アクアリウムコラム
水槽用冷却ファンのお悩み5個を解決!水槽用クーラーとの違いも解説のサムネイル画像

水槽用冷却ファンのお悩み5個を解決!水槽用クーラーとの違いも解説

コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。

夏の暑い季節、気温の上昇とともに頭を悩ませるのが、水槽の高水温問題です。

日光の影響を直接受けることが無い室内の水槽でも、設置場所やエアコンの使用状況によっては水温が30℃を超えるようなケースが少なくなく、水温の上昇を抑える対策が必須となります。

室内水槽の高水温対策としては、冷却ファン水槽用クーラーを使って水温を管理するのが一般的です。

中でも冷却ファンは安価で水槽スタイルを問わず設置できることから、気軽な水温対策として人気があります。
しかし、実際に設置してみると思うように水温が下がらないといった問題に直面する方が多いのも事実です。

そこで今回のコラムでは、水槽用冷却ファンに関する5つのお悩みと解決策、そして水槽用クーラーとの違いをまとめて解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽用冷却ファンに関するお悩み5つを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

小型水槽にも設置できて取り扱いが簡単な水槽用冷却ファンは、真夏のアクアリウムの強い味方です。
疑問点を解消して、暑い夏を乗り切りましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽用冷却ファンに関するお悩み5つを解説します。

水槽用冷却ファンのお悩み5個


水槽用冷却ファンは、水面に風を当てて水を冷やすシンプルな仕組みの機材で、誰でも簡単に設置できる一方、環境を整えないと思ったような成果が出ないことがあります。
また、ファンの動作音見た目など性能以外の部分が気になるというお悩みもあるでしょう。

ここでは、そんな水槽用冷却ファンに関する良くあるお悩み5つとその解決策をご紹介します。

お悩み1:水槽の水があまり冷えない

【Amazon.co.jp 限定】 [山善] サーキュレーター 静音 10畳 左右首振り 上下角度調節 風量3段階調節 (換気/空気循環) ブラック AAS-KW15(BK)

水槽用冷却ファンを設置しても、あまり水温が下がらないことがあります。
これは、冷却ファンが水温を下げる仕組みと水槽を設置している環境が合っていないことが原因です。

水槽用冷却ファンは、水面に風を当てて発生する気化熱で飼育水を冷却します。
このとき、水槽周りの気温が高いと風を当てても効果が出づらくなってしまうのです。人間が体温よりも暑い気温の中で扇風機を回しても、涼しく感じられないのと同じような原理と考えると想像しやすいのではないでしょうか。

設置場所により左右されますが、基本的に水温は周辺気温-2℃程度で推移することが多いため、水槽自体を涼しい場所に移動したりエアコンやサーキュレーターを併用したりして、部屋の熱気や湿度がこもらないように工夫すると冷却ファンの効果を得やすくなります。

お悩み2:ファンの音が気になる

寿工芸 コトブキ工芸 スポットファン 204

設置環境によっては、ファンの動作音が気になることがあります。
特に大型の製品は空気抵抗が大きく、それに伴って動作音も大きくなりがちです。

ただ、残念なことに既存の冷却ファンの音を小さくするのは難しいため、別の角度から音が気になりづらくなる対策をします。

一つ目の方法が比較的音の小さい、パワフルな小型機種やスポットタイプの冷却ファンに買い替えることです。本体サイズを小さくすることで音を抑えられます。

次に、水槽の設置場所を変更すること。例えば静かな寝室で冷却ファンを稼働すると眠りの妨げになりますが、生活音のするリビングや廊下などならばそこまでファンの音が気になることはないでしょう。

もし、上記の2つの対策を行うのが難しい場合は冷却ファンの使用をやめて、エアコンによる室温管理や後述する水槽用クーラーの導入を検討するのも方法です。

お悩み3:飼育水の減りが早い

先程、冷却ファンで水を冷やせる原理に気化熱があるとご紹介しましたが、気化熱とは水が蒸発するときに熱を吸収する現象のことです。
つまり、水槽に冷却ファンを当てると気化熱が促進されて水がどんどん蒸発するため、普段よりも水の減りが早くなります

特に暑い季節は、水位が下がると水質悪化が進みやすくなるため、こまめに足し水をして水位を保ちましょう。
ちなみに足し水にも水温を下げる効果が期待できます。

お悩み4:見た目がかさばる

水槽の上部に設置する冷却ファンは、どうしても視界に入りやすく水槽全体が野暮ったい印象になってしまいがち

最近は、その点を考慮した鑑賞の邪魔にならないスマートなデザインの冷却ファンが各アクリウムメーカーから登場していますので、鑑賞性を重視する方は、デザインで冷却ファンを選択しましょう

それでも気になる場合には、水槽上部をスッキリできる水槽用クーラーがおすすめです。

お悩み5:フレーム付き水槽で使用できない

エヴァリス 自動冷却ファン サーモ&フロー TX60

水槽用冷却ファンは、元々はフレームレスの小型水槽に設置することを想定して開発された機材で、現在でもフレームレス用の製品が主流です。

ただ、全く使用できないわけではなく『エヴァリス 自動冷却ファン サーモ&フロー TX60』や『GEX アクアレイクール コンパクト』など、フレーム水槽に対応した冷却ファンも多数販売されています。
フレーム水槽をご使用の場合は、対応水槽を確認の上で冷却ファンを選びましょう

水槽用冷却ファンと水槽用クーラーの違い


水槽の水を冷やすアイテムとして冷却ファンと並んで人気なのが、水槽用クーラーです。

どちらも水温を下げる目的で開発された機材ですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
どちらを導入するか迷っている方は、2つの機材の違いを把握できれば生体に合ったアイテムを選びやすくなるはずです。

ここでは、水槽用冷却ファンと水槽用クーラーの違いについて解説します。

冷却力の違い

冷却ファンと水槽用クーラーでは、冷却力に大きな違いがあります

ご紹介してきた通り、冷却ファンは気化熱を利用して水温を下げるため飼育水を直接冷やすことができません
一方水槽用クーラーは、循環してきた水を本体の冷却器で設定した温度まで冷やして水槽に戻す仕組みなので、希望の温度まで確実に水温を下げることができます

このことから、繊細な温度管理が求められる海水魚やサンゴ、シュリンプを飼育する水槽では、水槽用クーラーの設置がおすすめです。
一方冷却ファンは、メダカや金魚などの適応できる水温幅が広く高水温にも強い生体を飼育する水槽が向いています。

静音性・排熱の違い

動作音排熱にも違いがあります。

稼働音については、ファンが回る音がメインの冷却ファンに対して、水槽用クーラーはブオーッという排気音がすることが多いです。

音がするという点ではどちらも同じですが、静音性が高いのは水槽用クーラーの方。カバーがある分遮音されますし、さらに水槽台の中に収納してしまえば、ほとんど音を気にすることなく使用ができるでしょう。

また、水槽用冷却ファンは飼育水が蒸発するため室内の湿度が上がりやすく、水槽用クーラーは放熱することから室温自体を上昇させやすいです。
排熱に関してはどちらの機材も、室内の換気をしっかり行うことで対処できます。

本体サイズや扱いやすさの違い

ゼンスイ 水槽用外掛け式ペルチェクーラー カケル(KAKErU) 小型水槽~30cm水槽 冷却ファン クーラー

コンパクトさや設置の手軽さでは、水槽用冷却ファンの圧勝です
大型水槽に対応した機種でも水槽のフチに引っ掛けて使用できるくらいのサイズ感ですし、電源を入れるだけで使用できるので、誰でも簡単に扱えます

水槽用クーラーは、本体サイズが大きいものが多く、水槽台の下に設置スペースの確保が必須です。また、外部式フィルターに接続して使用するタイプが主流なので、そもそも設置できる条件を満たしていない水槽も多いです。

ただ、近年は小型水槽や外部式フィルター以外のろ過方式でも使用ができるゼンスイ KAKErU (カケル)』といった商品が登場しており、水槽用クーラーの新たな選択肢として注目を集めています。

消費電力の違い

水槽用冷却ファンと水槽用クーラーを同じ時間稼働した場合の電気代を単純に比較すると、冷却ファンの方が省エネです。
ただ、冷却ファンとエアコンを併用するとなると、水槽用クーラー一台で稼働した方が安く済む可能性があります。

このことから、常に人がいてエアコンを稼働している時間が長い部屋の水槽ならば、冷却ファンで管理するのも良いですが、水槽のためだけにわざわざエアコンを稼働させるのであれば、思い切って水槽用クーラーを設置するのがおすすめです。

対応できる水量の違い

一般的に小型水槽には冷却ファン中型~大型水槽には水槽用クーラーが向いていると言われていますが、これは対応できる水量や飼育生体の違いによるものです。

水量の少ない小型水槽は、外気温の影響を受けやすい分、室温をエアコンで管理していれば冷却ファンだけで十分に水温を維持できる可能性があります。また、小型水槽で飼育される生き物はメダカや金魚、アカヒレなどの比較的水温変化に強い魚種が多く、多少水温管理がアバウトでも問題なく飼育が可能です。

一方水量が多い大型水槽は、室温管理と冷却ファンだけでは全体を冷やしきれず、水槽内で場所によって水温差ができてしまいます。海水魚や飼育難易度が高めの熱帯魚は水温の変化によるダメージを受けやすいので、水槽用クーラーを使った精密な水温管理が向いているでしょう。

飼育生体に合わせて冷却機材を選ぼう


水槽の冷却機材は、水槽内の生体を快適に、そして安全に飼育できるかを最優先に考えて選定してください。

例えば水温26℃が適温の熱帯魚を飼育する水槽を冷却ファンだけで管理すると、水温が上がってしまったときに生体に大きなダメージを与える危険があります。また、水温の上昇は酸欠や水質の悪化など水槽全体に悪影響を及ぼすため、水をしっかり冷却できるだけのパワーを持った機種かどうかも確認が必要です。

猛暑日が続く近年、水槽冷却機材はほとんどの地域で必須アイテムとなっています。
本格的な暑さが訪れる前に、飼育生体に合わせて最適な機材を準備しましょう。

まとめ:水槽用冷却ファンのお悩み5個を解決!水槽用クーラーとの違いも解説


水槽用冷却ファンは、安価で購入できて設置もしやすい便利なアイテムです。
気化熱を利用していることから、設置環境によってはあまり冷えない、音や見た目が気になる、飼育水が減ってしまうなどの悩みが出てくることもありますが、工夫次第で最大の効果を引き出すことができます

基本的には、周囲の温度がなるべく低く抑えられる場所に水槽を設置し、水槽サイズに合った冷却ファンを選ぶことが重要です。
また、同じように水温を下げることができる水槽用クーラーにも様々なメリットがあるため、水槽用ファンとの違いを理解し、生体や水槽サイズに合った適切な冷却方法を選択してください。

基本的には小型水槽には冷却ファン60cmを超えるサイズの水槽には水槽用クーラーがおすすめです。

水槽で生体を健康的に飼育するため、冷却アイテムを早めに用意しておきましょう。

コメントする

コメント時の注意事前にご確認ください
  • 商品・製品に関するご質問はメーカーや販売店にお問い合わせください。
  • アクアリウムの管理、熱帯魚に関するお電話でのご質問は承っておりません。
  • 魚の病気・トラブルに関するご質問は、飼育環境ごとに対策が異なるため、正確にお答えすることはできません。
  • 1つのご相談内容につき、1回のご返信とさせていただきます。
  • コメントへの回答はお時間をいただく場合がございますので予めご了承ください。
  • 返信はコメントをご投稿いただいたページ上でさせていただきます。
  • ご入力いただいたメールアドレスは、サイト上に掲載されることはありません。
  • お名前はニックネームでも大丈夫です。サイト上に掲載されますので、ご希望のお名前をご入力ください。

執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

facebook twitter instagram youtube tropica

お問い合わせ

サービスのお問い合わせ・見積依頼

水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス 水槽リニューアルサービス水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。