活魚を長持ちさせる!いけす水槽管理方法!最適な魚数についても解説

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投稿日:2025.09.07|
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飲食店や鮮魚店などで時折見かける活魚水槽は、商品である魚の鮮度を最適に保つことができるのはもちろん、訪れる方に魚の品質の良さをアピールしたりお店に興味を持ってもらうきっかけになったりと、販促面でも大きな効果が期待できる重要なアイテムです。
しかし、せっかくの活魚水槽も管理が行き届いていなければ逆効果になってしまうことも。
実際東京アクアガーデンにいただく活魚水槽関連のお問い合わせでも、魚が弱ってしまう、水槽をきれいに保つのが難しいといったトラブルはかなり多いです。
活魚水槽の状態が良くないとそれを見たお客様に不安感を与えてしまうため、コツを抑えてしっかり管理していくことがお店の利益に繋がるでしょう。
今回のコラムでは、活魚水槽の管理ポイントや水槽に入れられる魚の数などについて解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに活魚水槽の管理方法と最適な魚数を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
短期間の魚の鮮度を保つことを最優先する活魚水槽は、長期的な飼育を目的としたアクアリウムとは管理のポイントが異なります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、活魚水槽の管理方法と最適な魚数を解説します。
活魚水槽の基本的な管理ポイント

一般的に活魚水槽は、水揚げされた魚をお客様に提供するまでの間だけ鮮度を保つための設備であり、一匹の魚が入っている時間はごく短期間に限られます。
鑑賞目的ではないことから、水温などは魚の鮮度を守ることを最優先に設定管理していくのが適切です。
ここでは、活魚水槽の基本的な管理ポイントを解説します。
活魚に餌やりは不要
魚を元気な状態で維持するには餌が必要だと思われるかもしれませんが、活魚水槽の魚には基本的に餌やりは必要ありません。
種類にもよりますが、魚は数日~1週間程度は餌を食べなくても問題なく生きられるだけのポテンシャルを秘めています。
さらに活魚水槽の場合は、鮮度を保つために鑑賞用水槽よりも水温を低めに設定していることが多いので、活性が下がって魚たちが体力を消費しづらくなり、餌が無くても健康を保ちやすいでしょう。
また、魚の餌は水槽の水を汚して水質を悪化させる原因になることから、水槽メンテナンスの頻度を減らす意味でも餌やりは控えたほうが良いです。
ただ、当然ながら長期間絶食していられるわけではないため、長くても1週間程度で中の魚が回転するよう入荷量を調整してみてください。
水温は低めを心がけよう
活魚水槽に入れられるアジやカワハギ、フグなどの魚たちは、鑑賞用の魚よりも低水温を好む傾向が強いです。
鮮度を維持するためにも18℃を下回るよう、水槽用クーラーを使って水を冷却しましょう。中にはさらに低い水温を好む魚種もいますが、短期ストックなので必ずしも適正温まで下げる必要はありません。
ただ、低水温の方がコケを抑制できますし、中には「低い水温で管理した活魚は身が引き締まる」と感じる板前さんもいらっしゃるようなので、魚の様子を見ながら好みの水温に調整すると良いです。
また活魚が弱ってしまう原因として、水槽用クーラーの故障や水換えで暖かい水を入れたことにより水温が上昇しているケースが多いので、クーラーのメンテナンスや水換え用の水の水温合わせも忘れずに行いましょう。
活魚水槽の水換えの頻度
魚が元気に過ごせるきれいな水槽を維持する上で欠かせない水換え。
活魚水槽でももちろん水換えが必要ですが、鑑賞用のアクアリウムに比べると少ない頻度で水槽を管理することが可能です。
先に触れた通り、活魚水槽は低水温の環境で餌を与えずに魚を飼育するため、魚の餌やフンの量が減って水が汚れにくくなります。
この条件ならば、最大で3~4週間に1度程度まで水換えの頻度を減らすことができるでしょう。
もちろん魚や水槽の様子に応じて頻度の調整は必要ですが、一月に1度程度のメンテナンスならば、負担がかなり軽くなるのではないでしょうか。
活魚水槽の比重
海水魚をストックする場合は人工海水を使用しますが、この時の比重にもポイントがあります。
一般的な海水魚の飼育では1.023~1.025程度に比重を調整しますが、活魚水槽ではあえてやや低めの1.020程度に調整するのがおすすめ。
比重を下げることで魚の大敵である病原菌や寄生虫の活性が下がり、病気になるリスクを軽減できます。
低めの比重は魚にとっても少し居心地が悪いかもしれませんが、短期間のストックならば大きな問題になることはありません。
エアレーションは強めに!
活魚水槽ではオーバーフロー式などのろ過機能を備えていても、別途エアレーションをするのがおすすめ。
しかも通常のアクアリウムよりもパワフルな、大型のエアポンプ(ブロアー)を使ってしっかり酸素を供給するのが良いです。
熱帯魚と比べると活魚は体もエラも大きく酸素を多く消費することから、普通の水槽用ではパワーが足りず酸欠になるリスクがあります。
120cm水槽であれば吐出量15L/min程度のものが目安です。また、エアストーンもブロアーの吐出量に合ったものを選定しましょう。
休業日前はできるだけ活魚を減らしておこう

活魚水槽を運用する上で心配なことに、休業中の対応があると思います。
実際休日明けにお店に行ってみたら活魚が体調を崩していたり、死んでしまっていたりといった事例は多いです。
このようなトラブルを防止するには、やはり休業日に向けて活魚を使い切ってしまうというのが一番でしょう。すべてが無理でもできる限り数を減らしておく、また休日に向けて仕入れ量を調整するというのも良い方法です。
水槽は、魚が多ければ多いほど水が汚れて水質が急変するリスクが高まります。
また、もし魚が死んでしまったとき、そのまま死体を放置していると水質が一気に悪化して水槽内の他の魚にも悪影響を及ぼすことも。
活魚が大量死してしまった水槽はろ過槽の清掃や全換水などを行った上で、一から水槽を立ち上げ直さなければならず、想像以上の手間がかかります。
このような大変な思いをしないためにも、休日前は計画的に準備を進めましょう。
活魚水槽に最適な魚数とは?

活魚水槽の基本的な管理ポイントをご紹介しましたが、実は管理方法以外にも活魚が死んでしまう原因があります。
それが、水槽に入れる魚の数です。
容量が限られる活魚水槽には当然ながらキャパシティがあり、それを超えると水質の悪化や酸欠が起こりやすくなることも。
活魚水槽を適切な状態で維持するには、水槽用量を頭に入れながら魚の数を調整していくことが大切です。
ここでは、活魚水槽にれる魚の数の考え方や計算方法を解説します。
活魚水槽に入れられる魚数の適正量

活魚水槽に入れられる魚数の適正量は、水槽の総水量(水槽本体とろ過槽の水量を足したもの)の1.5%~2%程度の重量と言われています。
例えば総水量が300Lの場合、入れられる魚の総重量は4.5~6kg程度が適正です。
魚種や水槽設備によってはもう少し多くても問題ない場合もありますが、1.5%~2%程度を目安に無理なく管理ができる魚数を探っておくと、トラブルなく安全に管理ができるようになります。
総水量の計算方法
続いては活魚水槽の総水量の計算方法についてです。
水槽やろ過槽の水量は以下の計算式で求められます。
ここでは W120×D45×H50cmの水槽本体にW60×D15×H45cmを備えている場合を例に、総水量を計算してみましょう。
形の単純な水槽はそのまま数値を当てはめれば良いので、
で水槽の水量は243Lであることがわかります。

形が複雑なろ過槽は正確な水量を求めるのが難しいですが上のイラストような形状の場合、上部のウールボックスは計算に入れずに水が溜まる下部のろ過槽部分だけの水量を求めるぐらいで問題ないでしょう。
今回の例では、
で73.5Lです。
最後に水槽とろ過槽の水量を合わせると、
になるため、この設計では総水量316.5Lと求めることができます。
適切なろ過槽の大きさとは
一般的にろ過槽の大きさは、水槽水量の1/4以上の容量が確保できるというのが一つの目安です。
水槽の大きさに対してろ過槽の水量が少ないと十分なろ過能力が発揮されず、水が汚れやすくなってしまうため、今一度水槽とろ過槽の大きさが適正かを確認してみましょう。
活魚の種類に気をつけよう

水槽に入れられる活魚の数を考えるときに、もう一つ必ず注意したいのが活魚の種類です。
魚は種類によって水を汚すペースが大きく異なるため、水を汚しやすい魚種を入れる場合は水量ベースの魚数よりも少なめを心がける必要があります。
魚の中でも水を汚しにくく活魚水槽でのストック向いているのは、遊泳性が高くない大人しい魚種です。タイやカレイ、貝類のサザエや甲殻類のカニ、エビなどを活魚水槽で見かけることが多いのは、こうした向き不向きを考慮した結果ともいえます。
反対に活発に泳ぐ魚はその分代謝が早く、粘膜の分泌量や糞が多く水を汚しやすいため活魚水槽に入れるならば水槽の状態に気を配りましょう。
また、水槽の中でスミを吐いてしまうイカは上級者向けの活魚として知られています。
スミがろ過槽に落ちてしまったら、ろ過槽清掃と全換水が必要になるからです。
事前にスミを吐かす、ストレスを掛けないよう丁寧に水合わせを行う、多種多頭を避けるなど細心の注意を払ったうえで水槽に入れるようにしてください。
まとめ:活魚を長持ちさせる!いけす水槽管理方法!最適な魚数についても解説

今回は、活魚水槽の基本的な管理ポイントや水槽に入れる活魚の数の考え方について解説しました。
長期飼育や鑑賞性を重視するアクアリウムと異なり、活魚水槽は商品となる魚を仕入れから提供までの短期間ストックしておくことを目的としています。
鮮度の良い状態を維持するため、水温は18℃以下の低めに設定し、強めにエアレーションをします。水質維持のため餌やりは不要です。
また、水槽に入れる活魚の数は水槽全体の総水量から計算をすると、無理なく管理できる匹数を算出できます。
管理が適切でないと鮮度が落ちたり、最悪の場合せっかくの魚が死んでしまったりすることもあります。
本業の合間に活魚水槽を管理するのが難しいときは、水槽の設置管理を手掛けるプロの力を頼るのも一つの方法です。
東京アクアガーデンでは、活魚水槽の設置管理を承っております。これまで数多くの活魚水槽やいけすを手掛けた実績がありますので、ご興味ある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
海鮮食材を新鮮な状態でストックする『いけす』『活魚水槽』のレンタル・リースサービスについてご紹介します。東京アクアガーデンのいけす・活魚水槽は食材の保管に重きを置いた設計になっており、飲食店や卸業者などで活躍しています。
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