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プロテインスキマーは海水魚の中でも、特に水質に敏感な魚やサンゴの飼育で用いられる、水をろ過する機材の一つです。
マリンアクアリウムでは名前を耳にすることがありますが、少々マニアックな機材であるため、何ができるものなのか、どんな製品があるのかまでは分からないという方も多いのではないでしょうか。
確かにプロテインスキマーはメジャーな機材ではありませんが、設置することで確実に水質の維持がしやすくなるといったメリットがあるため、使い方次第でアクアリウムの幅を広げることができます。最近は小型水槽向けの製品も登場しており、様々な水槽に導入しやすくなっているでしょう。
今回のコラムでは、プロテインスキマーの機能とおすすめのプロテインスキマーを水槽サイズ別にご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにプロテインスキマーの機能とおすすめ機種を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
プロテインスキマーは海水魚やサンゴを飼育する水槽の水質管理に役立つアイテムです。
必須と言うわけではありませんが使用することで、飼育できる魚やサンゴの種類がかなり多くなるので、生体に合わせて導入を検討してみてください。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、プロテインスキマーの機能とおすすめ機種を解説します。
プロテインスキマーの機能5つ
プロテインスキマーは、ろ過フィルターと同じく水の中の汚れを取り除く、海水専用の機材です。
海水は淡水に比べて水の粘度が高く、細かい空気を吹き込むと水中の不純物(主にたんぱく質)が空気の泡に吸着される性質があります。
この性質を利用して、水の汚れの原因となるたんぱく質を除去するのが大きな特徴です。
ここでは、プロテインスキマーの主な機能を5つ、詳しく解説します。
機能1:海水生体の健康維持
プロテインスキマーの大きな効果として、たんぱく質などの有機物がアンモニアや硝酸塩に変化する前に除去できる点が挙げられます。
魚のフンや餌などの有機物からはアンモニアを始めとした有害な物質が発生しますが、これらは水中の硝化バクテリアによって亜硝酸塩から硝酸塩へと分解されます。硝酸塩は比較的無害な物質なので、一般的な海水魚であれば定期的な水換えで除去していれば問題になることはほとんどありません。
しかし、ミドリイシなどのハードコーラルや一部の水質にうるさい魚は、このわずかな硝酸塩にも敏感に反応して調子を崩してしまうことも。
このようなとき、アンモニアや硝酸塩が発生する前に原因となる有機物を除去することができるプロテインスキマーがあれば、健康を保ちやすくなります。
また、プロテインスキマーはたんぱく質に付着する雑菌も一緒に集めて除去してくれるため、病気予防にも効果的です。
海水魚全般におすすめですが、特にサンゴなどの飼育難易度が高い生体を飼育する場合には、必須アイテムと言えるでしょう。
機能2:ろ過フィルターの補助
プロテインスキマーとろ過フィルターを併用することで、ろ過能力を大幅に強化することができます。
海水魚水槽でよく使われる外部式フィルターはろ過槽が密閉されいるため、フィルタ―内に住みつくバクテリアが酸欠になりやすいです。プロテインスキマーは水中にたくさんの酸素を送り込むことができるため、併用することで酸欠が解消されてバクテリアの働きが活性化し、ろ過能力の向上に繋がります。
ろ過能力の問題で水質が安定しない、なんとなく水が濁っているというようなときは、プロテインスキマーを併用してみると良いでしょう。
ちなみに、東京アクアガーデンでは、タッチプールといった設置できるろ過フィルターが限定される特殊な水槽のときに、プロテインスキマーをサブのろ過装置として活用することがあります。水槽の大きさに対してろ過フィルターのパワーが足りていないような時も、数日程度であればこの方法で運用が可能です。
プロテインスキマーをメインにしたろ過とは
ろ過フィルターを設置せずに、高性能なプロテインスキマーだけで水槽を管理する方法もあります。
主にサンゴの育成に利用されているベルリン式システムというろ過方式で、生物ろ過を一切利用せずに汚れを吸着除去するので、硝酸塩を0に保てるのが大きな特徴です。
硝酸塩に敏感なサンゴを育成できる唯一といっても良いろ過方式ですが、一方生体が多い水槽では水質が維持しきれないため、使いどころを考えながら利用するのがおすすめです。
機能3:エアレーションの補助
エアーポンプを使って酸素の泡を発生させるエアリフト式のプロテインスキマーは、酸素供給力が非常に高いので、エアレーションの補助的役割で使用するのも良い方法です。
エアリフト式は比較的購入しやすい価格帯の製品が多いので、導入がしやすいでしょう。
機能4:水流ポンプと併用で効果アップ
プロテインスキマーの効果を最大限に活かしたいときは、水流ポンプとの併用がおすすめです。
プロテインスキマーは水中に浮いている汚れを泡で吸着するため、底の方に沈んでしまった汚れの回収はやや苦手。そこで水流ポンプを使って汚れを浮かすことで、水槽全体を満遍なくきれいにすることができます。
機能5:海水の透明度アップ
プロテインスキマーは、水の濁りの解消にも効果的です。
たんぱく質による濁りはもちろんのこと、黄ばみなどの原因物質も除去してくれるので、水槽の透明度を上げたい時にとても重宝します。
水の透明度が上がると水槽照明の色味も格段に良くなるため、サンゴや海水魚の色彩をより鮮やかに楽しみたい場合にはぜひプロテインスキマーをお試しください。
水槽サイズ別!おすすめプロテインスキマー
ろ過フィルターなどと同じく、プロテインスキマーも水槽サイズに合わせて機種を選ぶのがおすすめです。
ここでは水槽のサイズ別に、おすすめのプロテインスキマーをご紹介します。
最近は様々なサイズの製品が展開されていますので、ご自分の環境にあった機種を選ぶ参考にしてみてください。
小型水槽:30~60cm
小型水槽向けのプロテインスキマーは、魚の遊泳域を確保しながらしっかり汚れを除去できる、コンパクトなサイズ感が魅力です。
デザイン性が高い製品も多いので、小型水槽でも圧迫感なく設置ができます。
マメスキマー3
設置が簡単なエアリフト式のプロテインスキマーです。
ガラス製のオシャレなデザインなので、水槽周りをすっきりと見せることができます。
カミハタ 海道河童
外掛けフィルターと一体になったエアリフト式のプロテインスキマーで、小形水槽のサブフィルターとしても活躍します。
見た目は少し大きめですが、購入しやすい価格なので初めてプロテインスキマーを使う方にもおすすめです。
ゼンスイ QQ1
小形水槽向けのベンチュリー式のプロテインスキマーならば、ゼンスイの『QQ1』がおすすめです。
ベンチュリー式は水中ポンプで水をかき混ぜて細かい泡を発生させる構造で、物理ろ過の能力が高いので、より効率よく汚れを除去したいときにおすすめ。
ベンチュリー式の多くは本体が大きくオーバーフロー水槽への設置が一般的ですが、こちらは外掛け式なので、他のろ過方式でも使用できます。
泡戻りを防ぐ工夫がされてるので、小型水槽でも安心です。
中型水槽:90~120cm
中型水槽向けのプロテインスキマーになると、パワーが格段にアップします。
その分価格や本体の大きさも大きくなりますが、確実な効果を得られるので水槽の大きさに合わせた機種を選択しましょう。
ゼンスイ NYOS QUANTUM 120
ハイパワーなベンチュリ―式で、しっかりたんぱく質を除去します。
プロテインスキマーとしての能力が高いのはもちろんのこと、こちらの製品の一番のおすすめポイントがクリアカラーの本体です。
見た目がおしゃれでデザイン性が高いですし、本体内部の汚れが確認しやすいというのもメリット。
水槽ではなくろ過槽に取り付ける内部式なので、オーバーフロー水槽が必要ですが、条件があるならばぜひ使ってみていただきたい製品です。
ボルクスジャパン マンティススキマー 120
機材の分解が簡単で、メンテナンス性に優れたベンチュリ―式のプロテインスキマーです。
DCモーター採用で静音性に優れており、設置場所を選ばず使用できます。
プロテインスキマーとしてのパワーも申し分ないので、中型水槽をしっかりろ過できるでしょう。
こちらも内部式のためオーバーフロー水槽のみ取り付けが可能です。
カミハタ 海道達磨
小型水槽でご紹介した『海道河童』の姉妹品で、ろ過フィルター機能を無くし、プロテインスキマーとしての機能だけを突き詰めた製品です。
ベンチュリ―式ですが、外掛け・内部どちらでも使用できるのが大きな特徴。中型水槽以上に適合するプロテインスキマーで外掛けできる製品はあまりないので、外部式フィルターで管理をしている方は特に重宝するでしょう。
一体成型のケースで塩だれや水漏れのリスクが低いことから、初心者でも扱いやすいです。
大型水槽:150cm~
150cm以上の大型水槽ではサイズに見合った強力なプロテインスキマーを設置することで、より快適に海水魚飼育を楽しむことができるようになります。
ただ、このクラスになるとほとんどの製品がベンチュリ―式になるため、必要に応じてオーバーフロー水槽の導入も検討してみてください。
レッドシー REEFER Skimmer RSK300
マリンアクアリウム関連の製品を多く手掛けるRedSeaのベンチュリ―式プロテインスキマーです。
とにかくパワーが強力で、大型水槽でもしっかりたんぱく質を除去できます。振動が穏やかで静音性が高いのも魅力です。
組み立てが簡単でメンテナンスがしやすいのもおすすめポイント。内部式なのでオーバーフロー水槽で使用してください。
H&S プロテインスキマー HS-850
ベルリン式システムで設置しても総水量550L(W150×D45×H45cm水槽ほど)までろ過できるハイスペック機です。
HS-850はオーバーフロー水槽専用の内部式ですが、同シリーズにはろ過槽不要の外部式もラインナップされているので、水槽環境に応じて機種を選定できます。
ゼンスイ NYOS QUANTUM 300
中型水槽でもご紹介した同シリーズのハイエンド機種です。
オーバーフロー水槽に設置することで、水中の汚れをしっかり吸着して健全な水質を保ちます。
スペアパーツが充実しているので、長期間使い続けたい方に特におすすめです。
プロテインスキマーの注意点
プロテインスキマーを選定、使用する際にはいくつか注意したい点があります。
商品紹介でも軽く触れましたが、プロテインスキマーには水槽の外に本体を設置する外掛け式と、ろ過槽(サンプ)の中に入れて使う内部式があり、内部式はほとんどの場合オーバーフロー水槽でしか使用できません。機種を選定する際には設置方法を確認しましょう。
次に、除去した水中の汚れは本体のカップの中に溜まっていきますが、何らかの原因で汚れがカップからあふれてしまう(オーバースキミング)ことがあります。
オーバースキミングが起こる原因としては、
- プロテインスキマー内の水位が適切でない
- 水が極端に汚れている
などが考えられますので、こまめにカップを確認し異常があるときは原因を究明するようにしましょう。
また、粘膜保護剤を使用していると水の粘度が増して、オーバースキミングの原因となることもあります。
プロテインスキマーはあくまでろ過能力を上げる補助機材です。オーバースキミングを起こしているときは飼育水に異常がある可能性が高いので、水換えや水槽掃除をして水槽内の環境を改善しましょう。
まとめ:プロテインスキマーの活用法と水槽サイズ別おすすめ機種!注意点も解説
水槽のタンパク質を除去してくれるプロテインスキマーは、海水魚飼育の強力な味方です。
有機物が硝酸塩に変化する前に吸着除去できるため、硝酸塩に敏感なサンゴや魚を飼育できるのが大きなメリット。
また、一般的な海水魚水槽でも、プロテインスキマーを使うことで水の透明度がアップするので、より鮮明なサンゴや海水魚の色彩を楽しめるでしょう。
プロテインスキマーはオーバーフロー水槽専用の機材と思われる方もいますが、最近は外掛け式の製品が充実しており、外部式フィルターでも使用できるケースが増えています。
様々なサイズや価格のスキマーが販売されていますので、今回のコラムを参考に、ぜひご自分の水槽に合ったプロテインスキマーを選んでみてください。
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