

CO2添加の油膜対策!水草水槽で油膜が発生する理由と対策方法を解説
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水面に油をまいたようなキラキラの膜が発生する油膜は、アクアリウムを管理していると時折みられる水槽トラブルの一つです。
特に液肥やCO2を添加している水草水槽では、発生しやすい傾向にあると言われています。
油膜が発生したからと言って、熱帯魚や水草に直ちに影響が出るわけではありませんが、鑑賞性を損なうため何とか解決したいところ。
また、油膜は水質のバランスが崩れていたり栄養過多になっていたりする時に発生する、いわば水質のバロメーターのような側面があることから、放置せずに気づいたときに対策しておくのが賢明です。
今回のコラムでは、CO2添加水槽の油膜対策について解説します。
なぜCO2添加水槽に油膜が発生しやすのかや油膜を予防する対策、おすすめアイテムまで、初心者の方にもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにCO2添加水草水槽の油膜対策を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽の鑑賞性を損なう油膜は、水中の環境に変化があった時に発生しやすいです。
放置していると水質の急変などさらに大きな問題に発展する可能性があるため、しっかり対策をしましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、CO2添加水草水槽の油膜対策を解説します。
CO2添加水槽で油膜が発生しやすい!
油膜は、特にCO2を添加している水草水槽で発生率が高いと言われますが、これは水草を育成するための環境に原因があります。
水草水槽では植物の成長を促すため、水温をやや高めに液肥もたっぷりと与えて栄養豊富な環境を整えるのが基本です。
このような環境は、水草が元気でたくさんの栄養を吸収しているうちは問題ありませんが、ひとたび調子を崩すと水中のバランスが崩れて、栄養過多から水質の悪化などのトラブルに繋がることが少なくありません。
さらにCO2を添加している場合、水草の光合成が滞ると慢性的な酸欠を引き起こしやすいです。
そもそも油膜とは、死んでしまったバクテリアや過剰なたんぱく質、油分などが水面に浮いている状態のこと。
バランスを崩した水草水槽は酸欠でバクテリアが死滅し、水中の有機物を処理しきれなくなって、たんぱく質や油分が浮いてくるため、油膜が発生しやすいと考えられます。
特に水槽設置直後や追肥した後、照明・フィルターなど環境が変わった時は注意が必要です。
油膜が水草水槽にもたらす悪影響
油膜は、水面に水の汚れのようなものが浮いているだけなので、病気のように緊急性が高いトラブルというわけではありません。
しかし、上述した通りその原因には水槽バランスの崩れや水質の悪化が潜んでいることが多いため、放っておくと取り返しのつかない事態に進行してしまう可能性が高いです。
ここでは、油膜が水草水槽に与える影響を具体的に解説します。
溶存酸素や照明の照射効率が低下して酸欠になる
先程、酸欠が油膜の原因になるとお話ししましたが、油膜自体も酸欠を加速させる要因です。
油膜が水面を覆うことで空気中の酸素が水中に溶け込みにくくなります。
また、油膜には光を反射・遮断する性質があるため、照明の光が水草に届きづらくなって光合成が滞り、生み出される酸素量が減ってしまうのも問題です。
CO2を添加している環境で酸素の供給が減ると、あっという間に酸欠が進んで生体が二酸化炭素中毒を起こすリスクが高まります。
鑑賞性を損なう
水草水槽は美しいレイアウトや自然豊かな水景など、鑑賞性の高さを重視するジャンルです。
しかしせっかく手を掛けたアクアリウムも水面に油膜が広がると、照明が反射してぎらつきが生じたり、水面がくすんだように見えたりして台無しになってしまいます。
また、油膜が発生するような水質の異変を放っておくと、バクテリアの働きが鈍って水が汚れ、水草のコンディションに影響が出て、レイアウトの維持が難しくなることもあるのです。
油膜はアクアリウム全体の印象に大きく影響するばかりか水質にも影響を及ぼすため、できるだけ油膜を発生させない、取り除く努力を怠らないようにしましょう。
CO2添加の水草水槽でできる油膜予防
CO2添加をしている水草水槽は、性質上ちょっとした変化で油膜が発生しやすく、また油膜が原因で水質の悪化や酸欠などを引き起こす悪循環に陥りやすいです。
そのため、まずは油膜を発生させない予防に力を入れることをおすすめします。
夜間はエアレーションする
CO2を添加している水槽では、水草が光合成をしない夜間に酸欠が起こりやすいです。
そのため、夜間はCO2の添加をやめてエアレーションに切り替えると、油膜の予防になります。
エアーポンプにタイマーを設定すれば、毎日の管理も簡単です。
トリミングはほどほどにする
水草を頻繁にトリミングしすぎるのも良くありません。
葉の数が減り、養分の吸収量が減少すると、水質バランスが崩れて油膜の原因になることがあります。
また、切り口から分泌液が出て、飼育水をとろみを発生させるのも問題です。
特に水量の少ない超小型水槽では分泌液の影響が顕著なので、トリミングの頻度には注意しましょう。
養分を添加しすぎない
水草の成長に欠かせない養分を補うため使用する液肥や添加剤ですが、量が多すぎると油膜の原因になります。
特に栄養系ソイルを使用している水槽では、ソイルから水中に少しずつ養分が供給されているため、追肥する際は水草の状態などをよく確認してから適量を見極めて与えるようにしましょう。
また、鉄分が含まれる添加剤の場合、鉄分が過多になると”鉄バクテリア”と呼ばれる微生物が増殖して、水面に皮膜を形成することがあります。
油膜と似たような現象ですが、鉄バクテリア由来の膜は無臭で膜が割れても元に戻らないという特徴がありますので、このような膜が出現したら鉄分の供給量を見直してみてください。
ちなみに海外では油膜を防ぐために、サンゴ用のドーシングポンプを使用して添加量を厳密に管理する飼育方法が広がりを見せています。
フローパイプやスキマーを使用する
フローパイプやリリィパイプを使って水面に流れを作ると、油膜が散って目立ちずらくなります。
また、水面を適度に動かすことで空気中から酸素を取り込みやすくなるのもポイント。溶存酸素量が増えればバクテリアが活性化して、油膜ができにくくなるでしょう。
おしゃれなガラス製のリリィパイプなら、鑑賞性を損なうこともありません。
ちなみに、フローパイプで改善できない重度の油膜には『エーハイム スキマー』などの、油膜に特化した装置が効果的です。
油膜除去に効果的なアイテム4選
ここからは、油膜除去に効果的なアイテムを4つご紹介します。
油膜はアイテムを使うことで簡単に除去が可能です。ただ、根本的な原因を解決しないと繰り返し発生する可能性がありますので、除去アイテムを活用するとともに水槽環境の改善に取り組みましょう。
エーハイム スキマー350
『エーハイム スキマー350』は、水面近くのゴミや油膜を吸い込んで除去できる、水草水槽で定番のスキマーです。
吸引と同時に水中に酸素を供給できるので、水槽内の酸欠防止にも一役買ってくれます。
音が静かなので、リビングなどに設置しても気になりません。
本体がコンパクトな設計なので、30cm~60cmクラスの水槽でもスペースを圧迫せずに設置できるのもポイントです。
カミハタ リオプラス サーフェススキマー
90cm以下の中型水槽におすすめなのが『カミハタ リオプラス サーフェススキマー』です。
海水・淡水両用で、強い吸引力により頑固な油膜もすっきり取り除いてくれます。
流量の調整が可能で、水面の水を効率よく循環させられるので酸素を取り込みやすく、水槽内の環境を健全に保つ助けになるでしょう。
また、こちらの製品はCO2添加用のミキシングポンプとして使用できるのもポイントで、水草水槽では様々な形で活用できます。
本体サイズがやや大き目なので、設置スペースをあらかじめ確保しておくと安心です。
チョイス ユマクレス
手軽に油膜を抑制したい方には『チョイス ユマクレス』がおすすめです。
ろ過フィルターの吐出口に取り付けるだけで使用できるので、電源を使わずに油膜対策ができます。
本体を水槽に設置する必要が無いので鑑賞性や遊泳スペースを圧迫せず、小型水槽や水草水槽でも使いやすいです。
省エネかつ価格も手頃なため、初めて油膜対策グッズをお使いの方にも向いています。
ただ、こちらの製品は油膜を除去するのではなく、水流で散らして目立たなくするアイテムです。
一時的には効果がありますが、繰り返し油膜が発生する重度の場合には、スキマーを使用する方が確実でしょう。
キッチンペーパー
一時的に油膜を除去したいときは、キッチンペーパーが便利です。
油膜が張っている水面に、キッチンペーパーをふんわりと浮かべて数秒置き、ゆっくり引き上げるだけで、油膜がペーパーに吸着されて水面が一気にクリアになります。
電源や専用器具が不要で家にあるものですぐに試せるので、あまりお金をかけたくない場合や、軽度の油膜が出たときの応急処置にぴったりでしょう。
長期的な対策用のアイテムを購入するまでのつなぎにも最適です。
番外編:ブラックモーリー
油膜を食べて除去するブラックモーリーを飼育するのも、効果的です。
ブラックモーリーは、油膜以外にも糸状コケや黒髭コケなどの他の生体があまり口にしない汚れを進んで食べてくれるので、お掃除生体として多くの水槽で導入されています。
基本的には中性辺りの水質を好みますが、適応力が高くpH6.5以上ならば弱酸性傾向の水草水槽でも問題なく飼育が可能です。
繁殖力が高いので、油膜除去が目的ならば飼育匹数を1匹に留めましょう。
まとめ:CO2添加の油膜対策!水草水槽で油膜が発生する理由と対策方法を解説
CO2添加水槽の油膜対策について解説しました。
CO2を添加する水草水槽は調子を崩したときに油膜が発生しやすいです。
せっかく美しくレイアウトした水槽も、油膜があるだけで一気に鑑賞性が低下してしまいますので、
- バクテリアや水草の状態を意識すること
- 夜間のエアレーションや肥料バランスの見直し
- 水流を適度に作るためのパイプやスキマーの導入
といったことを意識して油膜対策に取り組みましょう。
油膜のない澄んだ水面は水草本来の美しさを引き立て、水槽全体の印象をワンランクアップさせてくれます。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考にして、理想の水草水槽を実現しましょう。
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