年末は水槽の大掃除をしよう!時間をかける・かけない水槽の掃除方法
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大掃除は今年の汚れを来年に持ち込まず、清々しい気持ちで新年を迎えるために行われる年末の恒例行事で、家庭はもちろん職場などでも行われることが多いです。
そんな大掃除はアクアリウムでも有効です。
また、年末の休暇で時間に余裕ができることも多いので、そのタイミングで一年の汚れをクリーニングしてしまうのもおすすめと言えるでしょう。
しかし、冬は水道水の温度も下がる季節。金魚など一部の生体を除いて、とことんやりすぎると、飼育生体によってはむしろ逆効果になることがあります。
『日ごろのメンテナンス+ちょっと本格的な掃除』というイメージで行いましょう。
ここでは、休暇中に水槽をしっかりキレイにしたい場合や、あまり水槽の掃除に時間をかけたくない方のために、効果的な大掃除の方法をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽の大掃除を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
年末と言えば大掃除ですが、水槽も行うとなんとなく一年の区切りをつけられます。
とはいえ、大掃除とは時間がかかるもの。部屋だけでなく、水槽までとなると結構大変です。
あくまでご自身のスケジュールやペースに合わせて、適宜行うとよいでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽の大掃除方法を解説します。
年末に行いたい水槽大掃除を動画で解説!
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新年に向けて水槽もスッキリさせたい!という方にぴったりの掃除法を音声付きで解説します。
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熱帯魚や観賞魚(金魚、メダカ)、小型シュリンプの飼育法から水槽メンテナンスまでを動画で解説しています。
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水槽の大掃除はバクテリア減少や水質変化に注意!
アクアリウムにおいて、水をキレイにしてくれるバクテリア(硝化菌)は大切な存在です。
生体の排せつ物や餌などから発生した有害物質である「アンモニア」は、硝化菌の働きにより「亜硝酸」を経て、最終的に毒性が低い「硝酸」に変換されるからです。
水槽と機材の掃除は、アクアリウムにおいて欠かせないメンテナンス作業の1つではありますが、底砂掃除や、日常的な水換え時でさえも硝化菌は若干減少します。
ろ材を洗浄すれば、硝化菌はある程度洗い流されますし、交換するとまっさらな状態になるのは仕方のないことと言えるでしょう。
とはいえ、硝化菌は生き物を飼育していれば、自然に増えていくものです。
また、日本の水質はおおよそ中性~弱アルカリ性傾向です。
例えば、弱酸性傾向の水質を好む魚種を飼育している場合には、大幅な換水をするとpH変化を体験させてしまうため、控えましょう。
汚れの気になる部分だけ大掃除する方法
まずは、それほど汚れていないか、アクアリウムのメンテナンスにあまり時間が割けない方は、全体ではなく汚れているポイントに絞って掃除するのがおすすめです。
具体的には、ろ過フィルター内部や配管など、日常のメンテナンスであまり触れられていない場所だけを局所的に大掃除することです。
時短するなら底砂の掃除だけでもしっかり行いましょう。
底砂の間には生体の排せつ物や食べ残した餌などが入り込むので、ろ過フィルターの次に汚れやすい場所だからです。レイアウト用の岩石や流木は必要に応じて取り除き、水草の根元などもゴミを吸い出します。
また、コケが気になる場合は日ごろからコケ抑制剤を添加したり、マグネットクリーナーをつけておくと、さらに時短で掃除可能です。
全体的に大掃除する方法
目立つ汚れがあったり、一年の区切りとしてアクアリウムのメンテナンスを徹底的に行いたい場合は、水槽と周辺機器を全体的に掃除しましょう。
水槽内壁の汚れを落とし、レイアウト用の岩石や流木も取り出して掃除します。
アクアリウムの大掃除で最も時間を使うのが底砂の掃除です。
底砂の掃除を徹底的に行う時は、水槽から取り出して洗います。ソイルなどは交換してしまうのも良いでしょう。
とはいえ、底砂には多数のバクテリアが定着しているため、大掃除後の水質が不安定になることがあるので注意してください。
大掃除後の管理を簡単にするコツとしては、飼育水を極力捨てずに取っておく(あまり吸いださない)ことが挙げられます。
バクテリアは飼育水中にも存在しているので、掃除前の飼育水をなるべく保存しておいて掃除後に水槽に戻せば、バクテリアの減少量を緩和することが可能だからです。
底床材を徹底的にきれいにするには
基本的には通常通りにクリーナーポンプで掃除します。
しかし、以下のような場合には時間はかかりますが、1年に一回ほど、底砂を取り出して洗浄するのがおすすめです。
- コケや藍藻がひどい(ソイル以外の底砂の場合)
- 金魚を飼育している
大磯砂などは頑丈なので、洗ってからの再利用が可能です。
また、金魚は蓄積する汚れに弱いので、むしろ一定周期で徹底的にきれいにする飼育方法が向いています。
砂利は水道水で洗い、その後カルキ抜きした水に浸してから再度導入します。岩や流木と同様に、コケがひどい砂利は水道水で洗ってから一度天日干しすると再発を防ぎやすいです。
また、水草を植え直す場合は、掃除中の水温管理に気を付ける必要があります。
底砂を掃除する際は、水草を引き抜いて別の水槽などの容器いれておきますが、年末は気温が低いので、そのままにしておくと水温が低下して水草がダメージを受けてしまいます。
最悪の場合、植え直しても水草が枯れて(溶けて)しまうので、退避先の容器にもヒーターを設置したり、暖房が効いた部屋に置いておくのが良いです。
底砂の掃除を徹底するだけで、飼育水の透明度は大きく上がるので、ぜひお試しください。
水槽をリセットして大掃除する方法
水槽のリセットは、今までの飼育環境を一旦解体する作業です。
水槽をリセットしてしまうと、また1から飼育環境を構築します。
水槽をリセットするのは、以下のような場合がおすすめです。
- コケが繁茂してしまい手が付けられない
- スネールやプラナリア、水ゲジ(ミズムシ)、水ミミズなどの生物が大量発生した
- 水槽内で寄生虫や病気が蔓延した
こうなってしまった時の対処法としては、水槽のリセットはコケや有害(不快)生物、病原体などを一掃できる、極めて有効な方法です。
しかし、また1から水槽の立ち上げを行わなければならず、底砂やろ材などは新しく購入する必要があるため、手間と時間・コストがかかる点に注意してください。
水槽やろ過フィルター内部、レイアウト用の岩石・流木など、水槽を構成していたものを水道水やお湯などで洗浄・消毒したうえで、天日干しを行って完全に乾燥させます。
また、リセットの場合はエアレーションのチューブなども、交換をしましょう。
古い飼育水中に残存していたコケや有害生物の胞子や卵などが新しい環境に持ち込んでしまい、再発する危険があります。
水槽のリセット方法と注意点
ここでは水槽のリセット方法と注意点について簡単に紹介します。
■リセット方法
- 飼育している生体を隔離する
- 周辺機材を取り外し、レイアウト用品を取り出す
- 水を抜いて底砂を除去
- 水槽を全体的に洗浄して、1~2時間は天日干しを行い完全に乾燥させる
- 水槽乾燥後、次亜塩素酸などで殺菌・消毒
- 機材や配管も同様に殺菌・消毒する
- 水槽の立ち上げ
水槽リセットの補足・注意点
病気や有害(不快)生物が原因で水槽をリセットする場合は、水槽はもちろんですが再利用したい周辺機材類についても殺菌・消毒する必要があります。
殺菌・消毒の際は次亜塩素酸以外にも50度のお湯でも可能です。
沸騰するほど高熱のお湯では、水槽のシリコンなどが傷んでしまうことがあるので、50℃がベスト。
また、チューブの中やフィルターの入り組んでいる場所などは、次亜塩素酸や天日干しでの殺菌・消毒ならびに乾燥が難しいので、衣類用ハイターなどの漂白剤に浸けることで対処すると良いでしょう。
他にも殺菌成分が残存していると生体に悪影響を与えるので、しっかりと水道水で洗い流したうえで、再利用する際にカルキ抜き剤を多めに入れた水につけると中和されて安全です。
気温が極端に低いときは掃除を控えよう
水槽の大掃除で底砂を清掃あるいは交換した時は、ろ過フィルターの掃除を同日中に行うことは避けてください。
底砂の掃除でバクテリアが減少している時にろ過フィルターの掃除を行うと、バクテリアがさらに減ってしまうからです。
底砂あるいはフィルターの掃除を行った時は、水質の経過を観察しつつもう一つの掃除は、1~2週間後に行うようにしましょう。
特に、日本産淡水魚などを無加温飼育している水槽は、寒い時期に大がかりな掃除は控えるのが良いです。
冬季は気温の低下とともに水温も低下しており、魚たちの活性だけでなく、バクテリアの活動も鈍化しています。
そもそも、気温とともに水温が低下する冬は、飼育している生体の活動も鈍化し、餌をあまり必要としなくなります。
餌が減るということは、水はあまり汚れません。
そうした場合には、大掃除は生体が活発になってから行いましょう。
まとめ:年末は水槽の大掃除をしよう!時間をかける・かけない水槽の掃除方法
アクアリウムの大掃除は、水槽の汚れ具合とメンテナンスに掛けられる時間を考慮して、そのレベルを決めると良いでしょう。
あまり汚れていない時やメンテナンスに時間をかけられない場合でも、底砂の掃除を重点的に行うだけで、かなりの効果を得られます。
汚れがひどい場合や年末を期に徹底して掃除を行いたい時は、飼育生体にもよりますが、バクテリアの減少に気を付けてください。
底砂とフィルター内のろ材を掃除するとバクテリアが減りやすいので、掃除を並行することは控えるのが良いでしょう。
リセットは有害生物や病原体などを一掃するのに有効ですが、また1から飼育環境を構築しなければならないので、最も手間がかかる方法です。
水温やバクテリアを意識した大掃除を行い、飼育生体と気持ちよく新年を迎えましょう。
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