貝の卵を見つけたら!水槽に発生するスネールの卵を駆除・掃除する方法
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気が付くと水槽内に増えている、厄介な貝(スネール)の仲間。
駆除しようとしても追い付かず、大量発生させた経験があるアクアリストの方も多いのではないでしょうか。
スネールは飼育している魚や水草に悪さをするわけではありませんが、水槽内にいるのは決して気持ちがいいものではありませんよね。
この記事では、水槽内で発生する卵について解説し、卵を見つけたときの駆除・清掃方法も紹介します。
水槽内に発生する貝に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに貝(スネール)の卵を見つけた際の対応について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
スネールやその卵には、「気持ち悪い」という感想やイメージが付いて回ります。
そのため、「スネールの繁殖を抑えたい」と考えるアクアリストが大半です。
親貝を水槽内に持ち込まないことが一番ですが、卵が発生してしまったときの対応方法を理解しておけば、いざというときにも落ち着いて対処できるでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、貝(スネール)の卵を見つけた際の対応について解説します。
水槽内での貝の卵の発生
水槽内では、意図的に導入していない貝(スネール)の卵が発生することがあります。
貝の卵もその親貝も、熱帯魚や水草に特別悪さをするわけではありません。
しかし、「見た目が気持ち悪い」「大量発生して景観を損なう」などの理由で嫌われています。この嫌われ者の貝や貝の卵を発生させないためには、駆除や対策が必要です。
ここでは、スネールの卵が持つ特徴や発生原因、水槽で卵を産む貝の種類について解説します。
スネールの卵が持つ特徴
貝(スネール)の卵は透明または半透明のゼリー状の被膜に覆われており、粒が入っているように見えます。
卵の大きさは数mm程度で、水草やガラス面に付着するように産み付けられていることが多いです。貝の種類や水温にもよりますが、約14日程度で孵化するので、それまでに駆除しましょう。
貝の卵の発生原因
親貝はショップで購入した水草や、水槽内で展示販売されている流木に付着していて、気が付かずに水槽内に導入してしまうことがほとんどです。
最近では、水草や流木がネットオークションやフリマアプリで多く販売されています。個人で販売しているものは、管理が行き届いていないものもあるため、購入の際は注意してください。
こうした、水草のトリートメント剤を使用すると貝の卵を駆除できます。
貝は繁殖力が強く、適した水温に適度な餌、外敵がいない安全な環境であれば次々に産卵します。そのため、気が付いたら大量発生していたということも少なくありません。
孵化した貝は約2か月で繁殖可能となり、その貝も繁殖すれば、さらに大量発生につながるのです。
水槽で卵を産む貝の種類
水槽内で卵を産む厄介な貝として扱われるのは、サカマキガイやモノアラガイなどです。アクアリウムの世界では、これらの駆除対象にされる貝を総称して「スネール」と呼びます。
また、コケ取りとして導入されるイシマキガイも、水槽内で卵を産んでトラブルになることもあります。ヒメタニシのように、産卵はせず稚貝を直接産んで繁殖するタイプなど、さまざまな貝がいるのです。
ここでは、水槽で卵を産む貝として、サカマキガイ・モノアラガイ・イシマキガイの3種を紹介します。
サカマキガイ
サカマキガイは右巻きの貝が多いのに対し、左巻きなので「逆巻き貝」と呼ばれています。
成長しても1cmほどの小さな貝で、一見すると斑点模様がきれいに見えますが、繁殖力が強いため注意が必要です。
サカマキガイの特徴は何といっても、雌雄同体で1匹でも繁殖可能なことです。そのため、1匹でも水槽内に侵入してしまうと、大量発生につながる可能性があります。
モノアラガイ
モノアラガイは、2~3cmになる貝です。もともと日本各地の淡水域に生息していましたが、最近では環境変化により生息数自体は減少しています。
サカマキガイと比べると、繁殖スピードはやや遅いです。しかし、一度に100粒以上の卵を産み、稚貝は約2か月で繁殖可能となるので、大量発生になる可能性があります。
イシマキガイ
イシマキガイは大きさ2cmほどの貝で、ショップではコケ取り貝としても販売されています。加温が必要なく、小型なので、メダカの水槽や小型水槽で飼育されることが多いです。
水槽のクリーニングに役立つイシマキガイも、実は厄介者になることがあります。
イシマキガイは水槽内で産卵しますが、汽水域以外では孵化することはありません。そのため、ガラス面などに産み付けられた卵は、駆除しなければそのまま残り、やがて白い跡がつきます。駆除しようにも、卵が硬く掃除もしにくいです。
イシマキガイを飼育する場合は、デメリットも考慮した上で飼育しましょう。
水槽内の貝の卵の駆除・抑制方法
水槽内の貝の卵を駆除・抑制するためには、卵はもちろん、親貝を駆除して産卵を防ぐのも効果的です。
ここでは、手で駆除する方法と、生き物によって親貝を駆除する方法、2つの駆除方法を紹介します。
手で貝の卵を駆除する方法
貝の卵を見つけたら、まずは地道に手で取り除きましょう。完全駆除は難しいですが、少しずつ減らしていくことで、成果は出てきます。
水草などに付着している場合は、指でつまみ出すのがよいでしょう。とても小さいうえにヌルヌルしているのでうまくつまめず、水槽内に落としてしまうことも多いので、注意してください。
成長が早い水草であれば、付着している部分より先をトリミングしてしまうのも一つの駆除手段です。
卵がガラス面に付着している場合は、小さなブラシやスポンジ、スクレーパーやヘラを使用し、水槽を傷つけないようにやさしくこすり落としましょう。また、親貝がガラス面に付着している際は、「水作 貝転キャッチャー」などの専用のアイテムを使用すると簡単に駆除できます。
生き物による貝の駆除方法
親貝を駆除するために、貝を好んで食べる生き物(スネールイーター)を導入するのも一つの手段です。親貝を駆除すれば、卵を産む予防になります。
ここでは、下記の4種類のスネールイーターを紹介します。
- チェリーバルブ
- アベニーパファー
- バジスバジス
- スカーレットジェム
混泳魚との相性に問題がなければ、ぜひ導入を検討してみてください。
チェリーバルブ
チェリーバルブは、名前のとおり赤い体色をしたコイ科の魚です。
大きさは4~5cmで、水質への適応力が高く、弱酸性から弱アルカリ性まで飼育できます。やや臆病な面があるので、最低でも3匹程度の群れで飼育するのがよいでしょう。
協調性もよく、さまざまな小型魚との混泳が可能です。
チェリーバルブは雑食性で、口に入るものはなんでも食べます。そのため、貝が発生していれば食べてくれるので、駆除につながるのです。
チェリーバルブについては、こちらのコラムも参考にしてください。
アベニーパファー
アベニーパファーは、体長2cmほどの小さなフグの仲間です。ちょこまかと泳ぐ姿がかわいらしく、人によく慣れるので人気があります。
肉食性で、口に入る大きさのものは何でもよく食べます。スネールが発生していれば食べてくれますが、体と口が小さいため、あまり大きな貝は食べないので注意しましょう。
他種との混泳は、まずヒレがヒラヒラしているベタやグッピーは避けましょう。ミナミヌマエビなどのエビ類も避けた方が無難です。また、アベニーパファーは縄張りを作る性質があり、気性もやや荒いです。そのため、臆病な種類とも混泳は避けてください。
十分な広さの水槽で、隠れる場所が豊富にあれば、種類を選んで混泳できます。条件が合えば、スネール対策として導入してみてはいかがでしょうか。
アベニーパファーについては、こちらのコラムも参考にしてください。
バジスバジス
バジスバジスは、別名「カメレオンフィッシュ」とも呼ばれ、環境や体調によって体色を変える小型の魚です。大きさは5~6cmで、飼育当初は神経質な面も見せますが、落ち着くと丈夫で、人にもよく慣れます。
バジスバジスは肉食性で、水槽内に発生する貝もよく食べるので、「スネールキラー」として飼育されることも多いです。そのため、バジスバジスより小型のテトラ類や、エビ類などは混泳を避けた方がよいでしょう。
バジスバジスと同程度以上の大きさの魚であれば、さまざまな魚種と混泳できるためおすすめです。
スカーレットジェム
スカーレットジェムは、成長しても3cmほどの小さな魚です。赤い体色がとても美しく、「泳ぐ宝石」「赤い宝石」とも呼ばれるほどで、人気があります。
人工餌料には餌付きにくいですが、活餌を好み、スネールもよく食べてくれるので駆除に役立ちます。
スカーレットジェムは体が小さいので、混泳相手に注意が必要です。餌をとるのも遅いので、俊敏な魚との相性もよくありません。同サイズの大人しい魚や、底生性の魚がメインの水槽であれば混泳可能です。
まとめ:貝の卵を見つけたら!水槽に発生するスネールの卵を駆除・掃除する方法
今回は、水槽内に発生する貝、スネールの卵について紹介しました。
水槽内で一度貝が発生すると完全な駆除は難しく、なかなか厄介です。まずは、水槽内に親貝を持ち込まないように注意しましょう。
貝の卵が発生してしまった場合は、人為的な手作業による駆除と、生き物による駆除が有効です。特に生き物による駆除は、混泳など相性の問題もあるので慎重に行いましょう。
水槽内トラブルに関して、こちらのコラムもぜひ参考にしてください。
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