【初心者向け】熱帯魚水槽を掃除する方法とは!手順やコツを公開
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熱帯魚を飼育し始めて一番最初に難しさを感じるもの、それは水槽の掃除ではないでしょうか。
慣れないと手間や時間がかかり、休日が水槽掃除で潰れてしまった…という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
煩雑さを感じてしまっては、アクアリウムの楽しみが減ってしまいます。
水槽掃除は手順やコツを覚えれば、時間を短縮できます。
このコラムでは、熱帯魚水槽の掃除方法やコツを、手順に沿ってご紹介いたします。
目次
水槽掃除の基本を動画で解説!
このコラムの内容は動画でもご覧いただけます。
熱帯魚水槽掃除の手順やコツを音声付きでご紹介します。
東京アクアガーデンではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
水槽運営のポイントや熱帯魚・観賞魚・エビなど生き物飼育のお役立ち情報を動画でわかりやすく解説しています。
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熱帯魚水槽を掃除するときの注意点
水槽を掃除するときには、いくつか注意しなければいけないことがあります。
熱帯魚水槽の掃除や換水するタイミングを確認する
ろ過装置や、飼育している熱帯魚の種類・サイズなどにもよりますが、基本的には1~2週間に1回ぐらいの頻度で換水を行います。
水換え頻度を決める要素
- ろ過装置:フィルターの容量・パワー
- 飼育生体:種類・体長
- 餌:食べる量・フンの量
- 設置場所:光が当たりやすい場所か
これらの要素により、飼育水の汚れやすさは変化します。
例えば、同じ60cm水槽でも使用しているフィルターが外部フィルター、投げ込み式フィルターのように異なっていれば、必要な掃除頻度は変わります。
さらに、同じフィルターでも飼育生体がネオンテトラなどの小型魚の場合と、金魚などの中型魚の場合ではフンの量が変わるため汚れやすさは変わります。
共通して言えることは、水が濁って見える・異臭がするなど水が汚れていたら換水のタイミングです。
そのほかに、水質検査薬を使用して換水の時期を確認する方法もあります。
水質検査薬については以下の記事を参照してください。
一般には、水換えと同時に水槽の掃除を行う方が多いですが、注意したいのが、ろ過装置の掃除タイミングです。
ろ過装置の掃除を水換えと一緒に行ってしまうと、水のろ過に必要なバクテリアが大量に減ってしまい、水質の悪化につながるケースが多いです。
ろ過装置の掃除は2~3か月に一度程度に抑え、水換えとは別の日に行いましょう。
それ以上の頻度でろ過装置を掃除しても、バクテリアが増えず、かえって水質が不安定になりやすいです。
飼育水は全部を入れ換えない
水換え時には、水槽内の古い飼育水をすべて交換してしまうケースもありますが、これは大きな間違いです。
水換えの割合
一度の水換えで新しくする水は、全体の30%~50%程度が最適
水を入れ換え過ぎてしまうと、水質が急変して魚やエビなどの生体たちに大きなストレスを与え、ダメージを与えてしまうことがあります。
また、飼育水には水質をきれいに保つための有用なバクテリアが繁殖しています。
すべての飼育水を入れ換えてしまうと、汚れだけでなくバクテリアも同時に排出してしまうため、白濁りや水質悪化の原因になります。
熱帯魚は水槽に入れたまま水換えしよう
換水や掃除のときに生体を網で掬ってバケツなどに退避させる必要はありません。
掃除を行うと、水に汚れが舞い濁ってしまうため、熱帯魚たちを入れたままにすることにためらいを感じます。
しかし、水が濁るといっても一時的なものですし、退避するために網で追い回すことのほうが、生体のストレスになるためお勧めできません。
水槽内を大掃除する、レイアウトを大きく変更するなどの理由がない限り、普段の水換えメンテナンスでは、水槽の中に生体を入れたまま作業を行いましょう。
熱帯魚水槽を掃除する9つの手順
水槽の掃除でやるべきことは大まかに分けると下記の5工程です。
- 水槽や機材の点検
- 水槽内のコケ・汚れを掃除する
- 水換え
- レイアウトの調整
- 作業の最終確認
これをしっかりと清掃できる9つの手順に分けて解説します。
どのように進めていくのが効率が良いか、水槽掃除の手順やコツを解説いたします。
手順1:水槽掃除の準備
作業を始める前に、まず掃除の準備を行います。
水槽の掃除をしていると、水や汚れが飛び散ってしまって、水槽台や床が汚れてしまうことも少なくありません。
水槽の周りや床にブルーシート・タオルを敷いてから掃除などのメンテナンスを行うと汚れ防止になります。
この他に下記のような、水槽掃除に最適な道具を用意すると効率よくメンテナンスできます。
水槽掃除に必要な道具
- メラミンスポンジ
- コケ掃除用ヘラ・クレーパー
- プロホース
- ホース・配管用のパイプブラシ
- 水を注ぎやすいバケツ など
水槽はコケが生えやすいため、水槽を傷つけずにコケを削ぎ落せるメラミンスポンジやジラコヘラなどの道具を利用すると清掃しやすいです。
上記以外に、タオルを5枚程度用意しておくと何かと便利です。
メンテナンス中も片手にタオルを持ちながら掃除を行うと、水をこぼす・水滴を逃してしまう確率が下がり、作業をスムーズに進められます。
手順2:水槽や機材の点検
道具が揃ったら、次は水槽や周辺機器の点検を行います。
水槽掃除時の点検ポイント
- ・熱帯魚やエビなど、生体は元気に泳いでいるか
- ・水槽本体に傷、ヒビ、水漏れはないか
- ・機材の動作に問題はないか
これらを確認してから掃除を始めるとトラブルを防ぐことができます。
手順3:水槽内のコケ・汚れを掃除する
最初にコケ掃除(コケ取り作業)を行います。
ここで大事なのが、コケ取り作業中はろ過機の電源を切るということです。
ろ過器の電源を入れたままにしておくと、取ったコケや汚れがろ過機の中に流れ込み、ろ材やフィルターを汚してしまいます。
そのため、作業前に必ず電源を切るようにしましょう。
ただし、外部フィルターなどろ過機の種類によっては、電源オンオフ時の動作で、水槽内にフィルターの汚れが流れ込んでしまうことがあります。
接続ホースや配管内が汚れていると、電源を入れた影響ではがれて流れ出ることもあります。
その場合は電源を切らずにそのまま清掃作業を行います。
しかし、最終的にはホース・配管の内側もきれいに保ちたいので、定期的にパイプブラシで磨いたり、交換したりしましょう。
また、水槽内のレイアウトを大きく変更する場合は、コケ取り前に素材を取り出しておきます。
コケ取りは以下の3つの方法で進めます。
コケ取り用のヘラを使う
ジラコヘラや水槽用のスクレーパーを使用して、コケを取ります。
水槽と砂の間にヘラを差し込み、隙間についたコケや汚れをきれいに削ぎ落としていきましょう。
ヘラを使用したコケ掃除のコツ
- ガラス水槽の場合:シリコン部分をヘラで傷つけないように注意する
- アクリル水槽の場合:ヘラはごしごしと動かさず、面に沿ってゆっくりと少ない回数でコケを削ぎ落す
水槽を傷つけないためにも、ヘラはゆっくりと動かし少ない動きでコケを削ぎ落していきます。
アクリル水槽は柔らかく傷がつきやすいため、特に注意します。
ガラス水槽は接続部分のシリコンが傷つくと水漏れの原因になります。角の部分はヘラではなく柔らかいメラミンスポンジで清掃しましょう。
メラミンスポンジを使う理由
市販のスポンジならどの製品でもコケを落とせますが、おすすめはメラミンスポンジです。
きめが細かく柔らかい素材のため、水槽の角やパイプや水槽用ヒーターのコードなど、柔軟性が必要とされる箇所も効率的に掃除できます。
100均などでも手軽に購入できる点も良いです。
アクリル水槽でメラミンスポンジを使用する際には、水槽が乾いた状態では絶対に擦らないでください。
強い摩擦が発生してアクリル素材に細かい傷がつき、白くなってしまうことがあります。
アクリル水槽でメラミンスポンジを使用するときは、必ず水を張り、水中で擦るようにしてください。
素手で水槽のぬめりを確認する
最後に水槽面を素手で触ってみて、ぬめりが残っていないかを確認します。
コケを取った後のぬめりは、コケがまだ残っている状態の目安です。
もし、ぬめりを確認出来たら、その個所を再度スポンジで掃除しましょう。
手順4:水槽内の水を抜く
コケ取りが終わったら、次は水換えを行います。
クリーナーポンプ(プロホースなど)とバケツを使用して水を抜いていきます。
最初の項目でもご紹介しましたが、一度に換える水の量は水槽全体の30%程度にとどめてください。
60cm水槽の場合を例に挙げると、水量は65Lなので、20L程度の水を抜きます。
水の汚れが激しい場合は換水の量を増やしますが、どんなに多くても一度に換える水量は50%を超えないようにご注意ください。
それ以上は水質の急変につながり、水槽内の生体たちにダメージを与えてしまうことがあります。
手順5:底砂の掃除
底砂が汚れているようならば、底砂を掃除します。
汚れ具合の判断基準としては、魚のフンが見える・水槽との境目にコケが生えているなどが分かりやすいですが、実際にクリーナーポンプを底砂に差し込み、汚れが吸いあがるようならしっかりと清掃しましょう。
クリーナーポンプのなかではプロホースやプロクリーナーという専用の器具で掃除をすると、掃除機をかけるような感覚で、簡単に底砂掃除ができます。
このとき、底砂を一度に掃除する範囲は、全体の半分程度にとどめるようにしましょう。
底砂にもバクテリアが住み着いているため、掃除しすぎてしまうと数が減少し、逆に水質の悪化を招いてしまうことがあるからです。
海水水槽の場合はライブロックの表面についたゴミも一緒に吸い出します。
水換えについてはこちらコラムでも解説しています。
底砂の掃除についてはこちらの記事にまとめています。
手順6:水草のトリミングをする
水草は毎日成長していますから、成長不良の防止や観賞性を上げるために手入れを行いながら維持します。
トリミングするときは、葉の欠片などが舞ってしまうのを防ぐため、水を注ぐ前に行います。
水草のトリミングについてはのこちらの記事もご参考までにご覧ください。
手順7:水を注ぐ
水換え用の水は、下記の2点に注意して準備します。
水換え用の水を準備する際の注意
- カルキ抜きを行う:塩素は生体やバクテリアに有害です
- 飼育水と同じ水温に調整する:水温差は生体に大きなダメージを与えます
バケツから直接水槽に水を注ぎますが、小型水槽や水量が少ないときは水流が強く発生することがあります。
そのような場合は、計量カップなどを使用するとレイアウトを崩さずに静かに注げて便利です。
大型水槽で水量が多いときは、ポンプを利用すると何度も注ぐ手間が省けるのでお勧めです。
注水する際は、落水地点に片手を添えて水をやさしく分散させるように注ぐと、底砂が舞う・水草が浮く・レイアウトが崩れるといったトラブルを防げます。
水道水のカルキ抜きについてはこちらの記事もご覧ください。
手順8:レイアウト調整と機材の電源をオンにする
水換えが終わったら、水槽内のレイアウトを整えます。
コケ取り前にレイアウト素材を取り出していた場合は、ここで水槽内に戻しましょう。
水草が浮いてしまいそうな場合などは、水草用ピンセットでしっかりと植え付け直します。
ここで、ろ過フィルターや水槽用ヒーターの電源をオンにしますが、固定用の吸盤(キスゴム)が外れたりしないか・劣化していないかもチェックしておきます。
手順9:仕上げの確認
レイアウトが終わったら水槽の蓋を閉めて掃除は完了です。
最後に下記7つの項目を確認します。
水槽掃除後の確認ポイント7つ
- 魚は元気に泳いでいるか、異変はないか
- ろ過フィルターから水が正しく流れているか
- 水温は設定温度になっているか
- 水漏れしている箇所はないか
- 漏電してはいないか(触るとビリビリするなどの異変)
- すべての機材類の電源はオンになっているか、正しく作動しているか
- 水槽周りが濡れている・汚れていないか
水槽周りが汚れていたり、水がこぼれたりしていては、せっかくの水槽が台無しです。
また、フローリング床の場合はとても水に弱いため、必ずふき取りましょう。
まとめ:【初心者向け】熱帯魚水槽を掃除する方法とは!手順やコツを公開
水槽の掃除や水換え作業は、熱帯魚や観賞魚など水辺の生き物を健康に飼育するうえでは欠かせません。
慣れないうちは面倒に感じたり、水槽のサイズによっては大変な労力を使うこともありますが、生体たちのために丁寧な掃除を心がけましょう。
手順やコツを覚えれば、小さな水槽ならば1時間程度で作業を終えられるようになります。
適切に管理された水槽は魚たちにとって居心地が良いですし、魚たちが元気に泳ぐ姿は私たちの心を癒してくれます。
水槽の掃除についてはこちらの記事でもまとめておりますので、ご参考にしていただけたら幸いです。
水槽掃除について良くあるご質問
水槽掃除や水換えはなぜ必要?
魚の排泄物やエサの食べ残し、その他さまざまな要素からなる水質の悪化を防止する効果があり、水の濁りやコケの発生も抑制できます。
ですが、頻繁な掃除や水換えは魚にストレスを与えてしまうこともあるので注意が必要です。
水槽の水換え頻度はどれくらいですか?
水が濁って見える・異臭がするなど水が汚れていたら水換えのタイミングです。
水質検査薬を使って換水の時期を確認する方法もあります。
水換え時の注意点はありますか?
全部入れ換えてしまうと、水質が急変し魚やエビ等に大きなストレスを与えます。
水槽の中にのバクテリアも激減してしまうため、却って水質が不安定になる原因になります。
水槽掃除であると便利な道具は?
狭い隙間にも適応していますし、水槽と砂の間の掃除も可能です。
柔軟性が必要な水槽の角やヒーターには、濡らしたメラミンスポンジが適しています。
乾いたままの使用したり強い力で擦ると摩擦で水槽にキズが付くので注意しましょう。
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