魚の液体フード・添加剤8選!食いつきと栄養価を上げる魚の餌を紹介
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液体フードは微生物やプランクトンなどを原料とした、新しいタイプの人工飼料です。
アクアリウム用としてはサンゴやイソギンチャクに与えるものが主流でしたが、最近は海水魚や淡水魚をターゲットにした製品が増えてきており、注目を集めています。
普通の人工餌と比べて嗜好性が高く活餌よりも保存や与え方が簡単なので、餌付けが難しい魚や餌食いが落ちている魚にぴったり。
これまで餌付けの問題で飼育を躊躇していた魚種も、液体フードや餌用添加剤を活用すれば導入へのハードルがぐっと下がるはずです。
今回のコラムでは、魚用の液体フードや餌用の添加剤について解説します。
おすすめの商品や液体フードを使うタイミングをご紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに魚の液体フード・餌用添加剤8選を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
海水魚や淡水魚に与えられる液体フードは嗜好性や栄養価が高いので、餌付けが難しい魚や餓死しやすい稚魚の育成に最適です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚の液体フード・餌用添加剤8選を解説します。
魚の液体フード・添加剤8選
サンゴの育成では以前から用いられていた液体フードや餌用の添加剤ですが、魚用としてはまだまだ知名度が低く「使ったことが無い」「ほかの餌との違いがわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは液体フードと添加剤の使い方とおすすめの商品を全部で8つご紹介します。
魚用液体フードのおすすめ商品
魚用の液体フードは、ブラインシュリンプや魚粉といった魚の餌となるものを主原料とした、液体状の人工餌です。
活餌が元になっているため一般的な人工餌に比べて栄養価が高く、食いつきがかなり良いので、餌付けが難しい魚種の飼育や、魚を大きく立派に育てたい時に重宝します。
また、スポイトですくって飼育水に混ぜるだけで与えることができる上に、開封後も常温保存が可能なため、活餌よりも扱いやすいというのもポイントでしょう。
現在販売されている商品は海水魚向けのものが中心ですが、最近はメダカの稚魚をターゲットにした餌も販売されています。飼育している魚種に合わせて使い分けてみてください。
ZEST NYOS ARTEMIS アルテミス
『ZEST NYOS ARTEMIS アルテミス』はブラインシュリンプを主原料にした液体フードで、幅広い海水魚やサンゴの主食として使用できます。
これまで、ブラインシュリンプを餌にするには自分で卵から孵して増やすか、冷凍・乾燥タイプのものを使用するしか方法がありませんでしたが、生きたものは管理が大変、乾燥・冷凍タイプは嗜好性がやや下がるという欠点がありました。
その点液体フードならば、常温で保存ができるので手軽にブラインシュリンプを与えることができます。
また、食欲を増進させるニンニク成分配合で嗜好性が強化されているので、人工餌や乾燥餌が苦手な魚種も食いつきやすいです。
にんにく成分は海水魚の寄生虫や病原菌に対する抵抗力を高めるので、健康維持にも役立ちます。無添加で自然な成分のみを使用しているのも嬉しいポイントです。
ブラインシュリンプについては、こちらのコラムも参考にしてください。
ZEST NYOS GOLDPODS ゴールドポッズ
口が小さいマンダリンフィッシュや幼魚に与えるならば、コペポーダを主原料とした『ZEST NYOS GOLDPODS ゴールドポッズ』がおすすめです。
コペポーダはブラインシュリンプよりも小さな動物プランクトンの一種で、DHAやEPAなどの栄養素が多く含まれていることで知られています。
こういったプランクトンは人工餌にする過程でどうしても栄養分が逃げ出してしまうのですが、こちらの餌は特殊な技術でコペポーダの周りを薄い膜で覆って、栄養の流出を最小限に抑えています。
加熱殺菌処理もしっかり行われているので、有害な菌類を水槽に持ち込む心配がないのもポイントです。
ZEST NYOS CHROMYS クロミス
海水魚の活餌の定番イサザアミ(ホワイトシュリンプ)を主原料とした『ZEST NYOS CHROMYS クロミス』は、海水魚やサンゴの手軽な活餌として活躍します。
活餌として流通しているイサザアミは冷凍が主流なため、与えるときに解凍が必要だったり使い切る分だけを取り分けるのが難しかったりと、餌やりが少し面倒になる場面も。
そんなとき液体フードタイプならば、飼育水に規定量を溶かすだけで簡単に餌やりが可能です。
また、使用されているイサザアミは餌用に管理されたものなので不純物が混入する心配がなく、着色料などの余計な成分が入っていないので安全性にも配慮されています。
コメット メダカの栄養ドリンク(針子・稚魚用)
餓死の危険が高いメダカの針子や稚魚におすすめなのが『コメット メダカの栄養ドリンク(針子・稚魚用)』です。
稚魚の成長に必要な必須アミノ酸やビタミンといった栄養素がバランスよく含まれており、メダカを早く大きく育てるお手伝いをしてくれます。
身体が小さい稚魚や針子は消化器官も未発達なので、人工餌や活餌ではうまく食べられず負担になってしまう心配があるのですが、液体フードならば一般的な餌に比べて消化吸収がしやすいため、栄養を効率よく摂取できるでしょう。
また、こちらの液体フードには納豆菌が添加されたバクテリアが含まれているので、与えるだけで水質改善効果が期待できるのもポイントです。
ただし、メダカの栄養ドリンク(針子・稚魚用)はあくまで補助食品のような位置づけのフードです。
十分な栄養を摂取するには稚魚用の人工餌を別途与える必要がありますので、ご注意ください。
餌用添加剤のおすすめ商品
既存の餌の栄養価や嗜好性を高めることができるのが、餌用の添加剤です。
人工餌に規定量の餌用添加剤をしみ込ませて、魚に与えます。
そもそも人工餌は栄養バランスの取れた完全食のようなものではありますが、魚種によってはそれだけでは不足する栄養がでてくることも。また、海水魚など人工餌に餌付きづらい事も多いので、そういった面を補うのに添加剤が活用できます。
Brightwell エンジェリクサー
『Brightwell エンジェリクサー』は、海洋学者が開発した海水魚用の栄養添加剤です。
全ての海水魚に使用できますが、特におすすめなのがヤッコ類やチョウチョウウオ、ツノダシなどのスポンジ・カイメン類を餌とする魚たち。
スポンジ類の組織と同じ比率のアミノ酸が含まれるため、これらを好んで食べる魚の栄養補給に最適です。
また、この餌に含まれるアミノ酸は吸収が非常に速く、輸送のストレスから傷ついた粘膜の修復や体力の回復にも効果を発揮します。
餌付けをサポートする力も高いので、水槽に導入直後から与えることでスムーズに飼育を進めることができるでしょう。
Brightwell ガーリックパワー
餌の嗜好性を上げたいときには『Brightwell ガーリックパワー』がおすすめ。
名前の通り生のニンニクから抽出されたエキスが主原料で、ニンニクの臭いで食欲を促します。
また、ニンニクには防虫作用や病気への抵抗力を高める効果があることから、寄生虫由来の病気の初期治療にも効果的です。
ただ、良くも悪くもニンニクの臭いが強烈ですので、使いすぎるとお部屋の中に臭いが残ったり、手に付いた臭いが消えなかったりすることがある点にはご注意ください。
Brightwell アミノメガ
『Brightwell アミノメガ』は、海水中に存在するアミノ酸や必須脂肪酸を濃縮した栄養剤です。
アミノ酸や必須脂肪酸は、魚の体型や体色を構成するのに欠かせない栄養素として知られており、不足すると退色したり痩せてしまったりと、見た目に影響が出てきてしまいます。
特に人工餌が中心の飼育環境下では、餌食いが悪い個体が不足しやすく痩せる原因になることも。
そのような場合にBrightwell アミノメガを添加すれば、無理なく健康的な体型に近づける手助けになるでしょう。
人工餌に餌付いていない魚に与えるときは、活餌などの口にしやすい餌に添加して食べさせるようにしてください。
ちなみに、こちらの添加剤は海水、淡水どちらにも使用可能です。
べっぴん珊瑚 魚馳走さま
『べっぴん珊瑚 魚馳走さま』は、餌の嗜好性を上げたいときにおすすめの栄養添加剤です。
元々は釣り餌用の添加剤なので魚の食いつきを良くする効果が高く、特に導入直後のチョウチョウウオなどの餌付けをサポートしてくれます。
また、16種類のアミノ酸と12種類のビタミンが配合されているので栄養面の強化もばっちり、魚の健康維持目的で添加するのも良いでしょう。
1パック300mlと大容量で、コスパがよいのも嬉しいです。
液体フード・添加剤を使うタイミング
液体フードは栄養豊富でとても便利な反面、過度に使用すると水質の悪化といったトラブルにつながる危険があります。
どんな餌にも言えることではありますが、同じものばかりを与えていると栄養が偏ってしまうため、状況を見ながら複数の餌を使い分けるのがおすすめです。
ここでは、液体フードや添加剤を使用するタイミングを解説します。
液体フードや添加剤の効果を最大限に引き出すために、使用するタイミングを見極めましょう。
魚の食いつきが悪いとき
液体フードや添加剤は一般的な人工餌よりも嗜好性が高いため、導入直後で餌付いていない個体や、食欲が落ちている個体に使うと効果的です。
特に警戒心が強く餌付けが難しいとされるマンダリンフィッシュやツノダシのは、液体フードを使うことで比較的スムーズに導入できる可能性があります。
餌に飽きてしまったなどの理由で食欲が落ちている個体には、嗜好性を上げる添加剤が力を発揮するでしょう。
ただし、体調不良から食欲不振を起こしているときは無理に食べさせると負担を掛けてしまうことがあるため、状況をよく確認してから使用を検討してください。
また、メダカなどの稚魚の育成用に開発されたフードは、成長に必要な栄養素を補うのに最適です。メインの人工餌と併用して与えることで早く丈夫な成魚に育てることができますので、ある程度成長するまで使用を続けましょう。
魚がけがをしたとき
病気やケガが原因で免疫力が落ちているときに使用するのもおすすめです。
液体フードには魚の成長を促したり、免疫力や抵抗力を高めたりする成分が入った商品が多く、それらを与えることで病気やケガの回復を早めることができると考えられます。
また、海水魚は栄養不足になると頭がへこむことがありますので、そのような兆候が見られたときの健康回復にもおすすめです。
商品によっては日常的に使用することで、免疫力を高める効果も期待できます。
まとめ:魚の液体フード・添加剤8選!食いつきと栄養価を上げる魚の餌を紹介
魚用の液体フードや餌用の添加剤について解説しました。
少し前まではサンゴ向けの商品ばかりだった液体フードですが、最近は魚、特に海水魚に与えることができるものが増えてきています。
液体フードは、冷凍や乾燥状態でないと保存が出来なかったブラインシュリンプやホワイトシュリンプなどを生の状態で常温保存できる画期的な商品で、使用することで餌付けが難しい魚種の飼育がかなり楽になります。
また、餌用の添加剤は人工餌の嗜好性を高めて食いつきを良くしたり、栄養価を高めたりする効果が高いので、導入直後の魚の餌付けや稚魚を早く大きく育てたいときに重宝するでしょう。
液体フードや添加剤は常用に向くもの向かないものがありますので、状況に合わせて使い分けることが大切です。
ご紹介した商品をぜひ、魚たちの健康維持に役立ててみてください。
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