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バクテリアと水温の関係!活性化する・弱る水温と水温を維持する方法

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水槽のろ材や底砂に定着するバクテリアは、魚のフンや餌の食べ残しを分解して比較的害の少ない物質に変えてくれる、アクアリウムに欠かせない存在です。
バクテリアの活性が高ければ高いほど有機物の分解が進むため、バクテリアが元気な状態を保つことが水質の維持の秘訣ともいえます。

そんな目に見えないほど小さなバクテリアですが、熱帯魚と同じく好みの環境と不適切な環境があり、良い環境の中では働きが活発になってどんどん増殖していきますが、悪い環境だと動きが鈍って数を減らしてしまうこともある点には注意が必要です。
中でも水温の変化はバクテリアの働きに直結するため、活動しやすい水温を意識すると良いでしょう。

今回はバクテリアと水温の関係について解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとにバクテリアと水温の関係を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水をきれいにしてくれるバクテリアの働きを強めるには、水温がとても重要です。
バクテリアが活動しやすい水温を意識して、水質の維持につなげましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、バクテリアと水温の関係を解説します。

バクテリアと水温の関係


バクテリアの働きと水温には密接な関わりがあります

アクアリウムにおけるバクテリアとは、主に水中の有機物を無機物に分解してくれる好気性細菌のことを指しますので、水温とバクテリアの関係を知りバクテリアの活性を高めることは、水質の維持に大きく貢献すると言えるでしょう。

ここではバクテリアと水温の関係について、好む水温やバクテリアがダメージを受けてしまう水温をご紹介します。

バクテリアは水温25度前後で活性化する

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水槽内のバクテリアは、水温20~30℃の環境で最も活性化しやすいです。
この水温は多くの熱帯魚・観賞魚が好む水温のため、基本的には飼育している魚に合わせた水温を維持していれば問題ないでしょう。

バクテリアの活動は水温が低いと鈍くなりますが、水温が高すぎる環境でも溶存酸素量が減ることにより、やはり活性が鈍くなってしまいます
また、一日を通して大きく水温が変化する環境でもダメージを受けやすいです。

特に水槽用ヒーターを使用していないメダカや金魚の水槽は、水温が変化しやすいので、バクテリアが影響を受けていないかこまめに水質を確認することをおすすめします。

40度以上でバクテリアはダメージを受ける

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バクテリアは水温が40℃を超えたあたりからダメージを受けます

魚を飼育している水槽では40℃を超えるようなことはほぼありませんが、例えば殺菌目的でろ材やレイアウトをお湯で洗うというようなときは、有益なバクテリアまで死滅してしまう可能性があることを留意しておきましょう。

お湯を使った殺菌や水槽のリセットを行った後は、有害な菌や寄生虫だけでなくバクテリアもほぼいなくなってしまうため、再開するときは一から水槽の立ち上げをし直すことになります。早く水槽を安定させたいときは、バクテリア剤を使うことも検討してみてください。

ちなみに、アクアリウムで殺菌目的で使用する”熱湯”は50℃程度のお湯を指しますが、これは、水槽が耐えられる限界の温度でもあります。
60℃を超えるとアクリル水槽は劣化する危険がありますし、温度差でガラス水槽も割れてしまうため、50℃以上のお湯は注がないようにしましょう。

水温が低いとバクテリアが弱るのか?


水温が高すぎるとバクテリアはダメージを受けますが、水温が低い環境ではどのような影響があるのでしょうか

ここからは、低水温がバクテリアに与える影響を解説します。

0度で活動は鈍るが死ぬわけではない

高水温に弱いバクテリアですが、低水温には比較的強く水温が0℃まで下がっても死んでしまうことはありません

屋外のビオトープなどでは、冬場の水温が0℃近くまで下がることがありますが、メダカなどの魚が冬眠をして冬を越すように、バクテリアも活性を抑えた状態になるだけ。
いなくなってしまうわけではないので、低水温でも水中の最低限の硝化サイクルは維持されることが多いです。
春になって水温が上がれば、バクテリアの活動も元通り活発になっていくでしょう。

ちなみに、低水温の環境でバクテリアの活動が鈍っていても水質が悪くなり辛いのは、生き物が冬眠していてフンや餌で水が汚れることが少ないからです。
魚が冬眠しているにもかかわらず餌を与えたりすると、それが原因で水質のバランスが崩れてしまうことがありますので、注意してください

低水温よりも酸素不足の方が問題

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バクテリアが影響を受けやすいのは、低水温よりも酸素不足です。

バクテリアは活動するときに水中の酸素を消費するため、酸素が豊富な環境では働きが活発になり、増殖も盛んになります。一方、酸素が不足すると活性が鈍って硝化サイクルが健全に作用しないことも。
バクテリアが高水温に弱いと言われるのは、死滅してしまう以外にも、水中の溶存酸素量が減って活動しづらくなっていくというのも理由です。

バクテリアの活性が鈍ると水が淀んで、さらに酸素が滞っていくという悪循環に陥ることもあるため、酸欠はしっかり解消しておきましょう
ろ過フィルターエアレーションを設置するのが一番ですが、屋外で機材の設置が難しいときは、水草を増やして光合成を促したり、こまめに足し水をしたりといった方法が有効です。

バクテリアに最適な水温を維持する方法


先述した通り、バクテリアの活性を高める最適な水温は、一般的な熱帯魚が好む水温とほとんど変わりません。そのため、基本的には魚を飼育する要領で水温を維持することが最善と言えます。

ここでは、バクテリアに最適な水温を維持する方法をご紹介します。

水槽用ヒーター・水槽用クーラーを使う

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水温を維持する方法で一番簡単なのが、水槽用ヒーターや水槽用クーラーといった保温・保冷用の機材を使うことです。
サーモスタット付きの機種を使えば、設定温度に合わせて自動で機材をON/OFFしてくれるので、手間いらずで確実な水温管理ができます。

水槽用クーラーは、外部式フィルターやオーバーフロー水槽でのみ使用できる機材で、やや高額なので、使用条件が当てはまらないときは冷却ファンを使用するのもおすすめ。

熱帯魚が好む25℃辺りを目安に、飼育している魚種の好む水温に合わせて調整してください。

エアコンを使う

複数の水槽を管理している場合や、夏場冷却ファンだけでは水温を下げきれないようなときは、エアコンを使って室温を管理するのがおすすめです
室温を快適な状態に調整すれば、水温も変動しづらくなってバクテリアの活性を保つことができます。

ただし、エアコンを切ってしまうと水温が変化して水槽全体にダメージをあたえる危険がありますので、エアコンは24時間付けっ放しにしておくのが条件です。

エアコンの連続使用で気になるのが電気代ですが、特に複数の水槽を管理しているときは個別に水槽用クーラーを接続するよりも、エアコンで一気に水温を管理した方がコスパが良い場合がありますので、検討してみる価値はあるでしょう。

ちなみに、水温の下がり過ぎを防ぐため、エアコンで管理する場合もサーモスタット付きの水槽用ヒーターを接続しておくと安心です。

こまめな水換えを行う

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高水温対策には、こまめな水換えも有効です。単純ですが新鮮な水に入れ換えることで水温を下げることができますし、水を注ぐときに酸素が供給されるので、水温が高めの時に陥りやすい酸欠も解消できます。

「頻繁な水換えはバクテリアが流出して減少を招く」という意見もありますが、水換えで減るバクテリアの量よりも、高水温による水質悪化がもたらすバクテリアへのダメージの方が深刻なので、あまり気にすることはないでしょう。
水換えを怠ると水質の悪化とともにpHが下がって、バクテリアの活性が鈍ります。また淀みの発生など様々なトラブルの要因となりますので、しっかり水換えをしてきれいな水質を維持することが大切です。

まとめ:バクテリアと水温の関係!活性化する・弱る水温と水温を維持する方法


水をきれいにしてくれるバクテリアの働きと、水温の関係について解説しました。

バクテリアの活動は水温に大きく左右されます。バクテリアの活性が下がると、硝化サイクルに支障が出て水質が悪くなる危険があるため、水温や環境を調整してバクテリアの活性を高めましょう。

バクテリアの好む水温は20~30℃ですので、一般的な熱帯魚・観賞魚を飼育する水温を維持していれば問題ありません。
低水温には強く0℃で活性が下がっても死滅することはありませんが、高水温の環境では深刻なダメージを受ける可能性があるため、特に夏場はしっかり水温を下げる工夫をすることをおすすめします。
エアレーションこまめな水換えをするのも良い方法です。

バクテリアが元気だと、魚も健康に過ごすことができます。このコラムを参考に、バクテリアの活性が高まる飼育環境を整えてみてください。

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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答

  1. 横尾直樹 より:

    夏場、水換えをしても買ってきた金魚が白い膜が発生し、おぐされし、2週間足らずで死んでしまいます。
    水槽は玄関に置いてあり、水温が高め30度くらいはあります。それが原因ですかね

    • アクアガーデン編集部 より:

      実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
      高水温であることは水質悪化につながりますが、それ以上に悪化した状態と考えられます。
      水換え量が少ないか、底床掃除やろ材の洗浄が足りない場合、そうした病気にかかりやすくなります。
      金魚は新しい水でも比較的慣れることができる魚なので、そうした状況になったら、水槽を大掃除するのがおすすめです。

      金魚水槽の掃除については、こちらのコラムもご参照ください。
      ・金魚の水槽掃除方法!フィルターや砂利など、清潔な水槽で病気を防ごう!
      https://t-aquagarden.com/column/goldfish_cleaning_method

      よろしくお願いいたします。

執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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