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屋外に水槽を置いている場合は、水温が低下する冬に『水槽の水を凍結させないこと』がなにより大切です。
メダカや金魚などの屋外で飼育できる冬の低水温に耐性のある生き物は、寒くなると活動が落ちていきやがて冬眠します。表層が凍る程度の寒さであれば底でジッとして耐えることができますが、飼育水がすべて凍ってしまうような寒さになると、残念ながら春を迎えられないことがほとんどです。
屋外水槽の魚にとって危険な凍結ですが、断熱材を使ったり、エアレーションしたりなど水槽の凍結を防止する方法を実践すれば防ぐことができます。水が凍らないだけでなく水温の変化も抑えられますので、冬眠中の魚の負担を減らすことにもつながります。
今回は、冬の屋外水槽の凍結防止方法について解説します。
目次
プロアクアリストによる水槽の凍結を防止する方法の解説
このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。
東京アクアガーデンは15年以上アクアリウム業界に携わっておりますので、屋外水槽の冬の管理方法について深い知見があります。
金魚やメダカ、エビ類などを屋外で飼育をしている場合は、凍結防止の対策が欠かせません。対策を行うだけで生存率が上がりますし、水温の変化による消耗を減らすことも可能です。
冬眠中の生体は低水温の中で餌を食べず体力を温存しているため、より過ごしやすい環境を整えてあげることが冬越しの成功につながります。
実務経験をもとに、水槽の凍結防止方法をご紹介していきますので、ぜひご覧ください。
生き物によっては冬眠することもある
もともと水槽は外気温の影響を受けやすく、屋外飼育の場合は室内よりも水温の変化が大きくなります。
冬の寒さの影響も受けやすいため、水槽内の水温が下がり水が凍ることも珍しくありません。
しかしそのような状態でも、
- メダカ
- 金魚
- ミナミヌマエビ
など、日本にも生息していて低水温に耐えられる生き物は、冬眠することで屋外飼育でも越冬することが可能です。ただし、越冬できるのは水面だけが凍っていて、水中や生き物自体が凍っていないという状態に限ります。
水全体が凍ってしまえば生き物も凍って死んでしまうため、水槽の凍結防止対策が無事に越冬させるためのカギとなります。
そもそも、冬は生き物にとって厳しい季節になりますので、
- 十分な体力がない
- 元々弱ってる
- 病気になっている
といった場合は冬眠に入っても体力が持たなかったり、暖かくなってきたときに冬眠からの目覚めに失敗したりして死んでしまうケースも少なからずあります。冬眠で失敗してしまうリスクを少しでも減らすためにも、水槽の凍結を防止することが重要です。
魚の冬眠について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
水草の冬越しにも有効
水槽の凍結防止は生き物だけでなく、水草の冬越しにも効果的です。
水草は寒くなると枯れてしまうと思われがちですが、実は凍結しなければ低水温にも耐えて春を迎える水草は多いです。
- アナカリス
- ウィローモス
- ハイグロフィラ ポリスペルマ
などがそれにあたります。
屋外飼育では水質改善を目的として水草を入れることも多く、冬にうまく管理できれば通年育成することが可能です。水草は冬眠中の生き物が安心して身をよせられる隠れ家にもなります。
屋外水槽やビオトープの水草の種類でお悩みの場合は、低水温にとくに強いタイプを1つ入れておくと安心です。
屋外飼育ではヒーターを設置することが難しい
冬場の加温といえば水槽用ヒーターですが、室内での使用を前提とした製品ですので屋外では使用できません。
- 風雨がかかる
- 昼夜の温度差が激しい
- 真冬は水温が下がりすぎる
といった環境では水槽用ヒーターに大きな負担がかかり故障やトラブルの原因になります。そもそも屋外では水槽用ヒーターを設置するための電源がないことも多いですが、確保できたとしても使用しないようにしましょう。
屋外で水槽の凍結を防止する方法とは?
屋外で水槽の凍結を防止する方法は次の4つです。
- スタイロフォームや発泡スチロールなどの断熱材を使用する
- エアレーションをする
- 水深を深くする
- 水温が低下しにくい場所に水槽を置く
寒さの厳しい外気の影響を減らすことはもちろん、わずかな水流を作ったり、水深を調節したりなど水槽の水全体が凍らない工夫を行うことが重要です。
水槽だけでなく、さまざまな飼育容器でも凍結を防ぐことができますので、冬の屋外飼育ではとても重宝します。
スタイロフォームや発泡スチロールなどの断熱材を使用する
水槽の凍結を防ぐためには、断熱材が効果的です。
水槽の周囲に貼ったり、固定したりすることで冷たい外気の影響を抑えることができます。断熱材ではアルミシートが有名ですが、屋外飼育の場合はスタイロフォームが特におすすめです。
建物の断熱材として使用されることも多い素材で、断熱効果が高いのが特徴です。柔らかいためカッターナイフで水槽の大きさに合わせて加工することもできます。
貼りつけるというより、覆うように密着させるようにしましょう。
また、入手しやすさや身近なものを使うのであれば、発泡スチロールもよいでしょう。
スタイロフォームほどではありませんが外気温の影響を抑えつつ内部の温度を保ってくれます。
もしくは冬の間だけ、発泡スチロールに水槽内の生き物を移す方法も効果的です。
フタも発泡スチロールにしておくことで、断熱・保温効果が高まります。断熱材はホームセンターで販売されていますので、比較的入手しやすいです。
ビニールハウスで断熱
小さな水槽用のビニールハウスを作って、外気温を防ぐ方法もあります。
ただし、雪の重さでビニールハウスがつぶれてしまうことがあるため、積雪の少ない地域に向けた方法です。積雪の多い地域では、雪が積もらないような場所に移動してビニールハウスを設置するか、他の方法で凍結対策をすることをおすすめします。
エアレーション
エアレーションで水槽内に水流ができると水が凍りづらくなります。
北海道などの寒冷地の河川が底まで凍らないとの同じで、流れのある水は上層が凍ってもその下では流れています。氷点下の場合は水が止まっていると表面から凍っていきますので、水を動かすことが凍結防止に効果的です。
エアーポンプによるエアレーションは水槽内に空気を送りつつ水流を作り出すため、水槽内で水が循環して凍りづらくなります。エアーポンプを使うためには電気が必要になりますので、屋外でも電源が確保できる場合におすすめです。
水量のある水槽や大型のトロ舟などには投げ込み式フィルターを入れてしまうのもよいでしょう。ただし、あまりに水流が強すぎると冬眠中の生体が消耗してしまいますので、弱めに設定することが大切です。
エアレーションが難しい場合
屋外水槽の近くに電源がなくエアレーションを設置できない場合には、発泡スチロールなどを浮かせておく方法も効果があります。
浮いた発泡スチロールが風で動いて水面がゆれるだけでも、水が動いて凍結防止につながります。
水深を深くする
冬は屋外水槽の水深をできるだけ深くしましょう。
水深があれば表面が凍ったとしても底まで凍結せず、底でジッとしている生体に影響しづらくなります。
一方で深さがない水槽や浅い睡蓮鉢のような飼育容器では、水がすべて凍結してしまう可能性がありますので注意してください。容器ぎりぎりまで水を入れて軽くフタをするだけでも凍結防止になります。
水の蒸発に注意!
冬は乾燥しやすい季節ですので、水の蒸発に注意しましょう。
夏と比べると少ないものの、冬の屋外でも水槽内の水は蒸発します。蒸発して水位が下がれば、水がすべて凍結してしまうリスクが大きくなります。水位を確認して蒸発によって水位が下がっていれば、水を足してあげましょう。
水槽を凍らせないために水温にも気を付けよう
水が凍り始める0度以下にならないよう、定期的に水温を確認しましょう。
少しでも温かい場所に水槽を移動したり、昼間に日当たりのよい場所に置いたりなどすることでも水槽全体が凍るのを防ぎやすくなります。
まとめ:水槽凍結を防止するには!冬の屋外水槽はエアレーションと断熱材で守ろう
今回は、冬の屋外水槽の凍結防止方法について解説しました。
メダカや金魚のような冬眠する生き物の場合は、水面が凍っていても底で動かずにいて越冬することができます。しかし、水槽の底まで凍ってしまえば生き残ることは難しくなります。
- 断熱材で冷たい外気を遮る
- エアレーションで水流を作り凍りづらくする
- 水深を深く保ち底層の凍結を防ぐ
といった方法で屋外水槽の凍結を防ぐことが可能です。
大切な生き物が安全に冬越しするためにも、冬の対策は万全に行いましょう。
水槽の凍結について良くある質問
屋外飼育容器の凍結を防ぐ方法はありますか?
手軽に行える凍結対策としては、水面に動きがあると凍結を防げるため、発泡スチロールの端材を浮かべることでも水面の凍結を防ぎやすくなります。
水量を増やすことも有効です。
水槽の断熱材はどのようなものが良いですか?
- 発泡スチロール
- 断熱・アルミシート
- スタイロフォーム など
断熱素材の効果が高く、容器を囲みながら、すだれや透明な波板を上部に配置します。
空気を含んだ緩衝材も良いですが、気温が特に低い場合は発泡スチロールやスタイロフォームがおすすめです。
予め、発泡スチロールの容器で飼育するのも保温対策になります。
気温低下時に気を付けるべきこととは?
- 餌を与えない
- 水位を高く保つ
- 枯れた水草の処理
魚類は水温が低下すると、消化能力が大きく落ちます。屋外での越冬時には餌は与えません。
水温が下がるため水位は十分な高さで維持します。また、水草も春に再度芽吹く種類以外は、枯れたら適宜取り除きましょう。
ビニールハウスは凍結対策に有効ですか?
しかし、ビニールハウスは比較的高価です。そのため、スタイロフォームや発泡スチロールで壁を作り保温する飼育者の方も多いです。
ビニールハウスの利点は日光をあまり遮らないことです。予算で決めましょう。
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