

混泳のメリットとは!見た目だけじゃない・生き物の特性で水槽環境を作ろう
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水槽で生き物を飼育する際に、「一種類だけを泳がせたい」方や、「いろいろな魚をたくさん飼いたい」方など、どちらもいらっしゃるでしょう。
混泳をする・しないはアクアリストの趣向によりますし、そもそも混泳できない生き物もいます。しかし、さまざまな魚や生き物を混泳すると、水槽内がにぎやかになるだけでなく、さまざまなメリットがあるのでおすすめです。
今回は、混泳するメリットや、それぞれの生き物の役割を解説します。バランスの良い水槽環境の作り方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに混泳のメリットやポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
- 混泳とは、複数の生き物を1つの水槽で一緒に飼育すること水槽の上層・中層・底層など生活圏の異なる種類を飼育するとケンカが起こりにくいよ
- 混泳すると水槽がにぎやかになる・生き物が落ち着くなどのメリットがあるよ!小型魚などは、複数匹で飼育すると群れをつくるよ
- 生き物の割合や匹数を工夫することで、飼育環境をより良く整えられるよ!過密にならないように、初めは控えめな匹数がおすすめ。
- 水槽で飼育できる生き物の特性と、水槽環境への影響熱帯魚やエビ、水草の役割りを解説!
混泳には、さまざまなメリットがあります。
混泳すると見た目が華やかになるだけではなく、それぞれの生き物たちが特性を生かし、水槽環境に良い影響を与えるのです。混泳のメリットを得るために、生き物ごとの役割を知っておくことが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、混泳のメリットや生き物の特性と水槽環境への影響、バランスの良い環境を作るポイントを解説します。
混泳のメリットとは
混泳することのメリットは、大きく分けて3つあります。
見た目だけではなく、ほかのメリットもありますので参考にしてください。
水槽がにぎやかになる!
混泳をすると、水槽内がにぎやかで明るくなり鑑賞性が上がります。いろいろな魚種が泳いでいるため、さまざまな方の目を惹く水槽になるでしょう。
自分の好きな魚が複数泳いでいると、それだけでうれしい気持ちになりますよね。いろいろな生き物が泳ぐ水槽を見るのは、誰もが楽しく感じます。
また、脇役の魚を混泳させることで、メインとなる魚を引き立てることもできます。
生き物が落ち着く
混泳させることによって、種類にもよりますが生き物が落ち着きます。
特にカラシンや小型のコイ科など小型魚は、ある程度の匹数で飼育したほうが落ち着くのです。もともと群れを作る習性がある種類は、なるべく複数で飼育しましょう。
また、ほかの種類と飼育することで攻撃性が抑えられることもあります。
例えば、海水魚の中には近縁種を攻撃するものがいます。しかし、混泳水槽で複数飼育することで、攻撃する対象が絞られなくなります。そのため、混泳することで、水槽内の秩序が保たれることになるのです。
東京アクアガーデンでも、生き物の攻撃性が抑えられる特徴を利用して、海水魚水槽を作成しています。
水槽環境を整えられる
生き物にはそれぞれ習性や特性があり、相互作用によって水槽環境を整えられます。
例えば、魚が食べ残した餌が底砂の上に落ちても、砂の上の餌を食べる魚や、貝を飼育することで食べ残しが減ります。水質悪化を減らせますし、底砂が耕されることで、嫌気層が作られにくくなるのです。
また、コケを食べる魚やエビを飼育することで、コケを減らすことにもつながります。水草を育てれば、有害な硝酸塩を吸収してくれます。
このように、生き物自身の働きによって環境を整えたものがビオトープです。ビオトープとまではいかなくとも、水槽環境を整えることで、生き物にも飼育者にもメリットがあります。
生き物の特性と水槽環境への影響
生き物を混泳させる場合、それぞれの生き物が水槽内でどのような働きをするか知っておくことが重要です。
こちらでは、下記の生き物や植物の特性や、水槽環境への影響をご紹介します。
- 熱帯魚
- エビ・底生魚・貝
- 水草
- コケ(プランクトン)
熱帯魚
熱帯魚を泳がせることで、水槽がにぎやかになって鑑賞性が高まります。鮮やかで目立つメイン生体だけでなく、底に住む魚やエビなどのタンクメイトをそろえると、より惹きつける水槽に仕上がりますよ。
また、熱帯魚の餌や排せつ物が水槽内に有機成分を供給します。例えば、アンモニアを出すことで、水質を浄化するバクテリアを増やしたり、水草の栄養分になったりするのです。
排せつ物は、「水質を悪化させるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょうが、水槽全体の環境を考えると、餌の食べ残しやフンはとても大切なのです。
ただし、魚の数が多く、排せつ物が多すぎるのはよくありません。水槽サイズやろ過能力、そのほかの生き物の数とのバランスを考えて調整しましょう。
エビ・底生魚・貝
エビや底生魚、貝などは、魚が出した養分から生えたコケを食べます。
コケを食べてくれることで、水槽の鑑賞性が上がり、水草の健康が維持されやすくなります。コケが少なくなることで、コケ掃除の労力を省いてくれるメリットもあるのです。
また、エビ・底生魚・貝などは砂の上に落ちた餌の残りを食べ、底砂を掘り返すことで嫌気層ができにくくなります。
底砂をかき混ぜる生き物としては、淡水であればドジョウやクーリーローチ、海水であればコガネキュウセンやマガキガイなどがおすすめです。
これらの生き物は水槽内の目立たない場所を好むことが多いですが、縁の下の力持ちになるので、ぜひ飼育してみてください。
水草
水草は、硝酸塩を吸収します。
硝化作用で残った硝酸塩は基本的に、水替えによって排出するしかありません。水草を植えることにより、硝酸塩が完全にはなくならないものの、濃度が下がるため大きなメリットだと言えます。
また、水草は光合成することにより、二酸化炭素を吸収して酸素を供給します。フィルターやエアレーションのないビオトープでは必須のアイテムなのです。
そして、水草を植えることで、生き物の隠れ家になります。気の弱い個体がいじめられた時などの一時的な逃げ場としてや、水槽内で繁殖したときの稚魚や稚エビの隠れる場所になるのです。
隠れ家にならなくても、自然に近い環境を作ることで、生き物たちが落ち着く環境となります。
水質改善効果が期待できる水草については、こちらのコラムで詳しく解説しているので、参考にしてください。
コケ(プランクトン)
コケ自体はアクアリウムでは嫌われ者ですが、コケが生えてくるのには理由があります。コケの状況を観察することで、水質や水槽の状態を確認するポイントになるのです。
例えば、茶ゴケは水替えが多すぎるとき、緑ゴケは養分が多いときに生えてきます。見た目としてはマイナスですが、日ごろのメンテナンスの参考になるのではないでしょうか。
また、コケ自体やコケで発生したインフゾリアは、エビの餌にもなります。水槽環境という大きな括りの中では、コケも大事な役割をもっているのです。
バランス良い水槽環境を作るポイント
混泳には多くのメリットがあることをお伝えしてきましたが、やみくもに生き物を入れればよいわけではありません。
ここでは、バランスのよい水槽環境を作るポイントをご紹介します。
生体の割合を考えよう
さまざまなメリットがある混泳ですが、水槽内で混泳させる比率が偏っているとうまく相互作用しないことがあります。
魚が多すぎると養分が過剰になって、コケがたくさん生えるのはよくある失敗例です。
また、底生生物が多すぎると、十分に餌が回らずに餓死することもあります。浮遊性の餌と、沈水性の餌の両方を与えるなどの対策が必要です。水草も多すぎると、中層を泳ぐ魚の遊泳スペースをなくしますし、メンテナンスが大変になります。
水槽の水量や遊泳域などを総合的に考え、飼育数を決めましょう。
底砂やろ材の影響を考える
バランスの良い水槽環境を作る上で、生き物だけでなく底砂やろ材も水槽環境に大きな影響を与えます。
水質調整機能のあるソイルやサンゴ砂、レイアウトしている流木や岩から成分が溶け出し、水質が酸性傾向やアルカリ性傾向になります。飼育する生き物が好む水質になるように、底砂や装飾品に注意しましょう。
また、ろ過フィルターの能力やろ材の量が適切でないと、十分にろ過できず、水が濁る・臭うなどのトラブルが起こることがあります。そのため、ろ過能力に余力を残して飼育しましょう。
底砂については、こちらのコラムも参考にしてください。
まとめ:混泳のメリットとは!見た目だけじゃない・生き物の特性で水槽環境を作ろう
今回の記事では、混泳のメリットや、各生き物の水槽での役割について紹介しました。
混泳は見た目がにぎやかになるだけでなく、習性や特性による相互作用が働き、さまざまなメリットがあります。上手に水槽内の環境を整えることで、ビオトープのようにろ過やエアレーションなどを使用せず、小さな生態系を作り上げることも可能です。
バランスを整えることは大切ですが、何よりもにぎやかな水槽を眺めることはこの上ない楽しみではないでしょうか。ぜひ混泳にチャレンジして、さらに楽しいアクアライフを送ってくださいね。
混泳におすすめの生き物については、こちらのコラムも参考にしてください。
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