アクアリウムの二枚貝とは!マシジミなどの種類・長期飼育は無理?

投稿日:2026.04.27|
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二枚貝といえば、食用のアサリやシジミが知られていますが、実はアクアリウム用に流通する飼育に向いた二枚貝も存在します。
多くの種類は砂に潜ってしまうので、飼育をしていてもあまり目に入らない地味な存在かもしれません。しかし、その生態はとてもユニークで、水中の細かなものをこしとって食べてくれるお掃除生体のような役割を果たす貝や、タナゴの産卵に欠かせない貝など、知れば知るほどはまってしまう魅力にあふれています。
この記事では、アクアリウムで飼育できる二枚貝をご紹介します。
貝はすぐに死んでしまうといわれる理由や長期飼育のコツ、番外編としてアサリやシジミの砂抜きの方法まで解説しますので、ぜひご覧ください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに二枚貝の飼育方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽で飼育ができる二枚貝は、お掃除役や産卵床になるなど、縁の下の力持ち的な能力を発揮するユニークな種類ばかりです。
一方、死んでしまいやすいという意見もあるため、適切な環境を整えてあげることで長期飼育に繋がりやすくなるでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、二枚貝の飼育方法を解説します。
二枚貝の種類!水槽に入れられる貝たち

水槽に入れられる二枚貝にも、魚と同じように淡水性と海水性の種類がいます。それぞれ生態や飼育環境が異なるため、事前に飼育予定の貝の特徴を把握しておくことが大切です。
ここでは、アクアリウムでよく見かける代表的な二枚貝を6種類ご紹介します。
マシジミ
マシジミは日本の豊かな自然が残る淡水域に広く生息する、最も身近な二枚貝です。
最大の特徴は、水中の植物性プランクトンをこし取って食べる食性にあり、水が緑色に濁るグリーンウォーターをあっという間に透明にしてしまうほど、高い浄化能力を発揮します。このことからお掃除生体として日本淡水魚を飼育する水槽に導入する方も多いです。
ただし、浄化能力が高いからといって大量に導入すると、食べ物不足からすぐに弱ってしまう点には注意してください。水槽内のプランクトンの量とのバランスを見ながら飼育数を管理するのがおすすめです。
ドブ貝
ドブ貝は貝の大きさが最大で30cmほどまで成長することもある、淡水性二枚貝の中ではかなり大型の種類です。寿命が非常に長く、条件が合えば15年ほど生きるともいわれています。
サイズ感からもわかる通り、飼育するのであれば60cm以上の大きな水槽が望ましいです。小さな水槽では酸欠になりやすいため、十分注意しましょう。
またドブ貝は、日本淡水魚の飼育ではタナゴが卵を産みつける産卵母貝として知られています。しかし、タナゴの繁殖に使えるサイズまで育つには約10年かかることもあるため、大きな個体はとても貴重です。
マツカサ貝
マツカサ貝は、殻の表面が松ぼっくり(松笠)のようにゴツゴツと波打つ、独特の模様が特徴的な淡水二枚貝です。
ドブ貝と同じく、こちらもタナゴの産卵母貝として知られています。
大きさは最大で5cm前後とドブ貝に比べてかなり小型なので、小さめの水槽でタナゴの繁殖を狙う場合には、マツカサ貝がおすすめです。
イシ貝
イシ貝は、日本の河川に広く分布する淡水二枚貝です。
最大で9cm前後まで大きくなりますが、他の貝に比べて細長い形をしていることから、水槽内でも悪目立ちせずすっきりした印象に仕上がるでしょう。飼育数にもよりますが、小型~中型の水槽にも導入しやすいです。
イシ貝は川の中でも比較的流れ場ある場所に生息しているため、水槽内でも適度な水流を当ててあげると健康に飼育を続けられます。
ササノハ貝
イシ貝の仲間であるササノハ貝も、スマートな細長い形が特徴の二枚貝です。名前のとおり、笹の葉を連想させる舟形をしており、水槽の中でも存在感が出るでしょう。
琵琶湖周辺の河川や用水路にも生息しているため、日本産の二枚貝の中では丈夫な性質です。水質変化にも比較的強く、初心者の方でも飼育に挑戦できます。
とはいえ高水温や酸欠には弱いので、しっかりとした環境を整えることを意識してください。
ヒメシャコ貝
海水性の二枚貝ではヒメシャコ貝が知られています。外套膜(がいとうまく)の色彩が非常に美しく、ブルーやグリーンなど鮮やかな体色を持つ個体が多いことから、鑑賞目的で導入する方が多いです。
またヒメシャコ貝は、体内で共生する褐虫藻の光合成により栄養を受け取るという、サンゴに似たユニークな性質を持ちます。
そのため、飼育環境はサンゴと同様の設備が必須です。強い照明と安定した水質維持が欠かせないため、ある程度アクアリウムの経験を積んだ方に向いている種類といえるでしょう。
導入を検討する場合は、まずはサンゴ飼育に準じた設備を整えることから始めてみてください。
二枚貝を長期飼育するポイント

二枚貝はとてもデリケートな面がある生き物で、飼育を始めてもすぐに死んでしまったという声も少なくありません。
魚のようにはっきりとした体調不良の兆候を掴むのが難しいうえに、餌不足や高水温に弱いため、気づかないうちにコンディションを崩してしまいがちだからです。
そこで、ここでは二枚貝の長期飼育が難しい理由と、健康に飼育を続けるポイントを解説します。
二枚貝が死んでしまう原因
二枚貝の中でも特に維持が難しいとされる淡水二枚貝が死んでしまう大きな原因が、餌不足と高水温です。
淡水二枚貝は、水中に漂う微生物や植物プランクトンを取り込む”濾過摂食”と呼ばれる方法で栄養を得ています。
しかし、一般的な水槽環境では自然に比べて微生物の数が圧倒的に少なく、何も工夫をしないとあっという間に餌が枯渇してしまうのです。
また、高水温も二枚貝の弱点で、多くの観賞魚や熱帯魚が耐えられる水温27~28℃を超えたあたりから急激に弱り始めます。特に夏場は、水温管理を怠るとすぐにコンディションを崩してしまうため、慎重な対応が求められるでしょう。
そして意外と見落としがちなのが、死んでしまった貝を放置することによる水質の悪化です。
二枚貝は生きていても殻を閉じている時間が多く、生死の判断がしづらいケースがあります。死んだ貝を気づかずそのままにすると、内部からアンモニアが発生して水質が急激に悪化し、最悪の場合、ほかの貝も全滅してしまうことも。
不調の連鎖を避けるため、死んだ個体はすぐに取り出すことが大切です。
低水温と酸素量のキープが大事
二枚貝を状態よく保つには、低めの水温と十分な酸素量を意識することが重要です。どちらが欠けても、コンディションの維持は難しくなります。
水温については27~28℃を超えないよう、夏場は水槽用クーラーやエアコンを活用して水温を管理しましょう。
水温の急激な変化も負担になるため、季節の変わり目にも注意してください。
溶存酸素量の確保には、ろ過フィルターと合わせてエアレーションを設置するのが確実ですが、水温の問題をクリアできるならば、酸素供給力の高い上部フィルターや底面式フィルターを使うのもおすすめです。
特に底面式フィルターは底砂全体を濾過材として使うため、底砂内の環境が整いやすく、二枚貝にとって過ごしやすい状態を維持しやすくなります。
この場合は水槽用クーラーを別途接続するか、エアコンと併用するなどして、水温管理との両立を図るのがポイントです。
二枚貝に与えられる餌とは

二枚貝の長期飼育において、大きな課題となるのが餌の確保です。
濾過摂食という特殊な食性を持つため、一般的な人工餌を与えるだけでは栄養を補えません。そのため、水槽内に自然と微生物が増えるような環境づくりが必要になります。
水槽内の微生物を増やそう!
二枚貝の餌となる植物性プランクトンや微生物は、水槽内で意図的に増やすことができます。
具体的には、タナゴなどの魚を一緒に飼育して、魚の排泄物や食べ残しから発生する有機物を程よく残しておくことです。プランクトンの餌となる有機物が多い環境では、自然と微生物が増殖していきます。
清潔な環境を保とうと水換えをし過ぎると、プランクトンや有機物が流れ出て貝の餌が不足してしまうため、適度に手を抜くバランスが大切です。
また、クロレラを溶かしたグリーンウォーターや珪藻、フィルターに蓄積したデトリタス(有機物の堆積物)を活用して餌を確保するという方法もあります。特にグリーンウォーターは植物性プランクトンが豊富なため、二枚貝と非常に相性がよいでしょう。
ただ残念ながら、どれだけ工夫をしても1年以上の長期飼育はかなり難しいというのが現実です。少しでも長生きしてもらうため、複数の方法を組み合わせながら、水槽内のプランクトン環境を豊かに保つことを意識し続けましょう。
豆乳やエビオス錠で餌を殖やせる?
プランクトンを増やす手軽な方法として、飼育者の間でよく挙げられるのが『無調整豆乳』と『エビオス錠』の活用です。
どちらも植物性の成分を含んでおり、水槽内の微生物を増やすきっかけになるとされています。
無調整豆乳は、植物性の栄養素を含むため、プランクトンの発生を促す効果が高いです。手軽に入手できる点でも、試しやすい方法といえるでしょう。
エビオス錠は底砂に埋め込むことで、そこを拠点に微生物が増殖しやすくなります。
ただ、どちらも即効性や万能性には乏しく、入れたからといって確実に長期飼育できるわけではありません。入れすぎるとむしろ飼育水が急激に悪化し、逆効果になることもあります。
豆乳はエビオス錠はあくまでも補助的な手段として、グリーンウォーターなどをメインに環境を整えるのがおすすめです。
番外編!アサリ・シジミの砂抜き方法

二枚貝と言えばアサリやシジミ、ということで、ここからは番外編として食用のアサリとシジミの砂抜き方法をご紹介します。
潮干狩りで持って帰ってきたアサリやシジミをおいしく食べるには、丁寧な砂抜きが必須です。失敗することも多い砂抜きですが、ちょっとしたコツをおさえるだけで、仕上がりが大きく変わります。
アサリの砂抜き方法
アサリの砂抜きは、海水に近い塩分濃度約3%の食塩水につけておくのが一般的です。水1リットルに対して塩を約30g溶かすと、ちょうどよい濃度になります。
容器は、バットのような開口部が広いものに貝同士が重ならないように並べると、呼吸しやすくなり、しっかり砂を吐き出してくれます。
また、潮干狩りで採取したアサリは、それ以上砂を飲み込まないよう、別容器やカゴに入れてから海水に浸しておくと、ある程度の砂を吐き出した状態で持ち帰ることができます。
砂抜き後は、ザルにあけて流水でしっかり洗い流し、残った砂や汚れを落としてから調理しましょう。
シジミの砂抜き方法
シジミは淡水や汽水域に生息しているため、アサリよりも薄い塩分濃度は0.5~1%程度の塩水で砂抜きをします。濃すぎるとシジミに負担がかかって、うまく砂を吐いてくれないことがあるため注意しましょう。
時間は3時間程度を目安に、アサリと同様に開口部が広い容器に貝が重ならないよう並べてください。

また水槽機材をお持ちの場合は、砂抜き中にエアレーションをしておくのも方法です。空気を送り込むことでシジミ呼吸が活発になり、効率よく砂を吐き出してくれます。
この時エアーが強すぎると水中舞い上がった砂や汚れを、シジミが吸い込んでしまうことがあるため、静かに空気を送り込む程度の水流になるよう調整するのがポイントです。
また、シジミは暗い環境で呼吸が活発になる性質を持つことから、砂抜き中は容器の上に新聞紙や布巾をかぶせて光を遮断してあげることも忘れず行いましょう。
砂抜き後は流水でしっかり洗って調理します。
まとめ:アクアリウムの二枚貝とは!マシジミなどの種類・長期飼育は無理?

水槽で飼育できる二枚貝の種類と、長期飼育のポイントについて解説しました。
アクアリウムに入れられる二枚貝には、マシジミやドブ貝、マツカサ貝、イシ貝、ササノハ貝などの淡水種と、ヒメシャコ貝のような海水種がおり、それぞれにユニークな特徴を持っています。
一方、飼育難易度はやや高めで、特に淡水二枚貝は餌不足や高水温に弱い点に十分注意してください。
餌となる微生物を意識的に増やす工夫をすることで、長期飼育がしやすくなります。
また、夏場は水槽用クーラーやエアコンを活用して、低めの水温を保ちましょう。
二枚貝は長期飼育が難しいからこそ、上手に飼育できた喜びはひとしおです。タナゴの繁殖を楽しむ方にとっては産卵母貝として、メダカを楽しむ方には水質改善の助けとして、二枚貝は役立つ生き物でもあります。
生態を理解したうえで迎えれば、水槽の見え方や楽しみ方がぐっと広がるでしょう。


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