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魚のお腹が膨らむ!腹水病とは・グッピーや金魚などかかりやすい魚と治療

観賞魚の飼育において病気はつきもので、中でも厄介な病気として「腹水病」が知られています。この病気はストレスを受けたり病原体に感染することで起こる、消化器系を中心とした内臓疾患によって腹部に水が溜まってしまう病気です。

その結果、腹部が膨張してしまい鑑賞性が著しく低下し、病状が進行すると衰弱死してしまいます。この病気は致死率が高いことでも知られているので、早期発見・早期治療が重要です。ここでは腹水病について症状や原因、かかりやすい魚種やその治療法などをご紹介します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

腹水病の解決策を動画で解説!

腹水病については、こちらの動画でも解説しています!

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プロアクアリストたちの意見をもとに腹水病について解説

このコラムは東京アクアガーデンに在籍するプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

東京アクアガーデンでは、これまで5000件を超える水槽の設置や管理を行ってきました。必然的に病魚への対処にも精通しております。
腹水病はお腹に水が溜まり衰弱死してしまう事もある、対処の難しい病気で、治療には早期発見がとても重要となります。

実際の経験を元に、腹水病の原因や症状、治療法などを解説していきますので、参考にしてみてください。

腹水病とは?


まずは腹水病とはどんな病気なのか、また病気の原因について解説します。

腹水病は早期発見・早期治療がとても重量です。症状を知ることで病気の兆候を察知し、速やかに治療を行うことができるようになります。
また、原因を知ることでそもそも病気にかかりづらい環境を整えることもできるでしょう。

しっかり正しい知識を身に着けて、病気の治療にお役立てください。

症状

腹水病にかかるとまず初期症状として、活動の低下や食欲の減退が見られます。病状が進行すると腹部が膨張して、白いフンを出すようになるのがこの病気の大きな特徴です。
また、腹水病はポップアイ松かさ病を併発することが多く、かかってしまうと治療が困難な病気としても知られています。

腹部が膨張する理由は消化器系を中心とした内臓に病気が発生して腹部に水が溜まるからです。そのため、この病気は『腹水』病と呼ばれています。

腹水病にかかる主な原因

腹水病にかかる主な原因として、

  • ストレス
  • 細菌感染
  • 合わない餌や古い餌を与える・餌の量や回数が不適切

の3つが考えられます。それぞれ詳しく解説していきましょう。

ストレス

観賞魚も私たちと同様に、生活環境が悪ければストレスを感じて免疫力が低下し、やがて病気にかかってしまいます。
ストレスの要因として挙げられるのは主に以下の5つです。

  1. 育環境があっていない(水温、水質、混泳など)
  2. 水換えの頻度があっていない(多すぎ、少なすぎ)
  3. メンテナンス時に毎回網ですくって別の容器に移す
  4. 餌の与えすぎ
  5. エアレーションの不足
■飼育環境があっていない

飼育水の水温や水質があっていないと観賞魚にとっては居心地が悪く、体調を崩してしまいます。混泳している場合は、他の魚と小競り合いが起きたりしていないか相性を見ることも大切です。混泳で問題が起きているようならば、別々に飼育することを検討しましょう。

また、レイアウト物が多すぎて泳ぎ回るスペースがなかったり、少なすぎて隠れる場所がないなど、飼育環境が合わない場合もストレスが掛かります。レイアウトを組む時には見映えだけではなく、魚がのびのびできる環境が整っているかも考えて組むことをおすすめします。

■水換えの頻度があっていない

水換えの頻度があっていないのもストレスの原因になります。

頻繁な水換えは一見すると良いことのように感じますが、有害物質を分解するバクテリアの定着を阻害してしまうので、アロワナや金魚のような水を汚しやすい魚種以外ではあまり推奨されません。逆に水を換えなさすぎるのも、水が汚れて病気にかかりやすくなります

通常の熱帯魚飼育であれば、1~2週間に一回程度が適切な水換え回数とされていますので、頻度を見直してみましょう。

■メンテナンス時に毎回網ですくって別の容器に移す

メンテナンスの時などに熱帯魚を別容器に移すことがあるかもしれませんが、これもストレスの一因となります。

魚を網などですくうとストレスになるのはもちろんのこと、皮膚に傷を作ってしまいそこから病気に感染してしまうことがあるのです。

そもそも、通常の水換え程度であれば魚をすくって別容器に移す必要はありません。別容器に移す必要があるのは、レイアウト大きく変更する、水槽を丸洗いする必要があるなど、大掛かりなメンテナンスを行う時です。

観賞魚を安易に網ですくうことは控えてください

■餌の与えすぎ

餌を与えすぎも良くありません。餌のやり過ぎは消化不良を引き起こし、体調不良の原因となります。

また、食べ残した餌が水中に蓄積すると、水が汚れて観賞魚のストレスになることも。
魚種にもよりますが、餌は決まった時間に1日1~2回、5分程度で食べ終える量を目安に与えてみてください。

■エアレーションの不足

エアレーションが不足するとアンモニアや亜硝酸の濃度が高くなり、観賞魚はストレスを感じてしまいます。また、水中が酸欠状態になることもあるため、早急に改善しましょう。

  • 水面に油膜が張る、水が濁るなど、水質が悪化しているサインが見られる
  • 魚が鼻あげをするなど、酸欠の兆候がみられる

などの症状がある場合はエアレーションが不足していると考えられます

細菌感染

腹水病を引き起こす細菌として、「エロモナス・ハイドロフィラ(運動性エロモナス菌)」が知られています。エロモナス菌は特別な菌というわけではなく、水の中に普段から潜んでいる常在菌で、魚の免疫力が正常であれば感染することはありません。

しかしながら、前述したようなストレスを感じて免疫力が低下していたり、飼育水の汚れなどが原因で病原菌が異常繁殖すると感染する確率が高まります。

運動性エロモナス菌が引き起こす病気としては他にも、赤班病や松かさ病、ポップアイなどが知られており、腹水病の症状に加えてこれらの病状が見られる場合は、細菌感染が原因である可能性が高いです。

細菌が原因の病気についてはコチラの記事も参考にしてください。

合わない餌や古い餌を与える・餌の量や回数が不適切

腹水病は、何らかの原因で消化器官を中心とした内臓に炎症が起こることでお腹に水が溜まる病気です。
餌の与え方がストレスの原因になると前述しましたが、観賞魚に合わない餌を与えると消化不良などが起こり、その結果腹水病が発症することもあります。

また、餌に問題がなくても与え方が不適切な場合も腹水病を発症させてしまうことがあります。餌は観賞魚がきちんと活動している時間に適切な回数、量を守って与えましょう。また、消化に悪いものを与えていないか、餌が古くなっていないかなどをよく確認してみてください。

腹水病にかかりやすい魚種とその理由

腹水病の報告が多い魚種としてはグッピー、金魚、メダカ、コリドラス、ベタ、ネオンテトラなどが挙げられます。ここでは、これらの魚種が腹水病にかかりやすい理由をご紹介します。

よく餌を食べる雑食性

まずは食性が雑食性であることが挙げられます。雑食性の魚種は肉食性の魚種よりも長い腸を持っており、その分だけ消化に長い時間を要します。よって、餌の良し悪しの影響を受けやすく、消化不良を起こした際に消化器系が損傷しやすいのです。

細菌への抵抗力が低い

グッピーや金魚などは品種改良を繰り返した結果、先天的に内臓が弱い個体が生まれることがあります。

また、1つの水槽で繁殖を進めた結果見られるケースとして、同一水槽内で世代が進んだ結果、病気にかかりやすい遺伝子の濃度が高まり、病弱な個体が生まれやすくなるといったこともあります。個人で繁殖を楽しむ場合は、特に狭い範囲で繁殖を繰り返すことになりやすいため、定期的に外部から新しい個体を迎えてリスクを減らすことが大切です。

不適切な飼育環境

そして、これらの魚種は一般的に丈夫で飼育しやすく、ベタを除けば混泳相性も良いので、過密飼育や不適切な水質での飼育など、ストレスになりやすい環境で飼育されているケースが散見されます。

いくら丈夫な魚であっても、長期間ストレスにさらされれば弱ってしまい、様々な病気を発症しやすくなります。
観賞魚が適応できる環境と快適に暮らせる環境は別なので、これらの魚種に対しても生活しやすい飼育環境を作ることが大切です。

腹水病の治療方法

腹水病の疑いがある個体を見つけたら、まずは病気の拡散を防ぐために病魚を隔離しましょう。その後速やかに治療を開始してください。
腹水病は症状が進行すると治療が難しくなりますが、初期の段階で治療を開始すれば改善する見込みがあります。

ここでは、腹水病の治療として

  1. 塩水浴
  2. 薬浴
  3. 薬餌
  4. ココア浴

4つの治療法と効果について解説します。

病魚の隔離についてはこちらの記事をご覧ください。

治療法1:塩水浴

スドー メダカの天然珠塩(200g)

塩水浴は、適量の塩を溶かした水に病魚を入れることで観賞魚の浸透圧調節を助けてストレスを軽減し、自然治癒する力を高める治療法です。
塩水浴自体に腹水病を直接治す効果はありませんが、魚の治癒力を高めて自らの力で腹水病から回復する手助けをすることができます。

病気の初期段階であれば塩水浴だけで治癒する可能性がありますので、治療の初期段階としてまずは塩水浴を試してみてください。
塩水浴を行っても症状に改善が見られない場合は、後述する薬浴を並行して行う必要があります。

■方法

塩水浴の具体的なやり方は、以下の通りです。

    1. カルキ抜きをした水道水を用意する
    2. 無添加の食塩や、観賞魚用の塩を1で用意した水に溶かし、濃度0.5%の塩水を作る(溶かす量は水1Lに対して小さじ1杯)
    3. 水換えを行いながら、1週間ほどそのまま様子を見る

    ■注意点

    まず、淡水からいきなり塩水に入れてしまうと水質の変化でショック症状を起こすことがあるため、数時間かけて徐々に塩水に慣らしていくことが重要です。塩を数回に分けて様子を見ながら慎重に投入してください。

    また、塩水の中はバクテリアが存在しにくく、水質が悪化しやすいので水換えを小まめに行うことと、餌の量を少なくすることもポイントです。

    特に始めてから2~3日の間は特にアンモニアや亜硝酸が蓄積しやすいので、水換えは毎日行う必要があり、その間は餌も与えない方が良いでしょう。治療が完了して塩水浴を終了する時は、水合わせを行ってから飼育水槽に戻してください。

    動物用医薬品 ニチドウ 観賞魚用 グリーンFゴールド顆粒 6g

    薬浴は魚病薬を飼育水に添加して観賞魚を治療する方法です。塩水浴で良い効果が出ないときやすでに病気の進行した病魚を見つけたときには、薬浴をすすめましょう。
    薬浴は塩水浴と並行して行うことができます。

    ■方法

    腹水病に効果がある魚病薬は『観パラD』や『グリーンFゴールド 顆粒』が挙げられます。
    薬の使用方法に従って適切な濃度になるよう、カルキ抜きした水に薬を投入してください。薬浴でも、いきなり全量の薬を入れるのではなく、少しずつ数時間かけて投入していくことで、魚への負担を減らすことができます。

    ■注意点

    薬浴を行う場合は、基本的にはフィルターは使用しないでください。フィルター中に活性炭などの吸着性のろ材が入っていた場合、薬効成分を吸着してしまい魚病薬が十分な効果を発揮できない可能性が生じます。どうしてもフィルターを設置したい場合は、ウールマットのみの投げ込み式ならば、特に薬の効果に影響がなく酸素供給もできますのでおすすめです。

    また、ろ材に定着しているバクテリアに悪影響を及ぼす可能性もあるので、水質の悪化に対しては水換えで対応してください。

    治療方法3:薬餌を与える

    【動物用医薬品】ニチドウ 観パラD 観賞魚用 30ml

    薬餌は、薬をしみ込ませた餌を食べさせる治療法で、体内に直接薬の成分を届けることができるのが特徴です。
    腹水病は上でご説明した通り、魚の消化器官が細菌に感染する病気のため、表面から治療する薬浴だけではあまり効果が出ない場合があります。

    このようなときには、薬餌を作って食べさせてみることをおすすめします。

    薬餌についてはこちら記事もご参考になさってください。

    ■方法

    腹水病に効果のある薬餌は『グリーンFゴールド顆粒』や、『観パラD』で作成します。

    薬餌の作り方は以下の通りです。

    1. カルキ抜きした水に薬を添加して、薬浴水を作る
    2. 薬浴水に30分程度餌を浸し、薬をしみ込ませる
    3. 日陰で乾燥させる場所で乾燥させる

    ■注意点

    薬餌は万能ではないので、これですべての腹水病を完治できるものではありません

    腹水病はとても治療が難しい病気です。かかったら隔離して治療するほかありませんが、薬餌を与えすぎると病気で弱まっている腸壁がさらに傷つく場合もありますので、様子を見ながら慎重に与えてください。与えすぎは禁物です。

    治療方法4:ココア浴

    バンホーテン ピュアココア 200g

    ココアには抗菌作用や免疫力を高める効果があるという研究結果が報告されています。
    人間に対してのものではありますが、このココアの効用を観賞魚の治療に生かそうというのがココア浴です。

    ただし、観賞魚に対するココアの薬効は科学的に証明されているわけではありません。あくまで民間療法のレベル治療法で、効果についても人によって評価が分かれます。
    実行するのであれば自己責任で行う覚悟が必要です。

    ■方法

    ココア浴には、砂糖などが含まれていない純ココアを使用してください。
    カルキ抜きした水に、ココアを少しずつ時間をかけて混ぜていき、最終的に濃度0.02~0.05になるよう調整します。
    同濃度になる分量は水1Lに対して純ココア0.2~0.5gです。
    砂糖などが入っていない純ココア0.02~0.05%の濃度になるように、カルキ抜きをした水道水に溶かします。同濃度になる分量は水1Lに対して純ココア0.2~0.5gです。あとは水合わせ時と同様にして飼育水と交換します。

    ■注意点

    ココアはカカオ豆から作られているので、食品としての品質には問題がなくても、生産された季節や年によって薬効成分が増減していることは十分に考えられます。よって、同じ純ココアを謳う製品であっても治療効果にバラつきが出る可能性があります。

    それから、ココア浴を行う場合は、前述した塩水浴や薬浴を併用することはできません。また、ココア浴の場合も薬効成分が吸着されてしまったり、バクテリアがダメージを受けることがあるので、フィルターの使用は避けてください。

    まとめ:魚のお腹が膨らむ!腹水病とは・グッピーや金魚などかかりやすい魚と治療


    腹水病はグッピーや金魚、メダカなどアクアリウムで人気の魚種に多く見られる病気です。

    他の病気以上に早期発見・早期治療が重要になりますので、日頃からよく観察すると同時に、魚たちにとってストレスが少なく快適に暮らせる環境を整えてあげると良いでしょう。

    もし発症してしまった場合は、塩水浴や薬浴などの治療を速やかに行ってください。進行する前に治療が開始できれば改善する可能性があります。

    腹水病は一度発症すると治療が難しく、致死率も高い厄介な病気です。状態によっては治癒できない可能性もありますので、病気の予防を心がけ、日々の観察やメンテナンスを怠らないようにすることが最も大切です。

    魚の腹水病について良くある質問

    腹水病とはどのような病気ですか?

    魚の内臓に水がたまる病気です。腹部が腫れ、白いフンをするなどの症状がみられます。
    進行すると他の病気(松かさ病、ポップアイなど)を併発することもあります。
    原因はエロモナス菌のため、治療には抗菌系の魚病薬を使用します。メダカ・金魚・コリドラスなどの魚種が発症しやすいです。

    腹水病と便秘・産卵の見分け方とは?

    • 腹水病:腹部全体が大きく膨れる。白いフンをする
    • 便秘(消化不良):腸が膨れる。フンが出ない、もしくは白や気泡入りのフンをする
    • 産卵:メスのお腹が膨れる。餌食いなどに問題がない。

    腹水病は腹部全体が膨らんでいくのが特徴です。次第に異常が一目でわかるほど、水風船のように膨らみます。

    腹水病の治療方法とは?

    • 薬餌を与える
    • 抗菌剤で薬浴する

    この2つが腹水病治療の基本となります。魚病薬は観パラDかグリーンFゴールド顆粒を使用します。
    内臓に細菌が感染した状態ですので、体内に薬効成分を届ける薬餌がおすすめです。薬餌を与える際は薬浴の濃度と合算して考え、濃くなりすぎないように気をつけましょう。

    腹水病の原因は何ですか?

    ストレスや飼育環境の悪化による免疫力の低下です。それ以外にも、古いエサを与えて罹病することがあります。
    餌は古くなると酸化して、雑菌が繁殖しやすくなります。3ヶ月~半年以内に新しいエサに買い替えましょう。
    底砂掃除の不足でも、原因菌が増えやすくなるため、しっかりメンテナンスしましょう。

     

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