ブラックモーリーとは!特徴から品種、コケ取り、飼育についてまで解説
コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。
ブラックモーリーは、真っ黒な体色でシックな魅力があり、さらに藻類やコケを食べる習性から、アクアリウムの掃除係としても重宝されています。
水草水槽などで人気の淡水性熱帯魚です。
卵胎生メダカであるモーリーの仲間なので、繁殖も容易にできるなど単なるお掃除生体以上に飼育を楽しめます。
このコラムでは、ブラックモーリーの特徴から飼育のポイント、改良品種、繁殖についてまで、幅広く紹介していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにブラックモーリーを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
ブラックモーリーは観賞魚としてだけではなく、頑固な髭状コケなどを食べるお掃除生体としても人気です。
環境に慣れれば強健なので、導入時にさえ気を付ければ飼育しやすく、初心者でも長く飼うことができます。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ブラックモーリーについてを解説します。
ブラックモーリーとは
ブラックモーリーはグッピーと同じ卵胎生の熱帯魚です。
黒一色の体が特徴的で、改良により様々な種類が生み出されています。
生態と特徴
ブラックモーリーは草食性が強く、水槽に生えてくる藻類(コケ)を好んで食べるため、水草水槽のお掃除係として採用されることがあります。
また、やや気が強いところはあるものの、基本的には温和な性格で混泳に向いており、飼育は簡単です。
しかし、適した水質でないと体色が薄く褪せたり病気になったりするため、水槽掃除などは欠かせません。
体長約8cmほどと小型魚のなかでは大きめなので飼育水槽は、30cmキューブや45cm以上の水槽が適しています。
寿命は約3年ほどですが、繁殖が容易なので数代にわたって飼育できます。
ブラックモーリーの改良品種
ブラックモーリーには改良品種が存在しています。中でも人気の高い品種をいくつかご紹介します。
ちなみに、ブラックモーリーは正式な学名が決まっていないという、ちょっとミステリアスな魚です。
- Poecilia sphenops:メキシコ・グァテマラ原産のモーリー
- Poecilia latipinna:アメリカ南東部に生息するモーリーの仲間で、セルフィンモーリーのこと
- Poecilia velifera:中米に生息するモーリーの仲間。比較的大型。
これらが交雑した結果、ブラックモーリーが生まれました。そのため、体長などに個体差が生じることがあると言われています。
他の熱帯魚なら、突然変異の黒い個体を交配して・・・というように改良していくので、ブラックモーリーは特殊な魚種と言えるでしょう。
ブラックセルフィンモーリー
背ビレが大きな品種です。
オスは求愛行動時に背ビレをより大きく広げます。
一般的なブラックモーリーに比べると流通量が少ないですが、ユニークなシルエットが水槽のなかで映えます。
ブラックライヤーテールモーリー
尾ビレの先が長く伸びたシルエットが特徴のブラックモーリーです。
その美しさから人気が高く、水槽のアクセントにもなります。
尾ビレは繊細なので、水流や過密な匹数を飼育しないように気を付けて飼育しましょう。
ブラックバルーンモーリー
丸い体型が可愛らしい品種です。
その名の通りに丸みのある特徴的な体形は、水槽の中でユニークな存在感を放ちます。
しかし、一般的な品種に比べるとやや弱いので、飼育環境の清潔さや水流などには特に気を付けましょう。
ブラックモーリーはお掃除生体!
ブラックモーリーはシックな観賞魚としてだけでなく、お掃除生体としても優れています。
■ブラックモーリーが食べるコケなど
- 油膜
- 藍藻
- 糸状コケ
- 黒髭コケ
- アオミドロ など
糸状コケなど頑固な藻類を食べてくれる、数少ないお掃除生体です。
また、ブラックモーリーは適応できる水質が幅広く、弱アルカリ性傾向の水槽でも飼育可能です。
そのため、幅広い水槽で活躍できます。ただし、弱酸性傾向はあまり得意ではないので、pHが低い水槽への導入は控えましょう。
ブラックモーリーの飼育方法
ブラックモーリーは初心者にも飼育しやすい魚種ですが、適切な環境づくりが健康的な飼育につながります。
ここでは飼育のポイントをご紹介します。
飼育に最適な水質
- 水温:24~28℃
- 水質:中性~弱アルカリ性(pH 7.0~8.0程度)
- 硬度:やや硬水が理想的
- 水槽サイズ:最低30cmキューブ以上が望ましい
ブラックモーリーは、中性から弱アルカリ性の水質を好みます。
耐塩性も高く、慣れれば汽水や海水でも生息できると言われるほどです。そのため、体調不良の場合は『塩水浴』による養生ができます。
その反面、酸性傾向の水には弱く、pHが6.5以下の飼育水では弱ることがあります。
しかし、pH6.5以上なら水草水槽でも普通に飼育することが可能です。
ミナミヌマエビなど他のお掃除生体が導入できないような水槽でも活躍します。
ただし、急激な水質変化には弱いので、導入時にはしっかりと水合わせをおこない、導入後1カ月ほどはしっかりと様子を確認してやりましょう。
ブラックモーリーの餌
ブラックモーリーは雑食性が強く、人工飼料から生餌などを好んで食べます。
草食性傾向を持ちますが、標準的な熱帯魚用飼料も問題ないです。
たまに赤虫やブラインシュリンプなどの生餌を与えると活性が上がると言われるほど、基本的に何でもよく食べます。
しかし、給餌のしすぎは体調不良を招くため、餌の量は控えめにし、1日1回の給餌を心がけましょう。
ブラックモーリーの混泳について
ブラックモーリーは、比較的温和な性格の魚で、小型から中型の淡水熱帯魚との混泳に適しています。
コリドラスやオトシンクルス、グラミィなどと混泳できます。また、エビとも問題なく混泳可能です。
しかし、繁殖に差し掛かるとオスの気性が荒くなるため同種間で争うことがあります。
オス1に対してメス2程度の割合で飼育するとケンカを防ぎやすいです。
交雑種が生まれるのは稀ではありますが、基本的に交雑種には繁殖能力がないです。
交雑しないようにグッピーなどと飼育することは控えましょう。
ブラックモーリーの繁殖について
ブラックモーリーは、繁殖力が非常に高いのが特徴です。
ここでは、繁殖と育成のポイントを解説します。
ブラックモーリーは繁殖しやすい!
ブラックモーリーは卵胎生のメダカの仲間で、受精卵を体内で孵化させて稚魚を出産します。
オスとメスを一緒に飼育すれば自然と繁殖が行われるため、特別な手間はかかりません。
稚魚の数はメスが成熟するほど増えていき、最初は5匹程度の出産でも次第に数が増えていくことがあるのです。
そのため、繁殖力が高すぎて、飼育しきれなくなることも。
ブラックモーリーを殖やさない場合には、基本的に稚魚が生まれても隔離せず、そのまま淘汰に任せるのが良いです。
稚魚を育てる場合には親魚に食べられないよう、サテライトなどの隔離ケースを用意し、育成しましょう。
餌はブラインシュリンプがおすすめです。
オスメスの見分け方
ブラックモーリーのオスメスの見分け方は以下の通りです。
- オス:尖った肛門付近のヒレ(ゴノポディウム)を持つ
- メス:丸い尻びれを持つ、体に丸みがある
オスは肛門の付け根辺りに『ゴノポディウム』と呼ばれる尖った生殖器官を持ちます。
メスは稚魚がお腹にいると腹部がぷっくりと丸く膨らむため見分けやすいです。
まとめ:ブラックモーリーとは!特徴から品種、コケ取り、飼育についてまで解説
ブラックモーリーは真っ黒な体と優れたお掃除能力が魅力的な魚種です。
また、繁殖も楽しめますし、黒い体は水草のなかで存在感があり、水槽のアクセントにもなるでしょう。
飼育は比較的簡単ですが、繁殖力の高さと、オスのやや気の強い性質に気を付けると、より飼い込みやすくなります。
バランスの取れた飼育を心がければ、ブラックモーリーの魅力を十分に堪能できるはずです。
頑固な髭状コケに悩んだら、ブラックモーリーを導入すると解決しやすいでしょう。
お問い合わせ
水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス、
お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス、
水槽リニューアルサービスや水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。