メダカの餌・目的別5選！繁殖、育成、消化に良い餌を厳選して紹介

近年のメダカ人気の高まりとともに、メダカの飼育グッズも数多く販売されるようになりました。
中でも餌は、各メーカーから様々な効能が謳われた商品が販売されており、かなりの種類となっています。

繁殖用、消化に良い餌、色揚げ用など、用途別に分けられてはいますが、飼育しているメダカにはどの餌が合うのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

メダカの餌選びに迷ったときは、飼育の目的やメダカの成長段階などを考慮して選ぶことが大切です。

今回のコラムでは、メダカ専用餌のおすすめを目的別に5種類ご紹介します。
また、最適なメダカの餌の選び方や餌の与え方についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカの餌・目的別5選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

メダカの餌は各メーカーから目的別に販売されている人工餌や、冷凍餌、ミジンコなどの生餌などとにかく種類が豊富です。
どの餌を与えるか迷ったときは、メダカの大きさや目的に合ったものを選びましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカの餌・目的別5選を解説します。

メダカの餌！目的別のおすすめエサ5選

メダカ飼育の楽しみ方は多様化しています。

美しい改良メダカを誰でも購入できるようになったこと、飼育方法が広まりご家庭でも繁殖や品種改良に挑戦できるようになったことなどから、ただ飼育するだけではなく、目的をもってより良いメダカを育てたいと考える方が増えているのです。

そして、その目的を達成するためにはメダカの状態に合わせた餌が欠かせません。

ここでは5つの目的別におすすめの餌をご紹介します。

飼育しているメダカに合わせた餌を選ぶことは、病気予防や繁殖促進につながりますので、せひ参考にしてみてください。

飼育用：キョーリン メダカプロス

メダカを健康的に飼育できる汎用的な餌をお探しの時は、キョーリンの『メダカプロス』がおすすめです。

善玉菌の一種であるひかり菌がメダカの腸内環境を改善し、消化不良などの不調を予防します。
また、ひかり菌が含まれた状態で排出されるフンは水中で分解されやすくなるため、水を汚しにくいのもポイントです。

栄養バランスに優れた餌で消化も良いため、成魚のメダカならばこの餌だけで終生飼育することができます。
20gの少量から販売されており、小型水槽で少ない数のメダカを飼育する場合にも使いやすいです。

繁殖用：タマミジンコ

産卵や繁殖には体力が必須。そのため、親魚となるメダカは栄養を蓄えて、繁殖までにしっかりとした体格を作り上げる必要があります。
そんな繁殖用のメダカには、栄養価の高いタマミジンコが最適です。

屋外飼育限定の餌ではありますが、生餌であるタマミジンコを食べたメダカは色艶良く育ちやすいです。また、メダカの大好物で嗜好性が高いので食いつきが良く、仮に食べ残しがあっても生きているタマミジンコならば、水質を悪化させにくいといったメリットがあります。

健康状態の良いメダカは産卵数が多く、孵化率も高いと言われています。繁殖を効率よく進めるためには、親魚の体格を意識した餌やりが大切です。

稚魚育成用：ゾウリムシ

メダカの稚魚に最も向いている餌は、ゾウリムシです。

卵から孵ってすぐの小さなメダカ達は、食べられる餌が少なく餓死してしまうことが多いので、栄養価が高い餌をどれだけ食べさせられるかが重要となります。
栄養豊富でサイズが小さいゾウリムシは、メダカが針子サイズの頃から与えることができるうってつけの餌というわけです。

ただ、ゾウリムシを培養する液が水槽に混入すると、メダカの健康を害してしまう可能性があるため、スポイトではなく細かい網でゾウリムシをすくい、きれいな水で洗ってからメダカに与えるようにしてください。

老魚用：メダカ膳 メディメダカIGA

健康が気になる老魚には、免疫力向上の効果が期待できる『メダカ膳 メディメダカIGA』をおすすめします。

メディメダカIGAには、粘膜を増強してエロモナスなどのウイルスへの耐性を高める効果があるため、水温や水質の変化で体調を崩しやすい老魚の健康サポートに最適です。

栄養価が高くバランスが良いので、少量でも十分な体力をつけさせることが可能、老魚以外にも体作り中の稚魚や若魚の飼育にも使用されています。

水温が不安定な時期用：メダカの舞　メンテナンス

水温が不安定になるとメダカの活性が落ち、消化・運動機能が低下します。このようなときは、メダカに負担を掛けない餌を選ぶのが良いでしょう。

『メダカの舞 メンテナンス』は、メダカが食べやすい小粒サイズで、消化もしやすいです。
また、長い時間水面に浮いているので、メダカの食欲が落ちていて餌を食べるのに時間がかかったとしても、食べ残しが少なくなるように工夫がされています。

水温が不安定な春や秋口は、温かい季節より餌を与える頻度・回数を減らして、消化に良い軽い餌を様子を見ながら少しずつ与えてみてください。

また、このような粒が均一で細かい軽めの餌は、体の小さな稚魚や病中・病後のメダカにもおすすめです。

メダカの餌の選び方

メダカの餌は、飼育の目的や気温などに合わせたものを選ぶのが基本ですが、その他にもいくつか考慮すべきポイントがあります。
また、プランクトンなど一部の餌は与えられる環境が制限される点にも注意が必要です。

ここでは、メダカの餌選びで大切となるポイントについて解説します。

改良メダカは品種や体格に合わせた餌を選ぼう

体色や体型が特徴的な改良メダカの飼育では、その特徴に合わせた餌を選ぶことが大切です。

例えば、楊貴妃などの体色の濃いメダカには色揚げ用の餌を与えると、鮮やかな体色に磨きがかかるでしょう。
ダルマメダカといった胴が丸く短めのメダカは消化不良を起こしやすいので、常に『メダカの舞 メンテナンス』などの消化に良い餌を与えると、体調を崩しにくいです。

改良メダカはデリケートな品種も多いので、メダカの特徴を良く知ったうえでの餌選びを心がけましょう。

飼育場所に合わせた餌を選ぼう

メダカに与えられる餌は大きく分けて、人工餌、冷凍・乾燥餌（冷凍アカムシなど）、生餌（ゾウリムシ、ミジンコなど）の3種類がありますが、このうち生餌は、ろ過フィルターを設置した室内水槽では使用できません。

プランクトンがろ過フィルターに吸い込まれてしまい、ろ過を妨げて水質の悪化を引き起こす可能性があるからです。
室内飼育でろ過フィルターを設置しているのならば、人工餌をメインにたまにアカムシなどを与えるのが管理がしやすいでしょう。

一方屋外のビオトープなどでは、人工餌を与えすぎによる水の汚れに注意が必要です。
屋外飼育の場合、ミジンコやゾウリムシ、グリーンウォーターといったプランクトンを培養しやすいので、これらの生餌を中心に、栄養バランスを保つための人工餌を折り混ぜながら与えていくのがおすすめです。

メダカの餌の与え方

メダカの餌は、人工飼料の場合1日2～3回、2～3分で食べきれるほどの量を与えるのが基本です。

ミジンコなどの生きた餌を与える場合は、メダカが好きなタイミングでいつでも食べられるように、たっぷりと入れてあげると良いでしょう。
屋外飼育であれば生きた餌は管理がしやすく、餌をいつでも食べることができるので、たくさん食べさせたい繁殖用の親メダカや稚魚の育成に最適です。

ただし、水温が18℃を下回る低水温の環境では、メダカの活性が下がり食欲も無くなるので、餌の種類に関わらず少なめにしてください。特に昼間は気温が上がっても朝晩が冷え込む季節は、メダカに負担がかかりやすいので、様子を見ながら餌量を調整しましょう。

また、何となく餌の食べが悪い個体や老魚、病み上がりのメダカは、無理に食べさせると消化不良から体調を崩してしまう可能性があるため、慎重に餌の量を調整することをおすすめします。

まとめ：メダカの餌・目的別5選！繁殖、育成、消化に良い餌を厳選して紹介

今回は目的別におすすめのメダカの餌をご紹介しました。

メダカを美しく、健康的に育成するためには、餌選びが重要です。
タマミジンコやゾウリムシなどの生きた餌は、栄養をたっぷり蓄えたい稚魚や繁殖用の親メダカの育成に向いています。屋外飼育では積極的に与えていきましょう。

一方、ろ過フィルターを設置した室内の水槽ならば、栄養バランスの取れた人工飼料が使いやすいです。

また、気温やメダカの体型によって消化に良い食べやすい餌を選んで与えると、体調不良を予防できます。

メダカにとって最適な餌の種類は、飼育の目的や成長段階、品種、飼育環境によって変わります。
今回のコラムでご紹介した様々な餌を季節や成長段階に合わせてバランスよく与えて、美しいメダカをじっくり育成していきましょう。