水槽掃除の疑問10個!アクアリウム初心者のお悩みに答えますのページ

熱帯魚水槽の掃除やメンテナンスは、水質改善やきれいな水景の維持に欠かせない作業です。

しかし、水質や水温など水槽内の環境を変えますので、失敗すると魚が体調をくずしてしまうこともあります。失敗をしないためには、掃除の仕方や頻度などについて疑問に思ったことをしっかり解決してからメンテナンスを行いましょう。

ここでは、水槽を掃除するときに抱きやすい疑問を10個ご紹介します
アクアリウム初心者の方のお悩みにお答えしていきますので、ぜひご覧になってみてください。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストによる水槽の掃除とメンテナンス方法の解説


このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。

東京アクアガーデンでは、お客様のもとに足を運び30cmの小型水槽から200cmを超える大型水槽まで日々メンテナンスしています。

15年以上の水槽設置・メンテナンス業務で培った独自の技術とノウハウをもとに、水槽の掃除とメンテナンス方法を解説していきますのでぜひ参考になさってください。

水槽メンテナンスについて、よく聞かれること


水槽のメンテナンスについて、初心者が抱きやすい疑問には以下のようなものがあります。
実際、東京アクアガーデンに寄せられる質問にも多いものです。

  1. 水槽の水は全部換えるの?
  2. 底床は取り出して洗う?
  3. メンテナンス中の熱帯魚は取り出すべき?
  4. 水道水をそのまま入れていい?
  5. ろ過フィルターの掃除方法と頻度はどのぐらい?
  6. 水槽掃除に洗剤を使っていいの?
  7. 人工海水の上手な作り方とは?
  8. 水槽レイアウトを変える頻度は?
  9. 消耗品をストックしていなかった時は?
  10. 水槽周りは整頓したほうがいい?

熱帯魚の飼育を始めたばかりだと、ささいなことでも気になってしまうように思いますが、適切なメンテナンスを行うにはこのようなお悩みを一つ一つ解決していくことが大切です。
悩みをそのままにしてしまうと、魚が体調不良になったり、死んでしまったりする可能性があります。

ここからは、これらの疑問について理由をふまえて解説していきますので、水槽の掃除やメンテナンスでお悩みの際に参考にしてみてください。

疑問1:水槽の水は全部換えるの?

答え:全量交換はNGです。水換え量は全体の1/3程度にとどめましょう。

水槽掃除のとき水を全量換えてしまう方がいますが、水槽の水をすべて換えるのは控えたほうがよいでしょう。

慣れ親しんだ水から新しい水へ急に変わると、水質が急変して魚に負担がかかってしまいますphショック(水質の変化によるショック症状)を起こして弱ってしまったり、新しい水質に適応しようと疲弊して病気にかかりやすくなったりなど、体調を崩すことも少なくありません。

「水槽が極端に汚れている」「病気やカビなどトラブルが起きた」などの理由がある場合は水をすべて変えることもありますが、基本的には水換え量を全体の1/3程度にして水質を急変させないよう心がけましょう。

水換えの量を抑えながら、きれいな水質を維持するためにはメンテナンスの頻度を増やすなどの工夫が必要です。
メンテナンスの頻度は基本的に1~2週間に1回が目安ですが、水槽の大きさ(総水量)や飼育している熱帯魚によって最適な頻度は変わります。

基本を守りながらご自分の水槽にあった水換えの量や頻度を探してみてください。

疑問2:底床は取り出して洗う?

答え:底床を取り出す必要はありません。水槽の中に入れたまま清掃します。

水槽の底に敷いている砂利や砂には汚れが溜まりやすく、取り出して丸洗いしたくなるところですが、底床は水槽の中に入れたまま掃除するのが正しいメンテナンス方法です。

底床を掬いあげてしまうと、砂の中に蓄積した汚れや菌が飼育水の中に舞い上がり、魚の体調不良や病気につながります。
また、底床は水をきれいにするバクテリアの住処になっていますので、取り出して水道水で丸洗いしてしまうとバクテリアが流されたり水槽水に含まれる塩素で死滅したりして大幅に減少してしまい、水質が不安定になることもあります。

しかし、底床に汚れが蓄積すると水草が根を張りづらくなったり、水質が悪化したりするため掃除は必要です。

砂利や砂の掃除には、水槽掃除用のプロホースや砂利クリーナーを使うことで、排水と同時に底床の汚れを取り除くことができます。バクテリアの減少を抑えるために、一度に掃除する範囲は水槽底面積の半分程度に留めておきましょう。

疑問3:メンテナンス中の熱帯魚は取り出すべき?

答え:熱帯魚は取り出さずに水槽の中に入れたまま清掃します。

水槽の掃除をするときに、熱帯魚が邪魔になったり傷つけてしまうのが心配だったりして、バケツなどに取り出してしまうことがありますが、メンテナンスでは魚を外に取り出す必要はありません。水槽の中に入れたまま作業を行います。

魚を網ですくうと、それだけで体表が擦れて傷つけてしまうことがありますし、追いかけ回されたり、別の容器に隔離されたりすることで、ストレスになることも少なくありません。

また、掃除が長引くと水槽と隔離先で水温が変わってきますので、水温変化による負担をかけてしまう可能性もあります。

メンテナンスでかかるストレスよりも取り出したり環境を変えたりしてかかるストレスの方が生き物に与える影響は大きなものですので、水槽掃除は魚を移動せず、そのまま行いましょう。

疑問4:水道水をそのまま入れていい?

答え:水道水を直接水槽に入れるのはNGです。カルキ抜きや水温合わせをした水を使いましょう。

水換えで新しい水を注ぐ場合は、水槽の水温に合わせてから注水しましょう。

水温の異なる水を注いでしまうと、水温が急変して魚が体調を崩す原因になります。水温ショック(水温の急変によるショック症状)を起こして弱ったり、水温が下がると白点病の原因になったりするため、水温合わせが欠かせません。

また、水道水に含まれるカルキは魚に有害ですので、新しく入れる水には必ずカルキ抜きをした水を使用してください。


勢いよく水を注ぎすぎると、ゴミや雑菌が舞って魚の体調不良・病気につながることがあります。砂利が掘れてしまったり、レイアウト物に影響を与えたりすることもあるため、上の画像のように落水地点に手を添えて水流を分散させながら静かに注ぎましょう。

疑問5:ろ過フィルターの掃除方法と頻度はどのぐらい?

答え:ろ過フィルターはブラシや飼育水を使って掃除をします。メンテナンス頻度は2~5カ月に1回程度ですが、水槽の環境により異なります。

ろ過フィルターの清掃頻度は、飼育している生体のサイズや数、水槽の大きさによって異なるため一概には決められません。
60cm水槽で小型熱帯魚を飼育している場合ならば、2~5カ月に1回ほどのフィルター掃除でも問題ないことが多いです。

掃除をする目安として、フィルターのスイッチをON/OFFして水にゴミが混ざるような場合は、汚れがたまっている状態ですので掃除が必要と判断できます。

ろ過フィルターの清掃では、主に以下のような内容を行います。

  • ろ材を飼育水ですすぐ
  • ホース内の汚れをブラシでとる
  • 部品の汚れを取る

目視して汚れが気になるところを重点的に清掃していきましょう。

また、フィルターを掃除する際の注意点として、フィルターと他の場所のメンテナンスを一緒に行うのは避けるというのがあります。
ろ過フィルターは、水質を保つバクテリアが住んでいる「水槽の心臓部」といえます。洗浄することで少なからずバクテリアが減少するため、メンテナンス後は水質が不安定になりがちです。
そこに加えて水換えや底床掃除をすると、飼育水や底床のバクテリアまで減少してしまい水質悪化の原因となってしまう事もあります。

これらの理由から、ろ過フィルターの清掃と水換えや底床掃除とは分けて行うことをおすすめします。また、ろ過フィルターの清掃をした後は水質が安定するまで、水換えなどの頻度を減らす、もしくは水を換える量を控えめにして様子を見るようしてください。

疑問6:水槽掃除に洗剤を使っていいの?

答え:洗剤には生き物に有害な『界面活性剤』が含まれているため、使用できません。

水槽の掃除に洗剤は使用しないようにしてください。
洗剤に含まれる界面活性剤が魚のエラに付着して呼吸を妨げてしまい、熱帯魚を死なせてしまう原因になります。

水槽内だけでなく、水槽表面をガラスマイペットのような洗剤で拭き取ることも控えましょう。少しでも水槽内に溶け込むと、魚に影響が出てしまう可能性があります。
手間はかかりますが、何もつけていないメラミンスポンジやブラシなどで擦って汚れを取る方法が一番安全です。

水槽の頑固な汚れや、細かい部品の汚れ落としに漂白剤(ハイター)を使うことがありますが、漂白剤にも界面活性剤を含んでいる製品がありますので注意してください。
衣類用の漂白剤には界面活性剤を使っていないものが多いですが、成分をよく確認してから使用しましょう。また、漂白剤に含まれる塩素が残ってしまうと、水槽内の生物に影響が出てしまいますので、漂白後はカルキ抜き(ハイポ)などを使って塩素をしっかり中和してから水槽に戻すようにしてください。

漂白剤を使った水槽の掃除方法は、以下の記事で解説しています。

疑問7:人工海水の上手な作り方とは?

答え:比重に気を付けながら慎重に、水が透明になるまでしっかり溶かすことを意識して作ります。

マリンアクアリウムには欠かせない人工海水は、比重がとても大切です。作るときにはパッケージの推奨使用量を参照しながら慎重に作成してください。
比重計使って計測しながら作ります。

また、人工海水は、必ず水が透明になるまでしっかり溶かしてから水槽へ注ぎましょう。

完全に溶けきっていない状態で水槽に注いでしまうと海水魚はもちろん、水槽内の生体に悪影響です。とくにサンゴは影響を受けやすいため、人工海水が原因で死んでしまうことも珍しくありません。

人工海水を人力で溶かすには時間と労力が必要になりますので、小型の水中ポンプで撹拌する方法がおすすめです。

疑問8:水槽レイアウトを変える頻度は?

答え:月に1回~半年に1回程度が望ましいです。

景観に直結する水槽レイアウト。納得のいくまでいじりたくなる気持ちはわかりますが、水槽のレイアウトを頻繁に変更するのは水槽の中の熱帯魚にはあまり良くありません。

レイアウトの変更は、魚たちにとっては慣れ親しんだ環境が変わってしまう事になりストレスを感じてしまいます。レイアウトを移動することで砂を巻き上げ、水が濁ったり、ゴミが舞ったりすることも少なくありません。
汚れやゴミには病原菌がいる可能性もあるため、病気につながることもあります。

レイアウトの変更は水槽の印象を一新できるため景観を楽しむうえで大切な作業ですが、多くとも月に1回程度にとどめ、熱帯魚の負担にならないようしっかり期間を空けてから行うようにしましょう。

疑問9:消耗品をストックしていなかった時は?

答え:消耗品のストックがない時には掃除などのメンテナンスは控えましょう。

メンテナンスを始める前には、必ずろ過フィルターのマットやカルキ抜きなどの消耗品の在庫があるかを確認しましょう。
消耗品が足りないままメンテナンスをしてしまうと、水質の急変などのトラブルの原因になります。

よくある例では、ろ過フィルターを分解清掃してから電源を入れたところ、水が漏れて慌ててしまうことがあります。ろ過フィルターのゴムパッキングの劣化が原因ですが、消耗品として備蓄しておくことで慌てず対処できます。

カルキ抜きや人工海水などの、常備されているような消耗品の残量は特に確認を忘れてしまいがちですが、残量が足りないまま作業をしてしまうと作業が完了しきれずに生き物たちに影響が出てしまう事もあります。
こちらも必ず水換えを始める前に確認をしておきましょう。

消耗品を常備することを心がけ、さらに事前に確認してから万全な態勢で掃除やメンテナンスを行うことが重要です。

疑問10:水槽周りは整頓したほうがいい?

答え:事故やトラブルを防ぐため、水槽周りは常に整理整頓を心がけましょう。

水槽の周りは水はねなどが起こりやすいので、安全のためにも常日ごろからきれいに片づけておくことが望ましいです。
水槽に干渉してしまうような家具や荷物は整頓して、水槽周りは10cm以上の余裕を持たせるようにすると良いです。

特に水槽の掃除を行う前には、水槽周りや水を運ぶ動線上を片づけてから作業を開始しましょう。

水槽付近に物があると、水がかかって故障してしまう可能性があります。パソコンなどの電子機器は特に要注意で、万が一のことも考えて、避難させておく方が無難です。
また、水を運ぶ動線上に障害物があれば、つまづき水をこぼすこともあります。

水槽の周りはケーブルなどでごちゃつきがちですが、結束バンドやケーブルボックスなどを使って上手に収納していきましょう。
収納付きの水槽台を使うのもおすすめの方法です。

まとめ:水槽掃除の疑問10個!アクアリウム初心者のお悩みに答えます


熱帯魚水槽の掃除やメンテナンス時にありがちな失敗例10選をご紹介しました。

ここでご紹介した内容は、初心者の方が失敗しがちな問題が中心です。熱帯魚の飼育経験が少ない場合に失敗は付き物ですが、掃除の前に目を通していただければ予防できることも少なくありません。

ご覧のとおり難しい技術はありませんし、ちょっとした配慮で魚に与える負担は大きく減少します。水槽の掃除やメンテナンスで環境を改善して、魚の健康維持に活かせるようにしましょう。

水槽掃除・メンテナンスについて良くあるご質問

水槽の水はすべて変えてはいけない?

通常の水換えは1/5~1/3程度に抑えます。多量の換水を行うと、水槽内に住んでいる水をきれいにするバクテリアが激減してしまうからです。しかし、水槽内にイカリムシなどの寄生虫が蔓延した場合などは全量換水を行うこともあります。状況によって水換え量を変更しましょう。

底砂の掃除方法とは?

クリーナーホースを使用して半面ずつ掃除するのが理想です。底砂にも水をきれいにしてくれるバクテリアが住み着いているからです。
しかし、汚れが蓄積している場合やフンが多い金魚などの生体を飼育している場合は、全面をしっかりと掃除することでトラブルを防げます。

水槽掃除に洗剤を使ってはいけない理由とは?

洗剤に含まれる界面活性剤は、魚やエビなどの生体・水草・ろ過バクテリアなど水槽内のすべての生き物に有害です。
飼育水とスポンジなどで汚れを落としましょう。汚れがひどい場合は界面活性剤の入っていないハイターを使用することもありますが、しっかり中和するなどの対策が必要です。

掃除中は魚を取り出しますか?

基本的には取り出さず、泳がせたまま清掃を行います。
掃除の度に網で掬うことは、魚たちの大きなストレスになります。
掬う際に魚たちがスレ傷などを負うこともありますので、大幅なレイアウト変更時以外はそのまま行いましょう。

 

コメントする

コメント時の注意事前にご確認ください
  • 商品・製品に関するご質問はメーカーや販売店にお問い合わせください。
  • アクアリウムの管理、熱帯魚に関するお電話でのご質問は承っておりません。
  • 魚の病気・トラブルに関するご質問は、飼育環境ごとに対策が異なるため、正確にお答えすることはできません。
  • コメントへの回答はお時間をいただく場合がございますので予めご了承ください。
  • 返信はコメントをご投稿いただいたページ上でさせていただきます。

熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!よろしくお願いいたします!

お問い合わせ

サービスのお問い合わせ・見積依頼

水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス 水槽リニューアルサービス水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。