餌になるミジンコの種類!餌におすすめの種類とよくある疑問を解説
コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。
メダカを始めとした小型観賞魚の餌として人気のミジンコは、種類が非常に豊富な生き物で、国内だけでも100種類以上の品種が確認されています。
実はメダカの餌として利用できるミジンコは、この中のほんの一握りであり、ほとんどの品種が餌に適さないということは意外と知られていません。
身近で採取できるミジンコの中にも硬くて食べられなかったり、餌用の微生物を食べてしまったりする少し厄介な品種がいるため、餌としてミジンコを採取するときはしっかり品種を見極めて利用すると安心です。
ここでは、観賞魚の餌として与えることができるミジンコの品種をご紹介します。注意したい品種やミジンコを与える上でよくある疑問にもお答えしていきますので、参考にしてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに魚の餌になるミジンコの種類を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
栄養豊富で小型魚の餌におすすめのミジンコですが、実は魚が食べる品種はごく一部です。
採取するときは、食べの良い最適な品種を選びましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚の餌になるミジンコの種類を解説します。
魚の餌におすすめなミジンコ
観賞魚の餌として与えられるミジンコは、基本的に表皮が柔らかくて小型魚でも食べやすいサイズ感の品種です。
ここでは、餌におすすめのミジンコを3種類ご紹介します。
餌として人気のミジンコは、流通が確立していて簡単に購入することができます。品種を見分ける自信がないときは、市販のミジンコを購入して家で培養すると安心です。
ただし、市販されているミジンコは外国産の品種が混ざっていることもあるため、絶対に自然に放流することのないよう取扱いには十分注意しましょう。
タマミジンコ
魚の餌として一番ポピュラーなのがタマミジンコです。アクアリウムでミジンコというと、大抵はタマミジンコのことを指します。
体長は1mm程で表皮が柔らかいので小型魚の成魚や、少し成長したメダカの幼魚の餌におすすめです。
栄養が豊富で消化も良いので、特にメダカの育成や繁殖をしている現場では重宝されています。
寿命は8~18日程度、条件を整えればペットボトルなどでも培養ができますが、他のミジンコに比べて水質や水温にシビアな面があるため、継続して管理していくにはコツがいります。
定期的に間引きとリセットをするのが、上手に培養するポイントです。
体が赤みを帯びているため、十分に増殖していると水全体が茶褐色に染まります。
ミジンコの培養については、こちらのコラムも参考にしてください。
タイリクミジンコ
タイリクミジンコは、中国が原産の少し大きめのミジンコです。
体長3~4mm程度まで成長するので食べ応え抜群、メダカや小型魚の成魚の餌として活用できます。
実際、乾燥ミジンコとして販売されているもの多くは、タイリクミジンコが原料となっています。
タマミジンコに比べて水質の変化に強く簡単に培養できるので、初めてミジンコの培養に挑戦する方にもぴったりです。稚魚や幼魚の育成には少し大きいですが、成魚ならば幅広い魚種に与えることができるので、おやつや繁殖前の増量にも使用できます。
ちなみにタイリクミジンコは寿命が40日と長めで肉眼でも姿をはっきり確認できることから、鑑賞・観察用に飼育する方も多いです。
オオミジンコ
金魚などの大きめの観賞魚の餌としておすすめなのが、オオミジンコです。
体長は最大で5mm程度と微生物の中ではかなり大きめでしっかりしているので、観賞魚のお腹を満たすのにも十分、栄養価が高いので魚を健康に大きく育てたいときに重宝します。
元々は北米や中国が原産で日本には自生していない品種でしたが、現在は琵琶湖で生息が確認されているようです。
また、オオミジンコも水質の悪化に強く寿命が長いので、自宅で培養しやすいでしょう。
余談ですが、日本最大のミジンコはノロという生き物で、約2cm程まで成長します。
他のミジンコとは似ても似つかない、透明で十字架のような構造をした体が特徴的な面白い生き物なので、機会があれば鑑賞してみてください。
魚の餌におすすめできないミジンコ
栄養豊富なミジンコですが魚が好んで食べるのはごく一部の品種で、ほとんどは水槽に入れても食べることができません。
中には、水槽の中で増えて鑑賞性を損なう原因になってしまうミジンコもいるため、品種をよく確認してから与えるようにしましょう。
ここでは、魚の餌にできないミジンコの中から田んぼなどで採取できる身近な品種を2種ご紹介します。
カイミジンコ
カイミジンコは、日本の田んぼなどでも採取できる身近な微生物です。
名前にミジンコとついていますが、生物学上は貝形虫と呼ばれる別のグループに属する生き物で、二枚貝のような殻に体を覆われています。
大きさは1mm程度、肉眼では黒い粒のように見えるので、田砂などに混入して水槽に侵入することがも多いです。
魚の口に入る大きさではありますが、殻が硬く食べづらいので、好んで捕食する生き物はあまりいません。仮に食べられたとしても消化に悪いので、良い餌にはならないでしょう。
悪さをする生き物ではないので魚と共存は可能ですが、見た目があまり良くないため、鑑賞性を考慮するならば駆除することをおすすめします。
駆除するならば、脱皮阻害の効果がある魚病薬の『レスバーミン』が有効です。
ケンミジンコ
日本の貯水池などで採取できるケンミジンコは、大きさは1~1.5mm程度のカブトエビのような姿をした微生物です。こちらも一般的なミジンコとは別種となります。
メダカの成魚や熱帯魚の中にはケンミジンコを捕食する固体もいますが、基本的には殻が硬めなので進んで与える必要はありません。
動きが速いので、稚魚や幼魚だと捕まえることもできない可能性が高いでしょう。
ケンミジンコが餌に不向きと言われる最大の理由が、肉食性であるという点です。
特に魚の活餌を培養している水槽に混入してしまうと、せっかく増やした微生物がケンミジンコに食べられてしまうため、ミジンコ培養の天敵として扱われることも。
ケンミジンコも田砂などに混ざって意図せず水槽に混入することが多いので、もし発生したら魚に食べてもらって地道に数を減らしていくのが良いです。
ミジンコのよくある疑問3つを解説
魚の餌としてミジンコを管理していると、培養の仕方や与え方についてちょっとした疑問を持つこともあるでしょう。
最後に、ミジンコを魚の餌とするときによく上がる疑問を3つ、回答を添えてご紹介します。
疑問1:ミジンコにはエアレーションはいらない?
ミジンコを培養するときに、エアレーションを設置した方が良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
結論から言うとミジンコの培養にエアレーションは必要ありません。
ミジンコも生き物なので酸素を消費しますが、その程度の量ならば水中の植物プランクトンが作り出す酸素で十分賄えるからです。
また、遊泳力が低いミジンコはエアレーションの出す水流に流されて餌を捕食できず、かえって消耗させてしまう可能性も考えられます。
もし、ミジンコ水槽の酸欠が気になるようならば、定期的に水換えや間引きをして酸素量とのバランスを取るのがおすすめです。どうしてもエアレーションをするときは、パワーの弱い優しい機種を選びましょう。
疑問2:ミジンコが原因で魚が死ぬことがある?
「ミジンコを与えたら魚が死んでしまったと」という話から、ミジンコは魚に悪影響なのではないかと不安を抱く方もいるかもしれません。
こちらも結論からお話しすると、ミジンコが魚を死なせてしまうことはないので、安心して使用して大丈夫です。
ではなぜ、ミジンコを与えたタイミングで魚が死んでしまったのかというと、原因はミジンコを飼育していた飼育水にあると考えられます。
ミジンコを培養する容器は、ろ過フィルターやエアレーションを設置していないことが多いので、水質が悪くなりやすく、また、魚の水槽とはそもそも水質が違います。
このような水が、ミジンコと一緒に水槽に混入してしまうと水質が急変して、魚がショックを起こしてしまうことがあるのです。
ミジンコを安全に与えるためには、専用ネットやコーヒーフィルターでミジンコだけをこし取った上で軽くすすいでから与えるのが良いでしょう。
また、ミジンコ水槽の水質が極端に悪化しているときは、無理に魚に与えず、一度リセットしてから、改めて魚の餌とするのがおすすめです。
疑問3:ミジンコは屋外でないと増えない?
ミジンコの培養容器を設置する場所は屋外をおすすめされることが多いですが、室内でも工夫次第でミジンコを飼育することができます。
ミジンコの培養で屋外が推奨されるのは、餌となる植物プランクトンを増やすのに、日光が十分当たる屋外の方が都合が良いからです。
つまり、室内でも日光が当たる窓際に容器を設置したり、水槽用の照明を設置したりすれば問題なくミジンコを培養できます。もし予算に余裕があるならばより太陽光に近い、水草育成用のライトを用意すると効率的です。
また、室内は一年を通して室温が安定しているので、冬でもミジンコを増やせるといったメリットもあります。
ただ、ミジンコの培養液は独特な臭いがするため、室内だと気になるかもしれない点には注意しましょう。
まとめ:餌になるミジンコの種類!餌におすすめの種類とよくある疑問を解説
観賞魚の餌となるミジンコの種類をご紹介しました。
たくさんの種類がいるミジンコの中で、魚の餌としておすすめなのは、
- タマミジンコ
- タイリクミジンコ
- オオミジンコ
の3種類です。
どれも食べやすくて栄養満点ですので、魚のサイズに合わせたミジンコを選んでみてください。
反対に、砂などに混ざって水槽に混入するカイミジンコやケンミジンコは、硬くて餌には不向きです。これらのミジンコは身近な場所でも採取できるため、もし餌を採取する際はしっかり種類を確認するようにしましょう。
餌にできるミジンコを確実に入手したいときは、ショップやインターネット通販を利用するのが一番です。
ミジンコを上手に使って健康な魚を育てましょう。
お問い合わせ
水槽や機材、熱帯魚のレンタル・設置・メンテナンスがセットになった水槽レンタル・リースサービス、
お手持ちの水槽をプロのアクアリストがメンテナンスしてくれる水槽メンテナンスサービス、
水槽リニューアルサービスや水槽引っ越しサービスなど様々なサービスがございます。
お見積りは無料となっておりますのでお気軽にお問い合わせください。