魚の餌になる貝5選!貝を餌にするメリット・給餌の注意点なども解説

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アクアリウムにおいて貝類は実に様々な側面を持つ生き物です。
コケを食べてくれるお掃除生体になるのはもちろん、カラフルなシマノコ貝の仲間などは水槽の低層を華やかにしてくれる存在として人気です。一方で、意図せず水槽に混入したスネールは景観を損ねる厄介者として駆除の対象になることもあります。
また、貝類は肉食魚の餌としても優秀で、食いつきが良いので、肉食魚の食欲スイッチを入れたい時などにおすすめです。
特にフグの仲間を飼育する水槽では、フグの歯をケアする目的で、定期的に殻付きの貝を与えることが推奨されています。
今回のコラムでは、魚の餌として活用できる5種類の貝のご紹介と、貝を餌にするメリットや与える際の注意点を解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに魚の餌になる貝5選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
お掃除生体のイメージが強い貝類ですが、フグを始めとした肉食魚の活餌として活用されることも多いです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚の餌になる貝5選を解説します。
魚の餌になる貝5選

魚の餌になる貝は、アクアリウムショップやインターネット通販で簡単に入手できる、メジャーな品種のものばかりです。
種類によってはスーパーで食用に販売されている貝や、水槽に混入してしまったスネールを餌として与えることもできます。
今回は、その中でも特に安価で安心して与えることができる5種類を厳選してご紹介します。
ラムズホーン
ラムズホーンは、可愛らしいピンク色が特徴的なインドや東南アジア原産の巻貝です。
アクアリウムショップでは、レッドラムズホーンやピンクラムズホーンなどの名称で販売されています。
殻径は最大で2cmほどになりますが稚貝は0.5mm〜と非常に小型なので、ついばみ系の魚がちょうど口にしやすいサイズです。
稚貝のうちは殻のまま与え、成長して食べづらくなってきたら、殻を軽く割ってあげると魚が食いつきやすくなります。
水槽内で繁殖しやすいのでコスパ良く与えられるのもポイントで、スカーレットジェムやアベニーパファーなどの貝類を好む小型魚や底棲魚のローチ系にぴったり。
ただし、薬浴に使った水槽で繁殖した個体や、どこから来たのか由来がはっきりしないなど、安全性に不安がある個体を餌にするのは避けましょう。
スネール(モノアラガイ・サカマキガイ)

一般的にはアクアリウムの厄介者として扱われる、スネールのモノアラガイやサカマキガイも、餌にすることができます。
実はスネールの多くが殻が薄く食べやすいため、餌として非常に有能です。
水槽でいつの間にか繁殖してしまったスネールをそのまま餌にしてしまえば、元手もかからず経済的。購入する場合は”エサ用巻貝ミックス”といった名称で販売されています。
また、スネールに属する貝は野外でもよく見けますが、採集した個体は寄生虫などのリスクがあるため、餌として与えるなら水槽内で繁殖した個体のみにしましょう。
アベニーパファーをはじめとする小型淡水フグは喜んでスネール類を食べてくれますし、ローチやドジョウ、小型シクリッドにもおすすめの餌です。
カワニナ
日本のきれいな川に生息するカワニナ。体長3~5cm程度の巻貝ですが、殻が非常に硬いため、餌としては大型淡水フグ類のように歯が頑丈で殻をかみ砕ける力がある魚種向けです。
貝の大きさが合わないと、口に入らずに諦めてしまったり無理に飲み込もうとして詰まったりなどのトラブルに繋がるため注意してください。
殻付きのままならばオスカーなど大型で歯が強いシクリッドや淡水フグ、中身を出してあげればポリプテルスやキャットフィッシュなどにも与えることができます。
心配なときは比較的小さな個体を選び、食いつきが弱いときは殻を割って中身を見せるなどの工夫をするのがおすすめです。
ヒメタニシ
優秀なコケ取り生体であるヒメタニシを餌として与える場合は、殻ごと食べさせるよりは身だけを取り出して刻んで使うのが現実的です。
殻つきのままだと食べ残しや殻の残骸が散らばりやすく、水質の悪化や急変を招く原因になります。食欲回復のためにヒメタニシを殻ごと与えたいときは、少量を試してみてから本格的な導入を検討しましょう。
淡水フグやクラウンローチなどの大きめのドジョウに与えられるほか、身を刻んであげればポリプテルスやナマズの餌にもおすすめです。
アサリ
海水魚に与えるならばアサリが使いやすいです。
入手が簡単で安価、冷凍ストックもできるので、魚の反応を見ながら少量ずつ与えることが可能。嗜好性の高さから海水フグやヤッコ類、チョウチョウウオなど偏食しやすい海水魚も、しっかり食いついてくれます。
一方、生のまま与えると身が崩れやすく、食べ残しが出た時に回収できずに水を汚してしまうのが難点です。
また、砂抜きが不十分だと底砂に砂が混ざることがあるため、下処理をしてから与えましょう。
貝を餌にするメリット

観賞魚用の活餌には、プランクトンやアカムシなどの小さな虫、小魚など様々な選択肢がある中、あえて貝を選ぶ理由はあるのでしょうか。
ここでは、貝を餌にするメリットを解説します。
嗜好性が高く肉食魚の食欲を刺激しやすい
肉食魚は、動物性の匂いや食感がある生き物が大好物。
うま味の強い貝類は特に嗜好性が高く、人工飼料を食べないグルメな魚種でも高確率で食いつきます。
水槽に導入直後で警戒している個体や、体調を崩して食欲が低下してしまった個体の食欲回復にも貝類が非常に有効です。
ただし、この嗜好性の高さから貝類ばかり与えているとそれ以外の餌を食べなくなってしまうことが多く、栄養バランスに偏りが生まれてしまうため、あくまで補助的に必ず他の餌と併用する形で与えていくようにしましょう。
フグの歯が伸びすぎるのを防げる
フグの仲間には、放っておくと歯がどんどん伸び続ける特性があります。
野性では硬い餌をかじって歯を削っているので伸びすぎるようなことはありませんが、飼育下で柔らかい餌ばかり食べている個体は、歯が伸びて上手く餌が食べられなくなってしまうことも。
このようなトラブルを防ぐため、定期的に貝を殻ごと与えて餌を噛ませる工夫をするのがおすすめです。
このとき、硬すぎたり大きすぎたりする貝は逆効果になる場合もあるため、魚の口のサイズに合うものを選ぶようにしましょう。
また、食べが悪いときは殻を割って中身を見せるなど、段階を設けながら殻付きの貝に慣らしていくのがポイントです。
フグの歯の伸び方には個体差があるため、貝を与えていても伸び過ぎてしまったときは歯切りをして、口腔の状態を改善します。
貝を給餌する際の注意点・ポイント

貝類を餌とするうえで、いくつか注意したいポイントがあります。
最後に魚の健康や安全を守る貝の与え方を解説します。
水の汚れや水質の悪化に注意
貝類は活餌の中でも特に水を汚しやすい餌として知られています。
殻の中の身が柔らかく崩れやすいため、魚が食べたときや食べ残しから水中にたんぱく質や油分が溶け出しやすいです。さらに、殻の破片や砂が舞うことで、底床が汚れたり異物が混ざるリスクもあります。
必要以上に水を汚さないよう、
- 目に見える食べ残しや殻は素早く除去する、
- 魚がすぐに食べきれる量だけを与える
- ピンセットで狙った場所に落とす
などの工夫を心がけましょう。
餌用の貝を与えよう
貝類は身近な川や沼で採取することができますが、野生の個体には寄生虫や農薬、重金属が含まれている可能性があり、そのまま餌とするのはあまりおすすめできません。
安全性を第一に考えるのであれば、やはり餌用・食用として流通している貝か、水槽内で繁殖した個体が安心です。
また、自宅の水槽で飼育していた貝でも、薬浴や治療をした水槽にいた個体には薬剤が残ってしまっていることがあるため、餌として与えるのは控えたほうが良いでしょう。
複数種類の餌を併用して栄養バランスに気を付けよう
嗜好性が高くよく食べてくれるからとつい貝ばかりを与えてしまいたくなりますが、貝類に関わらず一つの餌ばかりを与えていると栄養バランスが偏って、体調を崩してしまいます。
魚を健康的に育てるには、やはりバランスの取れた人工餌をメインに、要所要所で貝を与えるといった給餌方法がおすすめです。
人工餌に餌付かない魚種の場合も、貝と他の餌をローテーションすることでバランスが整えられます。
また、「週に1~2回だけ」「食欲が落ちた時だけ」など、頻度を決めたりして与えるのも良い方法です。
まとめ:魚の餌になる貝5選!貝を餌にするメリット・給餌の注意点なども解説

今回のコラムでは、魚の餌になる5種類の貝と、貝を餌にするメリットや注意点を解説しました。
安価で入手がしやすく維持管理も簡単な貝は、肉食傾向の強い魚種におすすめの活餌です。嗜好性が高く、人工餌に餌付きにくい魚種でも貝ならばよく食べるので、特にアベニーパファーなどのフグを飼育する水槽では、貝を活用することで飼育がぐっと楽になるでしょう。
一方、柔らかい身や殻の破片が水中に散らばると水が汚れやすくなる点には注意が必要です。栄養の偏りにも気を付けてください。
注意点やリスクをよく理解した上で、貝類を有効に活用しましょう。
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