
水草の成長を促す方法!照明・液肥などを使っても枯れる理由と対策
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SNSや雑誌で見かける水草水槽は、緑豊かな水草が活き活きとしていてとても美しいもの。
しかし実際に挑戦してみたらセオリー通りに肥料やCO2を添加しているにも関わらず、上手く水草が育たない、枯れてしまうといったお悩みを抱えてしまうケースは多いです。
一見簡単そうに見える水草育成ですが、品種によっては育てるのにコツが必要なものも多く、熱帯魚を飼育するのとはまた違った難しさがあります。
また、最近は水草育成に特化した照明や肥料が比較的安価で流通しており、誰でも水草水槽に挑戦しやすくなっていますが、一方でそれらを適切なタイミングで使うには経験や知識が必要不可欠です。
そこで今回は、水草の成長を促す方法を解説します。
照明や液肥、CO2添加器などを効果的に使用するコツなどをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水草の成長を促す方法を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水草を美しく健康的に育成するには、肥料や光、CO2など様々な要素を、適切なタイミングでバランスよく添加することがとても大切です。
液肥やCO2を添加していても枯れてしまう時は、タイミングや量を見直してみましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水草の成長を促す方法を解説します。
美しく育てる!水草の基本的な育成方法
水草の中には水槽に植えておくだけでぐんぐん成長してくれる、育成が簡単なものもありますが、より早く美しく水草を繁茂させたいときは、水草育成用照明、水草用肥料、CO2添加器を使って、十分に光合成ができる環境を整えてあげることが大切です。
また、適宜トリミングを行うことで、全体の成長具合やレイアウトのバランスを一定に維持できるでしょう。
ここではまず、水草の成長を促す基本的な育成方法をご紹介します。
水草育成用の照明を使用する
水草を健康に育てるには光合成が必須。太陽光を取り入れることができない水槽では照明を使って必要な光を確保しましょう。
水槽用の照明には主に熱帯魚などの色を良く見せる鑑賞用のものと、水草などの植物の育成を目的とした水草育成用のライトが販売されていますが、水草の成長を促したいときは、必ず植物用の照明を選定してください。
水草育成用の照明は、光量が鑑賞用のものよりも強く、植物に必要な光の波長や色味がバランスよく含まれています。また、光の種類を水草の種類や水槽環境に合わせて細かく設定できるので、効率よく健康的に水草を育てることができるというのもメリットです。
最近はより太陽光に近い光を照射できる、ハイスペックなLED照明も増えていて、育成が難しい水草にも挑戦しやすくなっています。
液肥・ソイルを使用する
水草の成長に欠かせない養分は、液体肥料(液肥)や栄養分を含んだ栄養系ソイルを使って補うのがおすすめです。
水草の養分と言えば水中で自然発生する硝酸塩が知られていますが、実はそれ以外にも窒素やリン、カリウム、微量元素などの様々な栄養を吸収しています。これらの成分は水槽内で自然に発生することが無いので、水草の状態に合わせて液肥で添加しましょう。
また栄養系ソイルを使えば、一定期間少しずつ水草に栄養を送ることができます。こちらは、水草を育てる基本的な栄養の補給に非常に有効です。
液肥やソイルは種類が豊富で、製品によって含まれている成分が異なります。水草が必要としている(現在不足している)栄養素は、水草の状態を見ることである程度予想ができますので、水槽内を観察しながらその時々に合った製品を使い分けると、水草を美しく育てることができるでしょう。
CO2添加をする
水草の成長を促すには、CO2の添加が効果的です。
水草は光合成を行う際にCO2を必要としますが、供給量が限られている水槽内ではCO2は不足しがちな要素の一つ。
特に水草絨毯やネイチャーアクアリウムのような、たくさんの水草を植えこむレイアウトではCO2の不足が深刻化しやすいため、CO2を人工的に添加して補いましょう。
CO2を添加する方法は、手軽な発酵式から設置まで手間とコストがかかりますが供給量が安定している強制添加方式(高圧ボンベ式)など、いくつか種類があります。
供給量が少なめで良い小型水槽やCO2添加を初めて使用するという方には、酵母の発酵を利用してCO2を発生させる発酵式がおすすめ。低コストで簡単に設置できるのが魅力ですが、CO2の量が安定しにくく、水草の種類によっては思ったような効果を得られない可能性がある点には注意が必要です。
強制添加方式は高圧ボンベを使用してCO2を添加する仕組みで、CO2の供給量が安定していることから、大型水槽や本格的な水草水槽に適しています。タイマーと組み合わせると、照明時間に合わせて効率的な添加ができるのもメリットです。
水槽の規模や目的に合った方法を選んで、理想的な環境を整えましょう。
定期的にトリミングをする
定期的なトリミングも、水草の成長を促進させます。
せっかく伸びたものを切ってしまうのはもったいないと感じるかもしれませんが、背丈が伸びすぎると光が根元や下草(前景草)に届きにくくなり、成長が妨げられることがあるのです。
特に背の高い水草は、こまめにカットしてバランスを整えることで健康的に育成ができるでしょう。
また、トリミングは水質の維持にも効果的です。
傷んだ葉やコケをそのままにしておくと水質を悪化させる原因になりますので、気づいたときにトリミングをして取り除くようにしてください。
それでも枯れる!水草が育たない理由と対策
水草が育つと言われる基本的な環境を整えているにもかかわらず、調子が上がらなかったり枯れてしまったりするときは、その他の部分に原因がある可能性があります。
例えば肥料をやり過ぎていたり、飼育している生体に食べられてしまったりしているなど、気づかないうちに水草の成長を妨げてしまう要因は多いです。
ここからは、基本的な育成のポイントを押さえているにもかかわらず水草が育たないときの理由とその対策をご紹介します。
水草が育たない理由とその対策を紹介しますので、参考にしてください。
コケが生えている!照明・追肥のやりすぎに注意
コケが多いと養分や光がコケに取られて、水草の成長が阻害されてしまいます。
水草水槽にコケが大量発生する要因が、照明と肥料のやり過ぎです。
例えば栄養系ソイルは使用を開始した直後は養分が豊富なため、このタイミングで液肥を追加すると養分過多になってコケが生えやすくなります。
水槽に添加されている養分の量を総合的に判断しながら、コケが多くなり出したら水換えをしてバランスを整えましょう。
また、照明の点灯時間が長すぎるのも問題です。1日8時間前後が目安ですが、太陽光や室内照明が差し込む環境では、水槽用照明の時間を管理していても光が過剰になっていることも。特に窓際はコケが繁茂しやすいので、水槽の設置場所には気を配りましょう。
ちなみに、コケ対策に効果的なコケ抑制剤は、まれに水草が影響を受けてしまうことがありますので、使用の可否をしっかり確認してから添加するようにしてください。
水温が不安定!気温を意識した管理をしよう!
水温が不安定なことも水草が育たない原因になります。
品種にもよりますが多くの水草は26℃前後の水温が一番安定しやすいと言われており、22~26℃の範囲で水温を維持するのがセオリーです。
ただし、この範囲内でも短時間で水温が激しく変化するような環境だと水草が調子を崩してしまいます。例えば、直射日光が当たる場所や室温の管理がされていない廊下や玄関などは、外気温に影響を受けやすく、水槽用ヒーターなどを使っていても昼夜で水温が変わってしまっていることがあるため注意してください。
また、季節に合わせた水温管理も大切で、寒い時期は水槽用ヒーターを、暑い夏には冷却ファンや水槽用クーラーを使用して水温を維持します。
特に夏場はエアコンを切るとすぐに水温が上がってしまうため、エアコンを24時間体制で稼働して室温を一定に保つのがおすすめです。
トリミングをしすぎている!カットは水流を意識しよう
水草の健康を守るために欠かせないトリミングも、やり過ぎると逆効果になります。
特に、新しく芽吹いた部分や成長途中の茎や葉を切ってしまうと水草の成長が止まって、枯れる原因になることも。
トリミングをするときは、必要な部分と不要な部分をしっかり見極めてカットしていくことが大切です。
枯れている個所や傷んでいる個所を中心に、水流や光の当たり方を意識してみると、トリミングが必要な場所がわかりやすいです。
水草で水の流れが遮られている個所や淀んでしまっているところ、光が届きにくい場所の葉を空くイメージでトリミングしていくと、水槽内の環境がよくなり水草の成長に繋がります。
また、脇芽を残すことも意識してみてください。有茎種は茎の途中から新しい芽が出るため、脇芽を残してカットすることで、成長がスムーズになります。
食害にあっている!飼育生体に合った環境を作ろう
熱帯魚やエビ類などを一緒に飼育している水槽では、生体が水草を食べてしまうことがあります。
食害の対象になりやすいのは、柔らかい新芽や弱っている葉です。特に新芽を食べられてしまっている場合は、それが原因で水草の成長が阻害されている可能性が高いので、しっかり対策をしましょう。
食害が起こる大きな要因として、餌不足や過密飼育が挙げられます。
飼育数が多いと餌が不足して、普段は水草を食べない種類でも柔らかい葉をかじってしまうため、水草水槽では満遍なく餌を行き渡らせることと、飼育数を少なめにすることを意識してみてください。
過密飼育は食害だけでなく水質の悪化を引き起こすなど、水槽に与える影響は大きいです。
水槽内のバランスを考え、過密気味なら別の水槽に分けるなど、生体、水草ともに適した環境を整えることを心がけましょう。
CO2添加の効率を上げるには
CO2添加をしている水槽ではちょっとしたポイントを意識することで、より効果的にCO2を活用することができます。
最後に、CO2の添加効率を上げるポイントを2つご紹介します。
拡散器の位置を調整する
CO2は水と触れる範囲が広いほどよく溶け込むため、拡散器を適切に配置することで効率を高めることができます。
このことから、拡散器はできるだけ水槽の底面に近い位置に設置するのが理想です。低い位置からCO2を放出することで、気泡が長時間水に触れて効率よく溶解します。
反対に拡散器が水面に近いと、CO2がすぐに水面から抜けてしまって無駄になりやすいため、この場合は設置位置を見直しましょう。
また、バブルカウンターを使って添加量を調整していても、本当に水中に溶け込んでいるのか判断しにくいときは、CO2チェッカーを活用します。
ADA製のものが有名ですが、HaruDesignの『CO2インジケーター』など様々なメーカーから販売されていますので、一つ持っておくと安心です。
pHを確認する
CO2がしっかり水中に溶け込んでいるか気になるときは、pHの値が水中の状態を把握する一つの基準になります。
CO2は酸性傾向の水に溶け込みやすいという性質があるので、pHが弱酸性程度に保たれているならば、問題なく効果が出ている証拠です。
一方、pHが高めなときはCO2が溶けにくくなっていて、効率が下がってしまってる可能性があります。
pHが下がらない原因として考えられるのが、KH(炭酸塩硬度)が高いことです。KHはpHを安定させる働きをする、通常ならばありがたい存在。しかし、CO2添加をしていてもアルカリ寄りの水質になっているときは、KHが少し高すぎる可能性があるため、水換えや水質調整剤を使ってKHが下がるよう調整してみましょう。
まとめ:水草の成長を促す方法!照明・液肥などを使っても枯れる理由と対策
水草の成長を促す方法を解説しました。
水草の成長を促進するには、まず、照明や肥料、CO2添加などの基本的な水草育成環境を整えましょう。
ただしやり過ぎは禁物で、肥料やトリミングが過剰だと水草が枯れる原因にもなります。適した量やタイミングなどを見極めることが大切です。
またCO2添加は、拡散器の位置を意識したりpHを確認しながら水質を調整したりすることで添加効率が上がり、水草により効果的にアプローチできるようになります。
適切な管理をして、美しい水草水槽を楽しみましょう。
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