金魚を長生きさせるには!方法とポイント、病気予防についてを解説
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日本で昔から飼育されてきた金魚は、熱帯魚に比べて日本の気候に適応しやすく、丈夫で飼育がしやすい観賞魚です。
また、長く飼育できる魚としても知られており、最もポピュラーな和金という品種で平均寿命は5年、大切に育てれば30年近く生きることもあると言われるほどのポテンシャルを秘めています。
この長生きの秘訣はずばり飼育方法にあり、金魚にあった環境を維持してあげることで長期飼育が可能となるのです。
ご縁があって飼育することになった金魚ですから、できるだけ長生きできるよう快適な環境を整えてあげましょう。
ここでは、金魚を長生きさせるポイントと病気予防についてを解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに金魚を長生きさせる方法と病気予防についてを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
丈夫で水温の変化に強い金魚は、比較的長寿な観賞魚です。
病気にならず健康を保てる適切な飼育環境を維持してあげることが長生きの秘訣ですので、ポイントを押さえて長期飼育を目指しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、金魚を長生きさせる方法と病気予防についてを解説します。
金魚を長生きさせるには!方法とポイント
金魚を健康に長生きさせるには、適切な飼育環境を維持することが最も重要です。
ここでは、金魚の長期飼育のポイントとして、
- 長生きできる飼育環境
- 掃除のポイント
- 金魚が好む水づくり
の3点について解説します。
金魚を長く飼育できる環境とは?
金魚を長く飼育する環境を整えるためには、適切な設備選びが欠かせません。
まずは金魚を飼育するために必要な物をご紹介します。
日本で長年親しまれてきた金魚は、日本の水質や気候に適応しているため、設備自体はかなりシンプルです。
ただ、金魚は思いのほか体が大きく成長するため、飼育を始める時点で成長後のサイズを考えた水槽や設備を用意しておくと良いでしょう。
水槽
金魚は大切に飼育すると、長生きして体長15cmを超える場合もあります。最初は小さな金魚だとしても、成長後のサイズを考慮して水槽を選びましょう。
水槽サイズは、金魚の体長1cm辺り2L~3Lを目安に計算します。
例えば、10cmの金魚を1匹飼う場合には、20L〜30Lの水が入る水槽が必要ですので、最低でも30cmキューブ水槽や45cm水槽を準備しましょう。
ろ過フィルター
ろ過フィルターは、水槽の水をろ過してきれいにしたり、水中に酸素を供給したりする装置です。
酸素だけを供給するエアレーションというものもありますが、金魚は餌をよく食べてフンをたくさんする、水を汚しやすい魚ですので、長く飼育するならばろ過フィルターを設置しましょう。
ろ過フィルターにはろ過の仕方や設置方法によっていくつかの種類がありますが、金魚水槽におすすめなのは、上部フィルターか投げ込み式フィルターの2種類。
どちらも水中に酸素を多く供給できて、程よいろ過能力を備えているので、金魚水槽を維持するのに最適です。
水温計
幅広い水温に適応できる金魚ですが、それでも水温管理は必要です。必ず水温計を設置していつでも水温を確認できるようにしておきましょう。
金魚にとっても最も快適な水温は20℃〜25℃前後で、34℃以上の高温が続くと体調を崩しやすくなります。特に夏場は水温が上がりがちなので、水温が高い場合は、冷却ファンなどを使って水温を下げるようにしてください。
反対に水温が低い場合ですが、室内であれば特に加温の必要はありません。
ただ、低水温下では活性が下がり食欲も落ちますので、餌を減らしたり消化によい餌に切り替えるなど、消化不良を起こさせない対策をするのがおすすめです。
その他のアイテム
必須ではありませんが、飼育スタイルや環境に応じて以下のアイテムも使用すると、管理がしやすくなり鑑賞性が上がります。
- エアレーション
- 水槽用照明
- 水草やレイアウトアイテム
金魚は酸欠なりやすい魚でろ過フィルターを使用していても、水中の酸素が不足してしまうことがあります。口を水面でぱくぱくしているなど酸欠時に現れる仕草がみられるようならば、追加でエアレーションを設置しましょう。
水槽用照明は金魚をきれいに見せる効果があるほかに、点灯する時間と消灯する時間を作って明るさにメリハリをつけることで、金魚のバイオリズムが整い健康を維持する効果が期待できます。
水草やレイアウトアイテムは水槽の鑑賞性をあげるのに最適です。
金魚には草食の性質があるため、水草はおやつ代わりにもなります。もし食べられてしまいたくないときには、人工水草やアヌビアス・ナナなどの葉の硬い水草をレイアウトするのがおすすめです。
金魚飼育は掃除が大切!
金魚は大食漢でフンが多い水を汚しやすい魚ですので、水槽内の掃除が欠かせません。
汚れた水の中で飼育を続けると、元気がなくなってしまいますし、菌が蔓延して病気や体調不良を引き起こすこともあります。
ろ過フィルターを設置していれば、ある程度は水質を保ちやすくなりますが、やはりそれだけでは取り除ききれない汚れがありますので、人の手で掃除をしてあげましょう。
水槽掃除には大きく分けて、水換え、底砂掃除、コケや汚れを落とすの3種類です。
水槽をセットして間もない時期には、1週間に一度、水質が安定しているようならば2週間に一度を目安に、汚れ具合や飼育数に合わせてメンテナンスを行います。
金魚は新しい水を好む魚ですので、特に水換えは必須です。新鮮な水を供給することで、ストレスが減り、結果として金魚の長生きに繋がります。
金魚が好む水作り
金魚が好む水作りといっても、複雑な工程は必要ありません。
日本の水質になじんでいる金魚は、基本的にはカルキを抜いた水道水で飼育することができます。
バクテリア剤や粘膜保護剤などの水質調整剤は、金魚に良い影響を与えてくれますので、必要に応じて添加すると良いです。もちろん、水質が安定しているならば特に使用しなくても問題ありません。
ただ、水質や水温が急変する環境は金魚の負担になりますので、水換えで新しい水を入れるときには入れ方に注意しましょう。
水質の急変を避けるため、交換する水量は全体の1/3程度に留めます。
また、新しい水と水槽の水の水温を予め合わせておくと、水温の変化が少なくなり金魚の負担が少なくて済みます。
餌は控えめにしよう!
金魚は食欲旺盛で、餌を与えるだけ食べてしまいます。そのため、金魚を長生きさせるには、飼育者が餌の量を適正に管理してあげることが大切です。
餌の与え過ぎは消化不良を引き起こします。消化不良を起こすと内臓に負担がかかり、それがきっかけでその他の病気を併発することも多いです。
特に、琉金やオランダ獅子頭などの丸い体形の金魚は消化不良を起こしやすいので、餌は控えめを意識しましょう。
目安としては、金魚が1分ほどですべて食べきれる程度の餌を与えるのがベストです。
1回の餌やりで満腹にするのではなく、腹七分目くらいに調整して1日2、3回に分けて餌を与えましょう。
長生きを目指すならば単独飼育がおすすめ
穏やかな性格の金魚は混泳水槽でも問題なく飼育できますが、長期飼育を考えるならば、一つの水槽に1匹だけを飼育する単独飼育がおすすめです。
繰り返しになりますが、金魚は水を汚しやすい生き物のため、飼育数が多ければそれだけ水が汚れやすくなってストレスが掛かります。
また、金魚には特に群れる習性もないため、1匹の方がのびのびできるのも大きなポイントです。
鑑賞性の面を考えると少し寂しく感じるかもしれませんが、単独飼育で愛情を一心に注いであげれば、それだけ長生きしてくれるでしょう。
底砂利を敷く・敷かない理由
金魚を長生きさせるための環境づくりでは、底砂利の有無も重要なポイントです。
水槽の底砂利を敷く・敷かないどちらにもメリットがあるため、環境を維持するためには双方の利点を理解したうえで、ご自分の飼育スタイルに合った方法を選ぶことをおすすめします。
底砂を敷くとバクテリアが定着する
底砂を敷く一番のメリットは、底砂がバクテリアの住処となり、水質が安定することです。
バクテリアは、金魚のフンや餌の食べ残しを分解して水を浄化してくれる微生物で、主にろ過フィルターの中のろ材や底砂に住みついて増殖します。
バクテリアが多く活発な水槽は、水が汚れづらくなって水質が安定しやすいです。きれいな水を維持しやすくなるため、金魚も病気にかからずに元気に育つことができます。
また、底砂を敷いて金魚を飼育する場合におすすめなのが、底面フィルターや薄型の投げ込み式フィルターを底砂の中に埋めて使用する方法です。
フィルターから発生する水流が底砂の中を循環するため、砂の中に程よく酸素が行き渡りバクテリアの活動を助けてくれます。
ただし、底砂を敷くと中に汚れが溜まりやすくなるので、水換えの際に底砂を一緒に掃除するようにしましょう。
底砂を敷かないと掃除が楽
底砂を敷かずに金魚を飼育する一番の利点は、楽に掃除ができることでしょう。
金魚のフンや餌の食べ残しを見つけやすいですし、気づいたときにすくい出せば、水が汚れづらくなります。
また、底砂にたまる汚れは”嫌気層”と呼ばれ、掃除を怠ると病気の原因となる菌の温床になりやすいです。
そのため、底砂を敷かないことで嫌気層ができない環境を作り病気を予防するという、とても理にかなったとてもシンプルな飼育法といえます。
ただ、隠すものがなく汚れやゴミが目立つため、鑑賞性を保つためにはこまめな掃除が必要です。
金魚の病気予防について
金魚を長生きさせるには、体調変化に早く気付いて、病気を予防することが重要です。
特に、金魚を新しくお迎えした時には、最初の数日間は泳ぎ方や体表の様子をよく観察しましょう。
様子のおかしい金魚がいたら、速やかに隔離して適切な治療を行うことが大切です。
ここでは、金魚がかかりやすい病気の症状と対処法をご紹介します。
白点病・寄生虫について
白点病を代表する寄生虫に寄生されたことで発症する病気は、飼育を始めたばかりの頃や、新しい生体を水槽に入れた直後に起こりやすいです。
- 体を壁面やレイアウトにこすりつけるような泳ぎ方をしている
- 体表に白い点や小さな出来物、充血などの症状がみられる
などの症状がみられるときは寄生虫感染を疑いましょう。
寄生虫による病気は、病魚を別容器に隔離後、症状に合わせた薬を使って薬浴を行います。
水槽内で複数の金魚に症状が出ている場合は寄生虫が蔓延している可能性があるため、水槽全体を薬浴してトリートメント期間を設けましょう。
エラ病
エラ病は金魚のエラに発生する病気の総称で、原因は、
- カラムナリス菌などによる細菌性のもの
- 寄生虫・繊毛虫に寄生されたことによる非細菌性のもの
の2つが考えられます。
原因によって治療法が異なるのですが、どちらの場合も、頻繁に口を水面に出してパクパクする酸欠のような仕草や、動きが鈍い・底でじっとしているなどの症状を見せるため、初期で原因を判断するのは非常に困難です。
そこで、エラ病と思われる金魚を見つけたら、まずは隔離して塩水浴で自然治癒力の回復を試みましょう。
塩水浴を開始して2日程度で症状の回復が見られない場合は、薬浴に切り替えます。
どの薬を使うかが難しい所ですが、エラ以外の口やヒレにも異変が出ているようならば細菌性のエラ病の可能性が高いため『グリーンFゴールド顆粒』を、他に異変が見られない場合は非細菌性の寄生虫駆除剤、というような基準で判断してみてください。
細菌感染症について
細菌感染症は、エロモナス菌やカラムナリス菌などの水中常在菌に感染して起こります。
どちらも、体表やヒレが炎症を起こしてボロボロになる、体内の水分調整がうまくいかず鱗が逆立つなど、体内・体外に様々な症状があらわれる厄介な病気で治癒が難しいため、可能な限り早期に治療を開始します。
細菌感染症の治療は、病魚を速やかに隔離後、『観パラD』や『グリーンFゴールド顆粒』などの抗菌剤を使った薬浴がメインです。
また、水質が悪化していることが考えられますので、水槽内の水換えや掃除を行いましょう。
細菌感染症の原因となる水中常在菌は水中に常にいる菌で、健康な金魚ならば病気を発症することはありません。
そのため、これらの病気が発生する背景には、
- 水が汚れている
- ストレスや消化不良などで金魚の免疫力が下がっている
といった、環境の悪化やささいな体調不良が潜んでいることが考えられます。
定期的に水換えをして環境を維持する、餌のやり過ぎや水温の低下による消化不良を防ぐなど、普段のお世話が予防になりますので、金魚の様子をよく観察し、適切に対処することが大切です。
まとめ:金魚を長生きさせるには!方法とポイント、病気予防についてを解説
今回は、金魚を長生きさせる方法とポイント、病気予防についてを解説しました。
金魚は元来長寿な生き物で、環境さえ整えてあげれば長期飼育が可能です。
金魚を長生きさせるためには、こまめに掃除・水換えを行い、餌は控えめに与えましょう。
底砂を敷くことにはメリット・デメリットがありますので、好みに合わせて底砂を用意してください。
金魚の病気を予防し早期発見するためには、毎日観察することが大切です。
愛情を持って毎日世話を続けるなら、きっと金魚も長生きしてくれることでしょう。
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