金魚の飼い方
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初心者向け・金魚を飼う準備とは!水温、機材、水換え、餌について解説

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金魚はアクアショップやホームセンターなどでも取り扱いが多く、アクアリウム入門のきっかけになることが多い魚です。

購入するだけでなく、金魚すくいで取って連れ帰ることもあるでしょう。
金魚をお迎えする前の準備として行いたいのが、「事前に金魚の飼い方を知っておくこと」です。

飼い方や必要な飼育器具がわからないまま飼い始めてしまうと、思わぬ失敗につながることも少なくありません。
情報があれば金魚が体調を崩すのを予防したり、不要な機材を買うことがなくなります

ここでは、水温やろ過フィルター(エアレーション)、水換えなど飼育に欠かせない情報をふまえて、金魚を飼育する準備ポイント5つをご紹介します

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストによる金魚を初めて飼う際の解説


このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。

金魚飼育では、水温・水質などの環境や、飼育設備などを選んで、金魚が得意な状態を維持することが大切です。
東京アクアガーデンでも、金魚が最良の環境で飼育できるよう水槽作りを行っております

実体験から得た知識と経験、そして問題を解決してきた飼育のノウハウをふまえて、金魚の飼育を始める際の準備ポイントを5つに分けて解説していきます。

金魚の飼い方を動画で知る!

金魚の飼い方や育て方は、YouTube動画でもご覧いただけます。

東京アクアガーデンでは人気の記事やレイアウト法などを随時まとめ、YouTubeチャンネルトロピカチャンネルでご紹介しています。

水草水槽のレイアウト方法や熱帯魚飼育の疑問まで、続々アップしていきますので、ぜひご覧ください。

金魚を飼う準備1:飼育設備を用意する

金魚をお迎えする前にはまず、水槽などの飼育設備を用意しましょう。
バケツなどでも受け入れることは出来ますが、長く飼育する場合は水槽やろ過フィルターなどを使用しましょう。

金魚を飼育するために最低限必要なものは、下記の5つです。

■金魚飼育に必要な設備

  1. 水槽
  2. ろ過フィルター
  3. カルキ抜き
  4. 金魚用の餌
  5. 水温計

シンプルな設備で飼育できるのも、金魚の魅力です。
必要な機材はアクアショップやホームセンター、通販などで購入できますし、1つにまとめられた「金魚水槽セット」も販売されていますので入手は難しくありません。

金魚水槽セットについては、こちらのコラムをご覧ください。

金魚飼育にはろ過フィルターが必須

金魚は餌をよく食べフンをたくさんする「水を汚しやすい魚」ですので、飼育水を浄化する、ろ過フィルターが必要です。

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金魚飼育を手軽に始めるには、上記のような『投げ込み式フィルター』がよく採用されます。泡が出る見た目から「ぶくぶく」と呼ぶ方も多いのではないでしょうか。

投げ込み式フィルターの内部はウールマットと砂利の層に分かれ、中央に水流を生むエアストーンが配置されています。

■投げ込み式フィルター部品の役わり

  • ウールマット:汚れをこし取る(物理濾過)
  • 砂利:水をきれいにするバクテリアの住処になる(生物濾過)
  • エアストーン:水流と酸素を供給し、バクテリアを活性化させる(エアレーション)

ろ過フィルターによって水が汚れるペースが抑えられるため、水質悪化が原因の体調不良や病気を防ぐことにつながります。それだけではなく、ろ過と同時に水中に酸素を供給できますので、酸欠対策にも効果的です。

投げ込み式フィルターは本体の他にエアーポンプとソフトチューブが必要になりますので、忘れず用意しましょう。揃えるのが手間な場合は、セットになっている商品がおすすめです。

金魚を飼う準備2:金魚の得意な水質を知ろう

金魚は、日本の水道水と同じ水質で飼育できる魚です。そのため、水道水をカルキ抜きすれば、すぐに飼育水として利用できます。
金魚は中性の水を好みますので、特に水質調整などを行わなくても、カルキさえ抜けていれば問題ありません。

とはいえ、長期間にわたって金魚の体調を管理していくためには、次の3つを意識しすると良いです。

■金魚の体調管理ポイント3つ

  1. 水温が安定しているか
  2. ろ過フィルターが適切か
  3. 水換え・掃除の徹底

金魚は水温の変化によって体温が変わる変温動物ですので、水温の上下が活性に影響します

ろ過フィルターは水をきれいにするだけでなく、魚が水中で過ごすために必要な酸素を供給します。
水換えは汚れた水をきれいな水に換える作業で、金魚の飼育には欠かせません。

汚れた水で飼育すると体調を崩したり、病気になったりする可能性があります。

具体的に解説していきますので、金魚の飼育にお役立てください。

金魚を飼育するための適正水温は15~28度

金魚の適正水温は15~28度です。

水温計を設置し、金魚が住みやすい温度であるかを『水温計』で確認しながら飼育を行いましょう

5~35度でも死んでしまうことはありませんが、水温が5度前後になると活性が下がって冬眠に入るため、餌も食べずほとんど動かなくなります。

冬眠させるためには準備が必要で難易度が高いため、室内飼育では通年冬眠させずに育てます。
また、連日30度を超えると金魚が消耗してしまいますので、水槽用冷却ファンを使用したり、風通しを良くしたりして、水温が上昇しないようにしましょう。

適正温度から外れる場合は、状況に応じて上記のような水温を調節する工夫が必要です。
ちなみに、水槽用ヒーターを導入して水温を上げることで一年中、元気に泳ぐ姿を観賞できます。

■金魚を大きく育てるのであれば20~28度

金魚を大きく育てたい場合は水温を20~28度に保つ方法が効果的です。

適正温度でも問題なく飼育できますが、15~20度よりも20度以上に保つ方が活性が上がり、餌もよく食べ大きく育ちます。ただし、餌の量が増えるとフンが増えて水が汚れやすいため、こまめな水換えが必要です。

また、飼育スペースが広いと大きく成長しやすいことから、60cm以上の水槽で少ない数を飼育すると大きく育ちやすくなります。

金魚を飼う準備3:金魚水槽の水換え方法を知ろう

水槽で金魚を飼育しているとフンなどをすることで水が汚れていくため、定期的な水換えが必要です。

■金魚水槽の水換え目安

2週間に一度、水槽の1/3程度の水量を交換します。

多量の水を一度に換えると水質が急変して体調をくずしてしまったり、ショック症状(pHショック)を起こしたりする可能性がありますのでご注意ください。

同様に水温の変化も金魚にとって良くないため、あらかじめ水温を調整した水や、水槽の横にバケツにためた水を置いて水温を合わせてから使いましょう。

水換えの頻度は飼育数や金魚のサイズ、季節によって変わります。1週間に一度換えるのがベストである場合もあります
金魚の飼育数が多い・金魚の体長が大きい場合はフンが多くなり、水の汚れるスピードが速いです。

水温が高い夏は水が悪くなりやすいこともあって、こまめな水換え・掃除が大切になってきます。

一方で、水温が低下する秋~冬は3週間ごとの水換えでも問題ないことが多いです。

注意点としては、

  • 金魚の数が多い
  • 金魚の体長が大きい
  • 与える餌の量が多い
  • 水槽が金魚に対して小さい(水量が少ない)
  • ろ過フィルターのろ過能力が弱い

といった場合は通常よりも水が汚れやすいため、水換えの頻度を増やします。

水換えの際は『プロホース』などのクリーナーポンプを使うと水の排出作業と同時に、砂利掃除も行えるため、重宝します。

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砂利には、フンや餌の食べ残しなどの汚れが蓄積します。
金魚は砂利をついばむ性質から、底床が汚れていると病気などのトラブルを起こしやすいです。
熱帯魚飼育では、徹底しないほうが良い場合もありますが、金魚飼育の場合はしっかりと清掃を行いましょう。

水道水はカルキ抜きしてから使う

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先述しましたが、金魚は水道水の水質で十分に育てられますが、カルキ抜きは必ず行います。
水道水は魚にとって有害なカルキ(塩素)を含んでいるため、『カルキ抜き』を添加してから使いましょう。

カルキ抜きには液体と固形タイプがありますが、使用する水量に合わせて軽量しやすい液体タイプがおすすめです。添加量は容器の側面やフタに記載してあります。

また、手間でなければバケツに水をくんで日の当たる場所に1~2日置いておくことでカルキを抜くことができます。

カルキ抜きした水を作成する際には、水温が飼育水と同じになるようにしましょう。
飼育水から-1度以上冷たい水温や、+2度以上暖かくなる水温だと、金魚にダメージを与えてしまいます。

給湯器のお湯と水で水温を調整してからカルキ抜き剤を投入すれば、水温がほどよい飼育水が簡単に作れます。

■水換えの頻度を低くするなら上部式フィルターでろ過しよう

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金魚水槽には投げ込み式フィルターを使うことが多いですが、水換えの頻度を下げたい場合は『上部式フィルター』をおすすめします。

ろ材を入れるスペースが広いため、投げ込み式フィルターと比較してろ過能力が高いです。

水槽サイズに対してろ過フィルターが小さい・金魚の数が多いなど、水が汚れやすい要素が揃っている場合には上部式が向いています。

投げ込み式と比べて、水槽内のレイアウトを邪魔しないのもメリットです。

アクアガーデンが金魚水槽を設置する場合は、上部式もしくは外部式フィルターを使用しています。

しかし、外部式フィルターは金魚と相性はあまり良くなく、別途エアレーションが必要なケースがほとんどですので、金魚飼育では一般的ではありません。

上部フィルターについては、下記のコラムをご覧ください。

金魚を飼う準備4:金魚の餌と活性化について知ろう

金魚飼育では飼育水・設備、そして『餌』も大切な要素です。
金魚を活性化させるためには、先ほどご紹介した水温を保つことに加え、消化の良い餌を与えます。

金魚の餌やりは1日1~2回、3~5分で食べきれる量を給餌するのが目安です。

金魚の品種ごとに向いている餌は異なるので、栄養バランスに優れた顆粒状やフレーク状の人工飼料を選びましょう。

体が長い和金タイプの金魚には浮上性が、丸い体型の琉金タイプの金魚には沈下性の餌が向いています

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より大きく育てたい場合は、人工飼料を中心に嗜好性の高い生餌を併用する方法をおすすめします。

  • 冷凍赤虫
  • 冷凍イトミミズ
  • ミジンコ

といった生餌はタンパク質が豊富なうえに嗜好性が高く、肉付き良く大きく育ちやすいです。
なかでも、食いつきが良いのが冷凍赤虫です。

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ただし、生餌だけは栄養素が偏ってしまいますので、人工飼料でバランスを補いましょう。
大きく育てる場合は、1日3回、少量ずつ給餌します。うち2回人工飼料、1回は生餌にするとバランスよく給餌できます。

しかし、金魚を活性化させて大きく育てることも大切ですが、餌を与えすぎると消化不良につながり体調をくずしてしまうこともあります。

■金魚が消化不良になった際の症状

  • フンが長く、ぶら下がっている
  • フンが浮いている
  • フンに気泡が入っている
  • フンが白い・透明
  • 元気に泳がない※ など

※金魚が底に沈んでいる場合は、別の体調不良の可能性があります。

主に、フンの状態を確認することで消化の状態が分かりますので、様子がおかしいと感じたら確認しましょう。

白いフンや浮いてしまうフンが続いた場合は、3日間ほど絶食させることで調子を整えられる場合があります。
与える量には細心の注意を払い、食べ方や泳ぎ方など様子を見ながら給餌をしてあげてください。

金魚を飼う準備5:金魚水槽のレイアウトを知ろう

金魚は、水草や特別なアクセサリー・レイアウトアイテムがなくても飼育できます
理由として、下記のことが挙げられます。

  • 金魚は草食性があり、水草を食べてしまう
  • ヒレが長く、レイアウトアイテムの角に引っ掛けやすい
  • フンが多いため、汚れがたまりやすい

このことから、ベアタンク(底砂利も敷かないシンプルな飼育水槽)で飼育を行う方もいます。
水草は、金魚が食べられることに気付くとかじってしまうので、おやつとして扱いましょう。

底砂利は、レイアウトとしてだけでなく、ろ過バクテリアの住処にもなる有用なアイテムです。
投げ込み式フィルターは砂利に埋めることでろ過能力が上がりますので、投げ込み式を使用する場合は敷くことをおすすめします。

金魚水槽の底砂利には『大磯砂』が向いています

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硬質で繰り返しのお掃除に強いですし、金魚の好む中性(pH7.0程度)傾向に安定しやすいです。
表面の凸凹も多いため、ろ過バクテリアが定着しやすく水質安定にも役立ちます。

しかし、底砂利だけで物足りなさを感じてしまいがちです。
そのようなときは、水草の種類などに気を付ければ、金魚水槽でもレイアウトを楽しめます

アクアガーデンでは、金魚が食べにくい水草・引っ掛かりにくい岩などを使用して、レイアウトを作成しています。

  • アヌビアス・ナナ
  • バリスネリア・スピラリス
  • 人工水草

これらの水草は、かじられる心配がありません
マツモやアナカリスなどの『金魚藻』と呼ばれる水草は、柔らかく相性が良いのですがあっという間に食べられることが多いです。

金魚水槽のレイアウトは、下記の設置事例をご参考になさってください。

まとめ:初心者向け・金魚を飼う準備とは!水温、機材、水換え、餌について解説


今回は、水温やろ過フィルター(エアレーション)、水換え方法など、金魚の飼い方・育て方を解説しました。

水温は金魚の体調や活性を左右しますので、特に注意を払います。消化不良が続くようでしたら、水温を高めにしてあげると回復しやすいです。
ろ過フィルターや水換えは水質をきれいにしたり、飼育環境を安定させる効果が期待できます。

どちらも金魚を飼育する環境づくりのベースになりますので、最適な状態に保つようにしましょう。

【関連記事】

金魚飼育について良くあるご質問

金魚飼育は簡単ですか?

金魚は日本の風土にあった丈夫な観賞魚です。

特に和金タイプは強健で長生きしやすく、初心者にも向いています。
常温で飼育可能・特別な設備も必要ないので、飼育は簡単な部類と言えます。
フンが多い魚なので、掃除はこまめに行うと病気などのトラブルを防ぎやすいです。

金魚の飼育水槽におすすめのサイズとは?

金魚は水を汚しやすい魚なので、60cm水槽程度のサイズがおすすめです。

余裕ある水量での飼育が長生きに繋がりますので、最低でも横幅45cm以上のサイズが向いています。
金魚は約15cmほどに成長するため、十分な広さを確保しましょう。

金魚に与える餌の量が分かりません

1日1~2回、3~5分で食べきれる量を与えますが、少ないと思える程度の量が良いです。
与えすぎると消化不良を起こしてしまうため、金魚のお腹の膨らみを確認しながら調節します。
フンが浮く・フンが長いなど、消化不良の症状がみられた場合は、3日ほど絶食させて調子を整えます。

金魚の病気を治すにはどうしたらよいですか

金魚は身近な観賞魚のため、多くの病気が知られています。

 

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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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