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サンゴが弱る理由5個!水槽のサンゴの調子を上げるポイントもご紹介

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以前はとても難しいとされていたサンゴの飼育ですが、最近では飼育機材が流通するようになったこと、比較的飼育しやすい養殖個体が増えたことなどからハードルが下がり、自宅で本格的なサンゴ飼育に挑戦できるようになりました。

しかし、それでもサンゴ飼育は難しく繊細なもので、少しでも環境が合わないと白化したり、ポリプが閉じてしまったりと、サンゴが調子を崩してしまうことも少なくありません。
サンゴが調子を崩していたら、すぐに弱っている原因を探り状況を改善することが大切です。

ここでは、サンゴが弱る理由5個と調子を上げるポイントをご紹介します。

サンゴをきれいに発色させたい方、長期飼育を目指している方は、ぜひご覧ください。

プロアクアリストたちの意見をもとにサンゴが弱る理由と調子を上げるポイントを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

最近ではご自宅でサンゴ飼育に挑戦する方も増えていますが、繊細なサンゴを綺麗に維持するのはとても大変です。
少しの環境変化ですぐに調子を崩してしまいますので、サンゴに最適な環境を見極めながら、弱ってきたらすぐに原因を見つけて対策をしましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、サンゴが弱る理由と調子を上げるポイントを解説します。

水槽のサンゴが弱る理由5個


マリンアクアリウムの中でもかなり繊細で、飼育に気を使うサンゴは、ちょっとした変化でもすぐに調子を崩して、白化する、一部が溶ける、ポリプが開かないといった症状が現れます。

サンゴが弱ってしまう原因で多いのが以下の5つです。

  • 水温・比重が安定しない
  • 水流が適切ではない
  • 硝酸塩やリン酸が高い
  • 照明が強すぎる
  • サンゴ同士の距離が近い

ここからは、サンゴが調子を崩す原因を具体的に解説していきます。

サンゴが弱っているサインが見られたら、これらの原因に心当たりがないか確認し、すぐに対策をしましょう。

1:水温・比重が安定しない

テトラ (Tetra) ハイドロメーター(海水水槽用比重計) 海水 アクアリウム

サンゴが弱っている様子が見られたら、まずは水温や比重が適切な値になっているか確認しましょう。
サンゴは飼育水の変化に敏感な生き物ですので、水温や比重が安定しないと調子をくずしてしまうことが多いです。

水温は、一年を通して水槽用クーラーと水槽用ヒーターを使って管理します。理想は23~26度です。27度以上になるとサンゴに影響が出る可能性があるため、注意してください。

比重の理想は1.024~1.026です。比重が変わってしまうのを防ぐため、水換えの時には比重計を使って確実に値を調整しましょう。

2:水流が適切ではない

サンゴ飼育に水流は欠かせないものですが、水流の強さや当たり方によっては悪影響を与えることがあります

水流が弱すぎるとサンゴの隙間にゴミや粘液などの汚れが溜まり、調子を崩して白化してしまう原因になることも。一方で強すぎると、サンゴの種類によっては共肉が剝がれてダメージを与えてしまいます。

そのため、水流はサンゴの種類によって上手に使い分ける必要があるのです。
強い水流を好むサンゴや、レイアウトが複雑で水流が遮られてしまう場所には、水流ポンプを使って強い流れを作ります。
反対に、共肉が大きく水流が得意ではないサンゴは、流れが穏やかで直接水流が当たりづらい場所に配置して調整しましょう。

3:硝酸塩やリン酸が高い

サンゴが弱る原因に、硝酸塩やリン酸塩の濃度が影響しているケースは少なくありません。

サンゴは硝酸塩やリン酸塩の濃度が高い環境が得意ではないためです。またこれらは、コケの発生にも繋がるため、コケで光が遮られて、サンゴが調子を崩してしまうこともあります。

硝酸塩やリン酸塩は水換えすることで除去できますので、定期的に水換えしましょう。もしくは後ほど詳しくご紹介しますが、プロテインスキマーを活用するのもおすすめです。

4:照明が強すぎる

ボルクスジャパン GrassyLeDio(グラッシーレディオ) RX122 リーフ

サンゴ飼育には光量が必要ですが、照明が強すぎるのも問題です。

サンゴは共生している褐虫藻が光合成することで栄養を得ていますが、過度な光量は悪影響になってしまいます。
ポリプが開かない時などは、照明を強くしてなんとか開かせようとするケースが見受けられますが、実は逆効果になってしまうことが多いです。

サンゴは種類によって適した光量が決まっていますので、適切な強さを確認し、必要以上の光を当てるのは避けましょう

また、一つの水槽で複数のサンゴを飼育している場合は、光を好む種類を照明の当たりやすい水槽上部へ、少なくても問題ないものを照明から遠い場所にレイアウトすることで、光量を調整することができます。

なお、使用する照明は、サンゴの育成に特化したサンゴ用の照明がおすすめです。

5:サンゴ同士の距離が近い

サンゴは毒を持つ生き物のため、サンゴ同士の距離が近いとお互いを攻撃して弱ってしまいます

距離を空けることで干渉しなくなりますので、間隔を空けて配置しましょう。

また、増えやすい、大きく育ちやすいサンゴの場合は、予想以上の範囲に影響を与えることがありますので、できるだけ広い場所を確保して他のサンゴと接触していないか、定期的に確認するようにしてください。

品種にもよりますが、サンゴは株分けすることができます。大きく育って場所が取れないときは株分けして育てるのもおすすめです。

サンゴの調子を上げるポイント


サンゴを安定して飼育できるようになったら、次はよりきれいに発色するよう、調子の上がる環境を目指しましょう。

ここからは、サンゴの調子を上げるポイントとして次の3つをご紹介します。

  • 比重を調整する
  • 飼育生体を絞る
  • 水槽用クーラーはワンランク上のものを使う

他にはない蛍光色のような鮮やかな色彩が、サンゴの魅力です。サンゴが美しく発色する水槽はとても良い環境ととらえることができ、長期飼育にもつながりやすくなります。

比重を調整する

サンゴの調子を上げるには、海水魚を飼育する基準よりも少し高い、1.024~1.026に比重を調整するのがポイントです。

比重を高くすると飼育水に含まれる栄養が増えて、サンゴの調子が良くなります。ただ、上げ過ぎても良くないので、1.026は超えないようにしましょう。

また、比重が高く栄養豊富な環境は、水質が悪化しやすくなりますので、水換えの頻度を増やすなどして対応してください。

飼育水に使う人工海水には、サンゴの飼育に必要な栄養素を多く含む、サンゴ用の人工海水がおすすめです。

飼育生体を絞る


サンゴと海水魚の組み合わせは非常に魅力的ですが、サンゴの飼育をメインに考えているのならば、他の飼育生体の数は抑えめにした方が調子よく育成しやすくなります

海水魚が多いとそれだけ餌の食べ残しやフンが増えて、硝酸塩やリン酸が蓄積するペースが早まってしまうからです。
また、つつかれたり衝突されたりして、サンゴが傷ついてしまうようなことも増えますので、海水魚の数は抑えてサンゴの飼育に注力することをおすすめします。

水槽用クーラーはワンランク上のものを使う

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-100α

サンゴ飼育では水温の管理がとても重要です。特に水槽用クーラーの担う役割は大きなものですので、能力に余裕を持たせられるようワンランク上の製品を使うことをおすすめします

通常、水槽用クーラーは水槽の水量に合わせて選びますが、室温や設置場所、接続する機材によっては冷却能力が落ちる場合があります。この時、ワンランク上の製品であれば、外部環境の影響を受けたとしても水を十分冷やすことが可能です。

また、水槽用クーラーにはペルチェ式とチラー式がありますが、サンゴ水槽では冷却能力の高いチラー式がおすすめです。

ペルチェ式に比べて高価ではあるものの寿命が長いので、買い替える頻度を考えると経済的です。

水槽用クーラーの選び方とおすすめの製品は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。


サンゴ飼育で必須!プロテインスキマーなどの機材について


サンゴを飼育する上で、よく名前が挙がる機材がプロテインスキマーカルシウムリアクターです。
これらの機材はすべてのサンゴに必須と言うわけではありませんが、上手に活用すれば飼育できるサンゴの種類が増えますし、飼育難易度がぐっと下がって管理がしやすくなります

ここでは、サンゴが飼育しやすくなるプロテインスキマーとカルシウムリアクターについて簡単にご紹介します。

プロテインスキマーのメリット

ゼンスイ プロテインスキマー Genesis DC500 (300-500L)

プロテインスキマーはマリンアクアリウムで使うろ過装置の1つで、分解される前の餌の食べ残しやフンなどの有機物を直接除去できるのが特徴です。

作り出したきめ細かい泡によって有機物を吸着・除去します。これによって硝酸塩が蓄積しづらくなり、サンゴの好む水質に安定しやすくなります。

特にサンゴの中でも繊細なミドリイシの飼育には必須アイテムとして有名です。

ただプロテインスキマーを使うと、サンゴにとって必要な栄養も除去してしまうため、

  • サンゴ用の人工海水を使う
  • 水換え頻度を上げて人工海水に含まれる栄養を供給する
  • 添加剤を使う

といった方法で栄養を補いましょう

カルシウムリアクターはSPS飼育で必要


カルシウムリアクターは、飼育水にカルシウムを供給する飼育機材です。

ハードコーラルのなかでもミドリイシのようなSPSと呼ばれる種類は成長が速く、水中のカルシウムを大幅に消費します。そのためカルシウムを安定的に供給できるカルシウムリアクターが必須と言っても過言ではありません。

カルシウムが少ない環境では、成長に悪影響が出るだけでなく死んでしまうこともありますので、必要に応じてカルシウムリアクターを使いながら管理していくのがおすすめです。


まとめ:サンゴが弱る理由5個!水槽のサンゴの調子を上げるポイントもご紹介


今回は、サンゴが弱る理由5個と調子を上げるポイントをご紹介しました。

サンゴには繊細な面がありますので、ちょっとした変化で調子を崩してしまうことがあります。

弱っていると感じたときは、

  • 水温・比重が安定しない
  • 水流が適切ではない
  • 硝酸塩やリン酸が高い
  • 照明が強すぎる
  • サンゴ同士が近い

5つの原因に心当たりがないか確認してみましょう。弱る理由を明確にして対処すれば、長期飼育できる確率は格段に上がります

またサンゴの種類に合わせてプロテインスキマーカルシウムリアクターを使うことで、より安定して飼育できますので活用してみてください。

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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