マシジミとは!特徴から飼育、ビオトープや水質浄化能力についてを解説
コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。
マシジミは淡水の二枚貝で、アクアリウムでは水質を浄化するために飼育されることが多いです。
日本の河川の砂地に生息し、グリーンウォーターを透明な水に浄化する能力があるため、メダカやモツゴなどの日本淡水魚が生息しているビオトープで採用されることがあります。
ただし、餌となる微生物が豊富な環境でないと長期飼育が難しいため注意が必要です。
このコラムでは、マシジミの飼育方法や得意な水質・環境について詳しく解説し、導入の際に役立つ情報を提供します。
目次
マシジミの特徴
マシジミは単に「シジミ」と呼ばれることも多い、日本の田園付近の小川などでも見かけることのある、在来の貝です。
マシジミの生息環境と分布
マシジミは日本の河川や小川の砂地に生息している生き物です。
非常によく似た種類には『タイワンシジミ』がありますが、形状や色がほぼ同じで、パッと見ただけで見分けるのは困難と言えるでしょう。
増えやすく繁殖が可能ですが、寿命は不明で、飼育下では短命になってしまうことがほとんどです。
マシジミは一般的に水流の穏やかな淡水域に生息しています。
日本国内では普通に生息している在来種のため、自然豊かな川では採取が可能です。しかし、生息地の破壊や環境の変化で減少が懸念されています。
アクアリウムでは、ビオトープなどの水質管理に役立ちますが、砂地や石底に潜ってしまうことがあるため、鑑賞目的で飼育されることはほぼありません。
マシジミの見た目と性質
成体の体長は約3cm~3.5cmほどで、褐色~濃茶のツヤがある貝殻を持ちます。
食用として流通することが多い『ヤマトシジミ』より、殻の外側の色が薄いのが特徴です。
内側はヤマトシジミよりも濃い紫色をしています。
底砂に潜っていることがほとんどですが、さまざまな生き物と混泳することができます。
しかし、貝類が好物で貝殻ごとバリバリ食べてしまうフグや、中身をつついて食べてしまう金魚など、捕食者となり得る魚種とは混泳できません。
マシジミ自体は基本的に大人しい性格で、魚に対して攻撃的になることはないです。
また、マシジミは雌雄同体であり、繁殖も観察することができます。
マシジミ飼育と水質浄化能力について
マシジミは植物プランクトンを中心とした微生物を餌として生活する貝です。
また、低水温になると活性を極限まで低下させ、冬越しすることがあります。
マシジミが好む環境
適正な水温は15~25℃で、水質は中性~弱アルカリ性の淡水が適しています。
高水温や酸欠には弱いため、飼育を行う際には、夏場や水槽内での環境変化には注意が必要です。
また、ビオトープなどの環境では餌となる植物プランクトンが豊富なため長期飼育も可能ですが、室内飼育の場合はエサ不足が問題になりがちです。
マシジミの水質浄化能力とは?
マシジミは主にプランクトンを捕食することで、水を透明にする能力(濾過摂食)を持っています。
つまり、目に見える範囲ではグリーンウォーター(青水)を濾過するような効果を発揮してくれるということです。
しかし、グリーンウォーターはメダカの良い餌にもなる点には注意しましょう。
マシジミを飼育したからメダカにとって良い環境になるというわけではないと言えます。
これはろ過摂食を行う『ヒメタニシ』も同じで、水の透明度からビオトープの鑑賞性は上がるものの、メダカたちの餌は飼育者が管理しなくてはならないことを覚えておきましょう。
マシジミの餌
マシジミはプランクトンを食べますので、具体的には以下のような餌を与えます。
- 青水(グリーンウォーター)
- クロレラ
- ミドリムシ
- ゾウリムシ
- PSB
- スピルリナ
マシジミは小型の貝なのでプラケースでも飼育できそうですが、こうした餌をプラケース内で管理するのは難しいため、大きめなビオトープでの飼育が向いています。
また、砂地での飼育が望ましいため、「田砂」や「川砂」などの細かい底砂は必須です。
酸素不足にも弱いので、その点でも水量の多い大きな飼育容器が向いています。
特に夏場には水温や酸欠に注意して、水質の管理を行いましょう。
また、メダカと一緒に飼育する場合は、マシジミが死ぬと水質が悪化する可能性があります。
同じような性質を持つヒメタニシと比べて比較的短命になることが多いので、導入時にはたくさん入れすぎないようにしましょう。
ビオトープとマシジミ飼育
マシジミは植物プランクトンを食べることから、通常は屋外のビオトープで飼育します。
ここでは、マシジミの導入に向いている飼育環境などをご紹介します。
マシジミに適したビオトープとは
ビオトープとは自然環境を再現した屋外飼育容器のことで、植物や小動物などが生息する自然豊かな空間を作り出します。
透明な水を維持したい場合には、マシジミの水質浄化能力を活かすことができますし、長期飼育を行うことも可能です。
ビオトープ内では細かな砂地や水草、流木などを配置し、マシジミに適した生息環境を提供しましょう。
また、マシジミと共生できる植物やメダカやヌマエビなど他の生物を導入することで、より自然に近い環境を作り出すことができます。
マシジミは水草と相性が良いです。
マシジミが水を透明化することで、水草への日当たりが良くなり、水草の成長が促されるため、水草育成にはマシジミが有効であることがわかります。
ただし、マシジミ自体の繁殖力が強く個体数が増えすぎると飼育環境のバランスが崩れたり、マシジミが食べる餌が足りなくなり餓死することで水質が悪化することがあります。
そのため、マシジミの適切な飼育管理を行い、水草や他の生物とバランス良く共存できる環境を作り上げましょう。
他の淡水貝との比較
マシジミ以外にも、カワニナやヒメタニシ、イシマキガイ、フネアマガイなどの他の淡水貝も水槽やビオトープで飼育されることがあります。
それぞれの淡水貝の水質浄化能力や飼育方法に違いがあるため、状況に応じて適切な淡水貝を選択することが重要です。
- ろ過摂食を行う貝:ヒメタニシ、マシジミ
- コケなどを食べるお掃除貝:イシマキガイ、カワニナ、フネアマガイ
グリーンウォーターを維持したい場合には、イシマキガイやフネアマガイなど、ろ過摂食を行わない種類を導入しましょう。
マシジミは繁殖できる!
マシジミは飼育下では短命になりがちな貝ですが、繁殖させることもできます。
マシジミは雌雄同体であり、豊富なエサがある環境では活発に繁殖活動を行うからです。
また、春から秋にかけて繁殖が盛んに行われるため、この時期に餌を供給するなど飼育環境を整えると繁殖を促すことができます。
マシジミの幼体は非常に小さな貝でかわいらしいため、成長を観察するのも楽しいです。
まとめ:マシジミとは!特徴から飼育、ビオトープや水質浄化能力についてを解説
マシジミは、日本の河川に生息している在来種の貝で、ろ過摂食を行い水質を浄化する能力を持っています。
飼育生体としては短命な傾向があり、餌となる微生物が豊富な環境や適切な水質管理が必要です。
また、ビオトープなどの自然環境でのマシジミ飼育に成功するためには、マシジミを襲ってしまわないメダカなどの大人しい生体との混泳が望ましいです。
このコラムでは、マシジミの特徴や飼育方法、ビオトープでの飼育について解説しました。
淡水貝を活用した水質管理や環境改善に興味がある方は、ぜひマシジミの導入を検討してみてください。
適切な環境や飼育方法を整えることで、マシジミが水質浄化や水草育成の助けとなるでしょう。
お問い合わせ
水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス、
お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス、
水槽リニューアルサービスや水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。