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水槽にスネール・小さな貝が発生した!その原因と対策を教えます!

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アクアリウムにおける代表的なトラブルの1つにスネールの発生があります。

スネールとは水草や流木、飼育水などを他の環境から持ち込む際に予期せず一緒に侵入した巻貝のことを指し、仮に発生しても他の生体に害を及ぼすことはあまりありません。そればかりか、水槽に発生する厄介者のコケを食べてくれるなどのメリットもあります。

しかしながら、繁殖力が高い種類が多く水槽内で大繁殖することがあるため、鑑賞性を損なう有害生物として扱われ嫌われています。

スネールの発生を防ぐには、外部から持ち込まないことが一番です。またもし水槽に入り込まれてしまった場合は、できるだけ繁殖を抑える環境づくりを行い、速やかに除去しましょう。
ここでは、水槽にスネールが発生する原因とスネールの繁殖を抑える対策をご紹介します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストによるスネールが発生する原因と対策の解説


このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。

東京アクアガーデンでは、15年以上水槽の設置・メンテナンス業務に携わっており、スネールが発生した水槽をメンテナンスすることもあります。スネールが生体に害を与えることはまれですが、繁殖力が高く大発生して水槽の景観を崩してしまうため対策が必要です。

実務経験をもとにスネールの駆除や予防方法、増えにくい環境作りについて解説していきますので、ぜひ、ご覧ください。

水槽に発生するスネール対策を動画で解説

水槽に発生するスネールの対策については、動画でもご覧いただけます。

スネールの発生原因や撃退法を音声付きで解説しています。

また、東京アクアガーデンでは人気の記事やレイアウト法などを随時まとめ、YouTubeチャンネルトロピカチャンネルでご紹介しています。

水草水槽のレイアウト方法や熱帯魚飼育の疑問まで、続々アップしていきますので、ぜひご覧ください。

スネールとは?


まずは、スネールの特徴と種類についてご紹介します。
スネールにもいくつか種類がおり、好む環境や繁殖条件が異なります。後ほど解説するスネール対策に関係する内容ですので、ご一読ください。

アクアリウムにおけるスネール

スネールとは、英語で巻貝を意味する『snail』をそのままカタカナで表記した言葉です。

アクアリウムにおいては予期せず紛れ込んだり、発生したりした巻貝を指します。仮に水槽内で発生したとしても、魚や水草に害を与えることはほとんどなく、水槽内のコケを食べてくれるなどメリットも存在します。

しかしながら、繁殖力が高く発生すると至る所で目に付くようになりますので、アクアリウムでは鑑賞性を低下させる有害生物として扱われることがほとんどです。

スネールの種類

水槽内で発生して問題視されるスネールとして、主に以下の4種類が知られています。

モノアラガイ


殻長2~3cmほどの巻貝で、日本各地の淡水域で普通に見られます。

殻が薄く、入り口が大きくてフタがないのが特徴です。自然下での繁殖期は水温が高い6~10月頃ですが、水槽内では水温が保たれているために通年で繁殖します。
寿命は1年程度と短いものの成長が早く、誕生後2カ月もすれば性成熟して繁殖するため大量発生につながりやすいです。

サカマキガイ


ヨーロッパ原産の外来種の巻貝です。

現在では日本各地に定着しており、都市部などの水質が悪い淡水域を好んで生息しています。殻長1cmほどの殻は薄く半透明で、見た目はモノアラガイとよく似ています。

モノアラガイとの違いは、より小型で殻が左巻き動物体に触角がない点です。雌雄同体で通年で繁殖を行えるため繁殖力が非常に高く、水槽内に混入すると大発生することも少なくありません。

カワコザラガイ


楕円形の笠形をしている巻貝の1種で、日本各地の淡水域で多く見られます。

殻長は2~3mm程度とかなり小型で、殻は半透明です。そのため、水草などに付着していても気付きにくく、侵入されやすいです。

水質がアルカリ性に傾いている硬水だと爆発的に増殖することがあります。

番外編:繁殖しやすいヒラマキガイ

(エビ・貝)ピンクラムズホーン(4匹) 北海道・九州航空便要保温

ヒラマキガイも意図せずに水槽内に入りこむスことのあるスネールです。

ただし、同じヒラマキガイの仲間でもインドヒラマキガイ(ラムズホーン)などは、コケ取り生物として重宝され販売もされています
こちらは、殻長2cm前後の巻貝で、赤みのある体色が可愛らしく人気の高いヒラマキガイです。本種は南アジア原産の外来種ですが、現在では日本に定着しています。

目的をもって飼育しているヒラマキガイの場合、当然駆除する必要はありませんが、スネールと同様に繁殖力が高く爆発的に増えてしまう事があります。
飼育数を管理できないと鑑賞性を損なう可能性がありますので、増殖には注意してください。

コケ取り生物については、こちらの記事で詳しく解説しています。

スネールが発生する原因と増殖しやすい環境


ここでは、スネールが発生する原因と増殖しやすい環境をご紹介します。

スネールの侵入を防いだり、増殖を抑えたりすることにもつながりますので、参考にしてみてください。

発生原因

スネールが発生する原因は主に外部からの持ち込みです。

とくに水草にスネールの卵が付着していて、それが水槽内でふ化して増殖するケースが多いです。

また、ご自身が採取してきた石や流木などに紛れて混入することも少なくありませんので、新しく水槽内に水草やレイアウトを追加する際は、目視での確認や下処理などを行ったうえで追加すると良いでしょう。

スネールなどの有害生物の発生原因については、こちらの記事もご覧ください。

増殖しやすい環境

スネールが増殖しやすい環境としてまず挙げられるのが、弱アルカリ性の硬水です。
これは、スネールの殻の主成分が炭酸カルシウムであることに関係しています。弱酸性の水質では殻が溶解してしまうため、スネールがあまり増殖できないのに対して、弱アルカリ性では殻の溶解は生じません
さらに、硬水には殻の原料となるカルシウムが豊富に含まれているため、スネールにとっては居心地の良い最適な環境となりやすいのです。

また、弱酸性の軟水でも増殖しやすくなる条件があります。
弱酸性の軟水で、底床材に砂・砂利類を使っていたり、石組みレイアウトを設置していたりする場合です。石や岩など一般的な鉱石類にはカルシウムが含有されていますが、そのカルシウムが弱酸性の水にさらされることで溶出します。豊富なカルシウムはスネールが殻を作るのに利用されてしまい、増殖に繋がりやすくなります

弱酸性の水質については、こちらの記事で詳しく解説しています。

スネール対策

(エビ・貝)キラー・スネール(5匹) 北海道・九州航空便要保温

注意していてもスネールに入り込まれてしまった場合は、速やかに除去していきましょう。

ここからは、スネールが発生したときの対策を具体的に解説していきます。

スネール対策として効果的な方法は次の4つです。

  • 手で取り除く
  • スネールイーターの導入
  • 薬剤の使用
  • 水槽のリセット

飼育環境によっては実践できないものもありますので、水槽に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。

手で取り除く

水作 貝転キャッチャー 1個 (x 1)

スネールが発生した直後で個体数が少なければ、地道に手で取り除いていくのが確実です。目に見えて数を減らすことができます。

しかし、手間がかかるうえに、稚貝やカワコザラガイなどの小さいスネールは見逃しがちです。費用はかからないものの、根絶は難しいでしょう。

スネールを手で取り除く場合は、よく捕獲できる『貝転キャッチャー』という製品もおすすめです。さほど高価ではなく、スネールを見かけた時にまめに取り除くことで増殖を抑えることができます。

スネールイーターの導入

(熱帯魚)アノマロクロミス・トーマシー(4匹) 北海道・九州航空便要保温

生体の中にはスネールを積極的に食べてくれる種類がいますので、それらを導入することも効果的です。

スネールを食べてくれる熱帯魚としては、

  • アベニーパファー
  • アノマロクロミス・トーマシー
  • バジス・バジス

などが挙げられます。また、貝の1種である『スネールキラー・スネール』もスネールを食べるスネールイーターとして知られています。

ただ、生体を導入する対策法は飼育している生体との混泳相性が悪いと問題が生じる可能性が高いです。
スネールを食べる魚種は気が強い場合が多いため注意します。

また、スネールはフィルター内部に侵入して内部で増殖することもあります。
生体による対策法では水槽内での増殖は抑えられますが、根絶は難しいでしょう。

スネールを食べるアベニーパファーについては、こちらの記事をご覧ください。

薬剤の使用

アズー (AZOO) 貝除去液 120ミリリットル (x 1)

スネールなどの貝類のみに効果を発揮して駆除できる薬剤を利用する方法もあります。

代表的な製品としては『貝除去液』や『スネール・バスター』などが挙げられます。これらの製品は生体を飼育している水槽内に直接添加して、スネールなどの有害生物のみを駆除できることが特徴です。

問題点としては、ヒメタニシ石巻貝などのクリーナー生体として導入している貝類にまで効果が及んでしまうことです。薬剤を使用する時は、クリーナーとしての貝類は別の場所に避難させてから使用することをおすすめします。

スネールの駆除が確認できたタイミングで水槽に戻すと良いでしょう。

水槽のリセット

最も迅速かつ効果的な方法が水槽をリセットすることです。

最終手段ともいえる水槽のリセットは、スネールの卵まで一掃できますので確実に根絶できます。スネールは卵の状態だと乾燥や低酸素状態など悪環境にもある程度は耐えられるため、水槽やレイアウトなどは洗剤で洗った後に天日干しをして紫外線を当てつつ完全に乾燥させることが重要です。

リセットのデメリットとしては、せっかく定着したバクテリアまで死滅してしまうことです。水槽をリセットする際はなるべく早く水質を安定させるために、飼育水については可能な限り保存しておくと良いでしょう。

スネール対策には予防が重要

水草その前に・・・ 3個セット

スネールが発生した際の対策についてご紹介しましたが、そもそも水槽に持ち込まないように予防することが重要です。

スネールとその卵は水草とともに持ち込まれるケースが多いため、必ず処理してから入れるようにしましょう。水草の処理用の薬剤は市販されていますので、アクアショップや通販で入手できます。

代表的な製品に『水草その前に』などがあり、水草に付着したスネールを除去することが可能です。採取してきた流木や石などについても、どのような有害生物やその卵が付着しているかわかりません。

水槽導入前には、きちんと洗浄したうえで熱湯に浸けたり天日干ししたりなど処理してから使うことで予防になります。

水槽導入前の処理については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

スネールが増えにくい環境づくりを行おう

スネールの大発生を予防するためには、増えにくい環境にすることも重要です。

スネールはコケを主食として生活しますので、餌となるコケが少なければ繁殖速度を抑えることが可能です。コケ掃除を念入りに行うことで抑止につながります。

また、スネールは弱アルカリ性の硬水を好むため、pHを少し弱酸性の軟水に調節することで増殖を抑える方法もあります。ただし、飼育中の生体に向かない水質になってしまう可能性がありますので難易度がやや高い方法です。

レイアウト水槽の場合は、組織培養水草のみを使った環境を作る方法もおすすめです。組織培養水草とは、土ではなく寒天培地で培養された水草で無菌状態で管理されていますので、スネールやその他の有害生物を持ち込むことがありません

組織培養水草を率先して導入するようなレイアウト水槽はソイルを敷いていることが多いため、弱酸性の水質になりがちです。そもそもスネールが増えやすい環境ではありませんが、極力スネールを持ち込みたくない場合に効果的です。

組織培養水草については、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ:水槽にスネール・小さな貝が発生した!その原因と対策を教えます!


水槽にスネールが発生する原因と対策についてご紹介しました。

スネールの主な発生原因は水草など外部からの持ち込みです。発生しても生体に害を与える可能性は低く、逆にコケや餌の食べ残しを処理してくれるなどのメリットもあります。

しかし大繁殖しやすく、アクアリウムの鑑賞性を著しく損なうため、除去することをおすすめします。スネール対策としては、手で取り除いたり、スネールイーターを入れたりする方法がありますが、確実に根絶するならば、水槽をリセットを視野に入れましょう

対策も大切ですがスネールを持ち込まないよう予防することが重要ですので、新たに水草などを導入する際は必ず薬剤で処理してから入れるようにしましょう。

水槽に発生するスネールについて良くあるご質問

スネールとはどのような生き物ですか?

水槽内に発生・繁殖する小さな巻貝を総称してスネールと呼びます。
飼育者が導入したわけではなく、いつの間にか数を増やして水槽のガラス面などに付着し、アクアリウムの鑑賞性を下げます。
「モノアラガイ」や「サカマキガイ」「カワコザラガイ」などが代表例です。

スネールの発生原因とは?

スネールは、主に水草に付着して水槽に侵入します。
個人的に採集してきた石などに付着していることもあるため、注意が必要です。
購入してきた水草は専用の薬剤で、石や流木を採集してきた場合は、かならず煮沸などの前処理を行いましょう。

スネールを増やさない対策は?

水槽レイアウトに、組織培養水草を使用する方法があります。
培養したクリーンな水草で、育成途中に入り込んでしまいがちなスネールや害虫が混入する心配がありません。
やや高価ですが、おすすめです。石や流木もアクアリウム用のものを使用することでトラブルを減らせます。

スネールの駆除方法とは?

  • 手で取り、水換えする
  • スネールを食べる生き物を導入する
  • スネール駆除剤を使用する

手で取るのは手間ですが最も確実です。スネールは弱アルカリ傾向の水で育ちやすいため、水換えを行うのも効果的です。スネールを食べる生体は気性がやや強いものが多いので混泳には注意が必要です。
鵜助剤は他の貝類にも影響を与えるため、仕様前にご確認ください。

 

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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答

  1. 野間海舟 より:

    スネール駆除目的でトーマシーを買いました。
    水槽にはアフリカンランプアイやグッピーがいます。
    トーマシーはヒレの長さを入れずにだいたい4センチくらいです。
    小さいうちなら混泳可能でしょうか?

    • アクアガーデン編集部 より:

      トーマシーはこちらのページでもスネールを食べる魚として紹介していますし効果は抜群ですが、混泳には向かないです。
      確実に混泳は無理、というわけではありませんが、小型魚は襲われる可能性が高いため注意が必要になります。
      とはいえ、トーマシー自身の性格にもよるので、襲うそぶりを見せたら隔離しましょう。
      他のスネール駆除生体としては、トーマシーとは混泳できませんがキラースネールがおすすめです。

      こちらのコラムもご参照ください。
      ・貝の卵を見つけたら!水槽に発生するスネールの卵を駆除・掃除する方法
      https://t-aquagarden.com/column/snail_found

      よろしくお願いいたします。

  2. 矢木龍一 より:

    貝の駆除に対する相談です。
    市販の貝とーるを購入してみましたが
    1匹も捕獲ならず他の方法をご教授願えたらと思っています

    • アクアガーデン編集部 より:

      手で取り除くのが最も確実ですが、労力を使うので、スネールを食べる魚を導入するのがおすすめです。
      ・アベニーパファー
      ・バジスバジス
      ・チェリーバルブ など
      生体を増やせない場合は「スネール・バスター」などの駆除剤を使用すると効率的です。

      卵を発見した場合は、こちらのコラムもご参照ください。

      ・貝の卵を見つけたら!水槽に発生するスネールの卵を駆除・掃除する方法
      https://t-aquagarden.com/column/snail_found

      よろしくお願いいたします。

  3. 音あやこ より:

    過去にメダカを買っていました。今は生き残ったミナミヌマエビとレッドラムズホーンを屋外にて飼っています。すると、いつのまにか小さな白い斑点のようなものが大発生しており、早い速度で泳いだり、浮遊しています。レッドラムズホーンの稚貝かと思っていたのですが、どうも動きが違うので、顕微鏡で見たところ、うっすらと黒い斑点、巻きはなく、丸い形状でした。
    そのままのほうがいいのか、メダカやドジョウを飼うか、検討がつきません。なにかおわかりになりますか?

    • アクアガーデン編集部 より:

      実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
      カイミジンコではないかなと考えています。
      カイミジンコは硬くメダカでは食べられません。
      一方で、ドジョウはカイミジンコを食べる可能性がありますので、どちらかといえばドジョウを導入するのが良いです。
      また、ストッキングやミジンコ用の網で物理的に掬って減らす方法もあります。

      あまり繁殖するとエビやラムズホーンの餌も食べられてしまうので、収まらない場合は一旦水槽をリセットするのがおすすめです。
      ミジンコについては、こちらのコラムもご参照ください。

      ・ミジンコを自宅で飼育する方法と殖やし方!メダカや稚魚に最適な餌!
      https://t-aquagarden.com/column/daphniapulex_breeding

      よろしくお願いいたします。

執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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