
水槽に害虫を発生させない!駆除と水草を安全に植え付けるためのポイント
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ある日気づいたら、水槽の中に入れた覚えのない巻貝や、虫が発生していた…これがアクアリウムによくあるトラブルの一つ、害虫の発生です。
スネールやプラナリアと呼ばれる害虫は、水槽の見た目を損なうだけでなく、種類によっては生き物や水草に影響を及ぼすこともあるため、見つけたらすぐに対策を行う必要があります。
また、害虫は水草に付着していてそこから水槽に入り込むケースが多く、害虫を発生させないためには、水草を植え付ける前に正しく処理をしてから植え付けることが重要です。
ここでは、水槽に発生する害虫の駆除方法と害虫を混入させないための対策についてご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽に発生する害虫についてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
- 害虫は水草などに紛れて、水槽に入ってしまうことがあるよ!水草導入前には必ず洗浄や確認をしよう!
- 水槽の害虫駆除には、肉食性の強い生き物が有効!スネールなどを食べる魚も存在するよ!
- プラナリアは特にしつこい害虫!早期に対処しよう薬剤や水換えなどで減らしていこう
- 水槽に発生する、しつこい害虫の種類と駆除方法スネールやミズムシなどの駆除方法を解説!
水槽に発生するスネールやプラナリアなどの害虫は、放っておくと大増殖することもありますので、見つけたら確実に除去しましょう。
また、新しく水草を入れるときには、トリートメントをすると、害虫の予防になります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽に発生する害虫の駆除方法と水草の下処理方法を解説します。
水草に付着!?水槽に害虫が発生する原因
水槽に入れた覚えのない生き物が発生する大きな原因が、水草です。
近年は熱帯魚への影響を考慮して、無農薬栽培の水草が販売されていますが、このような水草に卵や小さな虫が付着していることがあります。
それを気づかずに植え付けてしまうと、害虫が水槽の中で成長・繁殖して、気づいたときには貝や虫が大発生していた、というようなことが起こりえるのです。
害虫は、水辺で採取してきた水草だけでなく、SNSやオークションを通じて手に入れた水草や、ショップで購入した水草にも付着していることがありますので、水草を植え付けるときには細心の注意を払いましょう。
後述する水草を水槽に入れる前の処理を適切に行えば、害虫の発生を防ぐことができます。
水槽に発生する害虫の種類と駆除方法
水草に付着して発生する害虫には様々な種類がいます。その中でも特に発生率の高かったり、駆除が面倒で注意が必要なのが以下の4種類です。
- スネール
- プラナリア
- アカムシ
- ミズムシ
スネール
スネールは、モノアラガイやサカマキガイなどの意図せずに自然に発生した巻貝全般のことです。
発生したからといって、即座に害があるわけではありませんし、少数であればコケなどを食べて水槽を掃除してくれる利点もあります。
しかし、スネールを放っておくと爆発的に増殖していき、水槽の景観を損なうだけでなく、数が多いと水草を食べられてしまうなどの被害が発生するため、見つけたら駆除をしておいた方が無難です。
スネールの駆除方法
スネール駆除で一番確実なのが、薬剤を使用することです。
『貝除去液』や『スネール・バスター』などのスネール駆除用の薬剤は貝類のみに効果があり、他の魚には影響がないため安心して使用できます。
ただし、コケ取り用にイシマキガイなどを飼育している場合は、これらの貝類にも効果が出てしまいますので、薬剤を添加する前に必要な貝類は隔離しておくと良いでしょう。
薬剤以外だと、スネールイーターと呼ばれるアノマロクロミス・トーマシーやアベニーパファー、スネールキラーなどのスネールを食べてくれる生き物を水槽に入れたり、道具を使って地道に取り除いていたりといった方法でも数を減らすことができます。
しかし、スネールイーターは飼育している他の生き物との相性次第では導入することができませんし、目視で取り除くのでは根絶は難しいです。
上記の方法でどうしても根絶できない場合は、水槽のリセットも視野に入れましょう。
プラナリア
プラナリアは、弱った生き物をやその死骸などを好んで食べる厄介な害虫です。
再生能力が非常に高く、プラナリアの体がちぎれるとちぎれた体がそれぞれ一匹のプラナリアとして再生し、増殖していきます。
また、うねうねしながら水槽のガラス面を這いまわる姿に不快感を覚える方も多く、水槽の鑑賞性を著しく損ないますので、見つけたら確実に駆除しましょう。
プラナリアの駆除方法
プラナリアを確実に駆除するには、薬剤が有効です。
有名なのは『プラナリアzero』で、水草やエビ類を隔離せずにそのまま水槽に添加することができます。ただし、貝類や他の魚類には影響が出る可能性がありますので、安全を考えるならば生き物を別の水槽に移してから薬を添加するのが良いでしょう。
薬剤を使用する際は、注意書きをよく確認し、生体の安全に配慮してから添加してください。
なんらかの理由で薬剤が使用できない場合は、他の魚にプラナリアを捕食してもらうか地道に捕まえるかして数を減らしていくことになります。
プラナリアを捕食する生き物としてはゴールデングラミーやチェリーバルブの名前が挙がりますが、いずれの熱帯魚もあまり進んで食べてはくれませんので、こちらはあまり効果を感じられないかもしれません。
手で捕まえるのであれば、プラナリアを集めると効率よく除去できます。
小さな容器にプラナリアが入れる程度の大きさの穴をあけ、中に餌をセットしておくと、プラナリアが群がりますので、容器ごと取り出すか、スポイトなどを使ってプラナリアを吸い出しましょう。
この時、プラナリアをちぎらないように注意してください。
アカムシ
アカムシはユスリカという蚊の幼虫で、小さなミミズのような見た目をしています。
メダカや熱帯魚用の活餌として販売されている冷凍赤虫と同じ生き物で、特に生体に影響を与えるようなことはありません。
ただ、底砂などに潜んでうねうね動く様は鑑賞性を損ねますし、水を汚す原因にもなりますので、水槽に意図せず発生した場合は除去したほうが賢明です。
アカムシの駆除方法
また、アカムシは水草に付着してくることもありますが、それよりもユスリカが直接水槽に卵を産み付けて発生している可能性が高いです。
特に屋外水槽は蚊が近寄りやすい環境ですので、水槽に蓋をしてユスリカの侵入を防ぎましょう。
アカムシが潜む可能性があるのは底砂やろ過フィルターですので、まずは『プロホース』などを使って底砂をしっかり掃除します。
ろ過フィルター内も確認し、目視できるものはつまんで除去した後に、水洗いしましょう。
アカムシを好んで食べるメダカや金魚、熱帯魚を入れておくのも増殖を抑えるのに効果的です。
ミズムシ
ミズムシ(ミズゲジ)は、日本の河川にも良く生息している水生昆虫の一種です。
熱帯魚に害を成すことはありませんが、ダンゴムシやゲジゲジのような見た目がとにかく敬遠されがちな上に、アクアリウムでは好んで捕食する生き物が少ないため、水槽で大繁殖しやすい厄介な害虫です。
ミズムシの駆除方法
ミズムシを水槽で見つけたら、まずはピンセットなどでつまんで除去します。ただミズムシは動きが素早く、レイアウトの影や底砂の隙間にもぐりこんでしまうことも。この場合は『プロホース』などを使って吸い出しましょう。
初期の対応が追い付かず大繁殖してしまったら、残念ながら完全に駆除するのは困難ですので、水槽をリセットしてしまうのが早いです。
飼育している生き物を隔離した後に、熱湯などを掛けて殺虫消毒し、水槽を立ち上げ直します。
ミズムシを捕食する生き物としてはシグリットの仲間や淡水フグのアベニーパファーがあげられますが、これらの熱帯魚は肉食性が強いので、導入する場合は混泳相性に注意してください。
害虫を発生させない!水草の植え方
一度水槽内に発生してしまった害虫を完全に除去するのは、なかなか難しいです。
そのため、そもそも害虫が発生しないよう対策を取りましょう。
害虫は水草に付着して侵入することがほとんどですので、水草を水槽に植える前にトリートメントなどの下処理をすると害虫予防になります。
ここでは、害虫を発生させない、水草を安全に植え付けるためのポイントをご紹介します。
水道水で洗う
水草を購入したらそのまま水槽に入れるのではなく、まずは水道水でよく洗い、害虫や卵を洗い流しましょう。
水道水には元々カルキなどの消毒成分が含まれているので、殺菌効果も期待できます。
洗面器などの容器に水を張り、水の中で水草をゆするようにして洗います。
この時、葉っぱや茎、根などを傷つけないよう優しく丁寧に洗うことを心がけてください。
また、葉っぱなどについたコケも合わせて落としておくと、コケの予防にもなります。
卵や虫がついていないか目視で確認する
水草をよく洗ったら、卵や虫などがついていないかを目視で確認し、見つけたら除去していきます。
とても骨の折れる作業ですが、ここで見逃してしまうと、害虫を水槽に持ち込むことになりますので、面倒でも行ったほうが確実です。
必要に応じて熱湯消毒や薬剤を使って消毒する
水洗いだけでは心配な場合は、熱湯や薬剤を使った消毒を行うとよいでしょう。
水草を長時間熱湯に付けてしまうと水草が枯れてしまう危険があるので、熱湯消毒は手早く行います。
薬剤を使う場合は、水草トリートメント用の薬を用意し、但し書きに従って消毒しましょう。
害虫のいない組織培養された水草を購入する
最近増えている、無菌状態で育てる組織培養された水草を使うのもおすすめです。
普通の水草に比べて割高ですが、組織培養水草ならば害虫が混入することもないので、消毒などの手間をかけずにそのまま水槽に入れることができます。
まとめ:水槽に害虫を発生させない!駆除と水草を安全に植え付けるためのポイント
今回は、水槽に発生する害虫の駆除方法と害虫を混入させないための対策について解説しました。
水槽の害虫の多くは水草に付着して水槽に入り込みます。
全ての害虫が生き物に影響をあたえるわけではありませんが、どれも鑑賞性を損ないますし、数が増えると完全に駆除することが難しくなりますので、見つけたら早急に対処するのがおすすめです。
また、害虫の予防には、新しい水草を入れる前に下処理をするのが効果的です。
正しい下処理をすれば、害虫の発生はかなり抑えられますので、面倒くさがらずしっかり水草の処理を行いましょう。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
国産無農薬ホテイアオイをメダカに買ったのですが、水草その前になどを使うべきでしょうか?イカリムシ等病原虫がついてたりしないか不安です。また、水草その前に自体はメダカ(特に若い個体jに無害でしょうか?
メーカー品は、直接メーカーへのご確認をお願いいたします。
しかしながら、しっかり濯げば魚への影響はありません。
こちらのコラムもご参照ください。
・水草の農薬とは!無農薬水草の安全性と残留農薬の処理方法をご紹介
https://t-aquagarden.com/column/aquaticplant_pesticides
よろしくお願いいたします。