

金魚をポンプなしで飼育!メリット・デメリットとおすすめしない理由
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夏はお祭りの金魚すくいなどをきっかけに、金魚飼育を始める方も多くなる季節です。
そんなときに多い質問として、「金魚はブクブク(ポンプ)がなくても飼育できるのかな?」というものがあります。
ポンプとはろ過フィルターのことであり、金魚を夏祭りなどから持ち帰った場合、アクアリウム初心者の方は飼育設備を準備していないことがほとんどでしょう。
今回は、金魚のポンプなしでの飼育について解説します。
ポンプがない場合のメリットやデメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚のポンプなし飼育について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
私たちにとって身近な魚である金魚ですが、ポンプ(ろ過フィルター)なしでの飼育はおすすめしません。
ポンプなしでの飼育ができないわけではありませんが、さまざまな理由から、特に初心者の方のポンプなし飼育は難しいものです。結果的に、「ポンプを使って飼育したほうがよかった」というケースが大半でしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚のポンプなし飼育について解説します。
金魚をポンプなしで飼育できる?
金魚は、熱帯魚などの魚の飼育をしていない方にとっても身近な生き物です。
ほとんどの方が、何らかの場面で飼育されている金魚を見たことがあるのではないでしょうか。
身近な生き物ゆえに、睡蓮鉢などで飼育されている金魚を見かけることもあるでしょう。そのため、気軽に飼える=ポンプなしでも飼える、と考えている方も多いようです。
そこで、本当に金魚をポンプなしで飼育できるのか、解説していきます。
ポンプなしでも飼育は可能だが・・・
結論から言うと、金魚はポンプなしでも飼育できますが、条件が厳しくポンプ付きの飼育に切り替えたほうがはるかに楽、ということです。
金魚すくいで持ち帰ったあと、取り急ぎ容器に移す場合にはポンプ、つまりろ過フィルターがなくても問題ありません。
ただし、長い目で見れば、確実にポンプがあった方がよいでしょう。
そもそもポンプを使う理由は、汚れをろ過して水質を維持し、溶存酸素を増やすためです。ポンプがない場合は、水質の維持と溶存酸素を増やすために、小まめな水換えが必要になります。
飼育する容器や金魚の匹数などによって水換えの頻度は異なりますが、毎日水換えが必要なこともあるほどです。
もちろんポンプがあっても定期的な水換えは必要ですが、メンテナンス性が上がり、結果的に金魚を状態よく飼育できます。
このような理由から、ポンプを使って金魚を飼育することをおすすめします。
金魚の飼育方法については、こちらのコラムも参考にしてください。
ポンプなし飼育に必要なもの
金魚をポンプなしで飼育する場合、飼育容器と水換えグッズは最低限用意しておきましょう。
ポンプなしで「手軽に飼育できる」と考えるのではなく、「ポンプなしだからこそ、必要なものをしっかり揃える」と考えるのがおすすめです。
ここでは、金魚のポンプなし飼育に必要なものについて、詳しく解説していきます。
開口部の広い飼育容器
ポンプなしで飼育する場合は、なるべく開口部の広い飼育容器を用意しましょう。
ポンプによる酸素供給がなければ、空気中から酸素を取り込む必要があります。
開口部が広く空気と接する面積が大きいほど、水中に酸素が溶け込みやすくなるのです。
金魚鉢と呼ばれるような開口部が狭い容器は、ポンプなし飼育では避けましょう。一般的な水槽や睡蓮鉢、タライのような形の容器がおすすめです。
水量の多い容器は水が汚れにくく、溶存酸素量も増えます。酸欠を防ぐためにも、水深よりも開口幅がより大きいものを選びましょう。
また、水草を植え、光合成による酸素の供給も可能です。
水換え用品
ポンプなしでの飼育は、酸素の供給と、フンや餌の残りを排出するために小まめに水変えをする必要があります。目安として、2日に1回は全換水することが前提です。
そのため、カルキ抜きやクリーナーポンプなどの水換え用品は常備しておきましょう。
水道水には、金魚に有毒なカルキが含まれています。カルキを除去するためのカルキ抜きも用意してください。
バケツなどに汲み置きして、日光にあてることでもカルキは抜けますが、カルキ抜きのほうがスムーズで安心です。
また、クリーナーポンプは底床掃除と水換えが一度にできる、便利なアイテムです。クリーナーポンプを使えば、水質も維持しやすくなるでしょう。
水換え作業をいかに効率よく行うかが、ポンプなし飼育のポイントとも言えます。
ポンプなし飼育のメリット
ここでは、ポンプなし飼育のメリットを紹介します。
東京アクアガーデンでは基本的にはポンプあり、つまりろ過フィルターを使用しての飼育をおすすめしていますが、知識として知っておくのがおすすめです。
ランニングコストが安い
ポンプを使用しない場合は電気代がかからないため、ランニングコストを比較的安く抑えられます。
長期的に見ればポンプも買い替えが必要になるので、その点でもランニングコストが安いです。
しかし、その分水換えを頻繁に行う必要があり、容器の大きさにもよりますが水道代が高くなることもあるので注意してください。
また、ポンプ導入の初期費用も抑えられる点も、コスト面でのメリットだと言えるでしょう。
このように、少しでもランニングコストを抑えたいという方は、ポンプなし飼育を検討してみてください。
一時的な応急処置ができる
金魚すくいなどで急に金魚を飼うことになった場合など、一時的な応急処置としてポンプなし飼育はおすすめです。短期間であれば、バケツなど家庭にあるものでも飼育できます。
また、病気になった個体の隔離や薬浴、水槽リセット時などの一時避難のときも、ポンプなしでの飼育は有用です。
「ポンプなしでも飼育できる」ということを理解しておけば、いざというときも慌てずに対応できるでしょう。
ただし、長期間の飼育を考えている場合は、ポンプ(ろ過フィルター)の導入がおすすめです。
もっとも簡単に使用できるポンプ(ろ過フィルター)として、上記のような投げ込み式があります。
飼育容器の大きさなどで選定しましょう。
ポンプなし飼育のデメリット!おすすめしない理由
続いてポンプなし、つまりろ過フィルターを使わない飼育のデメリットを紹介します。
メリットとデメリット、どちらも知ったうえで「金魚をポンプなしで飼育するかどうか」考えてみてください。
終生飼育が難しい
金魚は最大で13cmを超える中型魚に成長します。
成長すると餌の量に比例してフンの量も増えていくので、水が汚れやすいです。また、成長とともに飼育容器を大きくする必要もあります。
ポンプなしでは水の汚れを減らすことが難しく、その必要性を感じることになるでしょう。
ちなみに、『どんぶり金魚』という飼育方法がありますが、金魚のコンディションと水質維持のバランスを取るのが難しいため、金魚飼育を初めて間もない方にとっては難しいものです。
飼育水をきれいにするためには水換えが必要ですが、水質が急激に変わることも覚えておいてください。水換えによる水質の急変は、金魚にとって負担が大きいものなのです。
ベテランのアクアリストであれば、水質の変化を考慮しながら水換えができるでしょう。しかし、初心者の方には、水質まで考慮した水換えはなかなかハードルが高いと言えます。
幼魚のときはポンプなしでも飼育管理できるかもしれませんが、結局成長と共に大きな容器や水槽に切り替えるケースが多く、終生飼育は難しいです。
また、金魚は酸欠になりやすく、その点でもポンプなし飼育では負担が大きく大変でしょう。
水換えが大変
ポンプを使わずに、水換えだけで水質を維持するためには、こまめな水換えが必要です。
水槽の大きさや飼育個体数などにもよりますが、条件によっては水換えをしてもすぐに濁ってしまうこともあるでしょう。
また、水換えのために旅行に行けないなどの不満や、不測の事態に対応できないといったことが発生する可能性もあります。
そのため、水換え自体に疲れてしまう方も多いです。ポンプがあれば水換え作業も減らせるので、精神的にも、肉体的にも楽に飼育できるようになります。
ポンプなし飼育は手軽なように見えて、実はとても手間がかかるものです。
特に初心者が水換えのみで水質を維持するのは、かなりハードルが高いと言えるでしょう。
まとめ:金魚をポンプなしで飼育!メリット・デメリットとおすすめしない理由
今回のコラムでは、金魚のポンプなし飼育について解説しました。
なじみのある身近な魚のため、手軽に飼育できそうなイメージのある金魚ですが、長い目で見るとしっかりとした飼育設備が必要です。
金魚は設備を整えて飼育すると、大きく成長して長生きもしやすくなります。また、人にもよく慣れるので、ペットフィッシュにも向いているでしょう。
ポンプ(ろ過フィルター)なしでも飼育は可能ですが、水換えの手間や終生飼育のことを考えると、やはりポンプを使用した水槽での飼育をおすすめします。
飼育が楽で、金魚にとっても快適な環境を目指してみてください。
ほかにも金魚の飼育に関するコラムがありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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