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水槽のろ過フィルターは、飼育水の水質を安定させ維持をするために欠かせない機器です。
しかし、飼育水中の汚れを常にこし取っているので、使用し続けていると当然ながら内部に汚れが蓄積し、ろ過能力が低下してしまいます。
フィルター内に蓄積した汚れを放置していると、飼育水の水質が悪化して生体に悪影響を及ぼしてしまいますので、定期的に掃除をして内部の汚れを除去しましょう。
このコラムでは代表的な外部フィルターのエーハイム クラシック2213を使って、外部フィルターのメンテナンス方法と、掃除をするタイミングについてご紹介していきます。
画像つきで解説をしますので、はじめて外部フィルターを掃除する際はぜひこのコラムを参考にしてください。
目次
アクアリウムのプロが監修、外部フィルターの掃除方法とタイミングについて
このコラムは、東京アクアガーデンのスタッフであるアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
数多くの水槽を設置、管理する中で、水槽やフィルターのメンテナンスはとても重要な業務の一つです。
この記事では、プロのアクアリストならではの視点で外部フィルターの掃除方法やメンテナンスの頻度・タイミングなどを解説していますので、はじめてフィルター掃除をする際はぜひ参考にしてください。
外部フィルターの掃除方法
それではさっそくエーハイム クラシック2213を使って、外部フィルターの掃除方法を解説していきます。
作業を始める前に、まず掃除に使う以下のものを手元に用意しておきましょう。
■外部フィルターの掃除で使用する道具
- タオルや雑巾(複数枚用意しておきましょう)
- バケツ(複数個用意しておくと便利です)
- 部品掃除用の小さなブラシ
必要なものの準備ができたら、作業を開始します。作業手順は以下の通りです。
- フィルターの電源を切る
- コックを止水側に動かす
- 排水側のダブルタップを取り外す
- 給水側のダブルタップを取り外す
- モーターヘッドを取り外す
- ろ材コンテナを取り出す
- ろ材を洗浄する
- インペラーとスピンドルを掃除・点検する
- ろ材をコンテナに充填する
- ろ材コンテナを本体に取り付ける
- モーターヘッドを本体に取り付ける
エーハイムの製品はメンテナンス性も考慮されているので、手順を知っておけば比較的に楽に掃除が行なえます。
工程が多く感じますが、細かいところまで掃除できるため、寿命がとても長いろ過フィルターです。
掃除手順1:フィルターの電源を切る
掃除をする前に、まずは電源を切って外部フィルターを停止させましょう。
エーハイム2213の場合は、プラグを引き抜けば電源が落ちて停止します。
本体のスイッチで電源のON/OFFが切り替えられるタイプの外部フィルターもありますのが、その場合も安全の為コンセントは抜いておきましょう。
掃除手順2:コックを止水側に動かす
電源を止めたら、ホースのコックを止水側に動かしましょう。
エーハイムの製品は給水・排水ホースの接続部分に『ダブルタップ』と呼ばれる部品が使用されており、コックを動かすことで水の流れを切り替えることができます。
コックをホースに対して垂直になるように動かすことで水を止められるので、飼育水が流出しないように切り替えておきましょう。
掃除手順3:排水側のダブルタップを取り外す
コックを止水側に切り替えたら、排水側のダブルタップを取り外しましょう。
このとき、ダブルタップの間に入っていた水が少量漏れ出してくることがあるので、あらかじめ用意しておいた雑巾やタオルを下に敷いて作業することをおすすめします。
掃除手順4:給水側のダブルタップを取り外す
排水側のダブルタップを取り外したら、給水側のダブルタップも取り外しましょう。
フィルター本体とホース内部に残された水はバケツに排水します。
画像のようにフィルター本体をやや高い位置に置いておくと、スムーズに排水できるのでおすすめです。
バケツで受け止めた水はろ材を洗浄する際に使用するので、捨てずに取っておいてください。
掃除手順5:モーターヘッドを取り外す
本体の排水が完了したら、外部フィルター上部のモーターヘッドを取り外しましょう。
上に引っ張っても外れない場合は、回すように力を加えると外れやすくなります。
掃除手順6:ろ材コンテナを取り出す
モーターヘッドを外したら、フィルター本体に格納されているろ材コンテナを取り出しましょう。
機種によってはコンテナが無いこともあるので、その場合は種類別にろ材を取り出しておきます。
掃除手順7:ろ材を洗浄する
コンテナからろ材を取り出したら、先ほどバケツで取っておいた水(フィルターのろ過槽部分とホース内部に残されていた水)に投入して洗浄をします。
ここで使用しているのは、セラミック製のろ材です。
セラミックろ材は、飼育水で洗浄することで目詰まりを解消できるため、繰り返し使用できます。
同時にろ材コンテナも洗っておきましょう。
洗浄するための水が足りないようでしたら、ダブルタップのコックを開いて飼育水を継ぎ足します。
ろ材を洗浄する際、力を入れすぎると崩れてしまうことがあるので注意しましょう。
ある程度の汚れが落ちれば大丈夫ですので、優しく揉み洗いをするように洗浄します。
こちらはろ材を洗浄した後の水です。
かなりの量の汚れが蓄積していたことが分かります。
ここでひとつ、「ろ材を洗浄するならば水道水で洗った方が良いのではないか」と疑問に感じた方もいらっしゃると思います。
そこをあえて飼育水で洗った理由は、ろ材に定着しているバクテリアを極力減らさないようにするためです。
ろ材に定着しているバクテリアはとてもデリケートな存在なので、水道水で洗ってしまうと塩素の影響でダメージを受け、数が激減してしまいます。
そうするとせっかく安定していた水槽が立ち上げ初期の状態に逆戻りしてしまう可能性があるため、バクテリアを減らす心配が少ない飼育水で洗浄する必要があるのです。
ろ材を洗うときは必ず、飼育水を使用するようにしましょう。
水質とバクテリアの関係性については、以下の記事も参考になさってください。
掃除手順8:インペラーとスピンドルを掃除・点検する
ろ材の洗浄が終わったら、モーターヘッドのインペラー部分を掃除します。
■外部フィルターのインペラーとは?
外部フィルターの内部に組み込まれている、羽根車型のパーツです。
インペラーが回転することで、水流が生まれます。
消耗したり、破損したりしていると異音の原因になりますので、定期的に掃除と確認を行い、状態によっては交換する消耗品です。
きれいな状態であれば洗浄する必要はありませんが、汚れが蓄積していたりコケが付着していると流量の低下を招く恐れがあります。
定期的にチェックをして、汚れていたら掃除をしておきましょう。
カバーを取り外すと汚れの蓄積が確認できました。
インペラー部分の洗浄には小さなブラシなどを使うと、掃除しやすいです。
綺麗に洗浄できたら、元のように組み立て直しましょう。
インペラーの軸となるスピンドルという部品は、非常に細いセラミックで作られています。
メンテナンスの際に誤って折ってしまうことがあるので、注意して扱いましょう。
■外部フィルターのスピンドルとは?
インペラーの中心に通されているセラミック製の芯です。
このスピンドルを中心軸としてインペラーは回転しますので摩耗がすすむと回転が歪み、異音の原因になります。
インペラー同様に消耗品ですので、定期的に確認と交換を行いましょう。
もし破損してしまったら無理に補強するのではなく、交換部品を購入するのがおすすめです。
今回はエーハイムの外部フィルターをご紹介していますが、GEXや寿工芸などでも、それぞれの機種にあった専用の部品が販売されています。
掃除手順9:ろ材をコンテナに充填する
インペラーの掃除が済んだら、ろ材をコンテナに入れましょう。
ろ材を新しいものと交換する場合は、以前まで使用していたろ材を少量で良いので混ぜてください。
新しいろ材の中にバクテリアが定着している古いろ材を混ぜることで、バクテリアの繁殖がスムーズになり水質の不安定化を防ぐことができます。
掃除手順10:ろ材コンテナを本体に取り付ける
ろ材をコンテナに充填し終わったら、フィルター本体に戻しましょう。
なお、このとき使用した外部フィルター(エーハイム クラシック2213)にはろ材を収納するコンテナが付いているのですが、コンテナが付属していない機種もあります。
コンテナがない場合はろ材を種類ごとにネットに入れておくと、次回から取り外しが簡単になるのでおすすめです。
掃除手順11:モーターヘッドを本体に取り付ける
最後にモーターヘッドを取り付ければ、作業完了です。
このとき、Oリングがきちんとはまっているかよく確認しておきましょう。
Oリングとは分解できる部分(モーターヘッドやダブルタップの接続部分など)に付いているゴムパッキンのことで、劣化すると密閉できなくなり、水漏れすることがあります。
乾燥が進むとひび割れてしまうので、劣化する前にワセリンを塗って保護しておくか、すでにひび割れが見られるような場合は新しいものと交換するのがおすすめです。
再起動する際に、ポンプの力だけではうまく通水しないことがあります。
その場合は『呼び水』を行いましょう。
■呼び水とは?
ホースやパイプを口で吸い、配管内の空気を抜いて『サイフォンの原理』を起こし、水を引き寄せてポンプへの通水を助けます。
勢いよく吸い過ぎると水が飛び出し、飼育水を飲み込んでしまうアクシデントも起こりますので、少しずつ慎重に吸いましょう。
呼び水は、再起動のたびに行わなくてはならないことがほとんどですが、自動呼び水機能をつけた外部フィルターも発売されています。
外部フィルターを掃除するタイミングと頻度
続いては外部フィルターを掃除するタイミングと、メンテナンスをする頻度について解説をしていきます。
■タイミングについて
フィルターを使用中に以下のような症状が出てきたら掃除をしてください。
- フィルターを動かしたり、ON/OFFを切り替えると排水に汚れが混ざる
- フィルターから出てくる水の量が少なくなった
- フィルターの駆動音が大きくなった
外部フィルターからの排水が濁る、汚れが混ざるなどの現象が生じた場合は、内部に汚れが蓄積している可能性が高いです。
また、排水の流量が低下している場合も、汚れによってろ過材が目詰まりを起こしていたり、水の進路が塞がれていることが考えられます。
さらに、外部フィルターの駆動音が以前よりも大きくなった場合も、汚れやコケがインペラー部分にこびり付くなどして、モーターの動きが阻害されている可能性があります。
これらの症状が確認できた場合は、速やかに掃除・点検をしましょう。
■外部フィルターの掃除頻度について
掃除・メンテナンスの頻度については、一概には言えません。
なぜなら、飼育している熱帯魚や環境により、汚れの蓄積具合にはかなりの差が生じるからです。
大型の肉食魚の場合は汚れが生じやすいので掃除も頻繁になりますが、飼育している生体の数や種類によっては、3カ月~5カ月程度は掃除をしなくても大丈夫な場合があります。
日頃から外部フィルターの状態をよく確認し、上述したような症状が出た場合にしかるべき対応をしてください。
まとめ:外部フィルターの掃除方法・最適な頻度とタイミングの目安をプロが解説!
今回は外部フィルターの掃除方法と、メンテナンスをする頻度・タイミングについて解説をしてきました。
掃除の作業手順は以下のとおりです。
- フィルターの電源を切る
- コックを止水側に動かす
- 排水側のダブルタップを取り外す
- 給水側のダブルタップを取り外す
- モーターヘッドを取り外す
- ろ材コンテナを取り出す
- ろ材を洗浄する
- インペラーとスピンドルを掃除・点検する
- ろ材をコンテナに充填する
- ろ材コンテナを本体に取り付ける
- モーターヘッドを本体に取り付ける
水質を長期に渡り安定化させるためには、フィルターを正常に動作させることが必要不可欠です。
フィルターの排水が汚れていないか、駆動音に異常はないかなどを、日頃からよく確認しておきましょう。
外部フィルターの種類や選び方、置き方、トラブル対処法などはこちらのコラムで解説しています。
外部フィルターの掃除について良くあるご質問
外部フィルターの掃除はどれくらいの頻度で行いますか?
ろ材は掃除のタイミングで交換しますか?
セラミックろ材は飼育水ですすぎ洗いすることで繰り返し使用できますが、飼育水のpHが維持できない・水槽内にコケが多すぎる場合は交換しましょう。
交換する場合は、使用中のろ材を新しいろ材に少量混ぜることでバクテリアの定着を早められます。
外部フィルターの掃除ポイントを教えてください
外部フィルター本体の汚れだけでなく、配管やホース内の汚れも水流を阻害します。パイプブラシで清掃したり適宜交換をおすすめします。
水漏れを防ぐために接続タップ付きの機種は必ず開閉を確認しましょう。
外部フィルターの動作音が気になります
空気が原因なら外部フィルターをゆすることで排出できることも多いですが、部品が原因の場合は、交換を行いましょう。
部品の状態は、掃除の際に確認することをおすすめします。
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