槽に隔離し、再挑戦する場合にはメスの回復具合を見てタイミングを見て決めましょう。
ペアにならない場合は追加する方法も
どうしてもペアが成立しない場合は、無理に2匹だけにするのではなく、別の成体を追加して様子を見るのも良い方法です。
この場合、オスではなくメスを追加・交代させるようにしましょう。
ディスカス
シクリッドの仲間であるディスカスも、相性やタイミングがペアリングの大切な要素です。
ディスカスはデリケートな面がある熱帯魚ですので、ペアリングの際も日々の観察を欠かさないようにしてください。
兆候が見られたらペアで隔離しよう
ディスカスの繁殖を目指す場合には、複数個体を同じ水槽で飼育し、繁殖の兆候が見られたらペアだけで隔離する方法がおすすめです。
同じシクリッドの仲間でも、ディスカスはアピストグラマに比べればオスがメスに対して過激な攻撃はしません。複数のディスカスを同じ水槽で飼育していると、オスが気に入ったメスのお腹あたりを軽くつつくような繁殖の兆候が見られるようになります。
ペアリングの兆候が見られたら、ペアのみを隔離水槽に移動させてあげましょう。ペアのみにすることで、ストレスを軽減し繁殖の成功率が高まります。
また、ペア用の水槽の水換えを行うことで適度な刺激を与えられ、繁殖行動の促進も可能です。
繁殖しやすい品種を選ぶ
ディスカスの繁殖は、まずはペアリングしやすい品種から挑戦するのがおすすめです。
ブルー系などブリードが盛んに行われているディスカスは、繁殖させやすい品種と言えます。
繁殖難易度の高い品種をどうしてもペアリングしたい場合には、あらかじめペアとして販売されている個体を購入するのも良いでしょう。「繁殖経験あり」というペアが販売されている場合もありますので、タイミング良く目にする機会があればおすすめです。
番外編:プラティ
プラティは、オスメスが同じ水槽にいれば放っておいても増える、繁殖力旺盛な熱帯魚です。
3ペアほど飼育していれば、ほぼ確実に繁殖しますが、1ペアだけでは相性が合わずに繁殖しないこともあるでしょう。
ただし、想定以上に増えすぎてしまったり、逆に稚魚が生まれてもいつの間にかいなくなったりといったトラブルが起きることも。
あまりにも増える場合には、メスを別水槽に隔離してペアリングをコントロールします。稚魚が減ってしまう場合も、妊娠中のメスや生まれたばかりの稚魚を別水槽に隔離してあげましょう。
また、プラティは体色が豊富なので、狙った体色のオス1:メス2〜3だけを隔離することで、決まった体色のみブリーディングできます。
このように増えやすい熱帯魚も、手間をかけることで計画的に繁殖させられるのです。
まとめ:熱帯魚のペアづくりで失敗したら!隔離や再挑戦の目安などを解説
今回は、熱帯魚のペアリングで失敗してしまった場合の、隔離や再挑戦の方法、おすすめのエサなどを紹介しました。
特に狭い水槽内でのペアリングは、親魚にストレスを与えてしまう場合があります。魚種にもよりますが、上手くいかない場合には、オスメスを一度隔離するのも一つの手です。
また、一度ペアリングに失敗してしまっても、タイミングを見て再挑戦もできます。与える餌を工夫すれば、成功する確率も上がるでしょう。
魚種ごとの特徴を理解し、ペアの様子を観察しながら熱帯魚の繁殖を目指してみてください。
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